浮気した彼女が幸せになる未来なんて、絶対に許さない
クロスディアⅡ
第1話 プロローグ
第1話
「ふふっ、フウカの奴喜んでくれるかな?」
ウキウキでケーキを運ぶ男、
何故、ケーキを運んでいるのかというと、今日が彼女の誕生日だからだ。
「よし、着いた!くくっ、この俺のサプライズ攻撃を喰らえ!!」
変なテンションのまま家に突撃(合鍵持ち)した彼は、直ぐに異変を感じ取った。
「………何か静かだ。」
妙に静まってるし、電気も付いてない。
家に居ない?───いや、靴は有る。
というか、見た事の無い靴も………
───まさか!?
いや、アイツに限ってそんな事は………
「クソっ………」
俺はおそるおそる彼女の部屋へと近付いていく。
近付く度に、嫌な予感がどんどんと増していく。
それを無視しながら、俺は突き進んでいく。
───だが、現実は非情だった。
『あっ、其処っ♡もっと、もっとお願い♡』
───聞こえた、聞こえてしまった、聞きたくなんか無かった声。
彼女の部屋の中から、そんな声が聞こえてくる。
嘘だ、絶対に嘘だ!!
お願いです神様、どうか俺の想像通りの光景が広がっていません様に────
「もっと♡もっと其処を突いて♡♡」
そ、そんな………
其処には信じられない光景が広がっていた。
見知らぬ男に股を開き、淫らな声で懇願するフウカの姿が………
「あれ、徹?何で私の家に………あっ、そっか!そういえば、今日は私の誕生日だった!いやぁ、忘れてたよ♪」
「いや、何で忘れてたんだよ………」
男と繋がりながら、彼女は俺を見てそう告げた。
それは何時ものフウカの喋り方だった。
───状況は歪なのに、いつも通りの様に振る舞っている彼女に悪寒が走る。
何で、何でこんな状況なのにお前は────
「う〜ん、バレちゃった♡」
☆☆☆☆☆
まるで悪戯が成功したかの様な彼女の顔を見た後の記憶は、俺には無かった。
気が付けば、近くの公園のブランコに座り、一人泣いていたのだ。
どうして、どうしてこんな事に………
フウカ、本当に何で────
「ふふ、可哀想に。何か悲しい事でも有ったのですか?」
「なっ、誰だ!?」
いきなり聞こえてきた声に驚くと、俺の隣のブランコに見知らぬ女の子が座っていた。
思わず、綺麗だと思ってしまった………
───それと同時に綺麗と思っちゃ駄目だとも思ってしまった。
何だ、この女の子は!?
怖い、何故か心の底から怖いと思ってしまう。
何故なら、彼女に見つめられる度、俺の身体に甘ったるくてねちっこいナニカに纏わりつかれている様な気分になってしまうからだ。
もしかして、コイツは人間じゃなくて………
ば、化け───
「───私は雨崎 朱里。」
微かに怯える俺を嗤うかの様に彼女は自分の名を告げてくる。
───コレが俺と彼女との初邂逅だった。
奇しくも、今日がフウカの誕生日というだけでなく、金曜日の13日だったのは………
幸運だったのか、不幸だったのか………
───今でも俺には
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