~ニコライの試算(しさん)~(『夢時代』より)

天川裕司

~ニコライの試算(しさん)~(『夢時代』より)

~ニコライの試算(しさん)~

 学(がく)の維持から向上して活き俺の胸中(うち)にはやがて概(おお)きな死骸が跳んだが、旧い〝葦〟には許容(ゆるし)が乞われて、自己(おのれ)を培う無造(むぞう)の進化に一幻(ゆめ)をすっぽり象り出した。――生れ始めの幼稚な許(もと)には無頼を着飾る進化が苗(な)え付き、鎹から成る杞憂の主宴(うたげ)は幼児(こども)の進歩を促進して活き、促栽(そくさい)され生(ゆ)く未熟の様子は表情(かお)を保(も)たない哀れと成った。――、幻想(ゆめ)の小躍(おどり)に真綿が活き出し自体(おのれ)の真綿でしっかり温(ぬく)まる用(よう)を足せない未完(みじゅく)の哀れは、幻(ゆめ)の咎(とが)から何も活きない晩夏(なつ)の微温味(ぬるみ)を矢庭に据え持ち、今年の初秋(あき)から平和の晩秋(あき)まで過労に通じる念力さえ保(も)つ…。無垢に慕(した)わる初めに掌(て)にした緩い記憶は幻想(ゆめ)と生気の矛盾に暮れ生く凡庸(ふつう)の自主(あるじ)の白壁(かべ)に向かって、夢想(ゆめ)への危惧から無己(むこ)を象る白紙(こころ)の調度に衰微を図られ、精神(こころ)も思惑(こころ)も真心(こころ)も気心(こころ)も純情(こころ)も本心(こころ)も人体(からだ)に保(も)たない私闘遊戯(しとうゆうぎ)の愚昧の〝哀れ〟が、現行(いま)を活き得る現代人(ひと)の旧来(むかし)に概(おお)きく居座り無理をして居る…。現代人(ひと)に在るのは罪に狂奔(はし)れる本能(ちから)の一つ。現代人(ひと)の遊戯は滑稽から成る死亡の許容(うち)から活性していた。幻想(ゆめ)の境地へ矛盾が報せる俺の白紙(こころ)は無力を共鳴(さけ)び、白亜(しろ)い檻(おり)から無宿(むじゅく)の生果を器用に纏める辛(から)さに詰め上げ、旧来独語(むかしがたり)の四旬(しじゅん)の折りには、夜半(よわ)の寝床が人形(ひと)を仕上げる無界(むかい)の小敗地(アジト)が生活して居る。幻想(ゆめ)の自滅(ほろび)に虚空が蟠(たま)れる無知の身欲(みよく)は群象(ぐんしょう)さえ識(し)り、自体(おのれのからだ)を最近知れ得る幼稚を掌(て)にした奔走等には、分厚(あつ)い遊戯がどんどん翻(かえ)れる私塾の朝から無言を嗾け、翌朝(あさ)の優美(ゆうび)に自己(おのれ)を呼べ得る私情(こころ)豊かな白亜(はくあ)の天使は、一幻(ゆめ)の延命(いのち)に器量が咲かない〝物(もの)〟の遊戯に弁茶羅(べんちゃら)している。

 改め始める幻想(ゆめ)に纏めた自己(おのれ)の生気は、事始(こと)に纏わる未活(みかつ)の遊心(こころ)を夕日に照らして俗世を毛嫌い、人物(もの)の四肢(てあし)にしがみ付くまま性根(しょうね)を腐らす旧(むかし)の傀儡(どうぐ)を、感覚(いしき)に届けて無感覚(いしき)に引き出す艶(あで)な法(ほう)から解明した儘、幻(ゆめ)の初端(すそ)から奇妙に勃(た)ち往(ゆ)く首(どくろ)の主観(あるじ)に認識させ得た。幻(ゆめ)の孤独を延々包(つつ)める事始(こと)に向き生く〝哀れ〟な独自は、幻想(ゆめ)の許容(うち)から本能(ちから)を幻見(ゆめみ)る滑走経路を有難にも識(し)る…。

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 …天然に肥えた雄(おす)が出て来た。雄は或る時『鉄拳』のポールにも似て、同時に、ケンタッキーでバイトして居た時に再会をした白い猪突の男にも似た。又、その雄は、これまで俺の傍(そば)から結婚して巣立って行った(離れて行った)全ての知人に見えたりもした。白い猪突の男は小学校時の級友である。

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 明日(あす)の希望(あかり)に尋常(ふつう)を観ながら幻想(ゆめ)の現(うつつ)に凡庸(ふつう)を見抜かれ、脆弱(よわ)い幻想(ゆめ)には朝陽が届かぬ孤独の言語が噴散(ふんさん)している。俺の心身(からだ)が女性(おんな)を乖離(はな)れて遊離の形に身欲(よく)を観ながら明日(あす)への共鳴(なげき)に魅惑を想わす事始(こと)の経過(ながれ)を器用に見忘れ、漆黒(くろ)い人煙(けむり)に虚無を巻かれる勝手ばかりが新参し始め、孤高の未憶(みおく)が紡ぎ行かれる気楼(きろう)の豊穣(ゆたか)は清閑(しずか)に萎え生く…。人間(ひと)の形(かたち)が既視(すで)に撓(たわ)めた自己(おのれ)の発声(こえ)には未順(みじゅん)が究(きわ)まり、忘れ果て生く白亜(しろ)い規律(おきて)は身軽(かる)い都会女(おんな)にどんどん擦(す)り寄り、自然(あるじ)の味方が女性(おんな)に成るなど男性(おとこ)の精神(こころ)は二手(ふたて)に分れて、強靭(つよ)い一男(おとこ)と脆弱(よわ)い男性(おとこ)の対極ばかりが俗世(このよ)を彩(と)った。俺の心身(からだ)は煩悩(なやみ)を忘れて躰を棄て置き、虚無の許容(うち)から女性(おんな)を造れる神秘(ふしぎ)の孤独に化粧を解(ほど)かれ、甘い吐息が木霊すばかりの旧い俗世(このよ)に気楼を観たのは、厚い空間(すきま)に分散して生く一女(おんな)の残臭(におい)と落胆だった。俺の背後は現(うつつ)が象る女性(おんな)の余命(いのち)を事毎(ことごと)費やし白亜(はくあ)と見紛い、分厚(あつ)い規律(おきて)を真摯に気取れる強靭(つよ)い阿国(おくに)の美朗(びろう)を着せ替え、無茶な女性(おんな)の美麗を紐解く真摯の瞳(め)をした自分の分身(かわり)を、宙(そら)に跳(と)ばして文句(ことば)に留(と)め得(う)る真っ向勝手(まっこうがって)の目論見から観た。現代人(ひと)の生活(かて)から自ずと乖離(はな)れる一幻(ゆめ)に活き得た旧(むかし)の賢者(けんじゃ)は、俺の背中にずっと活き得る旧来独白(むかしぎこえ)の秘密(からくり)から漏れ、現代人(ひと)の価値など全く識(し)れない独人(ひとり)の明日(あす)へと亘(わた)って行った。

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 両目がややとろんとした誰かに似て居る黒髪の女が出て来た。初めに彼女の方から一方的に片想いしてくれて、俺の彼女の様(よう)に成ってくれて居た。器量は見立てに寄れば好(よ)い物の様(よう)だったが、飛び切り可愛らしいと言う程の物でも無かった。故に俺の思惑(こころ)には、自分の彼女・配偶者に成るのはこの娘でなくても構わない、と言ったような、一瞬ずつの迷いのようなものが寸々(ちょくちょく)顔を出して居た。

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 …彼は或る文芸雑誌で「硝子」という小説を読んだ。

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 都会の女が俺から乖離(はな)れて児(こども)の眼(め)をした漆黒(くろ)い珊瑚が憔悴した儘、俺の心身(からだ)は常識(かたち)が分らぬ純白(しろ)い不断がはぁはぁ息巻き、純白(しろ)い小躍(おどり)が無数に蔓延る無憶(むおく)の分厚味(あつみ)を構成して居た。高滑席(リフト)に蔓延る無断の気色が俺の前方(まえ)から滑々(つるつる)暗転(ころ)がり、日本の秋から夜長に片付く無意(むい)の景色は盲信した後(のち)、幻(ゆめ)の厚味(あつみ)に邁進して生く滑稽(おかし)な労苦の中流労(ブルジョア)達には、狭い視察の界(かぎり)の許容(うち)にて堂々巡りの無心を彩(と)った。一途(いちず)の幻想(ゆめ)から一男(おとこ)が失(き)え去る女性(おんな)の企図には悪意が漲り、幼稚な女性(おんな)の旧(ふる)びた視野では未来(さき)に発(た)て得る理性(はどめ)が成らずに、空野(くうや)に仰け反る幻夢(ゆめ)に跨げる無駄な晴嵐(あらし)は、奇想の範囲(うち)から原野(げんや)に暗転(ころ)げる虚飾の空間(あいだ)を通感(つうかん)して居た…。

 幻覚(ゆめ)の翻(かえ)りを真面に占め出す自体(おのれ)の無口は帰郷に伴い、幻覚(ゆめ)の狭筵(むしろ)が屈葬され行く邪魔な女性(おんな)の未知が高まり、幻覚(ゆめ)の概(おお)きに固陋が低まる無数の輪舞曲(ロンド)は段々透され、淡く弾ける虚空の翌朝(あさ)には、「翻(かえ)り」が利かない無用の自主(あるじ)と文言(ことば)を依(たよ)れぬ無業(むぎょう)の自主(あるじ)が孤独を観た儘すんなり活きた。―――。耐えて忍べる脆(よわ)い唸(うね)りは煩悩(なやみ)の許容(うち)から主観(おのれ)を遠ざけ、次第に高まる宙(そら)の幻(ゆめ)から器量を忘れた小僧が袈裟駆(けさが)け、明日(あす)を這い生く滑稽(おかし)な一幻(ゆめ)には陽光(ひかり)の厚味(あつみ)に体形(かたち)を失う橙色した小志(こころ)の所以(ありか)が、漆黒(くろ)い煩悩(なやみ)を行李(かご)に容(い)れ生く未覚(みかく)の自然(あるじ)を充分観て居た。―――俺の居場所は夜目(よめ)に映らぬ未憶(みおく)の寸出(すんで)に据えて置きつつ旧い芽株(めかぶ)が昨日に準ずる暗い夜から密かに仕上がり、明日(あす)の背中へ駆けて堕ち行く幻想(ゆめ)の脚色(いろ)には無断が活き付け、酔狂(くる)う日(ひ)の粉(こ)が一通(とおり)に抜けない紺(あお)い真昼がかっと燃え生く…。

 俺の未完(みじゅく)が生気を画(かく)せる旧い夜霧は発声(こえ)に流行(なが)れて、夜半(よわ)の月(つき)から矛盾を観て生く感覚(いしき)の上では煙たい鈍(にぶ)りが興(きょう)を紐解き、明日(あす)の宮(みやこ)へどんどん堕ち生く旧い懸橋(はし)には魑魅が袈裟駆け、幻夢(ゆめ)の文言(ことば)が水鏡(かがみ)に映れる無駄の〝社(やしろ)〟は一男(おとこ)を儲けた。幻想(ゆめ)の空間(すきま)が鋭く澄み行く旧い案山子の温度の内(なか)には、精神(こころ)が縛られ損をして生く旧い水面(みなも)がどっしり居座り、結婚してから男性(おとこ)の労費が女子を気遣い増えて行く儘、結婚したのち一男(おとこ)が死に往く無言の規定(さだめ)を語らい始めた…。

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 …女性(おんな)と結婚した男性(おとこ)は必ず死期を早めるものだ。

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 生気を奪(と)られた男性(おとこ)の人群(むれ)には宙(そら)を飛び行く〝男・女(だんじょ)〟が現れ、早い吐息に我を忘れる司業(しぎょう)の末(すえ)にて末路を彩(と)られて、一人弄(ひとりあそ)びに強靭(つよ)い一女(おんな)に児(こども)を奪われ一男(おとこ)の生活(かて)には、幻(ゆめ)の無駄から無益が生じる緩い規律(おきて)が舞い込み始める。女性(おんな)の貌(かお)には余裕(ゆとり)が失(け)されて烈しさだけ発(た)ち、「強い母性(はは)」など標語(ことば)を連ねる無知の欠伸が間延びをした儘、膨らむ気儘は遊女(おんな)を培い生活(かて)を欲張る行李(かご)の独房(へや)から男性(おとこ)を追い出す。女性(おんな)の哀れはは未知の目下(ふもと)で悪態吐(づ)き生く我儘・気儘を執拗(しつこ)く振り上げ、孤高の勇者に朝の無いうち女性(おんな)の御殿は揚々膨らみ、男尊女卑から女尊男卑(じょそんだんぴ)の隠れた試案を充分、練り上げ、不快調和(ふかいちょうわ)を余分に蹴散らす狡猾極まる幼稚を集める…。女性(おんな)の自覚(かくご)は旧い一幻(ゆめ)から試算に仕上がる無数(かず)を収めた思想に基づき、狂い咲きする脆弱(よわ)い正義は夜半(よわ)の日元(ひもと)を既視(おおめ)に観た儘、自体(おのれ)の真昼をぽつんと浮べる未完(みじゅく)の居座(すわり)に胡坐を決め込む。人間(ひと)の空体(からだ)に意表が表れ無為に寝就ける幻夢(ゆめ)の暗路(やみじ)は夢想(むそう)に集まる個録(ころく)の途(と)を識(し)り、意味の無いまま宙(そら)を気取れる昔気質(むかしかたぎ)の独身(かたみ)が在った。白亜(しろ)い孤独に陰府(よみ)を識(し)るうち一幻(ゆめ)に準(なぞ)れる故郷の真中(まなか)は、活きる全身(からだ)に文言(ことば)を託せる虚空の日中(ひなか)を真っ直ぐ気走(きばし)り、問答して生く旧(むかし)の活き血は若い自己(おのれ)を活性させ行く…。幻(ゆめ)に頼れる煩悩(なやみ)の主観(あるじ)は自体(おのれのからだ)を宙(ちゅう)に浮かせる架空の旋律(しらべ)を真傍(まよこ)に携え、幻想(ゆめ)の祈りに未知を問わない緩い気丈に追い込まれて居た。一幻(ゆめ)の白壁(かべ)には分厚(あつ)い気力が気迫を呼び付け幻(ゆめ)の主観(あるじ)の漆黒(くろ)い身辺(あたり)は生相(きそう)に伴う活力(ちから)を見て採り、幻想(ゆめ)の活力(ちから)に腕を組み去る桃(はで)の一輝(ひかり)を純白(しろ)く潰した。

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 俺は確か大学の催しに参加して居り、その催しは実は、俺が自宅でこれまで積み上げて来た成果が実って成ったものだった。その成果とは、ドラゴンクエストⅧの事で、ずっとレベル上げをして居た努力が報われての一大イベントだった。

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 人間(ひと)の孤独を緩和するため宙(そら)の目下(ふもと)に余命(いのち)を垂らせる向日の儀式を既視(おおめ)に観て居り、机上に拡げた無意(むい)の諸刃(やいば)は事毎(ことごと)虚無から脱出して活き、白亜(しろ)い私欲(よく)から未信(みしん)を併せる気丈の揺蕩(ゆらぎ)が往進(おうしん)して活き、幻想(ゆめ)への自覚(かくご)を見守り続ける分厚(あつ)い主観(あるじ)は幻滅した儘、在る事無い事、総ての主観(あるじ)を虚構(ドラマ)に照らせる無心の仰臥(ぎょうが)を打ち始めて居た。

 一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)に総力(ちから)を費やし一幻(ゆめ)の生途(せいと)を未知に畳める故意の自主(あるじ)は矢庭に静まり、時折り急いては母性(はは)を愛する自己(おのれ)の無欲を詩吟して居り、母性(はは)の一胎(たい)から呑気が解(ほぐ)れる古郷(こきょう)の静間(しずま)を得々(とくとく)観て居た。―――、五月蠅(あわ)い背中に夕日を引くのは自己(おのれ)の発声(こえ)にて幻想(ゆめ)等には無く、分厚(あつ)い独語(かたり)が独創して行く旧来独白(むかしがたり)の残肢(ざんし)の上では、幻(ゆめ)の水面(みなも)が常盤に咲かない旧い〝手数(てかず)〟に相当している。幻想(ゆめ)の酔いから強靭差(つよさ)が産れて俗世(このよ)の生果に充分見たのは、自体(おのれのからだ)が延び生く人陰(かげ)から幻(ゆめ)の理(り)を解(と)く阿婆擦れでもあり、幻想(ゆめ)の自覚(かくご)を殊に概(おお)きく報(ほう)じて居たのは、旧(むかし)に仕舞える架空を掌(て)にした黄泉を識(し)り得(う)る涼風でもある…。孤独の真中(まなか)を術(すべ)が無いまま独歩(ある)いて生くのは自体(おのれ)の幻想(ゆめ)から燦々照り生く拙い延命(いのち)の清閑(しずけさ)からにて、俗世(このよ)の元(もと)から幻想(ゆめ)を概(おお)きく彩り始めた自己(おのれ)の身辺(あたり)の活気の成果(はて)には、一幻(ゆめ)に即した漆黒(くろ)い髑髏が途(みち)を捜して大きく鳴いた。

 強靭(つよ)い静寂(しじま)の脚力(ちから)の生果(さき)から幻想(ゆめ)の明日(あす)へと嗣業を続ける巧い秘密(しかけ)が自然(あるじ)から活き、自己(おのれ)の人影(かげ)から生気を相(あい)せる白亜(しろ)い柔和に脚色(いろ)が落され、俺の背後に勇気を見て取る神秘(ふしぎ)の日(ひ)の粉(こ)は裸償(らしょう)を負った。自己(おのれ)の生気を程好く纏める拙い延命(いのち)の相(そう)の許容(うち)には、明日(あす)への孤独が〝打開〟を紐解く幻想(ゆめ)の大器(うつわ)が然(ぜん)として在り、男女(ひと)に纏わる俗世(このよ)の延命(いのち)は露(つゆ)に消えない生命(いのち)を保(も)たされ、孤独と孤独を宙(そら)へ翻(かえ)して揺さ振る悪魔は、事毎調子を天(そら)へ仰げる旧(むかし)の生憶(きおく)に葬られて居た…。分厚(あつ)い白壁(かべ)から静寂(しじま)が出遅れ、旧い気憶(きおく)が多少を識(し)り行く生活(かて)に飽きては、男女(ひと)の孤独が狂奔して生く一幻(ゆめ)の未活(みかつ)に無頼が擦(す)り出て孤独の晴嵐(あらし)を品留(ぴんど)めして行く俺の白紙(はくし)は終始浮き立ち、白亜(しろ)い驟雨に見紛う生活(かて)には目的(あて)の無いまま無断を欲しがり、気楼に呑まれる旧(むかし)の体(からだ)は性(せい)に輝き自主(あるじ)を呼んだ…。孤独の分厚味(あつみ)が緩々解(ほど)けて一幻(ゆめ)の小器(うつわ)が宙(そら)へ流され、自体(おのれのからだ)を未憶(みおく)に眺める夢中の音頭は段々膨らみ、幻(ゆめ)に巻かれる途中の恨みは思惑(こころ)の体裁(かたち)を概(おお)きく越えた。白亜(しろ)い孤独が自己(おのれ)に失(き)えても夢中の揺蕩(ゆらぎ)は道標(みちしるべ)を観て、一女(おんな)の孤独に恋を咲かせる幻想(ゆめ)の亘(わた)りは夢中を識(し)らねど、分厚(あつ)い白壁(かべ)には明日(あす)に並べる精神(こころ)が開(ひら)かれ、黄泉の故郷(くに)から一人(ひと)を裁ける旧来独白(むかしがたり)の温味(ぬくみ)を知った。俺の心身(からだ)は真白(しろ)い気色が宙(そら)を見たまま自体(おのれのからだ)が器用に倣える風習(ならい)の合図を充分見て取り、一幻(ゆめ)の白衣(ころも)に一幻(ゆめ)を見て取る固陋の自覚(かくご)は暗算しながら、脆弱(よわ)い自己(おのれ)を真面に見て取る俗世(このよ)の呼笛(あいず)を充分見守る…。白亜(しろ)い吐息が奇想の企図へと自ず運ばれ、未知の幻(ゆめ)から幻想(ゆめ)を責め奪(と)る俗世(このよ)の模倣(ならい)に人形(すがた)を見て取り、分厚(あつ)い護りは明日(あす)に仕上がる旧(むかし)の貌(かお)さえ未完(みじゅく)に就いた。一幻(ゆめ)に仕える保身の矢先に黄色い瞳(め)をした孤高が渦巻き、旧来独語(むかしがたり)に本音を埋(うず)める分厚(あつ)い囃しに詩吟(うた)を縫い付け、現世(このよ)と現行(いま)との黄泉への下(くだ)りは男・女(だんじょ)の感覚(いしき)を自然(あるじ)に観た儘、父性(ふせい)を乖離(はな)れた自体(おのれ)の精神(こころ)を最も相(あい)して概(おお)きく愛でた。

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 しかしそのドラクエⅧは変っており、四人しか普通はパーティを組めない(しかも最初からドラクエを作るスタッフ側が決めている)のに拘らず、その四人に加えて予備軍の様(よう9に(ベンチ入りの控え選手のように)、十人程も追加し、ラストのボス戦に備えても良い、と言う様(よう)に出来ていた。

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 無知の柔らが機嫌を直され幻(ゆめ)に果て得(う)る律儀を突いても、自ずと集まる古風な気色は一幻(ゆめ)の孤憶(こおく)に立春(はる)を固めて、惨い空気(くうき)の律儀の上では努めて振る舞う悪事が歩を割き、これまで観て来た無断の延命(いのち)は呼吸(いき)を掌(て)にして身許を識(し)った…。一幻(ゆめ)の独語(かたり)は身元を窄めて概(おお)きく絡まる利断(りだん)を拵え、奇妙の両眼(まなこ)に不問を置き得(う)る魔性(ましょう)の人陰(かげ)にて無様を囃され、身憶(みおく)の人界(かぎり)に横断して行く無性(むしょう)の気憶(きおく)は私用に任せど、一幻(ゆめ)を阻める生憶(きおく)の空間(すきま)は宙(ちゅう)を透して不断を敷いた。事始(こと)に対する自己(おのれ)の生憶(きおく)が夢中に成るころ勇気が芽生え、女性(おんな)の背後を俺が象(と)り生く旧神秘(むかしふしぎ)の鼓動を幻見(ゆめみ)て、自己(おのれ)の宙(そら)から自重に溢れる文言(ことば)の概句(おおく)は〝鼓動〟を識(し)らずに、何処(どこ)か遠くの神秘(ふしぎ)を見守る分厚(あつ)い心裏を有頂に留(と)めた。菊の華から律儀が積まれる神秘(ふしぎ)の桜花(おうか)は俗世(このよ)に活き付け、幻(ゆめ)の自主(あるじ)を輪舞曲(ロンド)に渡せる宙(そら)の古風は〝私〟を識(し)らずに、俺の思惑(こころ)に未憶(みおく)を奏でる分厚(あつ)い記憶を精神(こころ)に紐解く微温(ぬる)い空気(しとね)にその実(み)を遣れた。孤高の肉体(からだ)を見様(みよう)に晒せる旧い小敗地(アジト)の連携帯(れんけいおび)には、一女(おんな)の孤独が吐息を飾れる脆弱(よわ)い生気が正気を紐解き、幻(ゆめ)の白身(しろみ)を虚空へ遣っては落ち着く先など一見(ひとみ)に保(たも)てる、遥かな四肢(てあし)に文言(ことば)を気取れる無想の強靭味(つよみ)を既視(おおめ)に観て居た。

