調停局業務日誌

生牡蠣

第一頁:ゼリー状ので生牡蠣味の正方形

 ある朝識別名:ジャックが不安な夢から覚めると‥


-予定時刻になりましたスリープ状態から解除、意識覚醒-

「うわあぁぁ!?なんだ夢か、普通に考えたら人間が別の生き物になる訳無いもんな。」


 うん、今いるのはいつもの長方形の寝具の中だな。いつも通りならそろそろ‥

ーおはようございます、現在午前4時です、識別名:ジートゥからメッセージが来ていますー


 やはりか。

 世話焼きで堅苦しくて、かと思ったらどこか抜けている、そんなアシスタントAIの声だ。


「メッセージを再生、その間にルーティンを開始。」

ー了解しましたメッセージを再生します‥ー


「やあジャック君ぐっとも~にんぐなり、早速で悪く思うが要件を話しけり。」


「近頃、たくさんの人や物が出入りする不審な建物があると通報を受けり。」


ーあっバイタルチェック完了しました、新たな異常は見られませんでしたが、右足の義足はなるたけ早く修理してくださ

いね、続きを再生しますー


「今回の仕事にはエコー嬢が同行せし、彼女と合流し装備を受けとって件の建物に共に向かいたまえ、何もなければ見て帰ってくるだけの任務である、ただ、もし何かあれば建物内にいる人物を全員拘束せよ、詳細な場所についてはめっせ~じに添付せし。」


「リアルタイムでの脳デバイスが不能になった事にを薄々気付いた奴らが犯罪を起こすとか、最近増えたよな。」


ースマートサプライの調合終わりましたー


 そうすると、いつものように俺の目の前にゼリー状の正方形が現れた。

それをまたいつものように口に運ぶ‥


ーそういえば今日のはエコーさんから頂いた物を使用しているんですよ。ー


 エコーさんからの贈り物?自分は少しばかり考えを巡らせた、確か昨夜の‥


ーはい、マスターが朝食をスマートサプライで済ませていることと好物が生牡蠣という事を知ったエコーさんがお世話になっているお礼と贈ってきた物ですねー


 気付いた時には遅かった、俺はそれを既に口に入れていた。

その瞬間、好物を食べた喜び、私の知る生牡蠣との食感の違いによる違和感、今まで食べたことの無い謎の食べ物を食してしまったショック、その全てが脳に押し寄せる。


ーマスター!?バイタルが急激に悪化しています!どうしたのですか!?ー


「だっ‥大丈夫、うん。エコーさんが俺にくれた初の贈り物だコレは‥不味い訳が無いだろ。」


 さて、1日の活動を始めるにはここから出ないとな、と考えていた頃ちょうど寝具の蓋が開いた。

毎度思うのだが、このアシスタントに俺の脳の中を見る権限を渡していない筈なのに、どうしてこんな風にぴったり自分がして欲しい事をしてくれるのだろうか?


 俺はぐらつく視界を気にしないフリをしながら身支度を済ませ、家を出る。

「いってきます」





ーはいここから生牡蠣のターンー

残念だか、エピローグなど初めからない。だまして悪いが


てことでエピローグは一旦無かったことにします、頃合いを見ていい感じの所にまた入れます

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