第9話 安っぽいクリスマスソング

Y美の話はわたしが知らないことばかりで、とても新鮮だった。



「15万円もらったら15万円分、

20万円もらったら20万円分、

もらったお金に比例して愛せる、そういものなんよ〜」



地元のイントネーションでさらりと言い切ったY美は、学校一の美人と言われていた頃と同じように綺麗で、

飾り気のない性格も昔のままだった。


K市でどんな暮らしをしていようと、Y美はY美。

中学生の頃と今と、Y美もわたしも何も変わっていないように思えた。




ファミレスの店内には、

季節柄、安っぽいクリスマスソングが流れ、

テーブルには、同じように

安っぽいキャンドルライトが灯っていた。

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