 幻夢(ゆめ)に気取れる無想の〝四肢(てあし)〟は男性(おとこ)の肢体(からだ)を生茂(せいも)に認(みと)める旧い孤独に悪態吐(づ)き活き、分厚(あつ)い夜宙(よぞら)の冷気の果てでは滑稽(おかし)な夜雲(よぐも)が前方(まえ)を先見(さきみ)て、幻(ゆめ)の翻(かえ)りが滔々付かない快楽(らく)の所以(ありか)を分解している…。一幻(ゆめ)の文言(ことば)が虚空に漂い自体(おのれ)の斬新(あらた)を利潤に観ながら、分厚(あつ)い過程(さなか)に遊戯を見取れる自体(おのれ)の謳歌を擬態に任せて、白亜(しろ)い吐息に旧(ふる)きを伴う余裕(ゆとり)の謳歌を充分愉しみ、痛んだ白髪(かみ)には無言が落ち着く虚空の小敗地(アジト)の空気(しとね)が跳んだ。苦し紛れの生活(かて)の範囲(うち)から無数に許せる空気(しとね)が跳び去り、分厚(あつ)い白壁(かべ)から履修を要する孤独の旋律(しらべ)は夜毎を越えて、男性(おとこ)と一女(おんな)の低空(そら)の範囲(なか)から未完(みじゅく)に保(も)たせる霊(れい)さえ永らえ、漆黒(くろ)い人界(かぎり)が無頂(むちょう)を紐解く具体調(ぐたいしら)べの段取り等する…。生(せい)を冠して性(せい)を律する不明の自主(あるじ)は小言を敷き詰め、幻(ゆめ)の主観(あるじ)に暴挙を逸する不従の談路(だんろ)を合算(ごうさん)しながら、苦渋の生茂(せいも)を悪算(あくさん)して生く旧い定律(おきて)に前触れさえ無く、奇妙の幻(ゆめ)にて退屈(ひま)を殺せる〝相(あい)〟の巨躯から無想が零れて、自体(おのれのからだ)を暗(あん)に見詰める女神の哀(あい)から流行(なが)れる気色は、一(いち)にも三(さん)にも滑稽さえ無い未完(みじゅく)の改心(こころ)を不乱に添えた…。

 自己(おのれ)の成果は生果に乏しい無想に究(きわ)まり、事始(こと)の過程(さなか)に流行(なが)れる身欲(よく)から白髪(かみ)を束ねる無断を欲しがり、活きて相(あい)する生(せい)の総身は夢想(ゆめ)の純白差(しろさ)に呆気(あっけ)に取られて、気分を良くする文言(ことば)の廻りにお道化(どけ)識(し)らずの孤奏(こそう)を解(と)いた。惨く終れる無倣(むほう)の共鳴(さけび)に白亜(しろ)い四肢(てあし)が如実に咲き暮れ、相(あい)する我が児(こ)の分身(かわり)を努める夢想から成る我が作品にはもう、収拾付かずの杞憂が流行(なが)れる旧伝(むかしづた)いの気色が積まれて、幻(ゆめ)の葦から未完(みじゅく)が果(さ)き生く憤怒の証明(あかし)が茹(ゆだ)って在った。夢想(ゆめ)の両眼(まなこ)に自己(おのれ)が浮き立つ時雨日和の〝我が闘争〟にも今、自体(おのれ)が活き得る美識(びしき)に経過(なが)れる努めの呼笛(あいず)が白亜(しろ)い小鳥を雲母に呼び付け、健気に異なる事始(こと)への闘志を誇らし気に観てにんまりして在る…。幻想(ゆめ)の許容(うち)にて感覚(いしき)を拾える独房(へや)に零れる一幻(ゆめ)の主観(あるじ)は、曖昧ながらに延命(いのち)を活き尽く(き)る一幻(ゆめ)の空気(しとね)に翻(かえ)り続けて、零れた感覚(いしき)は闘い続ける現世(このよ)の悪(あ)しきを野平(のっぺ)り片付け、幻(ゆめ)の王座に居座り続ける王児(おうじ)の白衣(ころも)を夢中に着て居た。王児(おうじ)の白衣(ころも)は堂々巡りの経過(さなか)に破れて相(あい)も変らぬ学(がく)の進歩に衰退して生き、地道から成る孤独の歌手には夜気(よぎ)を生やして叫(うた)い続ける幻想(ゆめ)の信慮(しんりょ)を塞いで在った。未知の物体(からだ)に真実(まこと)が仕上がり自己(おのれ)の虚無から虚構(ドラマ)が仕上がり、未練に背ける自主(おのれ)の未覚(みかく)は辛抱強くも誠実(まこと)を退(の)け遣り、早くも遅くも宙(ちゅう)に逃げ往(ゆ)く生茂(せいも)の〝宮(みやこ)〟は零落れ続ける…。人間(ひと)の生果に成果(はて)が見得ない無適(むてき)の真価は湧き水さえ見ず、幻(ゆめ)の許容(うち)から虚無に溶け行く自体(おのれ)の永命(いのち)の流行(なが)れる成果(さき)には、努めて囃せる未知の夕べが未覚(みかく)の峠を果(さ)きに見渡せ、分厚(あつ)い生憶(きおく)に打(ぶ)ち撒け続ける一幻(ゆめ)の進化は孤高に絶えない。禿頭(かむろ)を冠した五十歳(ごじゅう)丁度の中年男は幻想(ゆめ)の世界に埋没して生く脆弱(よわ)い一体(からだ)を大事にした儘、一幻(ゆめ)の未覚を遠くに観ながら精神(こころ)の進化は退化を奏でる非道(ひど)く幼稚の擬態を採った。真白(しろ)い明日(あす)から今日の「明日(あす)」迄いろいろ捜せる虚無の範囲(うち)には、微弱(よわ)い独語(かたり)が永久(とわ)を照らせる旧来独語(むかしがたり)の生憶(きおく)が息衝き、幻想(ゆめ)の畔(ほとり)へ潤(うる)んで来たのは永久(とわ)に経過(なが)れる気楼であった。会陰名(いのち)の手綱が幻想(ゆめ)を乖離(はな)れる微睡味(まどろみ)から観た「今日の記録(きおく)」は、文言(ことば)少なに一幻(ゆめ)を託せる晴嵐(あらし)の坩堝に女神を据え置き、孤高の身許が達観して生く旧・峠(むかしとうげ)の旧差(ふるさ)を描(か)いた。無言の宙(そら)から〝人間(ひと)〟が落ち着き、無駄に消え生く振舞いばかりが未来(さき)へ亘(わた)って、漆黒(くろ)い独義(ドグマ)が器用に並べる無信の日(ひ)の掌(て)が紅葉して行く浅い縊れが凡庸(ふつう)を嫌がり、車で〝日々〟から明日(あす)へ失(き)え生く無断を欲しがる〝人間(ひと)〟の魔の手は未知の側(そば)からこの地に堕ちた。無言に纏わる日々の文句(ことば)は自体(おのれ)に未完(みじゅく)の〝日(ひ)の掌(て)〟を持ち上げ、地道に活き生く無謀の発音(おと)から桃(はで)に着飾る透明など識(し)り、移り変れる人間(ひと)に基づく器用な文言(ことば)は自己(おのれ)の仕手から虚空へ失(き)え去る…。

 幻夢(ゆめ)の宮(みやこ)に生調(きちょう)を見付ける〝片付く集成(シグマ)〟は断固を遠ざけ、自体(おのれ)の未知から白亜(はくあ)に活き貫(ぬ)く朗(あか)るい葦には嗣業が基づき、明日(あす)の空城(くるわ)に自己(おのれ)を這わせる無己(むこ)の生笛(きてき)はどん底から成り、映えて活き得る俗世(このよ)の目下(ふもと)で自体(おのれ)の進化は苦労を識(し)った。俗世(ぞくせ)の冷風(かぜ)から自力(ちから)が仕上がり男・女(だんじょ)の形成(かたち)が無言に居座る「概(おお)くの境地」は興味を引っ掻き、幻盲(ゆめ)の一宙(そら)から無言が仕上がる無茶の暴途(ぼうと)は奈落を観た儘、旧い現世(このよ)でしがみ付くのは無理を通せぬ具体でもある。明日(あす)の孤独をこの身に覚(さと)らせ一幻(ゆめ)の頼みに俗世(このよ)を観るのは自体(おのれのからだ)が宙(ちゅう)を引(ひ)っ跳ぶ自主(あるじ)の生気に概(おお)きく仕上がり、無駄な意気地(いくじ)を奔走(はし)らす厚い身辺(あたり)は仰臥に身構え、一幻(ゆめ)に儚い人間(ひと)の純白差(しろさ)は「明日(あす)の鎹(かなめ)」を大きく識(し)った。夢中に惚れ貫(ぬ)く〝故郷〟を見知らぬ哀れな戯(ざれ)には幻想(ゆめ)に纏わる旧い取っ手が未知に活き生く「自覚峠(じかくとうげ)」の身震いさえ発(た)ち、幻想(ゆめ)の身憶(みおく)が発足して生く勢いばかりの秋空(そら)の目下(した)では、自由が担がれ自由に振り向く未完(みじゅく)の雰囲気(ムード)が〝斑気(むらき)〟を添えた…。―――、幾つの日(ひ)の掌(て)が無残に担がれ、自己(おのれ)の一幻(ゆめ)から貴く老い生く未活(みかつ)の分野は俺に訪れ、自体(おのれ)から観る旧い四肢(てあし)は仰臥に持ち込む既知を苛み、明日(あす)の行方を揮わす無路(むじ)には〝本当〟ばかりがごまんと在った。少しばかりの肉体(からだ)が活き尽(き)る夢遊ばかりが調度を拵え、旧い生憶(きおく)を明日(あす)へ見送る〝行方知れず〟の斬新(あらた)な進化は奇妙を紐解き無音(おと)へ留(とど)まり、女性(おんな)の空体(からだ)が飽きを識(し)らずに俗(ぞく)に活き得る私欲(よく)を謳うのは、一男(おとこ)の既知から無断を逸(そ)らせる不在の自主(あるじ)の仕業(しぎょう)でもある…。分厚(あつ)い白壁(かべ)からmonkが貫(ぬ)き出る事始(こと)の集成(シグマ)は優勢成れども黄泉への劣化は人間(ひと)を擦(す)り剥く厚い朝陽を頭上(うえ)に仕留めて、辛(つら)い苦行(いき)から白体(からだ)を見積もる幻想(ゆめ)の睡魔は未完(みじゅく)に在れども、自己(おのれ)の文句(ことば)を自然(しぜん)に射止める旧い生活(かて)への総ての業(ぎょう)には、旧来独語(むかしがたり)に未知を仕留める明日(あす)の勇気が高鳴り出した。

      *

 …詰り、それだけ、最後のボス、又そのラスボスに辿り着く迄に居る敵や中(ちゅう)ボスは強いという事であり、ドラクエⅢに爆発的人気が出た時の様(よう)に、我が大学構内では、わんさかの学生達で溢れ返っていた。

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 苦心の末(すえ)から金銭(かね)が出廻り、分厚(あつ)い生憶(きおく)がどんどん流行(なが)れる自己(おのれ)の生活(かて)への概(おお)きな進歩は、一幻(ゆめ)を見果てぬ巨躯の中身を篩に掛けつつ無憶(むおく)を貪る、精神(こころ)の躊躇(まどい)を呻吟させ得た。女性(おんな)から発(た)つ女色(にょしょく)を想わす太い四肢(てあし)は、幾らも掛からぬ虚飾(かざり)を掌(て)にして、一男(おとこ)の矢に立つ不動の水面(みなも)へ真逆(まさか)に落ち込み空気(しとね)を貪り、脆弱(よわ)い進化を女体(からだ)に据え置く無類の悪心(こころ)を上手(じょうず)に焚いた。白亜(しろ)い刺突(とげ)には機嫌が漲り朗(あか)るい温度に自由を観るのは、自己(おのれ)の無己(むこ)から一体(からだ)が裂け得る分厚(あつ)い盛(さか)りの自主(あるじ)と成りつつ、幻想(ゆめ)の開扉(とびら)へ遠吠えして生く緩い進化は人体(からだ)を照らさぬ淡い上気を発して居ながら、幻(ゆめ)の自主(あるじ)に媚びて生くのは〝自己(おのれ)〟の還りを一切待たない自在の鈍(くも)りに相当していた…。一男(おとこ)と女性(おんな)が深い自主(あるじ)を紐解き生くのは、現行(いま)と成っては容易く落ち込む「下衆(げす)が配(あやつ)る芸能」でもあり、俺の難儀が宙(そら)を見上げて新参するのは、現行(いま)に遺れる誰もに気取れぬ旧い宮(みやこ)の精神(こころ)の屋(や)である。一幻(ゆめ)の許容(うち)から一光(ひかり)が跳び発(た)つ無様(むよう)の遺棄には無信(むしん)が報され、慌てる間も無く透り過ぎ行く現代人(ひと)の経過(ながれ)は事始(こと)を見定(さだ)めず、幻想(ゆめ)の牢屋(おく)から自信を苛め旧い兜を象り発(た)つのは、一幻(ゆめ)に纏わる夢遊の姿勢(すがた)と何ら変らぬ蟋蟀だった…。人間(ひと)と他(ひと)との儚い生絆(きずな)はたった一本天(てん)から吊られる「自由を見限る既定(さだめ)の意図」から自由に降(お)り立つ不義を見定(みさだ)め、独走(はし)り跳び生く永い生憶(きおく)は無駄に暗転(ころ)がる生地(きじ)を報され、自体(おのれ)の真昼に〝頃〟を定める分厚(あつ)い無力の詩吟の裏には、夏期の頃から無断に活き尽(き)る有名無実の白体(からだ)の進化が、一歩…、又一歩未完(みじゅく)を繋げて…、分厚(あつ)い白壁(かべ)への自己(おのれ)の全力(ちから)を無重に仕留めて酔狂して居た…―――。

 漂白(しろ)い賛美が巷に拡がる無重の言霊(こだま)の草履の裏面(うら)には、孤高に纏まる自体(おのれ)の記憶が無欲に徹して有頂を識(し)り付き、明日(あす)の文言(ことば)を自在に配(あやつ)る旧(むかし)に幻見(ゆめみ)た矮小(ちいさ)な輪舞曲(ロンド)を、孤独に打ち込む神秘(ふしぎ)を透して自己(おのれ)の寝屋から挙がった生憶(きおく)と、同じに観たまま朗(ほがら)かさを採り、分厚(あつ)い白壁(かべ)から未活(みかつ)を問うのはムダに意気込む拍子であった。白亜(しろ)い人煙(けむり)に人影(かげ)を観たまま自体(おのれ)の合図に有限(かぎり)を見守り、旧い生憶(きおく)にずんずん生き尽(き)る無応(むおう)の神秘(しんぴ)は段々崩され、自体(おのれ)の陰府(よみ)から現行(いま)を見上げる旧い記録(きおく)は宙(そら)へ跳び付け、明日(あす)の目下(ふもと)へ凹(おちこ)む呼笛(あいず)は自己(おのれ)の足音(おと)から小さく鳴った。自体(おのれ)の呼笛(あいず)を宙(ちゅう)へ見るうち可成り透れる黄泉への生憶(きおく)は自体(おのれ)の無様(ぶざま)を暗黙(やみ)へと宿し、不感調和(ふかんちょうわ)にするする宿れる白亜(しろ)い八頭(おろち)の不冠(ふかん)の頭上(うえ)には、無理を擦(す)るまま感覚(いしき)を通せぬ自己(おのれ)の自覚(かくご)が足音(おと)へと成った。

      *

 白体(からだ)の人陰(かげ)から気楽に暗転(ころ)がる一幻(ゆめ)に留(とど)まる不通の調和に、人陰(かげ)の許容(うち)にて無用に留まる文言(ことば)の活力(ちから)が足音(おと)など成らす…。

      *

 俺の白体(からだ)は宙(そら)へ跳び活(ゆ)く自由を追い駆け、現行(いま)と成っては総て死に得た級友(とも)と旧友(とも)との旧い生命(いのち)は狭い許容(うち)にて談義を図り、玄人仕立(くろうとじた)ての不良の競争(レース)は「アンパンマン」から訓(おし)えを頂き、夢中に極まる無根の生活(かて)には、自主(あるじ)を安(やす)めて自体(おのれ)が白染(しらじ)む易い文句(もんく)に片付き始めた。無我を奏でて無心を貪る〝機心(ロボット)仕立ての旧い相(そう)〟には、併せ発(た)てない幻想(ゆめ)の輪舞曲(ロンド)が一体(からだ)を拵え給仕を見守り、何時(いつ)に果て往(ゆ)く魔道(まどう)の主観(あるじ)と根源(もと)を辿れる一幻(ゆめ)を観て居た。虚空の側(そば)から気楼が仕立てる無我の極致は〝境地〟を確立して死に、分厚(あつ)い眼(め)をした旧い臣人(おみと)は信義を疑う決意を見せ得た。枯渇の許容(うち)にて投合したまま「明日(あす)」への奈落を識(し)った最期は、奇しくも自己(おのれ)の天下を認(みと)めた旧い記憶の有名辺りで、無知を信じて無茶を馴染ます旧来独白(むかしがたり)の夜半(よわ)の身辺(あたり)は、幻想(ゆめ)の一波(わたり)が貴く過ぎ往く無意(むい)の詩(うた)から奔走して居る。既知の宮(みやこ)に人路(じんろ)を携え暗黙(やみ)に向きつつ孤独を観るのは旧(むかし)の生憶(きおく)を緩々幻見(ゆめみ)た一男(おとこ)の可能(かぎり)に生き血を拵え、旧い躰を夜風に脱ぎ去る夢間(むま)の清閑(しずか)に完成している…。拙い日(ひ)の掌(て)が幻(ゆめ)の間(あいだ)へ構想されつつ、自己(おのれ)の不利から無理が重なる無憶(むおく)の独義(ドグマ)は妙に揺れても、揺蕩い画餅(もち)から生気を得(う)るのは一幻(ゆめ)の開化(かいか)へ一切惜しまぬ不沈の感覚(いしき)に透通(とうつう)している。

 自体(おのれ)の凝(こご)りが惜しむ生活(かて)には天(てん)に連なる魔道(まどう)の景色が人間(ひと)の姿勢(すがた)を少なくして生く幻覚(ゆめ)の感覚(いしき)が直結しており、俺の感覚(いしき)が他(ひと)を見知れず温々(ぬくぬく)生くのは、自己(おのれ)の静間(しずま)を無己(むこ)が表す無業(むぎょう)の集成(シグマ)と同調して居り、一幻(ゆめ)の空間(すきま)へ一肢(からだ)が落ち着く固陋の芥(あくた)の払拭に付く。

      *

 俺はこの夢を見る前、母親を連れて慶應義塾大学病院へ行って居り、あの、母親がICUへ入った直後の頃の様(よう)に、母親を大事に大事に母親の乗った車椅子を押して行き、おそらく病院の一階ロビーから、エレベーターへ乗ろうとして居た。と言うのは、俺と母親は何か、団欒のようなものをしようと話をして居て、そこへ、石原裕次郎がやって来て、俺達の目の前でエレベーターに乗ろうとして居たからだった。

      *

 孤高の生活(かて)には生気が追い付き、孤高の主観(あるじ)と孤高の姿勢(すがた)は一人(ひと)の精神(こころ)に概(おお)きく成り立ち、幻夢(ゆめ)の成果(はて)から未刻(みこく)の自主(あるじ)を概(おお)きく延ばせる〝何か〟を気にして、他(ひと)の〝何か〟が宣う一汗(しずく)は宙(そら)へ拡がる有頂と絡まり、自体(おのれ)に清閑(しずか)な生活(かて)の不向きは矢庭に息衝く「滑車」を識(し)った。「滑車」の中身は〝三々九度〟から概(おお)きく連なる幻(ゆめ)の主観(あるじ)の思春(ししゅん)に燃え立ち、現行(いま)の火照りを労苦に費やす身憶(みおく)の人界(かぎり)は黄土(おうど)に植えられ、「模索するまま生気を呼ぶ…」など不倖(ふこう)の極味(きわみ)を現代人(ひと)は吟味(あじ)わい、幻(ゆめ)の未知から現行(いま)に活き得る概(おお)きな安堵は独創(こごと)へ押されて、分厚(あつ)い白壁(かべ)から熱気が零れる脆弱(よわ)い辛気(しんき)が矢庭に発(た)った。旧い独義(ドグマ)が昨日から来て「俺と母性(はは)」との活き血を造ると、幻(ゆめ)の辺りに操(と)られた両腕(かいな)は〝意固地〟を観たまま宙(そら)へと行き付け、行き付け間際に他(ひと)を馴染ます虚空(こくう)の辺りの日々の幻夢(ゆめ)には、分厚(あつ)い人界(かぎり)が凡庸(ふつう)に漂う虚空の主観(あるじ)が分散していた…。無垢の言霊(こだま)が理屈に合わずに分厚(あつ)い生憶(きおく)に呑まれて往く頃、自体(おのれ)を隠せる白亜(しろ)い気質(きしつ)は俗世(このよ)に仕上がり流転(るてん)を仰ぎ、現世(このよ)の生命(いのち)を転生して行く滑稽(おかし)な路(みち)へと詩吟を問うのは無駄に失くせる感情(こころ)であった。俺の精神(こころ)は生(せい)を得(う)るうち未知を取り次ぎ文言(ことば)の限りに不毛を観て生く旧風流(むかしながれ)の気質に憧れ、紺(あお)い果実を天へと仰げる児(こども)の世界を喜びながら、幻(ゆめ)の奥義(おく)へと経過(なが)れる幻想(ゆめ)には人の体が悪意を足ら締め、幻想(ゆめ)の理屈に合算(ごうさん)して行く旧い身辺(あたり)が確立して在り、行く行く昇れる俺への末路は天(てん)の川(かわ)まで達観していた…。一女(おんな)の哀れが一体(からだ)に窄める元気を失くされ男性(おとこ)同士の哀れの姿勢(すがた)も男娼気取りで現世(このよ)に顕れ、旧い律儀を蹂躙して生く幻(ゆめ)の水面(みなも)は悪しきを伴い、哀れを掌(て)にして「学(がく)…」と称する無言の一体(からだ)は傍観した後(のち)、見る見る痩せ生く〝呼称の境地〟へ亘(わた)って行った。俺の背後に一女(おんな)を修める「学(がく)」が活き継ぎ、幻想(ゆめ)の白亜差(しろさ)に没頭して行く人間(ひと)の自然(あるじ)を既に呑み込み、大手を振りつつ無己(むこ)に活き継ぐ不問の進化へ没頭するのは、一幻(ゆめ)の所以(ありか)を散策して行く奇妙の自然(あるじ)にそっくりだった。純白(しろ)い小器(うつわ)に幻夢(ゆめ)を這わせる自己(おのれ)の無駄には後光が揃わず、自己(おのれ)の無機から私業(しぎょう)を曇らす〝三々九度…〟には理解が働き、女性(おんな)の宮(みや)から生気が退(の)くのは三寒四温の無重でもある…。無重の野暮から無憶(むおく)に仰け反る不利を呈した脆弱(よわ)い信義は、幻想(ゆめ)の漁夫から利明(りめい)を発する無類の「王者」を不明に導き、幻(ゆめ)の白紙(こころ)に理屈を捧げる大(だい)の効果を一機(いっき)に盛(も)った。幻想(ゆめ)の幻理(げんり)に未頂(みちょう)が行くのは分厚(あつ)い独語(かたり)が可笑しく成るのを男女(だんじょ)を含めた幻想(ゆめ)の案山子が宙(そら)に突っ立ち見守るだけにて、五月蠅(あわ)い生憶(きおく)が蹂躙して行く奇妙の闊歩は利算(りさん)を紐解く重要(おも)い算果(さんか)に傾聴して居る。自己(おのれ)の真面目を宙(ちゅう)へ吹っ飛び、事始(こと)に対する自体(おのれ)の哀れを無断に紐解く憂慮の経過(ながれ)に紺(あお)く観た儘、辛(つわ)い生憶(きおく)に文言(ことば)を称する分厚(あつ)い人権(かぎり)は世界を結ばせ、幻(ゆめ)の陰府(よみ)から自体(おのれ)の陰府(よみ)迄、文言(ことば)に窮する不断の初歩(いろは)は分厚(あつ)い白壁(かべ)まで失(き)え去り始めた…。

