第25話 僕の名は…(終) ないっすよ!

「ないっすよ! 」

「何が…」

「ないんです! 」

「何がないんだ…」

 

「私の席が

 私の名前が…

 システム室の座席表から…

 消えているんです! 」


 ちょっと怒ってました。


 消すか…?

 異動じゃないんだから…


 本社の座席表に載ったときだって消えてなかったのに! 


「え…! 」

 僕のあまりの剣幕に驚く室長…


「矢作さんに連絡します! 」


「あ…ああ…」

 早速内線を手にする僕。

 そこに小林さんが入ってきたので朝の挨拶をします。

「本社どうだった…」

 少しだけお話。


 席を外す室長。


 なんだっけ…

 ああ…矢作さんに連絡するんだ…


 内線

「矢作さん…座席表から僕の名前が消えています! 」


「あ…ごめん…今入れて掲示するね…」

 落ち着いている…

 うろたえていない…?


「堀さん…」

 小さい声の矢作さん

「聞こえる…? 」

「ええ…」

「この前ね…室長に言われたの…」

「何がですか…」

「今、堀さんいないから座席表から消しておいて…って」

「室長が…? 」


「今ここに来てね…至急戻してくれって…」

「はぁ…」

「堀さんいない間も内線が多くて…」

「はぁ…」


「だから消しておいたらしいけれど…

 今日すっごく怒ってたんだって…? 」

「ええ…」


「内緒ね…」

「はい…」



 僕の名は…


 数十分後に戻りました。



 僕の名は… 終わります。

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サラリーマンライフ @J2130

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