僕は365日ハプニングスター

兎波志朗

第1話 僕とライオンキ◯グ

この話は2000年になってまだまもない僕がまだ小学5年生だった頃のハプニング。

この日の放課後も僕らは山の中に作った秘密基地で遊んでいた。


小1から何度も色んな場所に作ってきた秘密基地も何度も大人に撤去され、先輩たちに破壊されを繰り返してきた秘密基地は小5にもなると山の中でブランコを作り雨風を凌ぐ対策に外敵ようには無数のトラップを設置した秘密基地を作ることに成功していた。

まぁそんな大層な秘密基地を作ってやることといったらロック◯ンEXEをワイワイやるくらいなんだけど・・・


あんだけ作る時はワクワクしてるのにいざ完成すると別に秘密基地でやることではないまさかのゲーム、ブランコなんて出来た時は感動したけど乗るのはだいたい秘密基地に呼んだ女子に見せびらかす程

度、外敵用のトラップなんて小5にもなればそもそも上の6年生は受験やなんや、中学生も秘密基地にわざわざ来ないので脅かされる心配がない。

そう、僕らは刺激に飢えていた。


そんな中、僕らの中で一際デカく事あるごとにクルマのハチロクのイラスト書く86が僕に話しかけてきた。


「なぁ46、めっちゃ暇だからさー」


「うんー」


「ライオンキ◯グごっこしようぜ」


「うん??」


86は僕にそう言うと秘密基地を出てそそくさと歩き出す。

何言ってんだコイツと思うがゲームも今は他のみんなが対戦してるから86の後を追いかける。

小5で170ある長身を追いかけながら向かった先は山の中にある崖だった。


秘密基地を作るにあたって敵が来ない場所、ただでさえ山の中で更に近くに崖があれば絶対大丈夫ということで僕らはこの場所を選んだ、崖といっても2.5階くらいの高さだから今にして思えば崖か?となるが当時は相当高い崖だ。


しかしこんな崖の前で86は何がしたいんだ?


ライオンキ◯グ・・・まさか・・あれか?


僕は崖とライオンキ◯グの関連性を脳内で探す、すると何ヶ所が出てきたがどれも嫌な予感しかしない。


あのシーンじゃないといいな・・・


僕は嫌な予感がよぎり基地に踵を返そうとすると86は笑顔で提案する


「46!ここでさ!ムファ◯と◯カーのとこやろうよ!」


最悪な予感は的中した。


知らない方のために説明するとそのシーンは主人公のお父さんムファ◯が叔父さんの◯カーに裏切られ崖から落とされヌーの群れに轢かれお父さんが亡くなるシーンだ。


確かに迫力があり印象的なシーンだ。が、そこ演じてみたくなる???

てか何ライオンキ◯グごっこって?

文化レベル高すぎません??


ディズニー好きを公言してる僕に言えば86はどこのシーンを言ってるのかわかると思い連れてきたんだとは思うけど好きだからってシーン再現したくはないのよ、僕は観る専なのよ86さん。


「・・・86ちなみにどっちやりたいの?」


「◯カー」


でしょうねぇ!!

僕もやるなら◯カー一択だよ!!


「えー、46もかよ困ったなぁ」


「いやいやなんでムフ◯サやりたがると思ったんだよ!」


なぜか快く引き受けてもらえると思った86は困り果てている

お互い一歩も譲らぬ◯カー役、少し言い合いになり86は提案する


「わかった、ジャンケンしよう!じゃんけんで勝ったら◯カー役!」


どうしてもこのシーンをやりたいのかジャンケンを持ち掛ける86、この時は僕は思った



勝った、と。


こういうのは言い出しっぺがなると相場が決まっている、僕は86の案を飲みジャンケンをする


「「最初はグー!ジャンケン・・・!!」」




こうして僕は



ムファ◯をやることになった・・・



なんで!!?

言い出しっぺがジャンケン勝つってなに!!??

ズルくない!??


僕はそうそうブーブー言いながら気付けば崖にぶら下がっている。

高さはさきほども言ったが2.5階くらい、決して高いとは言えないが・・・想像以上に高く感じる・・・



恐ろしくなった僕は86に今一度確認する


「ごっこだよね??マジごっこだよね??」


「うん、ごっこだよごっこ」


崖にぶら下がる僕が尋ねると何故か目が座っている86。


コイツ、もしかしてこのシュチュエーションでテンションがおかしくなってやがるのか??


怖くなり一度登ろうとすると


「どこへ行くんだムファ◯」


そこにいたのは86ではなく◯カーだった・・・


「ムファ◯・・・!!ムフ◯サ!!」



◯カーは僕の名前を呼びながら必要以上に崖を掴んでる手を叩いてくる


ちょっ・・・待って!手を叩くのはヤバいって!!


加減のわからない小学生◯カーに僕の言葉は耳に入らずひたすら攻めてくる


これはマズイ・・・


僕はこのままじゃ落下すると思い辺りを見ると少し下に太めの木が生えているのが目に入った


これしかない


これに掴まれば◯カーの攻撃は届かない、さすがにそうなれば86に戻るはずだ。


僕は攻撃の矛先が手から指に変化してる時のに危険を感じ木に飛び移ることを決意した


トゥ!!



ガシッ!!


意を決して飛び移ることに成功した僕これで助かると思ったその時





エッオー





その木は太い木に見えていただけでで根も張ってない、ただ刺さっている木だった。

なので当たり前だが僕が木に飛び移った瞬間、ズポッと音を立てたように綺麗に抜けてしまった。



太めの木を両手で持つだけの何も支えのない僕はふと上を見ると我に返った86の絶望した顔と目が合った・・・



「46ォォォォォォォォ!!」


そんな86の叫びも虚しくただただ落ちる僕、86の目から見るとマジでムファ◯が落ちるシーンに見えたハズ


ウァァァァァァ!!

ヤバいヤバい!ヤバいヤバい!!!



自由落下はマズイと崖の方に身体を傾け僕は崖にぶつかり転がりながら下まで太い木と共に落ちていった。


特撮でしか見ないような転げ落ち方をしてる僕、聞こえてる音は86の後悔の叫び声


さっきまで秘密基地で遊んでいただけなのに・・・


ドサッ!!!



転がり落ちた僕はやっと抱いていた太い木を解放し仰向けになる。

ボロボロになったが幸いかすり傷だらけで済んだ僕は上で慌てまくる86が視界入った


「46ォォォォごめんんんんん!!」



必死に謝る86




それを見た僕は思った



86・・・普通さ・・






こうなるってわかるじゃん泣








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