第39話 白頭鷲姫とおかしな白頭鷲王

友好式典後、私の世界は180°変わっていた。


今までは、私に来たことがないような大量のお茶会やパーティーの招待状、手紙が届きその整理や確認に忙しくなった。


私が『鷲の目』を持つことが帝国含めて各属国にも知れ渡り、帝国貴族の見る目も変わっていた。


以前、私に嫌がらせをした侍女の家門からはいまさら大量のお詫びの品や手紙、さらに直接の謝罪の申し出があった。


しかし、それは私が『鷲の目』を持つていた白頭鷲姫だからで、それ以前は明らかに属国の姫だと見下していたことを知っているため現段階では受け入れを拒否している。


また、それ以外の帝国の高位貴族らからは謁見を望まれていて、私はいずれ皇后となるならそれを受けたいのだがなぜかユーリがそれを許可しないのだ。


むしろ、あの日からどこか鳥類の本能が抜けず年上だけど可愛かったユーリが何かに思い悩むような様子を見せるようになっていた。


その原因を探ろうとしているが、はぐらかされてしまい今の段階ではよく分からないでいる。


「ルーナ、元気ないね。あの変態白頭鷲が何かしたか??」


捉えられていたエドワルダも帰ってきてくれて、周りに頼れる人がいない私にはありがたかった。


「分からないの。ユーリの様子が何かおかしいのは分かるのだけど……」


「確かに、あいつの様子がおかしいね。前はずっとルーナの側にいたのに……」


エドワルダの言う通り、最近ユーリは私と距離を置いている。側に居ると誓ったのに、その後の方が距離が離れるのは皮肉でもある。


「もしかして、私に何かを隠していたりするのかしら……」


「……それはあんまり考えづらいけど心配なら確認してこようか??」


エドワルダの言葉に、お願いすべきか迷ったがこのままモヤモヤしているのも嫌だったのでお願いをすることにした。


「ありがとう。お願いできるかしら??」


「ああ、任せな!!」


そう言ってエドワルダは飛び立ったが、なぜか数分で帰ってきた。


「どうしたの??エドワルダ??」


「……ルーナ。落ち着いて聞いてほしいんだけど……」


深刻な表情のエドワルダにただならぬ事態を想定した私は1番最悪な秘密がユーリにあったパターンを想像しながらうなづいた。


「ルーナ、あたしはさっき変態白頭鷲を追いかけようとしたら結界に引っかかってしまったんだ。それから嫌な予感がして周囲を確かめたんだけど……あたしらはこの場所に気づかないうちに閉じ込められているようだ」





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