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 …俺達は(いや母親の方は分らないので俺は)軽身把(ミーハー)だった。〝父親が居たら喜ぶぞ~…〟なんて俺もおそらく母親も思って居た。その病院は俺が小学三~四年生の頃に行った病院の様(よう)に、落ち着き、適当に暗く、とても心地良い気分にするムードが漂っていた。俺は嬉しかった。父親はおそらく、会社か何処(どこ)かで、俺達の為に動いてくれて居たようだった。

      *

 事始(こと)の生果と無援に生き得る無駄の「奥地」に興じた生気の成果(はて)には現代人(ひと)に判らぬ悲愴の諸刃(やいば)が小口(こぐち)を拡げて待機して居り、幻想(ゆめ)の脚色(いろ)から無断に興ずる生物(もの)の哀れの向日の日向は、幻(ゆめ)の〝葦〟へと銀貨を捌ける無論の家屋を大事にしていた。分厚(あつ)い感覚(いしき)を幻想(ゆめ)の調度に、再起を計れる頼みの綱だと幻(ゆめ)の元理(げんり)へ意識しながら、一幻(ゆめ)の魅惑へ理屈を通せる脅威の連呼に恋慕を識(し)りつつ、一男(おとこ)と女性(おんな)の浮遊の主宴(うたげ)を仄香(ほのか)に仕上げて残臭(におい)を嗅いだ。幻(ゆめ)に究(きわ)める現代人(ひと)を排(はい)せる自己(おのれ)の集積(シグマ)は幻想(ゆめ)の両腕(かいな)を自体(じたい)に振り上げ、過酷な態(てい)にて論理を保(も)たない不朽の哀れを幻(ゆめ)に乞う内、容易(やす)い哀れに魅惑を感じる不義の足辺(あしべ)に自体(おのれ)を突っ掛け、〝生気〟を貪る「祭囃子」を揚々近くに感じ取りつつ、自惚れ屋に観る不朽の自覚(かくご)を温味(ぬくみ)を従え両掌(りょうて)に保(も)った。自己(おのれ)の生活(かて)から仄(ほ)んのり煌(かがや)く未知の目下(ふもと)に生き着く自慰には、幻夢(ゆめ)の斬新(あらた)に暫く頼れる無難の姿勢(すがた)が事毎(ことごと)仕上がり、分厚い(あつ)い孤独に幻(ゆめ)を発する無理を裂(さ)かない魅了の自覚(かくご)は、〝自慰〟に見取れる孤独の老気(ろうき)が若さに縋って身悶えして行く「経過(ながれ)の哀れ」をすんなり保(も)てた…。

      *

 …その病院にて(エレベーターに乗ったかどうかは分らず、又、もしエレベーターに乗ったとしてもその後どこへ行ったのかも分らず儘にて)E教会にて出会った(と言う設定に成っている)数人の若者(全員男)と、俺と母親は出会って居た。その栄光の若い男達は歳は二十前後か二十代前半の様(よう)で、女を求めて唯ぎらぎらして居り、俺の一番嫌いなタイプに落ち着いて居た。おそらく母親もこいつ等を嫌って居たに違いない。しかし、母親が彼等を嫌うシーンは一度も無かった。

      *

 固陋に具わる〝慌てた記憶〟は海馬(うみ)の側(そば)から脱帽して活き、老気(ろうき)を染(し)ませた熱い進歩を若気の身辺(あたり)に軟く従え、努々添い生く一女(おんな)の体型(かたち)は無機に萎(しぼ)める柔裸(やわら)を訓(おし)え、俺の純心(こころ)を身軽(かる)く丸める分厚(あつ)い皮膚から暖気を解(と)いた…。一幻(ゆめ)の虚構(ドラマ)に屈曲して生く孤独の空気(しとね)は振(ぶ)ら振(ぶ)ら在れども、女性(おんな)の柔裸(やわら)にすうっと片付く一男(おとこ)を濁した幻(ゆめ)の囃しは一幻(ゆめ)の未憶(みおく)に順繰り従い、幻覚(ゆめ)の晴嵐(あらし)を毛嫌いして居た男性(おとこ)に具わる臆病等には、一女(おんな)の四肢(てあし)を見事に保(も)たない微温(ぬる)い輪舞曲(ロンド)の還りを観て居た…。

      箴言

 論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、論文、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、レポート、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書、報告書

      盲言(もうげん)

 …分厚(あつ)い孤独が海鳴りまで活き、男性(おとこ)の功徳を用意すれども生果(はて)は変れず、一女(おんな)の活き血を現世(このよ)で観るうち無断の進化は熟慮を発し、昇降台(エレベーター)から昇降台(エレベーター)迄、不意の利屈(りくつ)を無徹(むてつ)に窄める不行(ふぎょう)の足辺(あしべ)に参観して居た。現世(このよ)に活き付(づ)く総ての理想(ゆめ)への放棄を目にして、幻(ゆめ)の許容(うち)にて活き得る〝明日(あした)〟を老獪研磨(ろうかいけんま)につくづく棄てても、明日(あす)の有利を奏でる集積(シグマ)は俺を見守り脱出して活き、孤高の足辺(あしべ)を低く見積もる幻(ゆめ)の晴嵐(あらし)の苦行の内には、現代人(ひと)の素顔が無機に映れる無解(むかい)の人陰(かげ)にて死に絶え続けた。―――

 緩い日取りを掌(て)にした後(あと)にて俺の背中は闊歩を許し、不純に漲る斬新(あらた)な一歩へ幻夢(ゆめ)の皆無を総て棄(な)げ去り、朗(あか)るい日々にて一肢(からだ)を緩める〝研ぎ石〟ばかりが噴散(ふんさん)していた。朗(あか)るい〝生(せい)〟には人間(ひと)の生途(せいと)が理解を越えない旧い厚着が自動を掌(て)にして、幻物語(ゆめものがたり)にその実(み)を深める事始(こと)の初歩(いろは)を通転(つうてん)して生き、厚い旧着(ふるぎ)を陰府(よみ)に棄て去る不動の姿勢(すがた)は腐女(おんな)を皆殺(ころ)し、俗世(このよ)の足元(ふもと)へ回生して行く孤高に乱れた温味(ぬくみ)の行く手は、明日(あす)の目下(ふもと)へそろそろ跨る軟い肢体(からだ)を横目に観て居た。

 架想(ゲーム)の許容(うち)にて架空(ゲーム)が仕上がり、旧い鬱にて思考の揺蕩(ゆらぎ)は、孤独を相(あい)する俺の心裏を無理に奏でる母性(はは)を観た儘、幻(ゆめ)と現(うつつ)へ奇妙に昇らす「新参者(しんざんしゃ)」にさえ近寄り出した―――。指の果(さ)きにてふっと消え去る〝徘徊〟ばかりを得手として来た母性(はは)へ進める老児(こども)の延命(いのち)は、白亜(しろ)い塔にて虚脱を酔狂(くる)わす〝理解仕立ての奥義〟を呑み込み男性(おとこ)と女性(おんな)の固陋から成る陰府(よみ)へ繋げた辛気(しんき)の内にて、素人伝いに幻(ゆめ)を一狂(くる)わす自体(おのれ)の哀れを渋観(じゅうかん)した儘、旧い〝杜〟にて呻吟して生く徒党の外れを生感(せいかん《実感・体感の意で良い》)して居た。曇(どん)より鈍(くも)れる旧い仕手には自己(おのれ)の両眼(りょうめ)を生き目(め)に化(か)え得る萎(しな)びた道義が新参した儘、旧い院(いん)にて未活を囃せる疾(はや)い肢体(からだ)を深能(しんのう)して居た。幻(ゆめ)に担がれ母性(はは)の肢体(からだ)を抱(だ)いた児(こども)は、自体(おのれ)の老気(ろうき)を憤怒に見立てて、欲望ばかりに軽心(ミーハー)だった…。…軽々しく成る夢中の日(ひ)の粉(こ)の忘れ形見は「一女(おんな)の一体(からだ)」を上手(じょうず)に観たまま羽虫(はむし)も通らぬ宵の口まで未完(みじゅく)を届けて残影(かげ)を被(こうむ)り、現(うつつ)の人煙(けむり)に合せて競歩(ある)ける幻(ゆめ)の天(てん)へと巣立って入(い)った。奇妙に微笑む幻夢(ゆめ)を見捨てた無我の主観(あるじ)は独創(こごと)に準ずる純(うぶ)な信仰(めいろ)に一幻(ゆめ)を温(ぬく)める厚い正義にその実(み)を発(た)たされ、虚空を見上げる無宿(むじゅく)の勇姿に故郷を見定(さだ)めた私欲(よく)を識(し)りつつ、幻(ゆめ)の縁(ふち)へと孤踏(ことう)を保(たも)てる無欲の順路へ没頭した儘、自体(おのれ)の没我を充分気取れぬ〝有難見(ありがたみ)たさ〟を気取って問うた…―――。

(A)「夢の奈落へ密かに帰れる故郷の砂藻(すなも)は嵐の中にて、昨日の正義に生理を見たのは兎にも角にも大輪(たいりん)だった。大変から成る意味の藻屑は無業の仕種を殊に嫌って、明日(あす)の呼名(こめい)を律儀に装う有難見たさの砂肝でもある。」

(B)「キノウノドクロハタイヘンジュウジツシテイルコロウノシンキノマイソウデモアル、デモアルガ、アスニイキヅクキロウノシンキハイワンヤアゲクニミチトロウスルアスノキミョウニホトホトナダカイ…。トモスレバ、ミジュクノロウクガオレニキスノハツトメテメイアルシレンノフチニテ、アスノコロクヲコヨナクアイスル、ミモウノコトバヲウワキニアズケル…。ミチノシンキハミチノシュウキデ、ミオクノヤミニハムザンガカエレヌ…。」

(C)「一二三四五…況毀二身頭没二明日短馬毎海寝言未利寸出足一且未熟埋昨労気似明朗兄妹弟昧毎回見識相成二独身孤渇手中経過体口白体意識確立長寿短亡八相手仙哀気喜楽余信正義正理整調厚二仁人身点滅紅赤漆黒可十成果可成成果民労郎母体母信父親明水面白歯衣天架懸命労老気亘波景色気品色成果仁延明未己過生経絡疲下土天海命信中義心暗茂男性女性活性生活繁茂起死」

 自己(おのれ)の天から聡明なるまま無戒(むかい)の行方が概(おお)きく傾(かしず)き、幻(ゆめ)の未憶(みおく)が悪態吐(づ)くのを天分(てんぶ)から観て詳しく辿られ、幻(ゆめ)に途切れる自己(おのれ)の〝葦〟には未完(みじゅく)が織り成す生茂(せいも)が戯れ、故意に逃れる自然(あるじ)の外郭(がれき)は女性(おんな)の柔裸(やわら)を事毎葬り、暑い日中(ひなか)を捜索するのは透った傘下の国境だった。国境から観た旧い生憶(きおく)の徒然等には紅(あか)く照り付く遊女が現れ、紅(あか)く照り付く陽光(ひかり)の許容(うち)には紅(あか)く蔑む憎しみさえ発(た)と、男性(おとこ)の軟(やわ)らをいとも容易く打ち馴らせるのは自体(おのれ)の幻覚(ゆめ)から漫々(そろそろ)上がれる〝滑稽日和(こっけいびより)〟の聡明でもある。一女(おんな)の肌から女性(じょせい)が退(しりぞ)き無地の気色がこの眼(め)に見得ても、向こう気(き)から成る滑稽(おかし)な自覚(かくご)は宙(そら)へ通れる暗算から成り、男性(おとこ)と女性(おんな)の無能に纏わる信路(しんろ)の旅路は、事始(こと)に溺れて事始(こと)に身罷る不浄の晴嵐(あらし)の気色に在った。俺の孤独に幾途(いくと)の老旨(ろうし)が無己(むこ)に身構(かま)えて文句(もんく)を拵え、明日(あす)の寝間から司業(しぎょう)に揺り発(た)つしどろもどろの変化(へんか)を識(し)った…。自己(おのれ)の身憶(みおく)に純(うぶ)に懐ける身重の体(てい)した汚い男性(おとこ)は、一幻(ゆめ)に零れる場末の黄泉から浮遊に寝そべる安堵を識(し)りつつ、透明色した硝子の容器は苦し紛れに笑顔を認(したた)め、旧い軒端に行く行く逃れる鬼畜の美徳を重々解(と)いた。一幻(ゆめ)の揺蕩(ゆらぎ)に未曾有を重ねる〝苦し紛れの改悛〟等には、一男(おとこ)の人群(むれ)から女性(おんな)が毒吐(どくづ)く明日(あす)の体裁(かたち)を堂々迷わせ旧い夜半(よわ)にて酩酊して生く奇妙の削りは何処(どこ)まで着いても、分厚(あつ)い体躯に護りを見せない賢い労苦をとっくり観て居た…。人間(ひと)の呼笛(あいず)を宙(そら)へ見たまま時雨の一夜(ひとよ)は無造に染められ、自体(おのれ)の感覚(いしき)が如何(どう)とも冴えない幻想(ゆめ)の自主(あるじ)に参観して居り、端正(きれい)に落ち得る満月(つき)の身寒(さむ)さは足場を固めて透って入(い)った。幻(ゆめ)に纏わる自己(おのれ)の理識(りしき)は幾分違(たが)わず暗黙(やみ)へと気流(きなが)れ、明日(あす)の目下(ふもと)に落ちて行くのは、白衣(ころも)に満ち生く自己(おのれ)の延命(いのち)で、着の身着の儘、驚くばかりに闊歩を続ける「自由の女宮(みやこ)」を欲芽(よくめ)に観て居た…。

      *

 …「栄光に来る奴等っていっつもこんなんばっかしやねんなぁ!特に若いもんは!」と俺はやや興奮して彼等を酷く嫌い、彼等はそんな俺には目もくれず、唯、女探しに夢中だった。俺と母親から見える彼等の背後の白い壁に備え付けられていた白いドアからやや頻繁にばたばた外へ出てはまた内(なか)へ入って来て、長机を置いた一階の部屋のような場所で、彼等は何故か素人っぽく俯いてパーティを組み、向かい合った俺達は彼等を見詰めて居た。

      *

 悩み続ける無己(むこ)の哀れは自慰の寝床をとっとと見付けて素早く消し去る旧い寝言を幻(ゆめ)の両腕(かいな)に大きく揺らせ、事始(こと)の激動(うごき)に奇妙を報せる温和(ホット)な孤独は無口を報され、一幻(ゆめ)の塒に枕を添えても俺の自覚(かくご)は翻(かえ)らなかった。恐怖の小敗地(アジト)へ自体(おのれ)を委ねる幻想(ゆめ)の歴史はことこと煮られて、熱い自主(あるじ)の混沌等には、〝自慰〟への姿勢(すがた)が緩々気取られ、自己(おのれ)の陰府(よみ)から俄かに翻(かえ)れる億土の女宮(みやこ)は、自体(おのれ)の純白(しろ)さに未活(みかつ)を重ねる反吐の翻(かえ)りが事毎跳(は)ねた。無断で繋がる旧知の〝社(やしろ)〟で経過(とき)の流行(ながれ)に専念した後(のち)、一幻(ゆめ)の身辺(あたり)を自由に跳(は)ね得る孤高の脚色(いろ)した有名無実は俺の還りを密かに待つ内…、孤高の一体(からだ)に生命(いのち)を育む〝千年王城(せんねんおうき)〟を女性(おんな)に観て居た…。―――、孤独の脚力(いろ)から男・女(だんじょ)が産れて奇妙の絵画に一会を観たのは、自己(おのれ)の自然(あるじ)が急(きゅう)を報せる無我の極致を参観した後(のち)、昼の〝夕日〟を観た後(あと)でもある。俺の背中に苦悩を知らせる分厚(あつ)い夕日の賛嘆等には一女(おんな)の少体(からだ)が端正(きれい)に身籠る一人(ひと)の明朗(あかり)が大口(くち)を開(ひら)いては、明日(あす)の〝独り〟を身近く感じる夜半(よわ)の空気(しとね)に不乱を見取れる…。苦渋の水面(みなも)を識(し)った時から幻想(ゆめ)に流行(なが)れる旧い自覚(かくご)は未完(みじゅく)の許容(うち)から呆(ぼ)んやり仕上がり、昨日の調子に根暗(ねくら)を直(なお)せる陰府(よみ)に射止めた自己(おのれ)の寝息は、幻想(ゆめ)の両腕(かいな)を概(おお)きく馴らせる根明(ねあか)の厚味(あつみ)に本音を識(し)った。女性(おんな)の氷は男性(おとこ)の種火(たねび)に低く仰け反り、自然(あるじ)に対して反応するまま幻夢(ゆめ)の孤独に自己(おのれ)を識(し)ったが、白亜(しろ)い体裁(かたち)に無我を射止める幾様(きよう)の境地に逡巡するまま分厚(あつ)い興味をその掌(て)にするのは、活きる経過(さなか)の所々で慇懃して生く幻(ゆめ)の〝王子〟の倦怠だった―――。真面目は真面目で〝真面目〟の心算(つもり)が不真面目でもあり、女性(にょせい)の自決は一幻(ゆめ)を酔狂(くる)わす無活(むかつ)の集成(シグマ)に肖り活きては、一男(おとこ)の気色に気配を読み取る「真面目」の過度にて自重をさせられ、女性(おんな)の意固地に呻吟(うめ)いて在るのは男性(おとこ)の孤独の〝足元(あしもと)〟だった…。

      *

 …彼等の内には、やや背の高い黒髪で痩せ型のリーダー的存在の男が居り、そいつは決して自分の仲間以外とは快く話そう等とはしない様子に在った。俺は唯そいつが一番嫌いで、そいつのグループ全員を嫌って在った。

      *

 文言(ことば)の巧(たく)みに呼吸を操(と)られて憂き世に見積もる男・女(だんじょ)の様子は細々(こまごま)して生く文句(ことば)の調子に幻(ゆめ)の合図が段々削(そ)げ落ち、一人(ひと)の現(うつつ)に私欲(よく)を通せる〝合わせ無沙汰〟の協歩(きょうほ)の上では、一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)が文言(ことば)を失う〝俺の白紙(こころ)〟を浮かせて在った…。自己(おのれ)の孤独に態と打ち込む天然気取りの俺の得手には、一女(おんな)の吐息が弱々しく成る父性(ふせい)の寿命(いのち)が都度々々(つどつど)働き、活き血に息衝く〝男・女(だんじょ)の眼(め)〟をした傀儡人(かいらいびと)には、試験の通りに透りを二重(かさ)ねた一幻(ゆめ)の写しが完成して居た。…無音に始まる身憶(みおく)の途(と)に就き俺の躰は自由を求める神秘(ふしぎ)の初歩(いろは)を逆算しながら、一男(おとこ)と女性(おんな)の孤高の詩吟(うた)には五月蠅(あわ)い哀れが構造された。一夢(ゆめ)の景色へ増築され行く人間(ひと)の文言(ことば)の奇妙の暗黙(やみ)には、幾つも幾つも未完(みじゅく)が片付く無言の主観(あるじ)を傍観しながら、事始(こと)の生憶(きおく)に活達(かったつ)して生く端正(きれい)な水面(みなも)が形成され得る。凍える一体(からだ)で男性(おとこ)を騙せる俗世(このよ)の愚行(おろか)は無心に蹴走(けばし)り一幻(ゆめ)の水面(みなも)で自己(おのれ)を相(あい)する純(うぶ)の瞳(め)をした孤独の俺には、堂々巡りで翌朝(あさ)に煌(かがや)く神秘(ふしぎ)の謳歌が換算され得た。一女(おんな)の肢体(からだ)が無言で佇む翌朝(あさ)の景色に一男(おとこ)が佇み、生気を目掛けて添い遂げ得るのは夜風に白染(しらじ)む小人(ひと)の生肌(はだ)にて、分厚(あつ)い白壁(かべ)から脆さを顰める幻想(ゆめ)の羽振りは〝御殿〟を想わせ、経過(とき)と現(うつつ)の希薄(うす)い境界(はざま)を駆けて生くのは、現世(このよ)の壊滅地(アジト)で財(ざい)を欲しがる男女(ひと)の〝我欲〟の強靭だった…。

      *

 …そんな経過を経てのこの大学での出来事・珍事であり、俺は自分の功績が認められ得ての催しに皆が集まって挙って居るのに内心湧々(わくわく)して来て浮き浮きし出して、取り敢えず自分も催しの核心部分(コア)へ行って見ようと、覇気を捲し立てた。無論、その催しが俺のドラクエⅧでの実績を掲げての催しだと気付いた時からであるが、その催しが自分のその功績に起因する事は実は始めから知って居た感も在る。

      *

 百足の連体(からだ)が野山を掻き分け進んで生くのに、無垢の精神(こころ)が奈落へ劈く明日(あす)の極めは理系に乏しく、文学から成る譲歩の一心(こころ)に〝奇妙〟が解(ほぐ)れて無断を識(し)るのは、俗世(このよ)の浄化へ浮足立ち足る白亜(はくあ)の寝室(ねむろ)へ還った瞬間(とき)だ。自体(おのれのからだ)を強靭(つよ)く活き生く現世(このよ)の泡(あぶく)を通(とお)った瞬間(とき)には「俺の気色」を哀れに射止めた脆(もろ)い明日(あした)の鼓動の小宮(みやこ)に孤独の連歩(れんぽ)が潜(ひっそ)り飛び込み、生気に溢れた奇妙の範囲(うち)から白亜(しろ)い旧(むかし)へ幻見(ゆめみ)た小体(からだ)の末端(はし)には、自己(おのれ)の髑髏が奇妙に活き付(づ)く未来(さき)の八頭(おろち)が誘惑され得た。俺の母性(はは)には父性(ちち)の容姿(すがた)が真面に映らず俗世(このよ)の屍(かばね)に乱れた気色に疑心(ぎしん)を畳まれ安堵を貪り、明日(あす)の孤独を人体(ひとのからだ)に覚(さと)して識(し)るのは、現世(このよ)の孟夏で苦労を識(し)らない幻(ゆめ)の調度の残骸だった。

