-陰陽部-幽霊退治とか聞いてないんですけど!?

額田兼続

-1- 入学式だよ!遅刻だよ!

わたしはれいしょうさくら

2週間前、晴れて小学校を卒業した。

今日は入学式。

遅刻しないようにって朝6時にアラームかけてたのに-

「わー!遅刻だぁ!」

髪の毛ボサボサ、朝ごはんもろくに食べてない。

「お母さん!なんで起こしてくれなかったの!?」

「中学生になったら一人で起きる、って言ってたのは誰だっけな?」

「お兄ちゃんがアラームいじって壊したからでしょ!」

「朝から喧嘩しない!」

ああ、お父さんに叱られてしまった。

「起こさなかったことは謝る。ごめんね。でも遅刻するよりそんな髪ボサボサで行った方がお母さん恥ずかしいんだけど」

ああっ!

幸い私が朝食食べてる間にお母さんが髪とかしたりしてくれたけど入学式開始まで後20分しかない!

中学校は家から歩いて10分。

しかし服もまだパジャマなので着替えないとだし!

本当に間に合うかな!?


◯⚫︎◯⚫︎◯


「間に合ったぁ……」

入学式開始まで後3分。

ギリギリ間に合った。

「どうした?こんなギリギリになって。桜らしくないじゃん」

親友の山村やまむら胡桃くるみが優しく話しかけてくれる。

私の幼馴染で、幼稚園の頃からずっと仲が良い。

自慢じゃないけどいつもクラス一番に着いた私。

ギリギリになって驚かれるのは当然だ。

「うん、ちょっとね……お兄ちゃんがアラーム壊して」

「どんまい。まあ桜のお兄ちゃんがしそうな事だしね」

「うん……」

くっそぉ、お兄ちゃんめ。

高校の入学式、同じようにアラーム壊してやる。

「あ、ケイ」

「桜と胡桃か」

彼はぞのけい

私のもう一人の幼馴染。

小学校6年間ずっと同じクラスだ。

「新入生の皆さん」

校長先生だ。

辺りはしんと静まる。

もう結構お婆ちゃんな見た目。


◯⚫︎◯⚫︎◯


えっと。

校長先生の話長くて、寝ちゃいました。

胡桃が起こしてくれたから恥をかかずに済んだけど。

胡桃が簡単に説明してくれた。

藤壺ふじつぼちゅうは部活に力を入れてて、絶対に部活に入らなきゃいけない…ってこと?」

「そう。寝ちゃだめだよー」

「ごめん。胡桃?良かったら部活の見学行かない?ケイも」

「賛成!ケイは?」

「まあ…予定無いし」

「じゃあレッツゴー!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

-陰陽部-幽霊退治とか聞いてないんですけど!? 額田兼続 @Nekofuwa-jarashi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