助太刀致します!異世界に落ちたら妖刀使いになった少女は王子様の用心棒になる
Koyura
第1話いきなり異世界もビックリだが、選りに選って修羅場に落ちてしまった
「今日もバイトかあ」
琴乃はポニーテールにしても背中の半ばほどある艶やかで真っ直ぐな黒髪を揺すって大きな茶色の目を瞬く。
授業が終わって開放感に包まれた後、すぐに気分が萎む。
高校に入って、自分に関するものはなるべく自分で賄ってと言われ、渋々コーヒーショップでバイトをしている。
まあ、制服がかっこいいので無理矢理テンションを上げている。
別にこれと言って趣味は無いし、スマホ代とあまり興味が無い服代に使う位だが、偶に遊びに行く事もあるし、まあ、お金があるに越したことはない。
ふむふむと自分を納得させつつ歩いてると。ガクンと膝が抜けた。
「はれ?」
急いで下を見ると、足元に大きな黒い穴が開いていて片足を突っ込んでいた。
急いで抜こうとしたら穴が広がってすっぽり飲み込まれた。
「何で〜」
琴乃は頭から落ちていった。
どしん、と尻餅をついた。
「痛!」
固い、でも何か弾力があるような所に着いた。
が、傾いている。
「此処どこ?」
思う間に滑って行く。
周りを見渡すとどうも屋根の上にいるようだ。しかも、かなり鋭角で、ずりずり下へ落ちていく。
あっという間に一番下まで滑って下を覗いて驚いた。
さっきから騒がしいような気がしていたが、騒がしいどころではない。
剣を持った人間が何人もいて、やり合っている。
よく見ようとして少し身体を乗り出した時、ブワッと強風が吹いた。
「え、キャー!」
琴乃は頭からその真上に落ちていった。
なんと着いた建物は三階建で、落ちながら確かめると
「こりゃダメだ。いきなり死んだな」
と諦めた。
ところが、手足が勝手に縮こまり、くるくると前転し始め、トン、と地面に着地した。
しゃがんで地面に手を伸ばすと、何かに触れ、自然とそれを掴んだ。
見ると、一振りの刀だった。
「刀?」立ち上がって周りを見た。
周囲の男達は琴乃を見て固まっていた。
薄汚れた服装の男たちの向こうに。超絶美形の少年が居た。
美しく緩やかに波打つ金色の髪、サファイアみたいな青い目、白い肌に赤い唇、スッと通る鼻。細目だが、均整の取れた身体。
「もしかして、王子様⁈」
琴乃は思わず叫んだ。
「え?お前、誰?と言うか、ここは危険だ、逃げろ!」
少年の傍で剣を構える黒髪で緑の目の長身の男が叫び返した。
琴乃は一瞬で決めた。
「ご心配無く!助太刀致します!」
「「はああ?」」
「何言ってるのかな、お嬢ちゃん、そうだ、そこで待ってろ、これが片付いたらおじちゃんが良い所に連れてってあげるよ」
傍にいた小汚い中年男が下心満載でニヤニヤ笑いながら近付く。
確かに琴乃は身長が155センチしかない。童顔で幼く見える。
ムッとした次の行動は自分でも信じられなかった。
琴乃は鞘を抜くと男に一歩踏み込み、刀を横に払った。
男は真っ二つに切られて、どうっと倒れた。
琴乃に切った感触は無く、唖然とした。
そのまま後ろを振り向くと、かかってきた男の喉に刀を突き出し、そのまま貫く。
「うげっ」
仰け反った男越しに、別の人間が、王子(と勝手に認定)に切り掛かるのが見えた。
「危ない!」叫ぶのと同時に近付くと、後ろから袈裟斬りにした。
「何だこの女は⁈」そばで叫んだ男の心臓目掛けて刀を繰り出すと、そのまま貫いた。
「全員殺すな!話を聞きたい!」
黒髪の男が叫んだので、次の男へは飛んでいって、踵落としを華麗に決めた。後ずさったもう一人の男は、懐に飛び込んで思い切り肘打ちを喰らわしたら、悶絶して横たわった。
二人は逃げてしまった。