      *

 ドラクエⅧのパーティを組むダンジョンが目前を飛び交い、定まり、俺は、一番強いパーティにしようと工夫・工作して居た所、ヤンガスがレベル八十台、ゼシカがレベル九十一というのを見て、(又、レベルがキャラの年齢に見えて嫌な気もしたけれども気を取り直して)ヤンガスとゼシカを仕方無くパーティの内、それでもゼシカはメインパーティの内、ヤンガスはサブパーティ(控え)の内に入れて強化を図って居た。と言うのは、そのドラクエⅧ正規のメンバーに加えて十人程も新たなキャラが追加されて居り、俺はそっちのキャラの方が自分のオリジナルキャラの様(よう)な気がして(自分で創ったキャラのような気がして)気に入ってたからである。その頃から、この俺の実績を掲げて催されたゲームの在り方は、オンラインゲームの様(よう)に成り代わり、集(つど)った何千何万という学生達も、自分のパーティをゲーム内で創り上げて、皆と一緒に最後のラスボスを倒す迄の感動的なシーンを目にしようと、益々、拍車が掛かって来たような雰囲気を醸し出し始めてもいた。俺にはその熱い熱狂・熱意のようなものが嬉しかった。

      *

 孤独の八頭(おろち)を宙(そら)に観ながら児(こども)の精神(こころ)を自由に描(えが)ける〝最果てドラマ〟を画策して活き、明日(あす)に纏える白衣(ころも)の繊維は自然(しぜん)を見送る超空(ちょうくう)から成る「見知らぬ重味(おもみ)」にその実(み)を耕作して居り、明日(あす)の気儘に映って生くのは主観(あるじ)を保(も)てない無頼を相(あい)する…。白亜(しろ)い浮き世を遊泳(およ)いで生くのは一幻(ゆめ)の身憶(みおく)を構成して生く「成果(はて)の一連(ドラマ)」の迷走から成り、猪突に活き得る一幻(ゆめ)の逆行(もどり)は孤独に映れる延命(いのち)を識(し)れども、俗世(このよ)の果(さ)きから目論見始める「自由」を目指した「俺」の行方は、一女(おんな)の虚無から「母性(ぼせい)」を外した全き寿命(いのち)の再来でもある。白亜(しろ)い暗黙(やみ)には自己(おのれ)の延命(いのち)を焦がす儘にて白亜(はくあ)の生命(いのち)に連想(おもい)を遮る「独房」ばかりの駆逐を頬張り、明日(あす)の駆逐を「如何(どう)して観るのか?」純白(しろ)い主宴(うたげ)に溺れて生くのは、独りでに咲く紺(あお)い華への幻夢(ゆめ)の生気の静観から成る…。俺の精神(こころ)にぽつり、ぽつり、と自由に唱える自然(あるじ)の孤踏(おどり)が珍吟(ちんぎん)して生く…。

 I、孤独の水面(みなも)に恐れて生くのは、昔から観た幻(ゆめ)の謳歌で、明日(あす)の〝旧(むかし)〟に髑髏を保(たも)てる肉親ばかりが憎悪を吐(は)いた…。

 Ⅱ、昨日の行方を清閑(しず)かに散らせる宙(そら)の虚ろは虚無から脱して、幻夢(ゆめ)の主観(あるじ)にその実(み)を仕留める「究(きわ)めた快無(オルガ)」を相(あい)して在った。孤独の祭りは去来して生く…。無倣(むほう)の祭りは去来して行く…。

 Ⅲ、明日に保(たも)てる無頼の諸刃(やいば)は一幻(ゆめ)の白亜(はくあ)に換算されつつ、無聊を通して無理を透せる実しやかな〝愛〟をも見送り、俗世(このよ)の鎹(かなめ)が何処(どこ)に在るのか…、趣向の〝向き〟から自己(おのれ)を問うた…。無機に纏わる礼賛ばかりが暗宙(そら)に顕れ慈しみを保(も)つ…。

 Ⅳ、加工を伴う旧い〝進化〟は幻夢(ゆめ)を見送り〝樞(しかけ)〟を並べて、頂上から観た宙(そら)の跋扈を軒並み相(あい)して黙して語らず…、一幻(ゆめ)の許容(うち)にて独語(かた)れる柔らは鬼の貌(かお)した身憶(みおく)に裂かれて、旧い葦から斬新(あらた)な葦へと一幻(ゆめ)の頼りを無頼に解(と)いた…。

 Ⅴ、杞憂に問い得る滑稽(おかし)な連想(ドラマ)は人体(からだ)を掌(て)に容(い)れ、自体(おのれ)の孤独が絶え無く続ける俗世(このよ)を乖離(はな)れた脱走(はしり)の進化は、幻想(ゆめ)の脚力(ちから)を分散して生く旧い人形(かたち)を概(おお)きく採り挙げ、一幻(ゆめ)の一体(からだ)を一(はじめ)に辿らす無己(むこ)の元気を良く良く観て居る…。

 Ⅵ、この頃果(さ)き見た五月蠅(あわ)く果て得る人間(ひと)の進化は、一幻(ゆめ)の進歩に付いて行けない孤独の退化を概(おお)きく見守り、科学と化学(かがく)の純白(しろ)い逆行(もどり)の大器(うつわ)の上にて、幻想(ゆめ)を見果てぬ本能(ちから)に任せて、自体(おのれ)の煩悩(なやみ)を宙(そら)へと投げた。小人(こびと)の生活(かて)から尋問して行く幻想(ゆめ)の調子は発狂した儘、容易(やす)い文句(もんく)にその実(み)を裂かれる嗣業の水面(みなも)に投身して活き、私欲(よく)と身欲(よく)とに身悶えしながら〝故郷の宙(そら)〟へと返って入(い)った…。

 Ⅶ、一幻(ゆめ)の身元を概(おお)きく観るのに自体(おのれ)の無欲は詩吟(うた)を創らず、〝蝙蝠傘〟から流行(なが)れた生憶(きおく)は〝老婆〟を観た儘〝老母(ろうぼ)〟を愛し、事始(こと)の記録(きおく)に霧散を魅せ得る〝尻切れ蜻蛉(とんぼ)〟の八頭(おろち)の暗黙(やみ)には、一人(ひと)を相(あい)して人群(むれ)を待たない無業(むぎょう)の家畜が呼吸をして居る…。

 Ⅷ、…孤独に破れた小宙(そら)の高嶺は少女(おんな)を気取らせ、幻想(ゆめ)の億尾に呼吸を押し付け無断の独義(ドグマ)を報せて生くのは〝初めから無い滑稽(おかし)な一連(ドラマ)〟の欲望から成る旧(むかし)の孤独で、俺の感覚(いしき)が深く相(あい)した女性(おんな)の形見は現代人(ひと)を毛嫌い、やがて貴(とうと)く皆殺しにする混沌(カオス)の幻想(ゆめ)から概(おお)きく醒めた…。無駄に見付ける〝文学批評〟の蛆虫共には幻覚(ゆめ)の一通(とおり)が空しく敷かれて、明日(あす)への孤独を評価で埋(う)め生く説明伝いが概(おお)きく死んだ…。孤独の生活(かて)から危ぶむ延命(いのち)は素通りしたまま生気を幻観(ゆめみ)た…。

 俺の過去から未頂(みちょう)に生じる独創(こごと)の連呼と煩悩ばかりで、自体(おのれのからだ)を奇妙に培い馴らして生くのは、幻視(ゆめ)の両腕(かいな)を身籠り始めた〝分厚(あつ)い奈落〟の残り火だった。「残り火」から成る気熱(きねつ)の変化で経過(とき)を歪める波動の成果(さき)には「人間(ひと)の変化(へんか)」が生き着く暗黙(やみ)から無行(むぎょう)の輪廻が歯痒く馴らされ、成人(ひと)の生憶(きおく)が覚(さと)して行くのは、幾つに岐(わか)れた生気の〝水面(みなも)〟で、俺と現代人(ひと)との郷里の間は益々乖離(はな)れて無聊を識(し)った…。幻(ゆめ)に生育(そだ)てる純白(しろ)い景色は孤人(ひと)の哀れを四温(しおん)に咲かせる〝無聊〟ばかりの哀れな土地にて、一幻(ゆめ)の両腕(かいな)を素通りして生く旧(むかし)から成る優れた〝進化〟は、孤独の八頭(あたま)で試算に暮れ生く温味(ぬくみ)を忘れた健忘から成り、幻想(ゆめ)に集める髑髏の果(さ)きでは明日(あす)の日(ひ)の粉(こ)が「残り日(び)」とも成る…。…―――、自己(おのれ)の因果を過ぎて生くのは宙(そら)に生やせる大海原にて、孤独の百足と太刀打ちして行く漆黒(くろ)い烏の人群(むれ)には怒調(どちょう)が癒され、幻(ゆめ)の生気が不問に解(と)け得る俺の自然(あるじ)の空部屋(からべや)等には、一幻(ゆめ)の大器(うつわ)が不問を解(と)き生く孤独の人工照(ライト)が噴灯(ふんとう)している…。

 孤独の人工照(ライト)に散見するのは「不毛に乱れた私財(たから)の山」にて、無造を二重(かさ)ねて無像(むぞう)を四重(かさ)ねる無憶(むおく)の造作に無造の見送り、俗世(このよ)の人物(もの)から毛嫌いされ生く無心の成果は無信(むしん)を発され、〝俗世(このよ)に観て来た併せ鏡〟の残傷(ざんしょう)等には孤独の生気が身悶えしながら、孤独の奥義に個人(ひと)を観て生く〝奈落の信者〟を造形して居る。自体(おのれ)の無惑(むわく)に起死を報せて間延びの保(も)たない哀れな闊歩は〝一幻(ゆめ)〟を観たまま白日(はくじつ)から成る無形の〝哀れ〟を過(すご)して活きつつ、孤独の絡みを母性(はは)を識(し)り貫(ぬ)き父性(ちち)の病理を明るくするのは、自己(おのれ)の孤独に質(しち)を飼い奪(と)る無断の感覚(いしき)が画策して居る…。一女(おんな)の一体(からだ)に感覚(いしき)を呼び込み幻(ゆめ)の未憶(みおく)に界(かぎり)を見るのは、〝蝙蝠傘〟から不断に落ち着く無機の両刃(やいば)を快悦(かいえつ)した儘、孤断(こだん)の緩味(ゆるみ)を傀儡(どうぐ)に扱う生茂(せいも)の身重に酸渋(さんじゅう)している。一幻(ゆめ)の奥義へ潜(こっそ)り架かれる孤人(ひと)の脚色(いろ)から無造が飛び出て、自己(おのれ)の王佐に野平(のっぺ)り経つのは未有(みゆう)の景色に無断に通れる旧い孤式(こしき)」に概(おお)きく透れた孤独の寿命(いのち)会当(かいとう)して居た。文言(ことば)の陰から不問が窺え密にし秘密に講じた自己(おのれ)を保(たも)てる不朽の末路は、幻(ゆめ)の未完(みじゅく)へ奔走した儘、虚空の窮地へ還って行った。明日(あす)への神秘(ふしぎ)を認(みと)める最中(さなか)で自体(おのれのからだ)は不満を遠ざけ、満足せぬまま豚を見詰める袋小路の感情(こころ)を認(したた)め、漆黒(くろ)い一宙(そら)から精神(こころ)を射止める「真昼の愛撫」を頂戴していた…。俺の躰は浮(ふ)ら浮(ふ)ら独歩(ある)ける故郷の土手から浮(ふ)んわり流行(なが)れて、一女(おんな)の心身(からだ)が空(くう)へ切り込む無性(むしょう)の孤独を散見した後(のち)、白亜(しろ)い一幻(ゆめ)から主観(おのれ)を見詰める人間(ひと)の狼煙を暗転(ころ)がし続けて、幻(ゆめ)の一端(はし)から活き続けて行く不毛の独義(ドグマ)を配下に置いた。人間(ひと)の孤独が小人(こびと)に仕上がり中(ちゅう)を眺めた死相の一声(こえ)には、俗世(このよ)の還りが遠(とお)に咲けない旧い温度が文句(ことば)を吐いた…。

      *

 …まるで学院大学とD大学とが交(まじ)ったような景色の内(なか)、俺は、D大学の本キャンパス(緑の丘の上に在る寂れたキャンパス)から新旧キャンパスへと続くあの細い路地を歩いて居たようで、周りには、可成り沢山の人群れで賑わって居り、俺の心だけが、その群れを目下に見るように、ゴールである新旧キャンパスの催し会場とその群れの最中(さなか)を宙(そら)を飛んで行ったり来たりして居て、そこでも俺は、他人(ひと)と違った立場の程を見せて居た。

      *

 矛盾に孕める「約束して行く目下の空気」は俺と人群(むれ)との厚い温度をどぎまぎさせ活き独創(こごと)を遠ざけ、一幻(ゆめ)を訓(おし)える黄泉の理郷(くに)から未来(みらい)へ旅立つ五月蠅(あわ)い蜃気は小口(くち)を滑転(ころ)ばせ仰向けにも成り、一宙(そら)の真中(まなか)に「寝床」を見付ける脆弱(よわ)い文句(ことば)を俺に吐き突け、旧い温度をその実(み)に興じる神秘(ふしぎ)の児(こども)を宙(そら)へと置いた。幻想(ゆめ)の寝床に白々浮べる魅力(ちから)の女宮(みやこ)は一女(いちじょ)に集まり、一幻(ゆめ)の一通(とおり)へ加減を成すのは固陋に集まる苦心ばかりで、純白(しろ)い連鎖(くさり)で仄かに発(た)つのは幻覚(ゆめ)を損じた既視(おおめ)の際(きわ)にて、女宮(おんなのみやこ)がぐつぐつ煮え出す古い神秘(しんぴ)の素通り等には、文句(ことば)の付かない幼児の発声(こえ)から斬新(あらた)な欲尾(よくび)が美麗を彩(と)った。

      *

 「徒党に組まれた滑稽(おかし)な一宮(みやこ)が〝経路〟に従い鷲掴みにして、逆行(もどり)の利かない不利の宮(みやこ)を既視(おおめ)に観たまま進言したのは、苦労に絶えない白亜(はくあ)の如実の連日から成る有頂であった…。―――明日(あす)の両眼(まなこ)に充分活き得る虚空(こくう)の眼(め)をした〝一番担ぎ〟は、当(とう)の一宮(みやこ)を成果(はて)へ置き去り、明日(あす)の目的(さかな)へ来訪して生く一女(おんな)の姿勢(すがた)を模索して居り、密航さえ無い一人(ひと)を見付けた大海原では、明日(あす)に片付く主観(あるじ)の賛歌が一重(ひとえ)に裂かれて漂流して居た…。幻想(ゆめ)に集まる〝自己(おのれ)を射止めた哀れの巨木〟は自己(じこ)に紛れて宙(そら)を観て居り、旧来(むかしながら)の死相の生果(あげく)に未想(みそう)を引き連れ動揺して居る…。一幻(ゆめ)の白衣(ころも)に凝(こご)りが立つのは自己(おのれ)の空気に悶絶して生く一重袴(ひとえばかま)を概(おお)きく履け得る児(こども)の瞳(め)をした悪党でもあり、改生(リセット)出来ない古豪の美声(こえ)には一条(ひとすじ)束ねる美顔(かお)が仕上がり、虚無の許容(うち)から御託を招ける幻想(ゆめ)の界(かぎり)を既視(すで)に観て居た。美知(みち)の悪魔は美顔(かお)から連なる…。孤独の色魔は間延びに連なる…。無垢の貌(かお)した日照りの呼笛(あいず)は無垢の眼(め)をした小人(こびと)に連なる…。無心に遡(のぼ)れる旧い一声(こえ)には身欲(よく)の理性(はどめ)が一切波(わた)れず、分厚(あつ)い身上(かたみ)を個人(ひと)に培う身重の進化へほとほと連れ立つ…。虚無の許容(うち)から虚構(きょこう)がが跳び出て旧来(むかしながら)の辛苦を観たのは、厚い人手(ひとで)が悴む時期にて一幻(ゆめ)の小躍(おどり)は恰好(かたち)を造らず、旧い臣人(おみと)の不敗の神話を事毎並べて連想(ドラマ)を講じて、虚無に巻かれるトランジスタは曲解され生く無断を識(し)った。自体(おのれ)の『明日(あす)』から華厳が逃れて故意の臭味(しゅうみ)が気取られ生く頃、分厚(あつ)い主流(なが)れる未完(みかん)の定律(おきて)は穏やか成るまま俗世(このよ)を失(け)し去り、俗世(このよ)に活き生く凡(あら)ゆる退化を燃やした現代人(ひと)には、初めから在る拙い残骸(むくろ)が挙って斬新(あらた)を棄てさせ始めた。現代人(ひと)の男・女(だんじょ)はこうして総てが皆殺(ころ)され果てた…。」

無心の最中(さなか)に祈る儘にて明日(あす)の暖炉は永く燃やされ、事始(こと)の出向ける斬新(あらた)の生憶(きおく)は文言(ことば)の概(おお)くを極めて明かし、現行人(ひと)の一体(からだ)が連なり始める滑稽(おかし)な紋様(もよう)が理論に塗れて、白亜(しろ)い刹那に両腕(かいな)を揺らせる孤独の身辺(あたり)を頂戴して居た。男性(おとこ)と女性(おんな)の拙い一幻(ゆめ)には熱気が灯され、旧い詩吟(うた)から斬新(あらた)な詩吟(うた)迄、孤独を発(た)たせた無力が遣われ、一幻(ゆめ)と現(うつつ)の通底(さなか)の脚色(いろ)では、一人(ひと)の脳裏にそのまま運べる私用(しよう)の運起(うんき)が張(ば)ら撒かれて居る…。凝(こご)りの少ない無様(むよう)の生地から人煙(けむり)が上がり、一幻(ゆめ)の一縷が奇妙に見上げる孤独の容赦は不憫に在れども、真綿に包(くる)まる生活(かて)の柔裸(やわら)は未完(みじゅく)に従う既知を識(し)り貫(ぬ)き、分厚(あつ)い一壁(かべ)から空気(しとね)を曇らす俺の孤独を堂々掲げた。しどろもどろの〝怨念丈(おんねんだけ)〟から無情に拡がる空(くう)を見遣っては、分厚(あつ)い手綱を女性(はは)へ気取らす無想の生憶(きおく)に落丁さえ識(し)り、分厚(あつ)い両眼(まなこ)の視線の許容(うち)から虚構(きょこう)に塗(まみ)れた一連(ドラマ)が跳んだ…。苦労を目掛けて活き生く一人(ひと)には幻覚(ゆめ)の無意志が奇想を呼び付け、人生から観る自由造りの快楽本(かいらくぼん)には、見る物見る物総て斬新(あらた)な、未惑(みわく)の四肢(からだ)が哀れにくっ付き、微弱(よわ)く自覚(かくご)を振る舞う我(われ)には、無意味を連想(おも)わす仕手が挙がった。幻覚(ゆめ)を冷ませる現(うつつ)の涼風(かぜ)から一通(とおり)が成り立ち、淡い夜半(よわ)から気楼が裂かれる幻視(ゆめ)の身欲(よく)には後退さえ無く、苦し紛れに自由を愛せる未活(みかつ)の勇気は行為を保(も)たずに、しとしとしとしと…、幻(ゆめ)に零れて現(うつつ)を気取らす脆弱(よわ)い現代人(ひと)へと自主(あるじ)を遣った…。

      *

 …会場迄は本当に遠く、それは思って居た以上に遠く、幾つもの階段や建物内の廊下を上がったり渡ったりして、(内心)ひぃひぃ言いながら行かねば成らなかったようで、俺はその途中(うち)で迷いそうにさえ成り始めて居た。

      *

 下賎を想わす現代人(ひと)の現(うつつ)の幻(まぼろし)等には、俺の文言(ことば)を奇妙を濁らす無価値な辛苦が横行して居て、真昼の最中(さなか)に饂飩を頬張る孤高の生徒は身辺(あたり)を見廻し、純白(しろ)い我孫子(あびこ)を足で煙らす無応(むおう)の行為に耽って在った。拙い努力が戦(いくさ)を仕掛ける自己(おのれ)の行為と通知しながら、尚も現(うつつ)に司業(しぎょう)の片付く固陋の進化を既視(おおめ)に見て取り、一幻(ゆめ)の逆行(もどり)に分配して生く気楼の一体(からだ)は濁りさえ無く、美麗を着飾り有無を問い生く無倣(むほう)の音頭を大事に採った。俺の白紙(こころ)は無頼に知り貫(ぬ)く緩い規律(きりつ)を概(おお)きく揺さ振り、初めから無い無益の純情(こころ)は未来(さき)を見て取る能力(ちから)を身に着け、明日(あす)へ繋げる疲労の経路は白夜を想わす俗世(このよ)から発(た)ち、一幻(ゆめ)の一体(からだ)が暴言(ことば)を吐き生く旧い生憶(きおく)を遊覧して居た。朝と昼間に概(おお)きく寝そべり、固陋の一陰(かげ)から未完(みじゅく)を微弱(よわ)める不変の真価は明日(あす)に極まり、常にお道化(どけ)て真偽を計れる幻想(ゆめ)の身重は律儀に崩れて、現行(いま)に至れぬ栄光(ひかり)に翻(かえ)した一女(おんな)の文句(ことば)を理想に操(と)った…。

      *

(理想の女)「栄子は馬鹿よ。貴方の事を知らずに、一日限りで、淡々と死んで行ったんだもの。」

      *

 一日限りの体合(からだあわ)せで総ての本能(ちから)を見限る一女(おんな)は、都会と田舎の双(ふた)つの場所にて棲家を造り、必死に堪えて幸福を観た。女体(おんなのからだ)は転々(ころころ)空転(ころ)がる無想の窮地へ追い遣られて居た。白亜(しろ)い一夜を共にしたまま男性(おとこ)と女性(おんな)の夢想の極致は、暗転(あんてん)して生く一夢(ゆめ)の逆行(もどり)に光明(ひかり)を観たまま解体され活き、昨日と明日(あす)との神秘(ふしぎ)を奏でた気楼の温度は、見る見る巣立って斬新(あらた)を得て居る…。自体(おのれ)の孤独が細切れながらに現(うつつ)に失(き)え生く神秘(しんぴ)のの生活(かて)には、一男(おとこ)と女性(おんな)の無謀の生活(かて)から「明日(あす)」を把(つか)める斬新(あらた)を知り貫(ぬ)き、〝小人(こびと)〟と称する一幻(ゆめ)の温度の行方を追うのは、幻夢(ゆめ)の界(かぎり)に未踏(みとう)を踏まない一線ばかりの明光(めいこう)だった。活きる糧から司業(しぎょう)を拡げる「無線」の体(てい)した生憶(きおく)の震度は、一幻(ゆめ)の身重に芥(あくた)を敷き得る無聊の身憶(みおく)を充分識(し)り貫(ぬ)き、人間(ひと)の大器(うつわ)を既視(おおめ)に観て生く純白(しろ)い形成(なり)には余命(いのち)を遠ざけ、明日(あす)の気儘に自在を幻見(ゆめみ)る鈍(にぶ)い進化を充分採った。純心(こころ)の奥義(おく)から生活(かて)の活路を概(おお)きく見出す静かな顔した幼児が現れ、幻(ゆめ)の溜まりに集め始める未知の老気(ろうき)を身欲(よく)に埋れた手中(しゅちゅう)に手招き、分厚差(あつさ)を魅せない過労を講じた現代人(ひと)の故意には、商いばかりの下心(こころ)に根付ける無機の本能(ちから)が良く良く活きた。〝併せ鏡〟の映りの真中(まなか)に私欲(よく)に溺れた士官が見取られ、自然(あるじ)の言動(うごき)に未来(みらい)を幻見(ゆめみ)る器用の解(ほつ)れは斬新から成り、苦労を予期する小言の酒宴(うたげ)は儚く散り得る旧(むかし)の遊女を永生(ながい)きさせた。文言(ことば)の手数(かず)から〝未婚〟の概(おお)くは〝遊女〟に翻(あそ)ばれスポイルされ活き、独身ばかりを口火と掌(て)に採る幻(ゆめ)の臭気に老気(ろうき)を読み取り、明日(あす)の功徳を自由に配(あやつ)る孤高の自主(あるじ)は夜目(よめ)に表れ、一女(おんな)の内(なか)から母性(はは)を吸い取る言霊(こだま)の一界(かぎり)は、旧来(むかしながら)の無徹(むてつ)に終れる熱い遊びに呑まれて行った。無言の生憶(きおく)に無知が開かれ「明日(あす)」の孤独が人間(ひと)に宿る時期(ころ)、俺の精神(こころ)は一女(おんな)に寄り付き、理想の女性(おんな)を欲し廻った。硝子箱(ガラスケース)に並んだ生命(いのち)に相性から観た生気が仕上がり、現代人(ひと)の体裁(かたち)に揃(なら)んだ悪魔は手数(てかず)を増やして白衣(はくい)を着た儘、人群(むれ)で動ける旧(ふる)びた若輩(やから)を無碍の境地へ脱落させ得た…。一幻(ゆめ)に見込める無断の教致(きょうち)は矢鱈に見積もる小雨(さめ)を背にして、行き成り集える奈落の教徒を攪乱したまま正義を想う…。精神(こころ)に暗転(ころ)がる夢中の名残は俺の孤独に操られて活き「明日(あす)」に見紛う生憶(きおく)の文言(ことば)に奇声を発して還って入(い)った。還った果(さ)きには有頂に見紛う〝社(やしろ)〟が置かれて俺の気色は何時(いつ)まで経っても生長出来ずに、暗い夜路(よみち)に泥々(でんでん)通れる夢中の空間(すきま)が成り立ち出した。自体(おのれのからだ)を貫き生くのは孤踏(ことう)の〝哀れ〟を散見して行く無機に準(なぞら)う主観(あるじ)であって、幻(ゆめ)の名残に拍車を掛け得(う)る無重の高度は日元(ひもと)を蹴忘(けわす)れ、明日(あす)の文句(ことば)を無二(むに)へ拡げぬ〝物の斬新(あらた)〟を早速建てた。白亜(しろ)い孤独を充分培う人身御供の〝哀れの両眼(まなこ)〟は、俺の背中を充分跳び退(の)き野腐(やさく)れ始める浮遊の両眼(まなこ)を男・女(だんじょ)に向け据え落ち着き始めて、光沢(ひかり)を識(し)らない一宙(そら)の呼笛(あいず)は跳梁跋扈に物惜し気(げ)を観て、「自分」の歪(ゆが)みを奇妙に直(ただ)せる一幻(ゆめ)の自主(あるじ)へ自粛を立てた。

