第40話 白頭鷲姫は白頭鷲王のことを知りたい
エドワルダの話を聞いて、私がどうやら閉じ込められていることを理解したけれど、なぜユーリがこんなことをしたのか分からない。
白頭鷲のユーリとは理解し合えている自信があるけれど、人間のユリウス皇帝とは分かり合えない部分があるようだ。
そう考えながらも監禁状態は些か腹立たしい気もする。
実際、侍女も居るし現状は手紙を読んだり招待状の整理をしていたから特に問題はなかったけれどお茶会に参加するならここから出る必要があるわけで今のままいい理由はない。
ちなみに侍女たちは私が監禁されていると気付いていない。正確にはバリアは私とエドワルダのような特定個人だけ抜けられないようだ。
つまり、私もエドワルダも外に出れないためユーリとどう話すべきかまずそこから考えないといけない。
『あたしは、エドワードとならいつでも通信ができるけど、ルーナにもあたしを通してエドワードと話せるようにして作戦を立てるのはどうか??』
エドワルダの言葉に私は少し迷った。お父様、お母様に処罰が下されると同時にお兄様は国王に即位して現在大変忙しい。
そんなお兄様になんとなく監禁されたくらいで連絡してよいものだろうか。一刻を荒そう事態ならともかく微妙な気がしてしまう。
『エドワードに申し訳ないと思っているなら気にしないで、アレンにかまけすぎてルーナを助けられていないことを気にしているし、何より人間として過ごしていた変態白頭鷲を1番知っているのもエドワードだと思う』
エドワルダの言葉に、確かにエドワードお兄様はユーリの人間としての形態で1番親しい人であることを思い出した。
ならば、ここはユーリがなぜこんなことをしたのかヒントがあるかもしれない。
「エドワルダ、お願い。エドワードお兄様と話を繋げてほしい」
『わかった』
エドワルダが頷くと、体が発光して空中にエドワードお兄様が映し出された。
「エドワードお兄様、お久しぶりです」
「ルーナ、ああ、どうした何かユーリにされたか??」
冗談混じりに笑顔で告げたエドワードお兄様に私はなんの躊躇もなく告げる。
「はい、ユーリになぜか私とエドワルダが監禁されました」
その言葉に笑顔だったその表情が険しく変わるのが分かる。
「ユーリが、あいつがルーナを監禁しただと??それは大変だ、にぃにがすぐに助けに……」
『落ち着つけエドワード。ルーナはなぜ、ユリウスがそんなことをしたか知りたいらしい。そこから対話での解決をまずはしたいとのことだ』
「はい、エドワルダの言う通りです。エドワードお兄様、学生時代のユーリのことを教えてもらえませんか??」
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