「二人残したらいい?」
恥じらうように笑う琴乃に、呆然と立つ美男子。
敵は10人いて、二人は黒髪が急いで縛っている。すでに二人は倒れて絶命しており、琴乃は4人殺している。
金髪の少年はほおを紅潮させて言った。
「どなたかは知らぬがありがとう!お陰で難を逃れた。何か礼ができたら良いのだが…」
「それより」
琴乃は血のついた刀を振った。付いていた血は全て飛んで、刀は元の輝きを取り戻す。
おお、手入れしなくていいのかな。いや、時代劇ならやってたぞ。血がついたままだと切れないし、錆びちゃうんだよね。
「言葉は通じるんだけど、ここはどこで、私はどうして刀を扱えるんでしょうか」
「「はああ⁈」」
少し落ち着いて、とりあえず残した男たちの尋問を始めたが、ごく下っ端の者で何も知らず、ただ殺せと言われただけらしかった。
琴乃が刀を突きつけたが怖がるばかり。
仕方がないので、そのまま捨て置き、二人が泊まることにした宿屋まで付いて行った。
どうせ任務失敗で、向こうが勝手に制裁を加えるだろう。
そう黒髪は言った。
宿に着いて、スープとパンの軽食を一緒に頼んでくれて食べながら、少年は事情を話し出した。
ここはラーシェルと言う国で、今は首都のソードスに居る。
金髪の少年は、名前をハワード・グリフォン・ソードスと言いこの国の第二王子だ。
母親は正妃だが、ハワードを産んだ際に亡くなり、既に第一王子を産んでいた側妃が、正妃になった。
このままだと普通に第一王子が後継になるはずだが、身体が弱く、王として執務に耐えられるのか疑問に思われている。
そこで第二王子のハワードが注目されている。
ハワードが第一王子の命を狙っていると思い込んだ王妃が、暗殺しようとしている。
毒や刺客が絶えず送り込まれるようになり、我慢できなくなったハワードは幼少期預けられて懇意にしていた辺境伯に助けを求め、城を出た。
そして、間も無く襲われたのだ。
黒髪の男はアックス・カイザー。乳兄弟で、生まれた時から友として、臣下として付き従っている。彼も剣に関しては強いのだが、多勢に無勢で、苦戦していた所だった。
ハワードは魔法を使えるが、普通は魔法自体詠唱が必要で集中力も必要なので、発現するまでに時間がかかる。
丁度魔力を練っていた時に、琴乃が降ってきたので、集中が途切れてしまったのだ。
「間が悪かったのか良かったのか、取り敢えずお怪我がなくて良かったです」
そう琴乃は前置きをして自分の事を話した。
普通に学校に通っていたこと。帰り道に黒い穴に落ちて着いたのがこの世界で、よりによって屋根の途中で、また落ちてしまった。
死ぬと思ったら無事に着地できて、刀を拾ったこと。
「それから皆さんが知る通りです」
「異世界から来たと言うのか⁈信じ難い話なのだが、嘘を言ってるとも思えんし。不思議な話だ」
「今頃家族はどうしてるかなあ?探してくれてると思うけど、なんせ違う世界に落ちてるとは気付かないだろうな」
今更ながら心細くなった。
「異世界はハードモードで始まったし、これからのことのフラグかなあ、嫌だなあ」
「コトノはこれからどうする?」
「それなんでございますが」改まって言おうとしたら
「いまさら変な敬語はいい」と遮られた。
「それは助かる。今後ですが、何の予定も立てられません。衣食住の確保さえ途方に暮れてる状態なので…王子は辺境とやらに向かわれるのですよね」
「そうだ、そこならとりあえず安全だ」
「じゃあ、ご一緒させて下さい。私は強いみたいなんで用心棒として雇って下さい。給料は要りません。食事と寝る所、は部屋の隅でいいので。服は貸して下さい。ちょっと浮いてる様なので」
「ちょっと所では無い。そのように足を出している女は居ない。取り敢えずズボンか長いスカートを履いてくれ」
アックスはしかめ面で言った。
「向こうじゃ普通なんだけど」
セーラー服でスカートは膝上10センチくらい。ちょっと短めだけど、黒パンツ履いてるのにな。
「じゃあ、王子の貸して?アックスのじゃ大きすぎるだろうし」
「スカートを履くという選択肢は無いのか?」
「足捌きが邪魔だろうし、王子持ってないでしょ?」
「当たり前だ!」
「いや、変装用に持ってないかな、って思っただけだよ、そんな怒んないで」
「そうか、変装か。それは思いつかなかったな。まあ荷物になってしまうし」
ハワードは赤くなった顔を抑えた。
「それで、私は雇っていただけるのでしょうか?王子殿下?」
「仕方無い。其方ほどの手だれはなかなかいない。でも、道すがら、ずっと油断できんで気を張っとく必要がある。さっきの調子がいつまた起こるか」
琴乃は胸を張ってどんと叩いた。
「是非とも私にお任せください。安眠をお約束します!」
「なんか不安だ。アックス、良いか?」
「ハワード様のご決断に従います」
「じゃあ、決まりね」
琴乃は上機嫌で強引にハワードの手を取った。
「これからよろしく。あなたをきっと守り抜くから!」
「あまり無茶するなよ!」
ハワードは苦笑しながら手を握った。
「それは、わかんないわ。身体に聞いて」
「その言い方、紛らわしい!」
「本当の事なのに」
今日は動くのは危険というのでこの宿にそのまま止まることになった。
夜になって、ハワードはベッドを譲ると言ってくれたが琴乃は断った。
「用心棒が王子を押し除けてベッドで寝るわけにはまいりません。ドアのそばで寝て警戒いたします」
頑として主張するので仕方無くマントと毛布を渡し、琴乃はドアのそばでマントを敷き、毛布をかぶって寝転がった。
そんな体勢でも、疲れていたらしくあっという間に眠りについた。
こんなんで刺客に気付くのか?とアックスが言っていたが眠気には勝てなかった。
不思議な夢を見た。いや、ただの夢では無い。
琴乃の前に男が現れた。
琴乃より、10センチほど背が高く、赤茶色の髪を後ろで括り、金色の目を持つ美丈夫だが、顔の造作は典型的日本人だ。
「私は
「えっ、それは銘と言う?」
「違う。私は災いを起こす禍ツ神を滅する刀だ」
「まがつかみ、めっする、やばそうですね」
「禍ツ神が自ら所有していた」
「自分を殺す刀を自分で持ってたの?」
「大昔イザナミの命令で人間の魂を1日1000人切り殺していたからな」
禍斬刀は悪びれずに言った。
「1000人⁈良く日本人死に絶えなかったね」
「イザナギ神は1500人産んだからな」
「ス、スケールガ、デカイ」
「一振りで疫病を起こす風も起こせた。私の別名は、禍ツ風起こしの刀とも言われる」
「マジか、トンデモない刀さんですね」
額に汗が滲む。夢のはずなんだけど。
「じゃあ、何故私と一緒に異世界に来たんですか?」
「遂に、神々に封印される時に、異世界へ逃げようとして、たまたま落ちていた琴乃に惹かれて一緒の異世界に来てしまった」
「たまたま⁈私はあなたに引っ張り込まれたわけでは無かったの?」
「当たり前だ。何故人間を連れて行かなければならない?」
「それもそうですね。じゃあ、私はなぜここに来たのでしょう?」
「さあな」
「えー、そんなあ」
禍斬刀は眉を顰めた。
「そんな事より、お前は大変な事になっているのだ。自覚は無いのか?」
「何が?」
「琴乃は禍斬刀に取り憑かれた状態になっている」
「成る程、それで、刀の達人になってるわけね」
「私が人間に取り憑いて、長い間この刀を所有していると終いに人間ではなくなる恐れがある」
人間でなくなる?え?