      *

 そこへ助け舟のように、上記の両目がとろんとした女の子が現れた。俺が或る廊下を歩いて居てやや疲れて居ると、その子がさっと俺の手を取り、急な動作に俺の身を任せて早々(さっさ)と人混み掻き分けて前進して行き、渡り終えそうだった廊下から直ぐに短い階段を上ったようで、そして上がった直ぐに在った女子トイレの入口から徐(おもむろ)に這入り、「此処(ここ)は私が居れば大丈夫」と言った具合に俺に颯爽とした黒髪と背中だけを見せて、早く人混みの女子達は、成る程彼女の言う通りに何も言わずに、彼女と俺とに道を譲って開(あ)けてくれて居た。

      *

 孤独の〝社(やしろ)〟が無機に透れる旧い廊下が目前(まえ)へと敷かれて、分厚(あつ)い空間(すきま)に相(あい)を感じる人間(ひと)の流行(ながれ)は一宙(そら)の目下(ふもと)で良く良く灯され、女性(おんな)の一体(からだ)が華奢に華咲(はなさ)く無言の晴嵐(あらし)を余命(よめい)に割いた。一女(おんな)の豊穣(ゆたか)は男性(おとこ)に直れる疎ましさを保(も)ち自由に自由に演技をして生く「孤独の王者」を然(しっか)と掴み、脆弱(よわ)い体裁(かたち)を疎らに散らせる浮遊の輪舞曲(ロンド)は男・女(だんじょ)から退(の)き、俗世(このよ)の生気を自主(あるじ)へ保(も)たせる夢遊の忍びを確かに保(も)った。幻(ゆめ)に流行(なが)れる要(かなめ)の相(あい)には宇宙の歪(ひず)みがばたばた仰がれ、身欲(よく)に見惚れて私欲(よく)を保(も)たない雌雄の輪舞曲(ロンド)を概(おお)きく保(も)たされ、俗世(このよ)の憂き世を充分感じる浮遊の主宴(うたげ)を大事に採った。幻想(ゆめ)の記録(きおく)に王手を掛け得る文言(ことば)の未完(みじゅく)は決闘して活き、文言(ことば)限りの未活(みかつ)の友には無機に死に逝く鈍感さえ観て、明日(あす)の成果(かなた)へ無重を引っ張る生憶(きおく)の淡さは狡さを把(つか)ませ、現代人(ひと)の男性(おとこ)はハイエナばかりの悲痛な空間(すきま)へ這入って行った。白亜(しろ)い景色にどんどん企む一夢(ゆめ)の主観(あるじ)は女性(おんな)を立たせて、一男(おとこ)の弄(あそ)びに興(きょう)を叫べる矛盾の純心(こころ)を潔白にて識(し)り、一女(おんな)の孤独を道化に例える夜気(よぎ)の古さは内実(なかみ)を遠吠え、女性(おんな)の目前(まえ)でも男性(おとこ)の前方(まえ)でも何も掴めぬ旧巣(ふるす)の雛には、孤独の生途(せいと)がどう公転(ころ)がるのか一端(はし)の進理(しんり)も解らなかった…。

 幻(ゆめ)に集まるmorgue(モルグ)の宮(みやこ)は一男(おとこ)の側(そば)から几帳を紛らし、幻想(ゆめ)の水面(みなも)に有頂を識(し)り生く完璧(かべ)を呈した生気の殻には、一幻(ゆめ)の宙(そら)から一向降(お)りない〝微睡味(まどろみ)〟ばかりを動転させた。惜し気も無い一気に逆巻く有情の両刃(もろは)は束の間失(き)え行く寂寥から観て宙(そら)の技術を白亜へ見せ突け、人間(ひと)の人煙(のろし)を極端から問う旧来(むかしながら)の自尊に寄り付き、明日(あす)への自覚(かくご)を自体(おのれ)に培う古い一宮(みやこ)は〝女性(おんな)〟を片付け、下々、がやがや…、無機の調子を上気へ観るのは旧い足場の調達だった。現代人(ひと)の禿冠(かむろ)が檻から羽ばたく旧来(むかしながら)の生誕等には、一男(おとこ)の一体(からだ)が自在を招ける旧びた柔らが〝次回〟を誂え再び燃え尽き、苦労の空間(すきま)に意味を見出す旧来(むかしながら)の自粛の陰には、一女(おんな)の脚力(ちから)が一男(おとこ)を湧かせる淡い人影(かげ)から愛露(エロス)が跳んだ…。〝蝙蝠傘〟から凡庸(ふつう)の恰好(かたち)が一男(おとこ)を拵え、一女(おんな)の迷惑(まどい)を宙(ちゅう)に発(た)たせる夜半(よわ)の寝言は猛然足る儘、幻(ゆめ)の葦にて魂(こころ)を引っ掻く孤独な仕種が往来して活き、「明日(あす)」の一光(ひかり)を孤独へ馴らせる分厚(あつ)い仕切りを横断して居た。機械ばかりが人間(ひと)を占め行く現代人(ひと)の謳歌は商魂ばかりで、自己(おのれ)の商魂(こころ)を未完(みじゅく)に満たせる不義の自主(あるじ)を両翼(つばさ)に貴び、幻想(ゆめ)の独走(はしり)に誇張を問うのは下らぬ男性(おとこ)の生屍喰悪(ハイエナ)だった。幻(ゆめ)が孤独に体(からだ)を押すうち夢中の日(ひ)の掌(て)は〝鎌倉〟から成り、古い四肢(からだ)を遠方(とおく)へ跳ばせる無量(むりょう)の気色を文句(ことば)にした後(のち)、「明日(あす)」を覗ける無用の空間(すきま)は桃(はで)な初歩(いろは)を御覧にならずに、遊び呆ける無意識等には凡庸(ふつう)の体躯(からだ)が純心(じゅんしん)から発(た)つ。無機力(むきりょく)ばかりが孤高を訪ねる斬新(あらた)な界(かぎり)が俗世(このよ)から落ち、どんどんどんどん悪(つみ)へ堕ち生く旧(むかし)の現代人(ひと)から抜群とも成り、俺の心身(からだ)は次から次へと試練の水面(みなも)へ潜伏する儘、器用な自然(あるじ)に身悶えして生く堅気の寿命(いのち)を大事に観て居る。孤高の寝室(ねむろ)は遠方(とおく)の門地(かどち)に潜伏した儘、無業(むぎょう)の生憶(きおく)に生気を成せない無機の自然(あるじ)に現代人(ひと)を根絶やし、初めから観る人間(ひと)の歴史に無益を生じる分厚(あつ)い界(かぎり)を俗世(このよ)に観た後(あと)、旧来(むかしながら)の「潜伏先」には誹謗の快嵐(あらし)が根付いて在った。旧知の陰から人間(ひと)が訪れ俺の孤独を目的(あて)にしたまま身重の生果は生憶(きおく)に操(と)られて、謳う俗世(このよ)を根絶やし始める〝戦上手(いくさじょうず)〟を培い出した。一女(おんな)の自覚(かくご)は未知に宛がい知識に富み過ぎ、詰らぬ現代人(ひと)の男性(おとこ)に窮境足るまま可能(かぎり)を設けて、勇み足する無能の人陰(かげ)には細かい動作が機械を識(し)らずに、漆黒(くろ)い輝夜(よる)から真逆(まさか)に堕ち得る男・女(だんじょ)の〝哀れ〟を懐かしさに観た。幻想(ゆめ)の物見は寄生に寄り付き延命(いのち)を掌(て)にして、一幻(ゆめ)の生還(かえり)の稀な姿勢(すがた)に俺の白紙(こころ)を等閑にもして、幻夢(ゆめ)の一通(とおり)を好くして生くのは俺の生気の魅力(ちから)の界(かぎり)に、現行人(ひと)の自主(あるじ)を解明して行く〝白壁(かべ)〟の進化に注目して居る…。

 「俺」を束ねる寝室(ねむろ)の主観(あるじ)は暴徒を併せた野獣帯(レギオン)から成り、昨日の過労を甘く観て居た幻夢(ゆめ)の感覚(いしき)は遠吠えした儘、俺の思惑(こころ)が息衝く縁(ふち)にて孤独の連歩(れんぽ)を温(あたた)め続ける…。

      *

 …さっと手を握って取ってくれた彼女の気持ちのようなものがとても嬉しく、彼女が俺を好いて居る、と言う事がはっきりと分ったからだ。

      *

 過去の涼風(かぜ)から不断が仕上がり「見積もる幻想(ゆめ)」には男性(おとこ)が用立つ孤独な鋭利が仕上がり、一女(おんな)の表情(かお)から精神(こころ)が傾く男性(おとこ)の脆弱(よわ)さが矛盾を観て居た。一幻(ゆめ)から漏れ行く不断の遥かを未知の気性にずんずん戯れ、分厚(あつ)い〝哀れ〟は機敏に準ずる俗世(このよ)に無適(むてき)の憔悴から成る。明日(あす)の蹴締(けじめ)に未来(みらい)を託せる思惑(こころ)の気色は微笑しながら、鈍(くも)る一幻(ゆめ)から活力(ちから)が助立(すけだ)つ無用の自覚(かくご)を鮮明にもした…。女性(おんな)の自律は一男(おとこ)を毛嫌い一糸纏わぬ本能(ちから)の形跡(あと)から果(さ)きを濁らす悪魔を従え、従うばかりが人生(みち)と識(し)り貫(ぬ)く無鋭(むえい)の毒牙を上手(じょうず)に馴らして、自体(じぶんのからだ)に男性(おとこ)が寄り添う人物(もの)の芥(あくた)を通観(つうかん)して居た…。孤独の貌(かお)から自由が羽ばたく〝電車〟の小窓(まど)から活気が零れて人物(もの)の現(うつつ)を私様(しよう)に纏める一幻(ゆめ)の活力(ちから)を分散すれども、明日(あす)の速度(はやさ)へ相(あい)を観るのは一男(おとこ)の肢体(からだ)とそうも変らず、男女(ひと)の一体(からだ)が連体(からだ)を掴める無一(むいつ)の孤独と相乗して居た…。

 一男(おとこ)の自覚(かくご)は無二の自律(おきて)を白刃(やいば)に仕立てて女性(おんな)の老苦(ろうく)を文言(ことば)へ仕立てる現(うつつ)の小敗地(アジト)へ通訪(つうほう)した後(のち)、分厚(あつ)い形容(かたち)を俗世(このよ)へ鈍らす老苦(ろうく)の陰りを生命(いのち)に誂え、未完(みじゅく)の木の葉を人体(からだ)に喩える愚かの行為へ巣立って行った。―――、幻想(ゆめ)の起死へと群がる合図に文言(ことば)の用途は軽々しくなく、幻(ゆめ)の現(うつつ)の境界(はざま)で挙がれる苦労仕立ての矮小(ちいさ)な坊には幻想(ゆめ)の未完(みじゅく)が根気と戯れ、純白(しろ)い途切(とぎ)りは厚い両眼(まなこ)に充分過ぎ行く快無(オルガ)を魅せた――。一男(おとこ)の界(かぎり)に女性(おんな)が顕れ人物(もの)の見方を円(つぶら)に解(と)いても、一幻(ゆめ)の白亜(はくあ)に充分発(た)て得る白露(きり)の柔裸(やわら)は文言(ことば)を失い、自体(おのれ)の孤独を翌朝(あさ)に培う概(おお)くの生憶(きおく)を充分見せ得た。つとつと、つとつと、ほろほろほろほろ、…生憶(きおく)の棲家を充分識(し)れ行く無重の自然(あるじ)を掌(て)にした若輩(やから)は自己(おのれ)の辛苦を真っ向から観て、「朽ちぬ果てぬ…」を身嵩(みかさ)に培う脆弱(よわ)い明日(あす)から〝見納め〟さえ識(し)り、奇遇を想わす人間(ひと)の一宮(みやこ)は精々怜悧(つめ)たく〝俺〟を罵り、人物(もの)の延命(いのち)を過した挙句に塵(ごみ)の主観(あるじ)を大事にして居た。

      *

 俺と彼女はそれからずんずん歩いて新旧の校舎が見える敷地内まで来て、その頃には、これまで彼女と俺とが経験して来た凡(あら)ゆる一シーンが二人に甦って来て、各二人(各自)の立場は固まり出していた。恋の行方は或る方向にしか向かなく成ったと言う事である。しかしそのとき俺には、その「行方」が成就か破局かは分らず、現行(いま)を観て居るより他仕方が無かった。俺と彼女は一つの塊と成り、漸く辿り着いたまるで新旧キャンパス内の横に大きな階段を「ここやわ」と言った俺の誘導に彼女は「成る程」と相槌打って下(お)りて行き、集(つど)った(集い始める)皆と一緒に暗くなり始めた空の下で人気(にんき)のホラー映画でも観る時のように、楽しくわくわくしながら、照明の落とされた薄暗く暖かい大教室の様(よう)な会堂(いっしつ)へと入って行った。

      *

 …幻(ゆめ)の概(おお)くに見物(みもの)を留(とど)める未来(さき)の孤独に自体(おのれ)を任せて、俺と一女(おんな)は苦労から成る現(うつつ)へ対する諦めから識(し)る生命(いのち)が縋れる真実(ほんとう)さえ識(し)り、俺の精神(こころ)が一体(からだ)を統(たば)ねる無言の信仰(めいろ)は全く歪曲(まが)らず、分厚(あつ)い人肌(はだ)から流行(なが)れる白壁(かべ)には未踏(みとう)の順路が一条(ひとつ)に在った。俺の自覚(かくご)は一女(おんな)を射止める細心(こころ)の帳の活気を幻見(ゆめみ)て、俺の孤億(こおく)を生体(からだ)へ安める安易な生憶(きおく)に歪曲(まがり)さえ観(み)ず、女性(おんな)の文句(ことば)が宙(ちゅう)を飛ぶのは俺の現世(このよ)の習わしでもある。女性(おんな)の生命(いのち)は地形を乖離(はな)れて俺の精神(こころ)を揚々跳び発(た)ち、無駄に懐ける俗世(このよ)の独義(ドグマ)を正義に置き換え真実など見て、明日(あす)の一男(おとこ)を誑し込め得(う)る無念の生憶(きおく)を造形している。俗世(このよ)の映りに意味を認(みと)めず、宇宙の一端(はし)から自由を詠み取る「科学を背にした正義の哀れ」は、夢中(ゆめのさなか)に学(がく)を詠み取る不忠の雄姿を貴重に漲り、宙(そら)の目下(ふもと)で〝相(あい)〟を流離う未知の夕べに読解して居る…。分厚(あつ)い学びに参観しながら一幻(ゆめ)への分離は甚だ豪華で、一男(おとこ)と女性(おんな)の孤独の合図を何処(どこ)へ行っても見逃す事無く、学(がく)の初歩(はじめ)をことこと煮込める宙(ちゅう)の「窯(かま)」にて詩吟を描(か)いた…。

 人物(もの)への未覚(みかく)を味覚に認(したた)め、明日(あす)への孤独を無意(むい)に報せる千変万化の見方の下(もと)では、人間(ひと)の見方は性質から成る偏見さえ識(し)り、苦労を過(よぎ)れる孤労(ころう)を巡らす個別の空間(すきま)へ隈なく這入り、無知の身元(もと)にて無機の若輩(やから)は煩悩(なやみ)を培う才気を得て生く。古豪を得て行く人類(ひと)の歴史は個歴(これき)を含めて未想(みそう)が発され、俺の〝一人〟を隈なく見詰める湯気の立つ実(み)を宙(そら)へ留(とど)めて、明日(あす)の旧巣(ふるす)へ繋がる現行(いま)から陰府(よみ)を見せ付け愚問を直(なお)せる。幻想(ゆめ)の白亜(はくあ)へその身を借り生く煩悩(なやみ)の総ては未想に成らねど、旧い煩悶(なやみ)に悶絶して生く他(ひと)の空虚は生活(かて)を見限り、一幻(ゆめ)の空間(すきま)へ牢(ろう)を見付ける自由の雰囲気(ムード)に生活して往(い)く。俺の精神(こころ)は表裏を問えずの宙(そら)の高みに盤を見付けて、白紙(こころ)に寝そべる紅(あか)い一幻(ゆめ)から孤高の人煙(のろし)を土着させ活き、浮浪の寝言を貴重に見て取る幻想(ゆめ)の揺蕩(ゆらぎ)に没頭して生く…。女性(おんな)の撤廃地(アジト)が浮遊に寝そべる宙(そら)に近付き、諸人から観た〝活気の酒宴(うたげ)〟を器用に配(あやつ)り夢中を並べて、陰府(よみ)の理響(ひびき)に理解を究(もと)める不穏の言動(うごき)に狐狸を組むのは、蔓延して生く煩悩(なやみ)の脚力(ちから)が現代人(ひと)を呑み込む間際であった。

      *

 既に集(つど)った学生(ひと)は矢張り会場内にわんさかと居り、会場内の空席がまだちらほら見えた事から、まだまだ人が集まりそうな気配を醸し出していた。その大教室内は、後(あと)で振り返って見れば分らないように、椅子に座った人のお腹位まで在るような、水が敷き詰められていた。

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 明日(あす)の岐路から無音に棚引く人間(ひと)の孤独の無様(むよう)の陰(かげ)など矮小(ちい)さく集まり、自体(おのれ)の未活(みかつ)にすっと伴う分厚(あつ)い白壁(かべ)など概(おお)きく仕上がり、学生達から人体(からだ)を射止める酔狂(くる)った姿勢(すがた)は紋様(もよう)に突き出ず、幻想(ゆめ)の白亜に児(こども)を連れ添う無援の感覚(いしき)が欠伸して居た。児(こども)に対する未完(みじゅく)の意識は明日(あす)に棚引く小人(こびと)の輪舞曲(ロンド)で、凛々凛々…、孤踏(ことう)に培う人煙(のろし)の呼笛(あいず)は人間(ひと)の温味(ぬくみ)に同調し尽(き)れず、自体(おのれ)の身元(ふもと)をそっと流行(なが)れる現行人(ひと)に奏でた旧い連呼は、独人(ひと)に奏でた活気の標(しるべ)に概(おお)きく保(たも)てる真紅(まっか)と成った。漂白(しろ)い国旗(はた)から紅(あか)が削がれる自己(おのれ)の空気は悶絶した儘、分厚(あつ)い生茂(しげみ)に人間(ひと)を観るのは如何(いか)なる拙い生茂(せいも)に在って、明日(あす)の行方を自己(おのれ)に識(し)れ得る初の〝初歩(いろは)〟は学問から成り、俺の意固地は一女(おんな)に突き出る夢遊の生茂(しげみ)にそっと隠れた…。旧い水面(みなも)に浮べる〝我(われ)〟には幻憶(ゆめ)の生茂(せいも)が四旬に漲り、分厚(あつ)い孤独に白壁(かべ)を観送(みおく)る精神(こころ)の共鳴(さけび)に展伸(てんしん)した儘、幻(ゆめ)の一宙(そら)から苦労を幻見(ゆめみ)る愚行(おろか)の根蓋(ねぶた)を悶々掌(て)に採り、明日(あす)の憂いに口火を切り生く不装(ふそう)の遥かを閲覧して居た…。

 〝小人(こびと)の郷(くに)〟から逃れ始める明日(あす)への生茂(せいも)は未純(みじゅん)を識(し)り貫(ぬ)き、私闘の行方を生果に喩える花の生気は攪乱されつつ、孤独の造作を理(ことわり)から観て感覚(いしき)に劈く御託としながら、生憶(きおく)に培う土煙(けむり)を贖う人間(ひと)の往作(おうさ)に落胆して居る…。明日(あす)への不埒を昨日に紐解く過去(かこ)への〝追い〟には〝夢追い〟が発(た)ち、一人(ひと)の愚行(おろか)に追従(ついしょう)して往く昨日の感覚(いしき)は一男(おとこ)に破(ば)れ生く孤憶(こおく)と成り立ち、幻(ゆめ)の感覚(いしき)に悶絶したのち旧い一宮(みやこ)を真逆(まぎゃく)に差すのは、男性(おとこ)と女性(おんな)の虚無の範囲(うち)から突(とつ)に争う幻見(ゆめみ)でもある。――昨日の成果(ゆくえ)を突(とつ)に観るまま孤高の生憶(きおく)は逆行(もどり)を忘れて、黄泉の空気(しとね)に自己(おのれ)を見紛う身軽(かる)い気落ちに水など差されて、幻夢(ゆめ)の軽(かろ)さに現(うつつ)を嗜む一人(ひと)の余白を踏み固めて居る。「孤独の独人(ひとり)」に「王者」を培う生活(かて)の流行(ながれ)は経過(とき)を識(し)らずに、淡い日の下(もと)幻(ゆめ)を見紛う現(うつつ)の間取りは親子を気安(きやす)め、無知に働く無憶(むおく)の険しい旧い理識(りしき)の元理(ことわり)から観て、孤憶(こおく)に象(と)られた〝不満の遊女〟は自体(おのれ)の白体(からだ)を洗身して居る…。一幻(ゆめ)に纏わる孤独の闊歩が現(うつつ)を抜かせる空間(すきま)を観た後、矮小(ちいさ)な自覚(かくご)が小窓(まど)の隙間を未知を連れ添い透って入(い)って、昨日の生憶(きおく)に利順(りじゅん)を識(し)れない古い躰は現代人(ひと)に与(く)まれて、余日(よにち)に突き出る白亜(しろ)い夕べは孤独の傘下に決闘して居る。男性(おとこ)と女性(おんな)の極めて下らぬ貴重の弄(あそ)びは、解(ほつ)れ解(ほつ)れて陰府(よみ)へ訪れ孤憶(こおく)の感覚(いしき)と縁路(えんろ)を見紛う未知の刹那に絶命され逝き、男女(ひと)の躰が消失するまま一幻(ゆめ)の自覚(かくご)を昇天させ行く「孤憶(こおく)の理明(ライト)」を真面に観るのは、一人(ひと)に纏わる男・女(だんじょ)の野(や)に観て気楼の記録(きおく)に相対(あいたい)して居た。

