夢のカーテン
天川裕司
夢のカーテン
タイトル:夢のカーテン
私はある日の夜、超常現象に出会ってしまった。
それまでパソコンのYouTubeで見ていたきれいな星空。
そこにはオーロラも出ていて、
「こんなきれいな夜空、いちどでいいからナマで見てみたいなぁ」
と思って、ベッドに潜り込んだ後。
いつものようにベッド横にあるベランダの戸が
ちゃんと閉まっているかどうか確認しようと
カーテンを開けた時の事だった。
バッとカーテンを開けると、
「え!?…なにこれ…」
窓の向こうにはオーロラが見え、きれいな星空で充満していた。
「え?え!??」
ここは日本。しかも信州で、オーロラなんて見えるはずがない。
「今、私は何を見てるの?」
と思いつつ、いちどカーテンを閉めてもう1度開けて見たとき、
「あ、消えちゃった…」
いつも見ていた普通の景色がそこにある。
それからと言うもの、何か定期的にではあるが、
同じように願いを込めてカーテンを開けると、
自分が見たい景色をその窓の向こうに見ることができたんだ。
「うわぁ…きれいな夜の景色…。あ、魔女が向こうを飛んでる?」
『魔女の宅急便』を原作で読み、
またジブリアニメでも見ていた私はそれに感化され、
「そんな魔女が飛んでる優雅な夜を見てみたい」
と思ってカーテンを開けてみたところ
その景色が飛び込んだのだ。
「このカーテンもしかして…」
何か特別な力を秘めたカーテンだったのかもしれない。
それから数日後。訪れて欲しくなかった転機が訪れたのだ。
「ねえお願い!そのカーテンだけは捨てないでよ!」
父「何を言っとる、新しいカーテン買ってきてやったんだからこれをつけろよ」
部屋の大掃除をしたとき。
父さんと母さんは自分たちの家の模様を変えるついでに
私の部屋のレイアウトも全部変えるつもりだったらしい。
確かにそれまで付けていたのは古いカーテン。
所々に汚れが目立ち、飼い猫の爪の跡もしっかり残されている。
仕方なく親には逆らえず、私はそのカーテンを捨てることに。
(ある夜)
でもそんなある夜のこと。
「もう見えないだろうなぁ、見せてくれないだろうな…」
と思ってカーテンを開けてみたとき、
「え??またオーロラ??あ、魔女も飛んでる!?」
前と同じ夜が見たいと思って
カーテンを思いきって開けてみたら
その夜を見ることができたのだ。
でも前のカーテンとはもう違う。
「どうして?なんで?」
と思っていたら、そのカーテンにぼんやり顔が現れ…
カーテンさん「フフ、僕はどこにも行かないよ。たとえカーテンが変わってもね。僕は一種の精霊だから、カーテンに乗り移ることもできるんだ」
カーテンさん「君がいろんなことを願う以上、君のそばに居てあげる。まぁずっとってワケにゃいかないかもしれないけどね♪」
カーテンさん「ちょっと景色を用意するのに準備も要るから、素材が手元にある以上、君の夢を叶え続けてあげるよ」
そう言って、顔はまたぼんやり消えた。
定期的に見せてくれていたのはその素材集めのため?
そのとき私の心に浮かんだのはなぜかピーターパン。
子供の心を持っていればこの夢は叶うの?
まるで大空を羽ばたいてるような気持ちになった。
そのとき私は初めて、
私の中にある子供の純粋さを失いたくない、
そう思わされたのも本当のこと。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=4BdIRZ6mAXk
夢のカーテン 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます