ちくわ・キュウリ・マヨネーズ

密室

第1話

雪は、容赦なく世界を白に染め上げていた。

昭和45年の冬、

凍てつくような風が吹き荒れる山肌。

私の父は、死の淵を垣間見ていた。


普段から山を愛し、

週末ともなれば必ず地元の山へと足を運んでいた父。

しかし、その日は違っていた。

いつものように、

軽快に山道を進んでいたのも束の間、

猛烈な吹雪が父を襲ったのだ。

一瞬にして視界は奪われ、

吹き付ける風は、

まるで刃物のようだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る