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 その時は、俺と彼女共(又恐らく会場に集った学生達も)これから上映されるゲーム内容に因んでの演出であると、頷いて居た。そう、何故か皆各自がプレイする筈のゲームであるのに、催しに依れば予め用意された映画の上映に成っており、横に長い階段を下りて居た頃に俺が感じた〝わくわく感〟を抱擁するべく(〝わくわく感〟に報いるべく)、催し内容はゲームプレイから映画上映(映画鑑賞)に変っていた。

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 文言(ことば)の翳りに憂き世が羽ばたき一幻(ゆめ)に絶やせる容易(やす)い延命(いのち)は事毎一機(チャンス)に脆(よわ)いけれども、孤独の人陰(かげ)から矛盾を来(きた)らす旧い身構(かま)えがこの掌(て)を好く観た。昨日の縁(ふち)から郷土を見渡せ幻想(ゆめ)の孤独を律儀に積むのは孤踏(ことう)の生憶(きおく)に深く相(あい)せる優れた人姿(すがた)の固陋の様子で、女性(おんな)が手に保(も)つ旧い瞳(め)をした未完(みかん)の生気は、直ぐに渇ける現代人(ひと)の速度の満足だった。一幻(ゆめ)の白亜(はくあ)が姿勢(すがた)を見せずにどんより曇れる無駄の刹那を歪曲しながら小鳥を撃ち掛け、一幻(ゆめ)の囮に虚空を敷くのが無益を頬張る水無月から観て、人間(ひと)の謳歌を捜せぬ夜目(よめ)には無粋の快無(オルガ)が沈着していた。人間(ひと)の孤独と付き合い生くのがこれほど大きな退屈等とは、孤高に小躍(おど)れる人身(じんしん)達には秋の夜長に通して観たとて、ちっとも直らぬ現代人(ひと)の悪癖(くせ)には無駄に暗転(ころ)げる身重の揺蕩(ゆらぎ)が白雲(くも)を掌(て)に観て夜風を鳴かせる苦境の地鳴りに少々似ていた…。

 明日(あす)へ棚引く空気(しとね)の小春(はる)の許容(うち)から気楼の身影(みかげ)は出ずっ張(ぱ)りに在り、幻(ゆめ)の豊穣(ゆたか)に私闘を鈍(くも)らす陰府(よみ)の深味(ふかみ)に嘆吟(たんぎん)して居る。玄人(くろうと)ばかりが空気(しとね)を牛耳る現世(このよ)の初歩(いろは)は具体(からだ)を揃(なら)べて、「明日(あす)」の清差(きよさ)を宙(ちゅう)に観て象(と)る神秘(ふしぎ)ばかりの短命だけ活き、昨日の八頭(おろち)が彼岸へ往くのは現代人(ひと)の女性(おんな)の結託だった。俺の精神(こころ)が四隅を蠢く初春(はる)の四肢(てあし)は未活(みかつ)に擦(す)り生き、事始(こと)と幻想(ゆめ)との空気(しとね)の境界(あいだ)に発声(こえ)を荒げて程無く鳴くのは、九日目(ここのかめ)に発(たっ)せぬ主観(あるじ)のmonk(モンク)を揺らした風来だった…。現代人(ひと)の八頭(おろち)が煩悩(なやみ)を識(し)り抜く五月蠅(あわ)い嘗ての定律(おきて)の内では、玄人ばかりが黄泉へ傾(かしず)く無意(むい)の過激を器用に認(したた)め、明日(あす)の旧巣(ふるす)へ脚(あし)を棄(な)げ出す残骸(むくろ)の気色にほぼ同等だった。四旬(きせつ)の外れに腕力(ちから)が漲り人間(ひと)の概(おお)くが蝉に跨る五月蠅(あわ)い寿命(いのち)の〝唐紅(からくれない)〟には、幻想(ゆめ)の主観(あるじ)が混沌(カオス)を呼び込む幻(ゆめ)の脚色(いろ)へと〝世界〟を観(み)せた…。俺の生憶(きおく)が曖昧ながらに〝蝉〟の文言(ことば)を蜻蛉(とんぼ)に観たのは、明日(あす)の背中へ堂々巡れる一雲(くも)の流動(うごき)に相異無い儘、慌てふためき生命(いのち)を超え生く過激な人間(ひと)への行儀の劇画は、誰も彼もに認識されない巨躯の自然(あるじ)を通感(つうかん)して居た。一幻(ゆめ)の白亜に言語を識(し)るのは無駄を費やす八又(やまた)の八頭(おろち)で、大蛇(だいじゃ)の振りして禿頭(かむろ)を除ける有名無実の屍(しかばね)から観て、脆弱(よわ)い理性(はどめ)を生命(いのち)に知るのは川の流行(ながれ)の一光(ひかり)に在った。田舎の路地から都会に返れる一幻(ゆめ)の残香(かおり)は〝カレー〟に似て居り、俺の背中を虚無で差すのは明日(あす)を想わす母性(ぼせい)の怒りで、父性(ちち)の水面(みなも)にふらふら還るは延命(いのち)の文言(ことば)に精通して在り、色即是空、幻想(ゆめ)の軽味(かるみ)に吟味を美味(あじ)わう以前(むかし)の記録(きおく)は色(かたち)を置き捨て、空(くう)に集まる空気(しとね)の小春(はる)には、空(くう)を束ねて空(くう)を織り成す無適(むてき)の如くが虚空を敷いた…。

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 …俺と彼女は適当に見付けたやや前席へとそそくさ詰め寄り、水で敷き詰められ半分水に浸かった映画館特有の赤い椅子に腰を下(おろ)して落ち着き始めた。

      *

 無暗矢鱈に呻吟して生く無味の臭気に人間(ひと)など気取られ、一女(おんな)の自主(あるじ)に〝蝉〟を観て象(と)る幻想(ゆめ)の謳歌は男性(おとこ)に解らず、現行人(ひと)に分らぬ社(やしろ)の奮起は思春(はる)に棚引く死期さえ呼んだ。蝉の殻には短気が居座り短期に幻見(ゆめみ)る短歌(うた)の儀式は孤独に追い付く無想の界(かぎり)で、己の白紙(はくし)に我信(エゴ)を培う自己(おのれ)の無欲は進退窮まり、分厚(あつ)い孤独が白壁(かべ)を連ねる斬新(あらた)な香味(こうみ)を夜宙(よぞら)に識(し)った。繰り返しに成る堂々巡りの生物(もの)の規定(さだめ)は、自然(あるじ)の背後(うしろ)に生命(いのち)を掌(て)にして無幻(むげん)に究(きわ)まる理郷(さと)の一端(はし)には独義(ドグマ)に協歩(ある)ける意味深さえ在り、男性(おとこ)と女性(おんな)の発声(こえ)の界(かぎり)に蝉の背中が黒く燃える時期(ころ)、初夏(なつ)と晩夏(なつ)との旧い境界(はざま)は双(ふた)つに岐(わか)れて概(おお)きく成った。発狂(くる)い始める蝉(むし)の寝息は吐息のついでに酷く紛れて、人間(ひと)の文言(ことば)に追悼し得ない昔気質の爺様(じいさま)など発(た)ち、学(がく)に真似(まな)べる学(がく)の景色は〝蝉の気色〟に従順(すなお)に有り付き、幻(ゆめ)と小言(ことば)の独創(どくそう)等には発破の歩陰(ほかげ)が一途(いちず)に咲いた…。孤独の便りを払拭しながら人間(ひと)の駅まで順路を辿れる真っ赤な〝欠伸〟を左手に保(も)ち、意味も分らず人の流行(ながれ)を眺めて来るのは何とも言えずに哀しい景観(もの)にて、俺の欠伸は伸びを忘れて一女(おんな)の姿勢(すがた)を追い駆け廻し、挙句の果てには二言三言、感覚(いしき)を通さぬ一幻(ゆめ)の狭間で突っ立って居る…。苦労を掌(て)にした流線形なる不問の身重は軒(のき)を枯らせず無口を貫き、脚(あし)の在るのを宙(そら)へ放れる文言(ことば)の〝身重〟を虐待しながら、漆黒(くろ)い微(かす)かは現代人(ひと)を乖離(はな)れて無信(むしん)に落ち着き、小言の限界(かぎり)を無欲に纏わす旧い遊戯に夢中と成った。女性(おんな)の陰にはどんどん仕上がる魔性が微笑み一男(おとこ)と男性(おとこ)の夢中の文句をここぞとばかりに躰を着せ替え、純白(しろ)い孤独に精神(こころ)を詠むのは人間(ひと)の従順(すなお)に反するものにて、厚い行李を無欲に仕舞える思惑(こころ)の準備を進めて在った。「下手(へた)だ…下手だ…」と燦々極まる斜陽の許容(うち)にて幻想(ゆめ)を把(つか)める雇用の腕力(ちから)は女性(おんな)を培い捕捉を考え、舞台の袖から仕様が挙がれる発狂(くるい)の身元がはっきりして居た。〝世界〟の身元が発狂するまで自己(おのれ)の改治(かいじ)は痛快なる儘、児(こども)の内にて身内を射止める白亜の脆さが揚々煌(かがや)き、幻(ゆめ)に見果てる矛盾の統(すべ)ては真っ向から観て純粋にも成る。

      *

 俺の右隣りに彼女が座る。俺の左隣りには、俺達が館内へ入って来た頃に男の仲間と喧嘩気味に戯れ、水か物か食い物か何かをその男か周りの客に向かって投げて居た黄緑色した水着姿の茶髪の若い女が座る。おそらく彼女もその出で立ちからこの大学の学生で在ろうと俺は推測して居た。

      *

 白亜(しろ)い叫(たけ)びに奇妙を連れ生く見事な美体(からだ)は古豪に成り堕ち、苦悩の断片(かけら)を自重に積み込む無想の華には男根さえ発(た)ち、現行(いま)の概(おお)くを見据える華茂(はなも)は一幻(ゆめ)の盛期へ埋れた後(あと)にて、〝小人〟の行方は試算を通さぬ羽衣(ころも)の純白(しろ)さに飢え始めて居た。―――女性(おんな)の一肢(からだ)が宙(ちゅう)へ浮く頃孤独の翳りはキッシンジャを観て「明日(あす)に来るのは自体(おのれ)の生命(いのち)…」と偉く体裁(かたち)を気にした儘にて、孤独の道化師(ピエロ)が暗黙(やみ)の真綿に通り始める旧(ふる)びた合図を確信して居た。動物から得た滑稽(おかし)な生憶(きおく)を宙(そら)へ投げ付け、男性(おとこ)と女性(おんな)の俗世(このよ)の成果(はて)には「明日(あす)」の生命(いのち)も体裁化(かたちか)しており、幻覚(ゆめ)の羽振りに活き活きした儘、自己(おのれ)の文言(ことば)を暗黙(やみ)へ失(け)すのは故郷の男性(おとこ)の堂々だった。…一女(おんな)の前方(まえ)では嗣業に片付く虚無の範囲(うち)から身動(みじろ)ぎする儘、自体(おのれ)の延命(いのち)に短く問うのは自己(おのれ)の生気の生茂(せいも)の軽身(かるみ)で、明日(あす)の一灯(あかり)に疑問を保(も)つのは自体(おのれ)の寿命(いのち)の生果であった。事始(こと)と経過(とき)とが揚々分らず無想に失(き)え去り、漂白(しろ)い自主(あるじ)が点在して生く孤踏(ことう)の幻想(ゆめ)へと勝利を見付けて、白亜(しろ)い溜まりが危ういながらに〝有名無実〟に翳りを観るのは、現世(このよ)の身重に点在して生く一女(おんな)の自覚(かくご)の自由差(じゆうさ)である。固陋の人陰(かげ)にて透明究(きわ)まる言語の意固地に発散するのは女性(おんな)の人群(むれ)から隠遁して生く俺の生気の軽身(かるみ)であって、一女(おんな)に先立つ奇妙の文句は主観(あるじ)に養う無陋(むろう)が羽ばたき、燃える自覚(じかく)の自滅の程には自己(おのれ)の暗さの水面(みなも)が在った。純白(しろ)い孤独を噴散(ふんさん)するうち自由に気取れる箍など見得出し、分厚(あつ)い孤独の翳りを紐解く無知の一明(あかり)が点滅さえして、奇妙の文句を天然(しかり)に見て居る孤独の進化は葛藤して居た。

 旧い文言(ことば)に従い始める女性(おんな)の全肢(からだ)は時間を忘れて、不等(ふとう)に連ねる人間(ひと)の残骸(むくろ)を宙(そら)の昼夜で細(ほっそ)り観た儘、在る事無い事「孤独の若輩(やから)」が幻想(ゆめ)に絞れて王佐を確かめ、苦労の絶えない俗世(このよ)ばかりを煩悶(なやみ)に観て生く夢想の謳歌は大声(こえ)を震わせ、純白(しろ)い小鳥にその実(み)を与(あず)ける〝有難見(ありがたみ)たさ〟の純心(こころ)を彩(と)った…。自体(おのれ)に宿れる規矩の形成(なり)には一幻(ゆめ)に塗(まみ)れる主観(あるじ)が失(け)されて、〝在る事見たさ〟の拙い残香(かおり)が〝身重〟を連れ去り神々(こうごう)しく在り、純白(しろ)い孤独を自己(おのれ)の背に着て成就を為すのは、俗世(このよ)の弄(あそ)びに幻想(ゆめ)を統(たば)ねる無垢の進化の成果(はて)にも在った。

 一男(おとこ)の歩幅に一女(おんな)を拝せる思慮の深きは無想だにせず、夜半(よわ)の成果(かなた)へそっと脆弱(よわ)まる無信(むしん)の共鳴(さけび)は有頂を識(し)り付け、現代人(ひと)の欠伸をその掌(て)に保(も)ち生く不動の景色は散閑(さんかん)には無く、人間(ひと)の集まる御殿の許容(うち)へと入れ墨したまま這入って行った。一女(おんな)の虚無から活路が開ける一幻(ゆめ)の生憶(きおく)に相当闊歩(ある)き、俺の孤独は〝聖者〟を配(あやつ)る無知の理郷(さと)まで全肢(からだ)を片付け危うさ等観て、〝規矩〟の成果(はて)から御用が無いのを見る見る人陰(かげ)にて認識して生き、孤独の陰(かげ)へと物を観るのは立身出世の無謀を魅せ得た。「孤独の歩陰(ほかげ)に直(なお)き背を観る夢中の孤独は思案を図られ、個人(ひと)の謳歌を低吟(ていぎん)して居る暗い人物(もの)には朗(あか)るい談笑(わらい)が幾らとも無く、無尽の体(てい)して無人を語らう自己(おのれ)の感覚(いしき)の微妙の態(てい)には、人山(やま)が独歩(ある)ける淋しい孤独を詫びた貌(かお)して無口を照らす」。―――無痛に群がる屈強(つよ)い「背中」は自己(おのれ)の母性(はは)から失踪して生く自体(おのれ)の〝門戸〟を脚力付(いろづ)け始めて、自己(おのれ)の下肢(かし)から脚力(ちから)を通せる不義の柔らを一途(ひとつ)に看(み)た儘、自己(おのれ)の感覚(いしき)は無理を介さず佳句(かく)の華から一色(いっしき)等識(し)り、自体(おのれのからだ)を未完(みじゅく)に認(みと)める無意識(いしき)の小口(くち)にて孤独の信仰(めいろ)を暴走して生く…。分厚(あつ)い肉体(からだ)は門戸を離れる肉体(にくたい)から成り、一女(おんな)の記憶を一途(いちず)に脚色取(いろど)る向きの柔らを大袈裟に観て、幻想(ゆめ)の孤憶(こおく)は葦を脚色取(いろど)る無視の生憶(きおく)を既視(おおめ)に観た儘、呼応の空路に散在するのは一人(ひと)の世に観る残骸(ざんがい)でもある。残骸ばかりが像(ぞう)を着たまま未覚(みかく)の延長(ながさ)を稀有に識(し)り付け、自由を相(あい)して「自由」を束ねる放蕩して生く無想に生き着け、〝有難見たさ〟の虚無の許容(うち)では漆黒(くろ)い臓器が人間(ひと)を観た儘、暗夜(よる)の荒野(こうや)を遮二無二独歩(ある)ける一幻(ゆめ)への乖離(かいり)を概(おお)きく見て居た…。奇行を始める未想(みそう)の両眼(まなこ)は白亜(はくあ)の感覚(いしき)を充分保(たも)てず、〝葦〟を観るまま無言を養う無垢の残香(かおり)を無造に観た儘、独り縋りの虚無の許容(うち)から独創(ドラマ)を牛耳る宛の末路(すえ)には、公示に努める未完(みじゅく)の自覚(かくご)が怨念ばかりを用意して居た。―――自体(おのれ)の白紙は自体(おのれのからだ)に無連(むれん)に活き着け一幻(ゆめ)の一端(はし)から苦行を二重(かさ)ねる無為の調子に自己(おのれ)を根付かせ、容易(やす)い人渦(じんか)に努々(つとつと)昇れる旧い〝軒端〟の暮らしの内(なか)には、孤高に脚色取(いろど)る不活(ふかつ)の主観(あるじ)が〝孤高〟を見上げて文句を言った。―――

 「未想(みそう)の人陰(かげ)から未定が跳び出て幻(ゆめ)の多きは実りを擦(す)れども幾日待っては虚無を厭(いや)がり、奇行を相(あい)する自体(おのれ)の生憶(きおく)は奇問を打(ぶ)つけて自然差(しぜんさ)を識(し)り、一幻(ゆめ)の白亜を揚々観るのは他(ひと)を乖離(はな)れて奇聞(きぶん)を乖離(はな)れる、苦労の所以(ありか)の拡散でもあり、孤独に基づく気色の変化は千変万化の無応(むおう)に乏しく、無意(むい)の老輩(やから)に無為を貫く至闘(しとう)の元理(げんり)を程々解(と)いた。―――明日(あす)の内から自聴(じちょう)を重ねる自体(おのれ)の荒野を散潤(さんじゅん)しながら虚無の許容(うち)にて虚無に懐ける一幻(ゆめ)の一連(ドラマ)は一向発(た)たずに、郷里を忘れて郷里を訪ねる孤高の生憶(きおく)は活き活きする儘、明日(あす)の孤憶(こおく)を一幻(ゆめ)に束ねる一色(ひと)の脆差(もろさ)は四旬を詠んだ…。…。―――。」

 洗身して生く幻想(ゆめ)のmorgue(モルグ)は数多の人陰(かげ)から無断を聴き付け、明日(あす)の自体(からだ)を白体(からだ)に換え生く女性(おんな)の生果に悶々した儘、呼吸(いき)を拡めて荒野に降(お)り立つ幻想(ゆめ)の進化を洪水(みず)に看た後(のち)、幻想(ゆめ)の孤憶(こおく)に研ぎ澄まされ行く数多の記憶が幽体(からだ)と成った…。茶色い瞳(め)をした「虚構」を報せる一条(ひとつ)の主観(あるじ)が自ず幻見(ゆめみ)た自然(あるじ)を象り、片方ばかりが大きい乳房を物の見事に遊女が認(したた)め、分厚(あつ)い空間(すきま)を自ず這い生く理屈に過ぎ生く旧い集成(シグマ)は、掛け替え無いあの一女(おんな)の姿勢(すがた)に孤独を漏らせぬ期待を観て居た。陰府(よみ)への集体(シグマ)を魅惑へ掲げる古い孤憶(こおく)の未定の進化は、仰々しいまま両親(おや)を射止めず旧(むかし)の主観(あるじ)を散々見詰めて、奇妙に遡(のぼ)れる無活(むかつ)の〝遊女〟を不義に仕留めて蹂躙して生く…。苦境を遺せる夜半(よわ)を通した旧(むかし)の八頭(おろち)は、鎮守の杜から未想(みそう)に頷く旧い生憶(きおく)を総じて愛(め)でて、昨日の過憶(かおく)に寝床(ねどこ)を看付(みつ)ける不能の体(てい)した紅(あか)い両眼(まなこ)を、幽体離脱に正義を通せる旧い自然(あるじ)の過失に観て居た。―――孤高の透りを理解に見るうち幻(ゆめ)の白紙(こころ)は俺を与(あず)かる杞憂を相(あい)する両眼(まなこ)へ見せ付け、矢庭に共鳴(さけ)べる器用の巨躯には無限の自主(あるじ)が暴走して活き、所々に虚無を識(し)るまま現代人(ひと)の孤独は伽藍を過ぎ去り、幻視(ゆめ)の断片(かけら)を拾い集めて虚構の独義(ドグマ)を一切吐(は)いた…。

      *

 …その水着姿の若い女を見た時から、俺の彼女も(確か赤い)水着姿へと知らず間に変わり、その彼女の右隣りに座った男や、周囲に落ち着き始めて在る客に紛れて、体動少なくし始め、澄ました顔して正面を向き始めた。

      *

 自覚(かくご)の自立は晴天伝(せいてんづた)いに漂い始めて俺の全肢(からだ)を虚無に任せる幻覚(ゆめ)の間際に拡散して活き、〝奇妙〟を見詰めて〝奇妙〟を識(し)り貫(ぬ)く幻想(ゆめ)の道理を一途(みち)に改め、独房(ひとりべや)にて自由を射止めた斬新(あらた)な孤憶(こおく)は独身(ひとりみ)に活き、人間(ひとのあいだ)に優れて在っても幻想(ゆめ)に窄める身憶(みおく)の賛歌は、初めから成る景色の空気(しとね)へ孤高の無心(こころ)を伝えて来て居た。一幻(ゆめ)を見紛う〝葦〟の揺るぎは足場を固める驟雨(あめ)を降(ふ)らせて、生く生く見果てぬ一定(さだめ)の生果に惜し気の無いまま身憶(みおく)を鈍(くも)らせ、自然(あるじ)の過憶(かおく)に隙を観るのは孤高に埋れた我楽多ばかりで、残骸ばかりが死中(しちゅう)に息衝く浮遊の傘下を既視(おおめ)に観て居た…。孤独の商社に女性(おんな)を与(あず)けて夜盲(やもう)の内にて悪態など吐(つ)き、意味の通らぬ旧来(むかし)ばかりを小言の程度に蹂躙して活き、企図を忘れた小鳥の小声(こえ)には、無暗矢鱈に信用出来ない〝奈落〟の貌(かお)した魔性(ましょう)が棚引く。旧い臣人(おみと)の古びた小声(こえ)には夜毎を跳び出す神秘(ふしぎ)が仕上がり、紺(あお)い空から初春(はる)が落ち込む真昼の眼(め)をした小癪の坊には弓の満月(つき)など満足にも成り、分厚(あつ)い生憶(きおく)の白壁(かべ)の縁(ふち)には自体(おのれ)の白体(からだ)を憂(ゆう)に劈く、素人ばかりの白紙(こころ)の身元が俺を諦め正直へと入(い)る…。自由の身元に感覚(いしき)を留(とど)めて無理を尋ねる孤高の宮(みやこ)は、女性(おんな)の肉体(からだ)を肥(ふと)くして生く鼓動の一端(はし)など順々見送り、一幻(ゆめ)の定型(かたち)に自体(おのれ)を見取れぬ孤独の水面(みなも)は宙(そら)へと素流(すなが)れ、幻想(ゆめ)の文言(ことば)を認(みと)める事始(こと)の哀れを暫く問いた。純白(しろ)い〝切(き)り〟から感覚(いしき)を築ける無様(むよう)の眼(め)をした自(おの)ずの脚力(ちから)は、美声(こえ)を失くせる小鳥(とり)の嘆きを苦悩を掌(て)にして上手(じょうず)に聴き付け、明日(あす)の自覚(かくご)へ順々揺らめく魅惑の一歩は初歩(いろは)を識(し)らずに、分厚(あつ)い孤独にその実(み)を枯らせる不意の一夜を萎(しな)んで行った。俺の孤独を上手(じょうず)に掌(て)に見る〝最果て仕掛け〟の夕日の人陰(かげ)から、堕ちぬ晴嵐(あらし)に付かぬ文言(ことば)の生憶(きおく)の宿りが上手(じょうず)に跳び発(た)ち、苦労を眼(め)にした容易(やす)い旧茂(ふるも)は成果を浴び生く夢想の形成(かたち)に帳を置いた。

