ヘッドスライディングを極めた男

☆くらっしー☆

第1話 iphone17の発売日

 令和5年、西暦でいえば2024年の地球はテクノロジー全てを支配していると言っても過言ではない。

 スマートフォンや、タブレットのみならず人々の生活には機械がありふれている。

 新作のiphoneを発売日に購入するために、長い列に並ぶなど、テクノロジーという便利なものを手にするために、肉体を使うという逆転現象が発生しているのも、また事実である。



「まじ、iphone17楽しみなんだけど!!カメラレンズ5個になるの、まじエモくない!?」

「わかるーー!!今回から、基本機能で目ちょっと大きくなるし、輪郭も細くしてくれるのでかくない!?」


「動画が8Kで取れるんですよね。そして大容量の10TBモデルも発売するという」

「僕の気になるところは、デュアルウインドウでアプリを使えるところですかね」


今か今かと全員がiphoneを買おうと、並んでいた。



赤いはっぴを着た店員が店内から出てくるやいなや、メガホンを片手に


「iphone17!!発売しますので、皆様走らずに、お進みください!!!各自1個までの購入になります!!!それでは前から・・・」


ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ


店員が話し終わる前に、飛行機が通過して店員の声が聞こえなくなった。

その瞬間時速1000kmを超える飛行機から、黒い物体が飛び立った。


その物体は、時速1000kmから飛び出て、さらに自由落下により音速を超えた。


シューーシューー


ソニックブームが起きながら、地面に迫ってくる。


ズシャーーーーー


人々は目の端で微かにヘッドスライディングをする男を捉えた。


「せっセーフセーフ!!」


主審がコールする


超音速で飛び立った物体の正体は、黒い野球の服を着た男であった。


飛行機から飛び降り、ヘッドスライディングをしながら、iphone17購入の最前列先頭に割り込んだ。



「えー球審の白井です。先ほどのセーフの判定に関してですが、店員さんは走るのは禁止といいましたが、スライディング並びにヘッドスライディングは禁止しておりません。野球規則第17項によって、走者をセーフとし、iphone17の購入の先頭に置くことを認めます」

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