第11話:ラブドールからの。

「だいたいおまえ、私の家になにしに来たんだよ」

「私を抱きたいから来たんだろう・・・さっさとハグして気持ちよくなったら帰れ」


「ムードもなにもないですね」


「拓は、そう言う女を好きになったんだから責めるんなら自分を責めな」


「はいはい、じゃ〜お言葉に甘えて遠慮なくハグせてもらいます・・・」

そう言うと拓人はおもむろに那月を抱いた。

めちゃぎこちなく・・・。


「あ〜めちゃ気持ちいい・・・癒されるわ〜、プニプニだし」

「あの先輩も抱き返してくれないと、棒みたいに突っ立っていられたら

ラブドール抱いてるみたいです」


「え?そんなの抱いたことあるのか?」


「はいダチが持ってるやつ・・・ついでにエッチさせてもらいました」


「わ〜最低・・・この浮気もの〜」


「離せよ・・・もう抱かせない」


「なんでですか、相手はラブドールですよ?それに向こうの方が先輩より

先だし、人形ですよ、人形」


「拓、不潔・・・人形とエッチなんかして」


「不潔じゃないって、ダチが使ったあと、ちゃんと洗剤で綺麗に洗って消毒

して使いましたし・・・」


「おえ〜っキモ〜」

「触るな、触るな・・・私に触るな!!」

「私より人形の方が先なんて許せない」


「いやいや、ただの人形ですって・・・生きてる女じゃないですから」

「なんで、ラブドールでそんなに怒られなきゃいけないんですか」


「私だけかと思ったのに・・・」


「しつこい!!・・・あいてはラブドールです」

「なに?ラブドールにヤキモチ妬いてるんですか先輩」


「人形なんかにヤキモチ妬くか、アホ」


「あのですね、もう過ぎたことなだし今更文句言ったってしょうがないでしょ?」


「だってよ・・・」


「分かりました・・・悪かったです・・・ラブドールと浮気して悪かったです」

「ハグさせてもらったし俺もう帰ります・・・なんか微妙に疲れました」


「帰るのか?」


「不潔〜とかキモいとか触るなって言われながら、いたくないでしょ?」


「怒ったのか?」


「怒ってないですよ、でもそんなことで、いちゃもんつけられたら俺だって

面白くないですよ・・・たかが人形くらいで、俺がまるで彼女を裏切った

不届き者なやつみたいじゃないですか」


「エッチしたなんて言うから、ちょっとびっくりしただけだよ・・・私も

悪かったよ・・・だから帰るな」


「帰る・・・もういい・・・・」


「やっぱ怒ってんじゃん?」


「・・・・・・」


「拓、やっぱり怒ってる・・・ちょっと待て」


「ん?・・・なに?なにしてるんです」

「先輩、なに、制服の上着脱いでんですか・・・なにしようっての?」


「エッチの練習のリベンジさせてやるから・・・」


「それで機嫌直せ」


「いいんですか?」


「うん・・・さっきの埋め合わせ」


「無理しなくていいんですよ?」


「いい・・・拓の好きにして」


「好きにしてって・・・そんなこと言ったら練習とかじゃなくてまじで入れ

ちゃいますよ」


「うん、いいよ、入れられるもんなら入れてみ?」


売り言葉に買い言葉で、拓人はそのまま那月をソファに押し倒した。


「まじで、いいんですね?」


「うん」


そう言われて拓人は那月のスカートをめくってパンツを脱がしたところで・・・

そこで手が止まった。


「まじで?・・・先輩、俺を引っ掛けたでしょ?」


「ラブドールとなんかエッチするからだよ」


「まだ言ってんですか?」

「俺はさ、まじで赤いのダメなんですよ」


「さすがに生理の時はできないか?拓」


「先輩・・・ふざけるないでください・・・これじゃ俺がバカみたいじゃ

ないですか」

「つい先輩とヤれるってその気になって・・・めちゃハズいし・・・」

「あ〜もういい、今度こそ帰る・・・明日は先輩ひとりで学校へ行ってください」


「拓〜・・・」


「そんな甘えた声出したってもう〜引っかかりませんから」


「あのさ、約束」

「生理が終わったら、やらせてやるから・・・」


「まじ?・・・あ〜危ない危ないその手は桑名の焼きはまぐり


「うそじゃなくて・・・今度は本当・・・大事な彼氏を騙したりしないよ」


「本当に本当ですね」

「だけどグロいから嫌なんでしょ?キモいんでしょ?俺のパトリオット」


「私が目を閉じてる間にミサイル「パトリオット」撃っちゃえばいいじゃん」

「その変わり目標はずすなよ」


「じゃ〜誘導してください」


「やっぱりヘタレ」


「ああ、だけど一週間待てないです・・・だから今やっちゃっていいすか?」


「ソファー真っ赤になっちゃうからマズいって」


つづく。







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