【幕間】面白いってなんだ?
以下は、エージェント███とF.█████博士との企画開発会議における会話記録です。
[記録開始]
「戦闘描写がつまらない。なぜ?」
「勝つか負けるか、だいたい主人公が勝つじゃないですか。そういうのが根底にあるかもですね」
「ありったけの本音詰め込んで、エンタメに消化できればおもしろい?」
「見たことないものをみたくて、でも、見たことあるものは年々増えていく」
「芸人がやるようなギャグが小説でもできれば新規性があっておもしろいかも」
「新しいってなんだ?そんな領域は残されているのか?
面白いが規格化されているわけでもないのだから、面白いの範疇は違うだろう」
「似た感性の人と触れ合ったら楽しいことが思いつくかも?普通の人は10%程度。
せいぜい今までの人生、75%くらいがMAX。95%くらいが理想。存在するんですかね?」
「どうやったら見つかる?SNSで?どうやって?」
「100万人に1人くらいはいるだろうなあ、って」
「だからどうやって探す?見つけてもらうのであれば、100万人にリーチしないといけないぞ?」
「こうして発信しているじゃん!……じゃないですか!」
「意味あんの?」
「人生に意味なんてないよ。意味は自分で見つけるんだ。キリッ」
「キリッじゃなくてだな」
「フォローしまくればよいんですかね?もうSNSなんてほとんど見ないのに」
「その方が精神衛生にも良いじゃない?」
「うるさいですね、仕方ない。他人も自己も受け付けないのだから」
「なぜ?」
「異なる価値観を認めることはできても、共有はできないからですね」
「過去のトラウマが尾を引いているのか?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
人類みんな敵はいいずぎだけど、私が関わってた人、会社、社会。
ああ、こんなもんか。そして、自分もこんなもんか、って。
……仕方ないでしょう、自分の能力以上のアウトプットは出ないんだから」
「他人への期待値が高すぎるのでは?」
「そうでしょうよ、ええ、認めますよ」
「他人は当然思い通りにならないし、自分の身体だって完全に思い描いた結果にならないし。
人生やらされている感しかないから、能動的にならないし、
叶えたいことなんて、ないし、夢も希望も、ない」
「お金は?」
「5000兆円欲しい」
「あるじゃん」
「あるけど、無理でしょう、無理。」
「これだけ話してようやく800字。長編なんて向いてないよ。頑張って絞り出してこれ」
「えらいね。よしよし、でも俺抜いてね」
「……」
「俺の話した分の会話を、な」
「上位存在に慰められたい」
「そんなのいないじゃない。だいたい上位存在って?」
「神っぽいアレ。アレだよ」
「……SMプレイがお望み?」
「違う、かも。もっと実務的な」
「実務?」
「ほら、心中ていうか」
「あー、ね」
「持つべきものは友って言うか」
「重いよ。」
「神でありながら、友達でもいて、心中も場合により、みたいな、」
「理想が高いとかそんな話じゃない、いなくて草。
じゃあ、そういう人が仮にいて、どうやって友達になるつもりなんだ?」
「無理でしょうね。」
「ってか、神ってなんだっけ?」
「インターネットで見た。ほら、外面が良くて能力が高いサイコパスっているじゃないですか」
「いや、しらんが」
「Aという作品が好きでBはあんまりで、作者がヤバい人。よくあるじゃないですか」
「まあ。それだと外面良くないが?」
「編集者の影に隠れていれば、作者の内面なんてそうそうお目にかかりませんよ」
「そういうもんだろうか、それで?」
「そういうハイスぺ狙っているわけですよ」
「は???無理だろ、常考」
「ウマ娘の[削除済み]とか」
「やめろやめろ」
「クマ娘とか」
「おー恐ろしいな、てか作者の話どこ行ったし」
「キツネ娘とか」
「さっきから獣ばっかじゃねーか!?けものフレ[不鮮明な音声]」
「くぴやあああああああああああいやあああああ!!!!!!!!!」
「わ、悪かった。落ち着いてくれ。うわあ!急に落ち着くな」
「べ、別にあんたのことモフりたいとか思ってないんだからね!あ、逃げ、コンセン――」
[記録終了]
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