こちらθ高校ロボコン部回路班!!〜ちょっぴりHな先輩達と学ぶ電子回路〜
AZマスター
第1話 体験させられちゃうんですけどっ⁉
私の名前は
そう意気込み入学してから一か月、私の手にはタピオカではなくはんだごてが握られていた....
何故こうなった!? 事の発端は1週間前..........
◇
「はぁ............」
大きくため息をつく。入学してから早くも約2週間、私は早くも家に課題を忘れるというへまをやらかした。放課後、つまり今から昨日提出の課題を先生に提出しに行かなくてはならない。
「まーちゃん!、早く帰ろうよ~~~」
同じクラスの友達から声をかけられる。
私、いま友達に誘われましたぁぁああ!!!!。
苦節15年....人見知りな上、家の方向もあって小中ほとんど友達と帰ったことのない私!!、その苦しみがとうとう高校で報われたっ!!。無理してでもみんなに話しかけてよかった....。
大切な友達、だからこそ....
「ごめん、遅くなるかもだから先帰ってて」
みんなが私のせいで帰るのが遅くなるなんて滅相もない!!。今日は我慢しよう。とはいえ、私も帰るのが遅くなりたいわけではない。サッサと提出して説教されたとしてもすぐに謝ろう。科学の課題だから..きっと先生は別館二階の実験準備室にいるはずだ。構内図で軽く場所を確認し、私は急ぎ足で教室を出た。
◇
....迷った。このθ高校、実は県立の中ではトップクラスに広い。普段馴染みのない別館ならなおさら迷いやすいのだ。
「多分ここで合ってるはず..」
不安だが、勇気を出して目に前の扉を開く。
すると目の前には金髪ロングのかわいいお姉さんがいた。白い肌に吸い込まれるようなダークブラウンの瞳、制服を着崩しておりスカートは通常のものよりずっと短い。いわゆるギャルと呼ばれる人種であろうか。多分、先輩だろう。
「もしかして、入部希望者っ!!?? しかも女子!!!!」
金髪の先輩が驚いたように声を上げる。
入部⁇、一体何のことかわからない。困惑していると部屋の中に置かれたホワイトボードの文字が目に入る。
『θ高校ロボコン部』
ロボコン部、部活動紹介で見たことはあった。たしか、そのときは体育館のステージでよくわからないロボットを動かしていたような記憶がある。もっとも、私とは確実に無縁な部活だ。そもそも私は部活に入る気はない。中学校時代のせいで部活に良い思い出はないし、第一放課後に遊べなくなる。ここは断らせていただこう。
だが......
「....あのっ、そういう訳では..ないので」
人見知りが再発してしまった....。中学校時代よりかはマシになったとはいえ、初対面でグイグイくる人の相手はあまり得意でなく緊張してしまう。
「え~~残念。そうだっ、体験だけでもしてはいかない??きっと楽しいよ!」
う゛っ、まだくるのか..。ここは、こ..断らないと。
「あのぉ....その.......」
「とにかくやってみよ!体験だけでもいいからさ」
そういわれた私は先輩に無理矢理手を引かれ、強制的に入室させられた。
「わたしは回路班だから....専門外は教えられないし.. はんだ付け体験でもやってもらおうかな」
はんだ付け。中学校の技術の時間に少しだけ習ったことがある。基盤に部品を取り付けるための方法で、作業中の匂いが強烈だと言っていた。
えっ?いまからそれをやるの???
そんなことを考えている内に私は部屋の一角にある椅子に座らされた。目の前の机は作業机だろうか、グルーガン等の色々な工具が置いてある。
「じゃあ、これからはんだ付け体験を始めるよ!」
「....は..はい」
もうここまで来たら流れに身を任せよう。好きにするがいい、なるようになれっ!
「今回作ってもらうのはこれ」
そういって目の前に三つの部品が設置された基板(?)がおかれた。赤色の部品、これはLEDだろうか。また、何かを接続できそうな白い部品と茶色の円柱が横向きになったような部品もある。茶色の部品には何色かの線が引かれている。
「これは......何ですか?」
「これは電気工の基本中の基本、LEDを光らせる回路だよ」
どうやら赤色のパーツはLEDで合っていたらしい。
「はんだごての電源を入れて....ちょっと待っててね、部品持ってくるから!」
そういって先輩は近くの棚へと向かっていった。
部屋を見回すとそこら中が非日常的だ。部員(?)らしき人がパソコンを操作していて棚にはケーブルやモバイルバッテリーなどが置かれている。他にも、作業服を着た人が普通に歩いていたりもする。
「待たせてごめんね~。じゃあ、一つずつパーツを紹介するよ。まあ3つしかないけどね」
戻ってきた先輩がそう言って笑う。
「最初はこれっ、今回の主役LED!」
目の前に、足のような2本の線が生えた赤色の部品が置かれる。
「ん~とくに説明することはないけど....。近くでよく見てみて、内側の平らな部分が見える?」
言われてみると、たしかに内部に上が平らになっている部分と上が尖っている部分がある。
「平らな方がマイナス極、気を付けてね。間違えても壊れはしないけど点かないから」
なるほど、LEDにもしっかりと+極と-極があるのか。
「続いては、この茶色の部品。これは抵抗器だね」
「抵抗、ですか?中学校でならった
「おっ、君のような勘のいい娘大好きだよ!! この部品は電気を流れを抑制してくれるの」
「あの....抑制して良いことってあるんですか?」
「LEDには、この大きさの電流までなら流して大丈夫っていう最大電流値といわれるものが決まってるの。抵抗器その値を上回らないように電流を調整してくれるんだ」
「なるほど....」
「最後はこれ、JST-XH2ピンコネクタのメス端子。簡単に言うと回路に電気を流すためにケーブルを接続しないといけないから、そのケーブルを繋げるための部品よ。」
突然の横文字に頭がクラクラする。目の前に差し出された白い部品は、確かに他の部品と接続できそうな形状をしていた。
「メス端子ってことはオス端子もあるんですか?」
「そうそう、メスの端子にオスの端子をグッと差し込むの。ふふっ、ちょっと卑猥でしょ?」
先輩が顔を私の耳元に近づけニヤッと笑い、小声で囁く。女同士なのに先輩にドキッとする。この先輩、もしかしてエッチなのかもしれない......。
「なに顔赤くしちゃって、どんなこと想像したの?」
「先輩が、からかってくるからですよ!!」
「かわいいね」
そう言って先輩が笑う。これが漫画なら頭から煙が出ているだろう。出会ってからこの先輩には振り回されてばっかりだ。
「よし、早速はんだ付けしてみようか」
.........やったことがないことだから正直不安だ。しかし、何故かこの先輩に教えてもらえるなら大丈夫な気がしてくる。
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