 純白(しろ)い体躯に小躍(おど)りを忘れて器用を掌(て)にした雇用の外套(マント)は未活(みかつ)を告げ生く死相を訴え、奇妙に仕上がる自然の内には〝一女(おんな)〟を眼(め)にした未然が吸われて、現代人(ひと)の群れから乖離(はな)れて悦ぶ火照る感情(こころ)の揺蕩(ゆらぎ)を観て居た。快感から成る五つの肢(からだ)は後光に仕舞われ、明日(あす)の寝床を器用に運べる皆無の宮(みやこ)は一女(おんな)に奪われ、漂白(しろ)い一宮(みやこ)が都会に追われて無念を識(し)るのは、小言を酔わせて盆を小躍(おど)れる真っ赤な目をした人間(にんげん)でもある。夢中に齧れる林檎の味から奇妙を吟味(あじ)わう味覚を身に着け、一幻(ゆめ)の毒牙に水分(みず)を枯らせる自己(おのれ)の無欲の長寿を気取れて、余分の腕力(ちから)を傀儡(どうぐ)へ馴らせる始終の生茂(せいも)をこの実(み)に成(な)らしめ、分厚(あつ)い企図から俗世(このよ)を掬える物の豊穣(ゆたか)をその気に魅せ得た。昨日の事始(こと)から今日の人物(もの)まで未完(みじゅく)で通れる不夜(ふや)の既物(もの)には、一幻(ゆめ)の謳歌を自分に気取れる既応(きおう)の生果を無宿(むじゅく)に棄て置き、現行人(ひと)の真昼が華応(かおう)を覆える無意(むい)の進化のその源には、旧い叫(たけ)びの暴嵐(あらし)の叫(さけ)びが物の見事に絶命して居る…。旧い一女(おんな)の、女性(おんな)の身重を報せる上気は、一男(おとこ)を射止める矮小(ちいさ)な記憶を小言(ことば)に送れる古都を幻見(ゆめみ)て、分厚(あつ)い一壁(かべ)から四畳(よじょう)を想わす歪曲(まが)る記憶を再三書いた…。旧い門戸等には生憶(きおく)に宿れる現行人(ひと)の形成(なり)から、閂など差す脆(よわ)い自主(あるじ)が完璧(パーフェクト)を観て帳尻合せて、酔狂(くる)い始めた僅かな一幻(ゆめ)には自己(おのれ)の過去から悶絶など成り、継続して行く滑稽(おかし)な信仰(めいろ)は末路(ゴール)を目掛けて発走(はっそう)して居た。純白(しろ)い孤独に孤憶(こおく)が刻まれ、厚い黄泉には古着を纏える独自の活気が進途(しんと)を象り、幻想(ゆめ)の逆行(もどり)を脚色取(いろど)り始める〝合図〟から成る夢限(むげん)の超規(ちょうき)は、幻想(ゆめ)の白亜に悶絶していた古都の一宮(みやこ)が堂々鳴いた。白亜(しろ)い孤独が人間(ひと)を象り、自己(おのれ)の一人(ひとり)を宙(ちゅう)へ浮べる幸先(さき)の気力を魅了に付け添え、分厚(あつ)い一夜(ひとよ)の御殿の囲いを突破出来れば、一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)が〝呑ん平(のんべ)〟に成るのも遠(とお)に伝わる無業(むぎょう)が仕上がる…。

 紺(あお)い一滴(あせ)から無重が仕上がり虚無の許容(うち)から身重を知るのも、幸先(さき)の豊穣(ゆたか)な端正(きれい)な静寂(しじま)を棒浮羅(ぼうふら)から観て極端にも観(み)せ、自己(おのれ)の空間(すきま)へ他(ひと)を侍らす朽ち行く孤独の概(おお)きな水面(みなも)は、青い思春(はる)から青春(はる)を募らす身嵩(みかさ)の高さに逡巡して居る…。―――向きに活き得(え)る無機の〝酒場〟を調子に乗り付け闊歩を以ても、一白(しろ)い空間(すきま)に幻(ゆめ)が差すのは自体(おのれのからだ)の従順でもあり、思いが発(た)つのは無憶(むおく)に仕留めた個業(こぎょう)の許容(うち)にて、小春(はる)に偲ばれ立春(はる)を相(あい)せる幻想(ゆめ)の小言(ことば)が自体(おのれ)を割いた。幻夢(ゆめ)に見惚れる身憶(みおく)の成果(はて)には無類に割き生く魅了が顕れ、努めて泣き得る児(こども)の生果に女性(おんな)の撓(たわ)めが一体(からだ)を描(か)いた。無論の許容(うち)にて論が飛び交い窮屈ながら感覚(いしき)の箍には俗世(このよ)の空間(すきま)が曇(どんよ)り潜(ひそ)めき、併せ鏡の始終の範囲(うち)には耄碌して行く文言(ことば)が出て来て、明日(あす)に発(た)ち足る魅惑を費やす白亜(しろ)い四肢(からだ)は未知の隙間(あいだ)に葛藤して居た。無音の仄香(ほのか)を微かに流行(なが)せる純白(しろ)い気色は俺へ阿り、他(ひと)の自由に宙(そら)が拡がる幸先(さき)の豊穣(ゆたか)が未想(みそう)に委ねて、文句(ことば)の限界(かぎり)に盲句(もうく)の裾には輪舞曲(ロンド)の連行(ながれ)が季節に咲いた。漂白(しろ)い四肢(てあし)が詩吟に延び生く旧来(むかしながら)の旧い葦には透明伝いに幌(ほろ)が退(の)き出す空(そら)の界(かぎり)が屈折して活き、他(ひと)の要局(かなめ)が未知に流行(なが)れて「明日(あす)」の景色をその掌(て)に観るのは、後満(ごまん)と活き生く現行人(ひと)の活気の体(からだ)であった。

      *

 暗い館内なので、特に水に手を潜(もぐ)らせ隠れて左隣りの女の秘部など水着の布を掻き分け弄(まさぐ)っても気付かれまい、と俺は下心を燃やし始めて、その火は右隣りに座った彼女にまで飛び火した。その時に見た彼女の姿は、D大学の図書館にて出会った色黒娘に似て居た。肌が浅黒くなり、見知ったエロチックにやや俺の心は落ち着いて仕舞い、彼女の新鮮から恋心は離れた様(よう)だった。そんな俺の思いに気付かずに居た様(よう)に、彼女は俺に近付いてくれ、俺と彼女は厚いキスをして居た。

      *

 無頂(むちょう)の信理(しんり)に〝幌(ほろ)〟を着るころ幻想(ゆめ)の信理(しんり)に遠く流行(なが)れる熱い感情(こころ)は現代人(ひと)に蹴上がり、小さい眼(め)をした白体(しろいからだ)は跡(あと)を断たずに真っ向から漏れ、他(ひと)の愛路(あいじ)を殊に邪魔する幻(ゆめ)の紛(まが)いを大事に観て居た。旧い一女(おんな)の肢体(からだ)の内(なか)から奇妙に仕上がる浅黒差(あさぐろさ)を観て、俺の勝気は文言(ことば)を失う漆黒(くろ)い界(かぎり)を宙(そら)へ見せ付け、五月蠅(あわ)い明日(あす)から自由を着飾る固陋の景色を散々見た儘、自由の目下(ふもと)に未知を連れ添う速い小敗地(アジト)は削られ行く内、未覚(みかく)の概(おお)さに辛気(しんき)を伴う現世(このよ)の他(ひと)への呪いを識(し)った…。御供(ごくう)の大口(くち)から木霊を蹴散らす大阪生れの肉厚女(にくあつおんな)は一幻(ゆめ)の界(かぎり)に孤踏(ことう)を失う俺の生憶(きおく)を真逆(まさか)に感じて、陰府(よみ)の許容(うち)から全肢(からだ)を巡らす空気(しとね)の翌朝(あさ)から不問を見たのは、勉強ばかりで精魂(こころ)が尽き得る私算(しさん)の辺りの緩やかだった。端正(きれい)な眼(め)をした全肢(からだ)の大きな流行(はや)りの女性(おんな)が、俗世(このよ)の生憶(きおく)に経過(とき)を跳ばせる分厚(あつ)い蜃気の許容(うち)にて活き付け、〝併せ鏡〟の魔鏡(まきょう)の標(しるべ)は幻覚(ゆめ)を見送る試算を立てては、分厚(あつ)い深夜へ陰府(よみ)を詠み取る旧来(むかしながら)の慇懃さえ観た。

 純白(しろ)い過失に類(るい)を観たのは旧来堅気(むかしかたぎ)の蛇の目の心理で、俺の孤独が未知へ紐解き未想(みそう)に話せる滑稽(おかし)な孤独は、幻想(ゆめ)の過程(さなか)に幌々(ほろほろ)零れる脆弱(よわ)い子守りの両親(おや)の棲家で、俺の小敗地(アジト)に未完(みじゅく)を訪ねる現世(このよ)の盲者(もの)には光明(あかるみ)さえ無く、孤高の界(かぎり)に憤怒を燃やせる紺(あお)い進化は活気に死んだ。―――一男(おとこ)の逆行(もどり)は俗世(このよ)の余韻(あまり)に未定を投げ付け女性(おんな)の会話(はなし)に宙(ちゅう)を観るまま不満の暴嵐(あらし)に因縁さえ保(も)ち、自体(おのれのからだ)を母体(はは)に与(あず)ける一幻(ゆめ)の孤独は延々遠くに…、夜半(よわ)の人陰(かげ)から疑問を浮べる淡い小敗地(アジト)に彷徨して居る…。清閑(しずか)な小躍(おど)りに未知を採り生く無想の概句(おおく)は詩吟を報され、純白(しろ)い四肢(てあし)に順曲(じゅんきょく)している宙(そら)の高みは児(こども)の共鳴(なげき)へ直結した儘、百足の肢体(からだ)に母性(はは)を観るほど無知の寝室(ねむろ)は人間(ひと)を迷わせ、文言(ことば)の果(さ)きから矛盾を観て生く自己(おのれ)の無欲は生退(せいたい)した儘、一幻(ゆめ)の白紙(こころ)に未順(みじゅん)を紐解く孤独の迷路に砕けて行った。自己(おのれ)の一安(やすみ)を無知に拡げて自己(おのれ)の肢体(からだ)を懺悔に詠み生く無機の〝酒場〟を頂戴したのは、無垢に始まる旧(むかし)の生憶(きおく)に明日(あす)を懐ける陽気とを観て、現世(このよ)の現代人(ひと)から何にも貰わぬ生気の解(ほつ)れの朗(あか)るい葦には、不安が講じて不休(ふきゅう)が二重(かさ)なる未婚の素顔が概(おお)きく成った。俺の全肢(からだ)は現代人(ひと)の浮気に理屈を数えて正当化に活き、数え上げても数え尽(き)らない不断の信仰(めいろ)を宙(そら)へ観た儘、純白(しろ)い既憶(きおく)に余信(よしん)を拡げる女性(おんな)の柔さを充分手懐け、無知の人生(みち)から未知を気取れる現(うつつ)の僕(しもべ)に自分を観た後(のち)、生(せい)に対する「自由」を見付ける地道の努力(ちから)を弱めて行った。一女(おんな)の情(こころ)に機転を見るうち明日(あす)の精神(こころ)は今日を識(し)らずに、無断の精神(こころ)に呼笛(あいず)を識(し)り貫(ぬ)く夜目(よめ)の身辺(あたり)は満月など照り、現世(このよ)の果(さ)きにて果(さ)きを気取れぬ宙夜(ちゅうや)の過程(さなか)に自体(おのれ)を観るのは、分厚(あつ)い途切(とぎ)りに分奏(ぶんそう)して生く一人(ひと)の生気の分身(ぶんしん)でもある。人間(ひと)の生死が俗世(このよ)に問われず俗世(このよ)の生果が陰府(よみ)へ往くのは、孤独と生死の双(ふた)つの独気(オーラ)に逆行(もどり)を配(あやつ)る新緑でもあり、孤高の水面(みなも)へ神秘(ふしぎ)を堕(おと)せる一幻(ゆめ)の残骸(むくろ)を飾って見たのは、明日(あす)の形成(かたち)に〝相(あい)〟を通せる旧来(むかしながら)の戯曲であった――――――。

      *

 ――――――俺と彼女は別に付き合って居た訳ではなく、この時はまだ他人だった。俺は早く彼女と付き合いたい、付き合う仲に落ち着いてそれから別の世界を観たい、等と考えて居た様(よう)だった。

      *

 無知の戯言(ことば)に気迫を追い立て、明日(あす)の旧家へ追討して生く孤独の〝身重〟に柔裸(やわら)を見守り、旧い人体(からだ)に脆弱(よわ)さを見付ける不毛の晴嵐(あらし)に薄弱など発(た)て、明日(あす)の微温味(ぬるみ)に未想(みそう)を連れ生く旧い孤憶(こおく)は身動(みじろ)ぎした儘、一肢(からだ)の奥義(おく)から生果(はて)を識(し)り貫(ぬ)く未活(みかつ)の信途(しんと)を展開して居た。追い立てられ行く哀しい〝身重〟の愚者から始まり、分厚(あつ)い両眼(まなこ)に新参して生く俺の理屈は他(ひと)のそれより数倍色濃く、無断に着飾り無想に募らす小言の吟味に〝君(きみ)〟を観たのは、経過(とき)に返(へん)じて一幻(ゆめ)を独語(かた)れる独創(こごと)の白亜の音信だった。他(ひと)の儘から宙(そら)を曇らす未知の微温味(ぬるみ)は奇想に明るく、明るい間(ま)に間(ま)に孤高を紐解く幻想(ゆめ)の剥離は朗笑した儘、〝君(きみ)〟の信仰(めいろ)が展開して生く明日(あす)に連なる七つの信仰(めいろ)は一人(ひと)の背中で程好く拡がり、今日から明日(あす)へと未定を想わす虚空から成る予知の主観(あるじ)は、変幻自在に王佐を幻見(ゆめみ)る無痛の刺激に突破を観て居た…。

 自己(おのれ)の白体(からだ)未知を紐解き明日(あす)を絡める未想(みそう)の成果(はて)には、一人上手の文言(ことば)に繋がる〝葦〟の孤憶(こおく)に身嵩(みかさ)が建てられ、旧い信理(しんり)に往生して行く経過(とき)の自主(あるじ)を酷く仰いだ。文言(ことば)の生憶(きおく)を吟味して生く無駄を気取れた小人(ひと)の信理(しんり)は、厚い晴嵐(あらし)に生用(きよう)が延び行く功徳の哀れが間延びを呼び込み、既知の幻想(ゆめ)から一通(とおり)を幻見(ゆめみ)る旧い葦には理屈が冴え活き、未だ乖離(はな)れぬ未知の勇気は生気を尽(き)らせてはらはら散った…。白亜(しろ)い孤独が仰々(ぎょうぎょう)幻見(ゆめみ)る滑稽(おかし)な独義(ドグマ)は、孤独の葦から自由が蹴散らす死臭とも似た私欲(よく)を先駆け、旧い幻夢(ゆめ)から未活(みかつ)に活き得る幻(ゆめ)の主観(あるじ)は凡庸(ふつう)を観た後(のち)、犯罪ばかりを心底欲しがる大阪生れの成人(ひと)の正体(からだ)を事毎破って葬り続けた。無憶(むおく)に連なる不屈の一幻(ゆめ)から、一女(おんな)の躰に跨る男性(おとこ)が苦労を読めない感覚(いしき)を携え、「今日(きょう)」を射止める七つの煩悩(なやみ)に息を切らして正義を観て居た。一女(おんな)の孤独は殊に膨らむ一体(からだ)を取り添え、宙(ちゅう)を飛び交う元気の痛手を自体(おのれのからだ)に収監しながら、一男(おとこ)と幻想(ゆめ)との五月蠅(あわ)い軽身(かるみ)を物の見事に感覚(いしき)に携え、初秋(あき)の静間(しずま)に経過(とき)を流行(なが)せる狭筵(むしろ)の空間(すきま)を大事にして居た。両親(おや)の亡骸(むくろ)を大事に着た儘〝意味〟が通れる滑稽(おかし)な感覚(いしき)を夢遊の許容(うち)にて制定して置き、明日(あす)の目下(ふもと)へ柔(やんわ)り落ち着く無様(むよう)の火蓋は事毎弾かれ、脆弱(よわ)い男性(おとこ)に女性(おんな)の豪華は「シルバーウィーク」の貴重を辿れる。一幻(ゆめ)の〝王佐〟に牽引され生く孤高の感覚(いしき)は堂々しながら脆弱(よわ)い孤憶(こおく)の不問の概句(おおく)は一閃(ひかり)の目下(ふもと)で散乱しながら、幻想(ゆめ)の白紙(こころ)が流行(なが)され始める固陋の水面(みなも)に一体(からだ)を連れられ、俺の孤独は孤独で無くなる唯一(ひとつ)の法(ほう)まで獲得して居る…。他(ひと)の文句(もんく)が事毎発(た)つのを一幻(ゆめ)の宙(そら)から真面に観ながら、気楼に紛れる不可知の自覚(かくご)が遠くへ寝そべる太陽など観て、幻夢(ゆめ)の概句(おおく)に〝白紙(はくし)〟を観る等、麻疹(はしか)の盲者(もうじゃ)に衰残(すいざん)して居た―――。分厚(あつ)い経過(ながれ)を生命(いのち)に観ながら固陋の概句(おおく)は野平(のっぺ)り発(た)ち活き、幻想(ゆめ)の撤廃地(アジト)に新参して生く孤独の身重は具体を識(し)りつつ、初めから無い「無適(むてき)の王者」を玉砕しながら放蕩して居る破廉の高貴にその実(み)を寄せ得た。孤独の脚気に好(この)みを呼び得る分厚(あつ)い辛気(しんき)は寸劇から延び、一男(おとこ)の陽気を狂気へ変え行く旧い確かは正当へと活き、一女(おんな)と広める交尾の果(さ)きには、小人(こびと)の界(かぎり)が類(るい)を褒めない端正(きれい)な寝言が禍々しく成る。一女(おんな)の小手から全肢(ぜんし)が成り立ち、脆弱(よわ)い小宇宙(コスモ)の泥濘(ぬかる)む成果(さき)には余りの無いほど苦境が敷かれて、俺の知らない俗世(このよ)の果(さ)きでは女性(おんな)を崇める男性(おとこ)の文化が、一幻(ゆめ)の歩先(ほさき)を丸め始める太政(だじょう)の目下(ふもと)で開墾して居た。―――、幻想(ゆめ)の成果(はて)から感覚(いしき)が顕れ一幻(ゆめ)の白地(しろじ)に火照りに遍く独歩(ある)ける一男(おとこ)の自尊心(こころ)は〝油(あぶら)〟を見た儘、〝火蓋〟を識(し)らない〝俺〟の一身(からだ)は身寄りの無いまま小敗地(アジト)へ出向き、概句(ことば)を遺さぬ一幻(ゆめ)の解(ほつ)れを概(おお)きく伸ばして仰々しく成り、厚い日々から漏れて行くのは一男(おとこ)の一身(からだ)を通感(つうかん)して生く固陋の信者の哀れであった。孤島の範囲(うち)から炙り出される滑稽(おかし)な瞳(め)をした女性(おんな)の姿勢(すがた)は、一男(おとこ)の傍(そば)から〝空路〟を裂けない旧い〝阿弥陀〟の欄干から見て、幻想(ゆめ)の上手(じょうず)に行水して生く真っ当清閑(しずか)な〝物言い〟さえ識(し)り、一幻(ゆめ)の懸橋(はし)から無頼を統(たば)ねる有名無実を謙遜して居た…。女性(おんな)の温味(ぬくみ)に胸苦(きょうく)を携え〝無知〟の狭間(あいだ)に〝仕切り〟を見直し、分厚(あつ)い両眼(まなこ)に私眼(しがん)を緩める心中(こころのどこか)で後光を観ながら、漆黒(くろ)い人権(かぎり)に人界(かぎり)を観て居る一女(おんな)の狂気を憎悪して居た。嫌悪に塗(まみ)れた憎悪の成果(はて)には誰の延命(いのち)も留(とど)まらない儘、〝シルバーウィーク〟の御殿の界(うち)では競歩に見限る支点(してん)が顕れ、幻夢(ゆめ)の樞(ひみつ)に独創(こごと)を埋め込む男女(ひと)の傀儡(どうぐ)は良くも悪くも、明日(あす)の息吹に自信を満たない儚い最期の〝日記〟を観て居た。俺の背中に意固地が無いのは一女(おんな)の手下(てくだ)に塗(まみ)れたからにて、女性(おんな)が産み生く旧(むかし)の「過去」から旧い頼みがぽつんと立っても、旧い定規は暗黙(やみ)の範囲(うち)にて、旧来(むかしながら)の〝猪突〟を幻見(ゆめみ)る。微かな便りが涼風(かぜ)から零れて一女(おんな)の一姿(すがた)が〝後光〟に立っても旧来(むかしながら)の思い出は無く、明日(あす)の目下(ふもと)にその実(み)を置いても、精神(こころ)の界(かぎり)が律儀に頼れる無頼の音頭は全く廃れぬ…。固陋の葦から気勢が芽吹かれ明日(あす)の独義(ドグマ)が蠢々(うようよ)小波(さざ)めく烏有の日(ひ)の掌(て)は旧(むかし)に仄酔(ほろよ)い、苦労を掠める苦悩の一宮(みやこ)は共存ばかりに連続した儘、一女(おんな)の分身(かわり)と一男(おとこ)の化身(かわり)を一幻(ゆめ)の放火へ頼らせ始めた…。

      *

 …しかし彼女はそんな気を表さずに居た。その頃からキスした時からの情感は波(潮)が引く様(よう)に弱まり始めて、彼女は余り俺の方を見なく成った。キスした時は、彼女の右隣りに居た天然の白豚男が目尻の下がった真顔に口をあんぐり開(あ)けて、俺に「こんな所に見せ付けんなよ~」とでも言ったような茶化したムードを見せて来た。

