第5話 残暑
ふわふわした夏は終わってしまい
残暑が厳しい九月になっていた。
わたしの中で、K市はどんどん遠い街になっていくのに、K市での経験は、わたし中で、何かを変えていた。
上手く言えないけれど、
大人への許容度が増え、
大人に優しくなっていた。
大輪の花のようなホステスの女性たちが、控室で見せる疲れた顔や、ドライブの秘密を知り、
世の中には、
白黒つけない方がいいこともあるんだ、などと、少しだけ大人になった気分で、わかったふうなことを、思っていた。
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