「え〜!!それ困る!なんかわかんないけど!じゃあ、早く離れて!」ジタバタした割にちっとも体は動かなかった。
「何故お前に惹かれたのかは、わからん。今は私の力が弱いので離れられん。もう少ししたら刀と別れて単体でも存在できるようになる」
「うう、何それ、ちなみに、人間では無くなるって事は、どうなるの?」
「刀の一部になるか、刀に気を全部吸われて死ぬか、はっきりとはわからん」
「はああ、聞くだけで憂鬱になるね」
「そうなるまでに猶予はあるし、嫌なら前兆を感じたら教える」
「わたしがいなくなったとしても、あなたはいるのよね」
「そうだ」
「じゃあ、いい。私かあなたか、どちらでも王子は守れるでしょ?」
「その通りだが、お前は消えても良いのか?」
「別にここへ来たくて来たわけでもないし、あの世界でも、やりたい事は元々無かったし、どうでも良いって感じ。私よりあなたの方が刀は使い慣れてるでしょ?だから」
「私に憑かれている時点で、能力は同等だ」
「それなら良いけど、それとね」
琴乃は照れながら言った。
「私、王子様に一目惚れしたみたい」
「はあ?」
「年下で、守ってあげたいって感じなの。絶世の美男子で、王子様。凄いことだよ」
「そうか?」
「王子様を守り切って、第一王子が亡くなってごらん?彼が王様だよ?私たちの手で王様になれるかも知んないよ?凄いよー。やり甲斐無い?
この世界の歴史書に私の名前が残るかもしれない!剣聖琴乃、ハワード王を終生支えた、なんちゃって。ふふふ」
「お前が能天気な女だと分かった。黙っていれば美しい黒髪に大きな黒い目で、肌は白いし、それなりに見栄えがするのに、中身は残念だ」禍斬刀が遠ざかって行く。
「あれ?褒めてくれたの?貶されたの?」
「今は夢の中だけだが、もう少しすれば現実でもお前が呼べば声は届けられるようになる。どうしても用が有る時は心で呼べ」
「はーい」
「では、もう寝ろ。私が王子と刺客は見ておく」
「おお、ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて、お休みなさい」
「ああ」
朝、スッキリと目が覚めた。床で寝てた割には体も痛くない。不思議だ。禍斬刀が取り憑いてるせいかもしれない。
パンパンと服を叩いていると、王子が起きたようだ。
「おはようございます。昨夜は大丈夫だったみたいです」
「寝てたじゃないか」寝起きの不機嫌な声でハワードは言った。
「へへん、それがですね、私が寝ていると刀が代わりに見張ってくれるんですよ。便利でしょ?」
「お前の言うことは、いまいち信用できんな。アックスを呼んできてくれ」
「はーい、王子様、ただいま参ります」
琴乃は気取って言って、ドアに手をかけたらノック音がした。
2回1回3回。
ハワードを見るとにこりと頷かれる。
「アックスです。おはようございます」
「入れ」
アックスが洗面器とタオルを持ってきた。
「あ、良いな、私も顔洗いたい。てか、お風呂って無いの?」
「オフロってなんだ?」アックスは不機嫌に言った。
「シャワーは?」
「それも知らん」
「あーそれもか!残念!じゃあ、お湯もらって身体を拭くの?」
「そうだな、下へ行けば貰えるぞ。外の釜戸で湯を大量に沸かしてた」
「よし、行ってきます!」琴乃は慌てて出ていった。
ハワードが平然と服を脱いでいたからだ。
王子には恥じらいというものが無いのか?いや、足が見えるって騒いでたな。恥の基準がわからん。
一階の台所で料理を作っていたおばさんに聞いて、物置の中で身体を拭いて服を着た。
