燦々

ネコヤナギ

太陽のような笑顔

《陰下優慈》

今日も僕に向けられた笑顔が眩しい。暑苦しいほどの猛暑日。蝉の大合唱を聞きながら近くの公園で幼馴染の喜与とラムネを飲んでいた。喜与とは親同士が親友なため、生まれてすぐから一緒にいた。喜与のほうが4ヶ月ほど早く生まれているので初めての対面は僕が生まれてすぐの11月の中頃のことだったらしい。もちろん記憶はない。喜与については話すとすれば笑顔が太陽みたいに眩しいということだ。もちろんみていて火傷をすることもないし、おそらくどんな手段で見たとしても失明もしない。屈託のない笑顔で周りをも笑顔にしてしまえる力を持っている。ということだが、そんなあまりにもありきたりな説明では喜与の笑顔に失礼な気がしてならないので喜与の大好きな「太陽」という言葉を使っている。冒頭でも伝えたように、今日も喜与の笑顔が太陽のように眩しい。だが僕はむけられた笑顔とは裏腹に10年ほど喜与の笑顔に嵐が訪れたときのことを思い出していた。

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