13. 顔に出てるよ

13. 顔に出てるよ




 奥様への誕生日プレゼントに困っている、アルグラッドさんのために私とミルディは協力をすることにしました。でもアルグラッドさんの奥様はどんな人なのですかね?それが分からないと選ぶ基準がわかりませんね。


「あのアルグラッドさん。奥様の写真とかありませんか?どういう人か分からないと選びにくいのです」


「そういえばそうだね。写真ありますか?」


「ああ。そうだったな、これがオレの妻のミーナだ」


 アルグラッドさんは私たちに奥様の写真を見せてくれました。とても美人なお姉さんだったのです。


 そして奥様への誕生日プレゼント選びが始まりました。私は本の知識を思い出して選ぶことにするのです!


 お花やお洋服もいいですが、今回は普段使いできるものがいいでしょうかね?


 うーん、どうすればいいのか悩むのですね。そんな時、一軒のアクセサリー屋さんの横を通りかかると私の目に綺麗なネックレスがとまったのです。


 おお……これは宝石もついていますし、凄い良さそうなのです。これならいいかもしれません!私がそれを見ていることに気がついたミルディが話しかけてくるのです。やっぱり女性としてこういうものは見逃せないようです。


「へぇ~良さそうなネックレスだね。アリーゼもちゃんと選べるんだ?」


「当たり前なのです。私は聖女なのです」


「いやいや聖女は関係ないでしょ……アルグラッドさんこのネックレスとかいいと思いますけど?」


「……値段を見てくれ。オレじゃ買えん」


 確かに……凄い値段なのです。とりあえずそのネックレスはあきらめる事にし、とりあえず中に入って他のアクセサリーを選んでみることにしたのです。


 奥様のミーナさんは清楚なお姉さんって感じなので、あまり派手な物は良くないのですね。シンプルだけど可愛いデザインの物を選びたいところですけど、なかなか難しいのです。


 ふむぅ……。


 結局、色々見て悩んで選んだのは髪飾り。色はピンクゴールドでハート形のチャームがついているもの。これを渡せばきっと喜んでくれるはずなのです。こうして私たちは無事に誕生日プレゼントを選ぶことができたのです。


「アルグラッドさん。これで大丈夫ですか?」


「ああ助かった。ありがとな」


「いえいえなのです」


 そんなに感謝されると頑張ったかいがあるのです。ここでミルディが更に素晴らしいことを提案するのです!


「あ。あの!ケーキも買って帰ったほうがいいと思いますよ?あたしなら凄い喜ぶし!」


「そういうものなのか?」


「そういうものです!」


 そのミルディの提案には賛成なのです。美味しいものを食べればみんな幸せになれるのです!というか……なんかミルディが色々女の子らしい提案をしているのが少し不思議な感覚というか……変な感じがするのです。そんなことを思っているとミルディがジト目で睨んでくるのです


「……なにアリーゼ?」


「え?いえ。何でもないのですよ?」


「嘘。どうせ、あたしが女の子らしい提案してるのがおかしいって思ってるんでしょ?」


「え……なんで分かったのですか!?もしかしてミルディ……人の心が読めるのですか!?魔法なのですか!?」


「いや顔に出てるよ……まぁアリーゼにだけ通用する魔法と言えば魔法かもね?アリーゼはあたしの前では嘘はつけないと言うことだね?」


 そんなに顔に出てましたかね?と自分の顔をペタペタ触ってみる。おかしいのです……別に嘘をつくつもりはありませんけど、あとで『ポーカーフェイス』になる方法という本を探して読むことにするのです!次はミルディにバレないようにするのです!

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