第7話 新たな仲間たち

 馬車に乗ったアリシア達はラーナドゥール王国の王都まで来ていた。


 銀色の髪を持つアリシアは王都に到着すると奇異の目で見られる事もあった。      


 仲間に励まされながらまずは神殿騎士団長のヨゼフに会う為に大神殿に赴いた。


 神殿の門にいる助祭に事情を説明して中にいれてもらい、ヨゼフの所まで案内してもらった。


 神殿の中の司祭達や神殿騎士もアリシアの容姿を見て驚いていた。


 ヨゼフの元に行くとヨゼフもそのアリシアの容姿に驚きの表情をみせたが、アレクからの書状とカタリナからの書状を渡され書状を読み終えるとアリシア達に労いの言葉をかけた。


 カタリナの事を知っていたヨゼフはアリシアに国王エイベルの元へと案内してくれるといった、謁見は明日と言われたアリシア達はその日宿屋に泊まる事にして大神殿を後にした。


 宿屋に向う途中アリシアと赤毛の少女がぶつかる。


 「あっと!ごめんなさい!」

  

 そう言って少女が立ち去ろうとした時にディオンが言った。

 

 「行く前に懐に隠した物を返すんだ。」


 ディオンの言葉を聞いた少女はその場から走ってにげたした。


 お金を擦られた事に気づいたアリシア達は少女を追いかけた。


 寂れた街外れまで追い掛けてアリシア達が少女を見失い探していると叫び声が聞こえた、声のする方に行くとお金を盗んだ少女がガラの悪そうな男に捕らえられていた。


 「声をたてるなよナディアちゃん、今日の稼ぎをもらうぜ!!」


 その様子を見たアリシアが言った。


 「待ちなさい!」


 アリシア達を見て男は神殿騎士だと気づくとその場から逃げ出した。


 残った少女にルークが言った。


 「盗んだ金を返してもらおうか?」


 少女は謝ってお金を素直に返した。


 アルナは少女に優しく何故お金を盗ったのか聞いた。 


 すると少女は両親を亡くした事、弟達を養う為に盗みを働いていた事、そして去っていった盗賊にみかじめ料を払っていた事を話した。


 それを聞いたアルナは少女と弟達を神殿に連れて保護してもらうようにアリシア達に促した。


 事情を知ったアリシア達はそれに同意した。


 日が暮れてきていた為、アリシアは少女を連れて行くのを自分とアルナに任せてソフィアとディオンそしてルークに宿屋を先に向うように言った。


 それを聞いたソフィア達3人は宿屋に向かった。


 アリシアとアルナは少女の案内で弟達のいる所に案内されると神殿へと向かった。


 道中アルナが少女と弟達の名前を聞いた。

 

 「私はアルナ、こっちのお姉さんはアリシアよ。貴方達の名前は?」

 

 「私はナディア、こっちの2人は弟のアランとフランシス。」

 

 それを聞いたアルナは笑顔でよろしくねと言った。

 

 「ありがとう、お姉ちゃん」

 

 ナディアがそう言うと弟2人もアルナ達にお礼を言った。


 神殿の中に入り司祭の1人にアルナが事情を話すと司祭はナディア達をひきとる事を約束した。


 アルナとアリシアが司祭に3人を託して去ろうとした時ナディアが言った。

 

 「私、お姉ちゃんと行く!」


 ナディアの意志は固かくアルナとアリシアは神殿に残るようにいうがそれでも着いていくと聞かなかった。


 「受けた恩は必ず返すことそれがお父さんやお母さんが言っていたことだから!」


 困ったアリシアとアルナはナディアを一度、宿屋に連れてディオン達に相談することにした。


 ナディアは弟達に別れを告げて神殿を後にした。


 「フランシス君やアラン君の事はいいの?」

 

 アルナがそう言うとナディアは言った。


 「あの二人は神殿にいたほうが幸せだから。」


 ナディアはそういってアリシア達についていった。


 暗くなった道を歩いているとガラの悪そうな男達がからんできた。


 「そのガキにようがある、姉ちゃん達は邪魔だ!」


 その時男達の後ろからフードを深くかぶり片方の目にアイパッチをした女性が現れた。


 「何だ!このアマ!!」


 「その子にようがある。」


 ガラの悪そうな男達がフードを被った女性にいうと女性はそう返した。


 男の1人がフードの女性に飛かかかるが女性はなんなく男を投げ飛ばした。


 仲間を倒され怒った男達は刃物を手にして女性にかかっていった。


 素手のまま女性は次々と男達を倒していった。


 1人の男が立ち上がろうとした時女性はバスタードソードを抜いて男の首元にむけて言った。

 

 「これ以上私を怒らせるな。」


 男達は我先にと逃げていった。


 「ありがとうございます」

 

 そう言った銀色の髪をしたアリシアの方をフードの女性がみると思った。


 (まさか、、、、、。)


 そして女性はアリシアに近づいてフードを脱いだ、女性もまた銀色の髪をしていた。


 アリシアは驚いた、フードの女性はアリシアに言った。


 「こんな形で会うとはね、私はシエナあなたの姉よ貴方の名前はアリシア?」

 

 「はい、そうです。」


 シエナはアリシアに近づくとアリシアを抱きしめて言った。

 

 「この国で苦労したでしょう。私と共にレイノルズ王国へいきましょう。」


 アリシアは自分は神殿騎士であり国王に会う用事があることを話すとシエナは自分も同行するとアリシアに伝えた。


 あたりは真っ暗で宿屋に向う事にした。

 シエナはナディアにお金を盗られた事を話すと宿賃を代わりに払う事を伝えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る