夏の終わりのディゾナンス
スロ男
文披31
黄昏時に蠢く(お題:夕涼み)
最近は
「なんてことを、人前では
ふふ、と君は笑う。笑って、僕だけに聞こえる声でいった。
「同じ一日でも、暑さはこんだけ違うし、そりゃそうだべよ。打ち水するにゃ、ちょうど頃合だ」
僕らはベランダで、何をするともなしにぼんやりと、噛み合わない会話を楽しんでいる。君はちょっと子供っぽい浴衣を着て、うちわをパタパタと扇いでいた。
僕は、君のことをよく知らない。
そもそもこの土地のこともあまりよく知らないし、気づくとそこでそうして涼んでいる君に気づいて、なんとなくそれが自然のことのように感じて、もうすぐ夏が終わろうとしている。
「
君が少し物寂しげに言の穂を継いだ。
「消えていくものや、生き生きするもの、揺らいでいくものや
「ねえ、君は」
君はどっちなの、と
「夕べに涼む
僕のぼそりと
「消えては
ふたりでくすくすと笑って、夕闇は夜へと移ろっていった。その、あわいの瞬間、君の手を取っていれば、あるいはともに
どちらかが
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