外に出て、排水溝の上から残ったお湯を髪の毛に流しかけた。
シャンプーとかも無いんだろうな。異世界悲しい。
後で聞いたら貴族とかは持ってるが、庶民は髪も身体も石鹸オンリーでそれも滅多に使わないそうだ。
「髪の毛切ろうかな。ギリ括れる位まで」
腰まである髪を洗うのが、シャワーや風呂が無いと、途轍もなく面倒な事に気付いた。
ハサミを借りて切ろうとして、さっきの人に聞いたら目を丸くして反対された。この世界の女の人は最低でも背中の半ばまで髪を長く伸ばして、短くは切らないらしい。
「せっかく綺麗で長いのに勿体無い。ダメダメ』
と意地でも貸してくれない。諦めて3人分の朝食を持っていくことにした。
「その内禍斬刃に切ってもらおうかな」スパッと綺麗に切れそうだ。
泊まっていたのは2階だったので何なく上り、両手が塞がっていたので足で2、1、3回と戸を叩き、
「琴乃です。朝食持ってきました。開けて下さい」
と頼む。
アックスが開けてくれて
「足でするな足で」とブツクサ言いながら朝食を運んでくれた。
アックスはなかなか小うるさい侍従だ。こっそり心で思ったら、軽く睨まれた。何故バレた。
「あの、辺境伯領までどうやっていくんですか?」
食後にお茶をもらって飲んでいる時に聞いた。
「馬車を借りようかと」
「では、そちら方面に行く商隊とか有ります?護衛として乗せてもらうというのはどうでしょう?」
「…どうして?」
「自分たちで行くより、お金がもらえます。私は何も持たずにこの世界に来たので不安です。一般人の生活も見たいし、行く人数は多い方がいいじゃないですか」
ハワードは、一般人の生活に惹かれたようだ。
琴乃はアックスと一緒に商売人がよく止まる宿屋へ行き、護衛として雇ってもらえるように売り込んだ。
「横の背の高いのはわかるけど、お前さんは強そうに見えんが?」
琴乃はにっこり笑った。先程から商人の抱えている孫らしき子供がりんごらしき果物を丸ごと齧ろうとしている。
「じゃあ、お坊ちゃんが持ってる果物を貸してもらえますか。切ってさしあげます」
二人は不思議な顔をしながら、渡してくれた。
琴乃は皿をもらうと二人から離れ、刀を鞘から出して片手で持つと、無造作にりんごを上に投げた。
次の瞬間、目にも止まらない早業で刀を動かした。
りんごは8等分されて差し出された皿の上に落ちた。
「はい、どうぞ」
二人ともしばらくぼうっとしていたが、子供が
「凄い凄い!綺麗に切れてる!」と大喜びしたので商人も我に返った。
「素晴らしい技だな」商人は勿体ぶって咳をすると
「うちにも既に護衛は居るが、そのものと比べると剣は強そうだが、剣が無かったら…」
「刀無しで戦ってみましょう!私の方が強いと思います」
「わかった、ジョニーを呼んでくれ」
現れたジョニーは190センチはあろうかと言う大男だった。
「お嬢さん、俺は女に手を出す趣味は無いよ」
「じゃあ、私が手を出すからやり返してね」
「え?」
ぱんぱんと手で身体を叩く音が何回か聞こえたかと思うと、大の男は地面に倒れていた。
「えーーー⁈」
「どうです?」琴乃は息も切らさずにっこり笑った。
「採用!」商人は叫んだ。
「俺は付いてくる必要があったのか?」アックスがため息をつくので、
「護衛の相場が分からないので値段交渉は任せます」
と言ったら嫌な顔された。
だって、仕方ないでしょ⁈
後ほど、坊ちゃんに何度もねだられ、皿に山盛りになるほどりんごを切った。
すっかり懐かれて子守と化す琴乃であった。
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