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 無垢に寄り添う神秘(ふしぎ)の雰囲気(ムード)は如何(いか)にも俗世(このよ)で通用して居り、純白(しろ)い孤独に無頼を示せる安堵の凝(こご)りは堅く紐解き、白亜(しろ)い躰が八倒(ばっとう)して生く自己(おのれ)の孤独と付き合いながらも、器用な瞳(め)をして経過(とき)を観るのは不純の動機の始まりでもある。精神(こころ)の何処(どこ)かで採択して在る夢幻(むげん)の生憶(きおく)に純粋さえ観て、一人(ひと)の孤独に追随して生く哀れの安堵は追退(ついたい)した儘、孤独に寝付いて孤独に相(あい)せる夜半(よわ)の不渡(わたり)は加減を識(し)りつつ、孤高の自覚(かくご)を見送る夢目(むめ)には、朝陽(あさひ)の一閃(ひかり)が散乱して居た。俺の自覚(かくご)は女性(おんな)を退(しりぞ)け、一男(おとこ)の独創(おもい)に空(くう)を看破(やぶ)れる宙(そら)の溺死に海鳴りさえ聴き、哀れに果て往く季節外れの延命(いのち)の成果(さき)には、一幻(ゆめ)の孤独が揚々訪ねる人体(ひとのからだ)の哀蛾(あわれが)など観る…。孤高に息衝く〝不毛の輪舞曲(ロンド)〟の往(い)き着く生果(はて)には、幻想(ゆめ)の概句(おおく)が嗣業を辞め往く旧(むかし)の自覚(かくご)の王佐が在って、一女(おんな)の背中に昇り尽(き)らない旧来(むかしながら)の土蔵の内には、「明日(あす)の姿勢(すがた)」が自己(おのれ)を看破(やぶ)れる「目的(あて)を見知らぬ無様(むよう)」が在った。生命(いのち)を見詰めて延命(いのち)を数える白雲(くも)の彼方の揺蕩い快無(オルガ)は、駱駝に跨る二つの蝶から幻想(ゆめ)に亘(わた)れる生気が漲り、男女(ひと)の酒宴(うたげ)が自由に在るのを俗世(このよ)の脆差(もろさ)に好(よ)く好(よ)く観た後(のち)、気分を好くする過去の孤独は旧来(むかしながら)の衰退を観た。――明日(あす)の日(ひ)の掌(て)を真逆(まさか)に観たのち酔狂(くる)える延命(いのち)にその陽(ひ)は朗(あか)るく、無用に巻かれる無傷の夫婦(めおと)は狂句の調子に美声(こえ)を改め、分厚(あつ)い人語(ことば)の幻想(ゆめ)の一界(かぎり)は無想に酔わせる無暗(むやみ)に留(と)められ、分厚(あつ)い白壁(かべ)から蜻蛉(とんぼ)が発(た)つのは無垢の正義の脚色(きゃくしょく)でもある。現代人(ひと)の断片(かけら)を毛嫌いしたまま現代人(ひと)の温味(ぬくみ)も毛嫌いして活き、併せ鏡に脱走して生く二匹(ふたつ)の屍(かばね)は延命(いのち)を奏でて、独り限りの人道(みち)の上にて独創(こごと)を想わす賄賂を承け取り、漆黒(くろ)い界(かぎり)を自由に飛ばすは旧い感覚(いしき)の初歩(はじめ)に識(し)り付け、幻想(ゆめ)の未覚(みかく)に従う阿修羅は一女(おんな)に活き生く孤独を扱い、自体(おのれ)の独創(こごと)に土木を焚くのは無意識(いしき)に二重(かさ)ねる死相でもある。

 一つ、一つ、努(つと)、々(つと)、…、孤独の信仰(めいろ)の脆弱(よわ)い呼笛(あいず)は太陽から成る丸さを牛耳り、人体(ひとのからだ)の丸味(まるみ)を侍らす非道(ひど)く零れる自覚(おのれのかくご)は無信(むしん)を蹴散らす強靭(つよ)さを捥ぎ取り、分厚(あつ)い経過(けいか)に瞬間ん(とき)を二重(たぶ)らす蜻蛉(とんぼ)の延命(いのち)は間平(まった)り沈み、要(よう)を得ぬまま連想(ドラマ)を鈍(くも)らす旧来(むかしながら)の合図を識(し)った。孤踏(ことう)を生みつつ瞬間(とき)へ潜(もぐ)れる二匹(ふたつ)の帳を活きる延命(いのち)は、絶命等せぬ旧(むかし)の八頭(おろち)を白鏡(かがみ)に映せる度胸を買う儘、小春に蠢き人間(ひと)に住み着く〝無適(むてき)〟を想わす自然(あるじ)を飼い付け、双(ふた)つの家族が揃い踏みする一総(ひとつ)の連想(ドラマ)を連奏(れんそう)して居た。一幻(ゆめ)の真中(まなか)へすいすい暗転(ころ)がる旧来(むかしがたり)の清い一連(ドラマ)は、弄(あそ)び相手の気楼の芽を観て御託を並べて小利口(スマート)に在る旧い轍を一幻(ゆめ)に置き遣り、人間(ひと)の残像(すがた)が宙(ちゅう)に遺れる旧い小里(さと)への奉公等には、俺への孤独が〝身重〟を照らせる旧来(むかしがたり)の生憶(きおく)が発(た)った。純白(しろ)い整体(からだ)を真面に観たのは白亜(しろ)い一幻(ゆめ)から絶命(いのち)が挙がれる俗世(このよ)を見棄てた一命(いのち)の陰にて、脆弱(よわ)い孤憶(こおく)が小夜(よる)に鳴り生く独裁(ひとり)の継(つぎ)には阿修羅が身構え、玄人仕立てに陰府(よみ)へ放(ほう)れる今日(きょう)の自体(からだ)は活力(ちから)を奏でる。

 自己(おのれ)の一幻(ゆめ)から出発(スタート)して往く分厚(あつ)い生憶(きおく)は活き活きしながら「その日、その日…」を嗣業に貫く容易(やす)い気乗りに一想(おもい)の総てを総督した儘、精神(こころ)の奥義(おく)から活路を開ける昔気質の人権から観て〝葦〟に根付ける夜半(よわ)への独創(こごと)は鈍(くもり)を忘れる孤独を観た後(のち)、端正(きれい)に背ける白体(からだ)の所以(ありか)は俺を片付け、宙(そら)を観たまま仰々しく成る…。一幻(ゆめ)の所以(ありか)へ闊達さえ観る憂き世の坊主は孤独だけ観て、神代(かみよ)の時代(はば)にて概(おお)きを保(たも)てる神秘(ふしぎ)の宙(そら)から自慢を退(しりぞ)け、分厚(あつ)い一定(さだめ)に形成(かたち)を見て行く孤独の自然(あるじ)は自己(おのれ)に留(とど)まり、旧い景色に往生して生く一幻(ゆめ)の小言は何処(どこ)まで堕ちても、段々段々一体(からだ)が脆(よわ)まる神秘(ふしぎ)の理生(みち)から優(すぐ)れて堕ちた。

      盲言(もうげん)

 「暖かい家庭が無いんだよなぁ…。人体(ひとのからだ)は幾つ在っても、それらが全部邪魔に見える程、今の俺には暖かい家庭が無いんだよなぁ…。ミドリガメのスープを呑んだら空気が透る。驚く程、空気が透って見える…。奇妙な事も在るもんだ。誰が、こんな事を、予測したろう…。娘の一生が俺から離れる…。娘の生活が『私』から乖離(はな)れて行く…。未知なる進歩を幾ら踏んでも、俺に纏わる悔恨の歯車は、カタカタ、かたかた、音を発(た)てて、未知の彼方へ透って入(い)った…。失(き)えて行った。鷲掴みにした骸骨の歯車は、未知の発音(おと)を揚々聴き分け、総てが総て延命(いのち)に汲まれて、一女(おんな)の四肢(よすみ)へ透って入(い)った…。安穏。安穏。端正(きれい)に誇れる一女(おんな)の体は一夜千夜(いちやせんや)に濁って行った。」

      盲言。

 一幻(ゆめ)の活力(ちから)に躰を棄(な)げ出し自己(おのれ)の頸木(くびき)を一女(おんな)に掛け留(と)め、分厚(あつ)い一夜(いちや)は連綿して行く遥か生果(かなた)を見送り出したが、一幻(ゆめ)の界(かぎり)は大胆不敵に未知の幻(ゆめ)から盲言(ことば)が続かず、孤高の独義(ドグマ)に自体(おのれ)を配(はい)せぬ孤踏(ことう)の振りして独解(どっかい)して活き、俗世(このよ)の女性(おんな)の生命(いのち)の発音(おと)には堂々巡りの繰り返しを観て、安い快無(オルガ)へ呑まれて生くのを一男(おとこ)の生憶(きおく)に刻んで在った。児(こども)の全肢(からだ)に自由を見ぬのを一幻(ゆめ)の弄(あそ)びに逡巡しながら、事始(こと)の安眠(ねむり)に衰退して生く旧来独語(むかしがたり)の温故に識(し)り貫(ぬ)き、孤高の感覚(いしき)を我滅(がめ)る灯(あかり)は思想の人界(かぎり)に鬱陶しくなく、一幻(ゆめ)の猛威に滑稽(おかし)く在るのを俺の「盲者(もうじゃ)」は感じ取りつつ、女性(おんな)の一総(すべて)を一幻(ゆめ)に象(と)るのは孤高の八頭(おろち)の仕種に在った。孤独から成る無意(むい)の共鳴(なげき)の躊躇から観て、孤高に燃え発(た)つ「自由の感覚(いしき)」は無垢を彩る低吟(ていぎん)など識(し)り、自己(おのれ)の夜半(よわ)から未想(みそう)を与(あず)ける旧来(むかしながら)の律儀な生活(かて)には、人間(ひと)の寝床が如何(どう)でも発(た)たずの旧い五月蠅(あわ)さを理屈に採りつつ、幻夢(ゆめ)の自主(あるじ)を孤高に寄せ得る孤高の樞(ひみつ)を大事に観て居た。漆黒(くろ)い界(かぎり)を大事に観たまま激しい経過を宙(そら)へ認(みと)める母性(はは)の温度は丈夫に冴え活き、群青色した現代人(ひと)の思惑(こころ)をとにかく嫌って蹂躙して居た俺の正義の容貌等には、宙(そら)の生果(かなた)が幻夢(ゆめ)を知らない旧い典型(タイプ)の吟味(あじ)わいなど在り、瞬間(とき)の経過に微妙が活き得る無痛の根気の丈夫等には、一女(ひと)の生気が零れて止まない斬新(あらた)な透りが柔裸(やわら)を操(と)った。…私運(さだめ)の進路を新路(しんろ)と見たまま孤独の気色を吟味して生く一幻(ゆめ)の言動(うごき)は不動に在る儘、夜半(よわ)の流行(ながれ)がその掌(て)に懐ける「明日(あす)の心理」は物々しく在り、奇行に疾走(はし)れる愚行の手数(かず)には幻夢(ゆめ)の八頭(おろち)が残像(かたち)を遺せる無残の〝巨躯〟から呻吟さえ鳴り、表面(おもて)を競歩(ある)ける孤高の〝走路(そうろ)〟は俺の心身(からだ)を俯瞰した後(のち)、遺せる〝寡(やもめ)〟を俺の側(そば)へと幻(ゆめ)を射止めて不純に侍らす旧来(むかしながら)の偽装を採った。

 無論の範囲(うち)にて微足(びそく)が固まり自己(おのれ)の狂喜が事始(こと)へ倣う時、惨めな姿勢(すがた)に一幻(ゆめ)の余韻(なごり)が一経(とき)の揮(ふる)えに身を起こしながら、固有の音頭へ追算(ついさん)して生く加労(かろう)の孤独を賛(さん)じて在った。幻夢(ゆめ)の範囲(うち)より気楼が成り立ち未完(みじゅく)に想わす心中(こころのうち)には明日(あす)の孟夏が再三して来る努力の成果を追随させ活き、昨日に異なる幻想(ゆめ)の生茂(しげり)に紛れて如何(どう)でも好く成る。孤独顔した滑稽(おかし)な独裁(ドグマ)は御手に破れて自堕落さえ踏み孤踏(ことう)との人陰(かげ)にて三寒(さんかん)極まる夢遊の一糸(ルート)に気紛(まぐれ)を観ながら、誰も彼もに成体(せいたい)して生く旧い生憶(きおく)に追走して居た。初めから在る「未活(みかつ)」に了(おわ)れる孤独の空間(すきま)は、孤独に称して寝屋に巻かれる生憶(きおく)の夜宙(よぞら)に羽ばたきながらも、個空(こくう)の範囲(うち)に機嫌を損ねる旧(むかし)に憶えた輝憶(きおく)の一光(ひかり)は、幻夢(ゆめ)に染まれる〝古都〟の一閃(ひかり)に「自由」に跳び発(た)ち無言を称する…。旧い温度に高踏(こうとう)して行く一人(ひと)の側(そば)へと根付いて在るのは「明日(あす)」の〝旧(むかし)〟に踏ん切り付けずの固陋の呼笛(あいず)に他成らない儘、一幻(ゆめ)に仕留めた確固(たし)かな生絆(きずな)を無稽の静間(しずま)に返す体形(かたち)で、しと、しと、しと、しと、…旧着(ふるぎ)を二重(かさ)ねる〝旧(むかし)〟の残香(かおり)に生憶伝(きおくづた)いが一張羅を観た。明日(あす)の孤独を催す物から私闘を発狂(くる)わす子煩(こぼん)の角(かど)には、幻想(ゆめ)に踏まれた無数の〝孤独〟が平気貌(へいきがお)して傍々(はたはた)居座り、一幻(ゆめ)の仄香(ほのか)へ集めた。〝差異〟には無数の孤録(ころく)が充分究(きわ)まり、白亜(はくあ)を落して〝上手(じょうず)〟を棄(な)げるは無知の生録(きろく)に相当して居た。―――、一人(ひと)の煩悩(なやみ)にそのまま生くうち漆黒(くろ)い上気が宙(そら)へ映え出し、分厚(あつ)い絹から白衣(ころも)を作れる幻想(ゆめ)の無実は結託して活き、弄(あそ)びがてらに器用を統(たば)ねる三寒四温の文言(ことば)の記憶は、濡れた躰に相対(あいたい)して行く物(もの)の上手(じょうず)に追退(ついたい)して居た…。個人(ひと)の生憶(きおく)へ相対(あいたい)する上無憶(むおく)の譲渡は加減を報(しら)され、泣きながらに観る「不要の文句」は文言(ことば)を仕立てず明日(あす)の生果へ埋没して居た。一人(ひと)の雇用に列席するうち信仰(まよい)の情堕(じょうだ)は確約されつつ、自体(おのれ)に結わえた幼い屍(かばね)は無残を報され衰退し得て、白亜(しろ)い郷里へ列席して行く夢目(むめ)の矜持は追悼されつつ、脆弱(よわ)い一身(からだ)を隔離して生く無憶(むおく)の長子(ちょうし)にそのまま立てた。…幻想(ゆめ)の景色に放浪するうち分厚(あつ)い気憶(きおく)は残骸(のこり)を集めて一幻(ゆめ)の〝逆さ〟へ虚無を観るのを事始(こと)に幻見(ゆめみ)て酔狂しながら、孤高の生憶(きおく)に随参(ずいさん)するのは脆弱(よわ)い人界(かぎり)の追討でもあり、幻夢(ゆめ)の内向(うち)へと認(みと)める気色は小躍(おどり)を忘れた金糸雀にも成る。…生憶(きおく)正しく〝無論〟を頬張る夜目(よめ)の主宴(うたげ)は莫大から成る私産(しさん)から成り、記憶に射止めて生気を見知らぬ不意の小躍(おどり)の衰退等には、如何(どう)でも懐かぬ稀有の感覚(いしき)が無効を二重(かさ)ねて泌々(じめじめ)起きた。幻想(ゆめ)の一衣(ころも)に白馬が跨り宙(そら)の意の内(なか)ずんずん活きれば、自己(おのれ)の未完(みじゅく)に一幻(ゆめ)を見立てぬ脆(よわ)い気色が散行(さんこう)して活き、生憶(きおく)外れの神秘(ふしぎ)が旧茂(ふるも)が虚無を導き踏襲する内、自体(おのれ)の過去から自由を生育(そだ)てる未完(みかん)の分業(ノルマ)が暴走して居た…。

 孤高に息衝く旧い集成(シグマ)の傾(かしず)く〝杜〟には、一幻(ゆめ)を這わせる〝堂々巡り〟が無欲の目下(ふもと)へどんどん流行(なが)され、一幻(ゆめ)の生憶(きおく)が生長するのを自己(じこ)の内(うち)より傍観して活き孤独の仕種に低迷(ていめい)して居る未想(みそう)の事実は無機に覆われ、一幻(ゆめ)の一滴(しずく)を集めて囃せる脆い仕種を大事にして居た。虚空の便りを充分幻見(ゆめみ)て旧い路地から生地を仕立てる流行(はや)り文句の生体から観て、〝聴こえ〟の好いまま不義を仕留める旧(むかし)の〝合図〟は蟹股(がにまた)とも成り、生憶(きおく)に対する旧い主宴(うたげ)は固陋の過去より礼賛だけ得て、浮薄(うす)い生地から揚々棚引く人の生気は瞬間へと生く…。

      *

 …女が男に居着いた故の女効果がその男を呼び寄せたのである。俺はそう思ってこの天然白豚男を快く思わなかった。

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 暗い夜空(そら)から無言が誇れる無関(むかん)を呈した文言(ことば)の心裏(うら)では、一女(おんな)の一体(かたち)がmonk(モンク)に観得出(みえだ)す白塗りされ行く後光が突き差し、孤独顔した純白(しろ)い吐息は無駄に憶える無力を呈して、緊(きつ)い仕種を充分統(たば)ねる無効の呼笛(あいず)を静観して居た。孤独の便りが他(ひと)の便りと無碍に遇(あしら)う一人(ひと)の内には、今日から明日(あす)への無沈(むちん)の感情(こころ)が怒張(どちょう)を労い、厭(きら)い続けた一女(おんな)の会心(こころ)を無踏(むとう)に懐かす生茂(せいも)を報され、一幻(ゆめ)の旧巣(ふるす)へ不朽に了(おわ)れる辛(つら)い律儀は労苦を認(したた)め、明日(あす)の彼方へ無言を奏でる不意の孤独を慇懃して居た。苦労に見積もる人間(ひと)の囃しは現行人(ひと)の私欲(よく)から斬新(あらた)が零れて、自己(おのれ)の苦力(くりょく)に暫く幻見(ゆめみ)る至闘(しとう)の賛美に終局して活き、孤独の精神(こころ)に旧巣(ふるす)を好く観る一女(おんな)の賛歌は大口(くち)を開(あ)けずに、現代人(ひと)の常識(かたち)に流行(ながれ)を厭える現(うつつ)の行為の実相等には、孤高の生憶(きおく)に無念(おもい)を呈する私闘の懺悔が遊泳(およ)いで在った。現行人(ひと)の記憶に活き生く者には一人(ひと)の熱気が上手(じょうず)に点(とも)され、俗世(このよ)に蔓延る男性(おとこ)と女性(おんな)の常識(かたち)の人影(かげ)にて「自由」が絆され、解(ほつ)れた気質に苦労を絶やせぬ孤独の概(おお)さは未完(みじゅく)に在る儘、自己(おのれ)の気心(こころ)に染まらぬ結果は無為の文言(ことば)に大きく成れた。自己(おのれ)の生憶(きおく)に活路を設けて幻(ゆめ)の脆差(もろさ)へ生還するのは孤独の表情(かお)から未想(みそう)を培う概(おお)きな眼(め)をした孤憶(こおく)の帳で、一幻(ゆめ)に迷わす手長(てなが)の一連(ながれ)は下肢(あし)に大きく生気を表し、自体(おのれ)の過去から無信(むしん)を報せる程好い人界(かぎり)の問答等には、一幻(ゆめ)に集まる無限の仄香(ほのか)が我信(がしん)の一総(すべて)を呑み込み得て居た。文言(ことば)を呑み込む以前(むかし)の生憶(きおく)は俺の精神(こころ)に偽り続けて、以前(むかし)に続けた微かな樞(しかけ)を一幻(ゆめ)の孤独へ再考して活き、自己(おのれ)を見立てる旧い〝上着〟は一女(おんな)の手管(てくだ)に同調して居る。孤高の清閑(しずか)に阿る定型(かたち)で無傷の幻想(ゆめ)には〝身重〟が成り立ち、〝食い物〟伝いに遊泳(およ)いで生くのが昼間の小敗地(アジト)へ辿れるならばと、如何(いか)にも貴(とうと)い木の芽に舞い散る幻想(ゆめ)の帳へ生憶(きおく)を詠む内、自体(おのれ)の生気に文言(ことば)を見積もる遥かな息吹に舞い上げられた。一体(からだ)の努めが生気を吸い取り自己(おのれ)の宙(そら)から夢中の宙(そら)へと気色を夢見て狂奔するのは、一男(おとこ)の律儀に女性(おんな)が二重(かさ)なる不意の暖気に日暮れなど識(し)り、愉快に遊泳(およ)げる〝無断の気憶(きおく)〟の助長の内(なか)では、一幻(ゆめ)の脆さが文言(ことば)に代われる分厚(あつ)い空想(おもい)に図繰(ずんぐ)りして居た…。―――、孤島の曇りに一幻(ゆめ)を観ながら旧(むかし)の旧巣(ふるす)は一男(おとこ)に紛れる孤独を見限り、一女(おんな)の気色に〝余程〟を仕立てる幻想(ゆめ)の白亜は均衡(バランス)など取り、分厚(あつ)い経過(ながれ)を一命(いのち)に観て行く無想の小敗地(アジト)の拡大等には、男性(おとこ)の一幻(ゆめ)から延命(いのち)を侍らす身重の勇気の縮小等ある。幻想(ゆめ)の無憶(むおく)に放心したまま一重(ひとえ)の精神(こころ)に故意を掴まれ、女性(おんな)の自覚(かくご)を放り生くうち無垢の主宴(うたげ)に絶対など観て、一男(おとこ)の精神(こころ)は無残に紐解く一幻(ゆめ)の気色に同化を成し得た。奇妙の空気(しとね)に柔味(やわみ)を識(し)るうち精神(こころ)の逆算(もどり)を通算するのは自体(おのれ)に羽ばたく故郷に手招く分厚(あつ)い逆鏡(かがみ)に遠吠えする儘、無欲の一局(つぼね)に相異を観て居た。分厚(あつ)い勇気に〝経過〟を報され一幻(ゆめ)の許容(うち)にて男・女(だんじょ)を皆殺(ころ)せる虚無の思惑(こころ)を不純とした儘、連絡付かずの不通の女性(おんな)に絶望だけ知り不穏を観て居た。白亜(しろ)い凝(こご)りを図鑑に観るうち無応(むおう)の生絆(きずな)を快無(オルガ)に見た儘、明日(あす)への孤独を見様(みよう)に詠むうち呼吸の一(すべて)を忘れて在った。自己(おのれ)の感覚(いしき)に呼吸を吐(つ)くうち事始(こと)へ蔓延る昔のドラマは分厚(あつ)い朝陽を私用(しよう)に射らせて、照射の届かぬ無類の至りに脚色(いろ)が届かぬ無頼を観て居た。幻想(ゆめ)の許容(うち)へと段々蔓延る旧来(むかし)に良く似た人間(ひと)の連想(ドラマ)は、孤独を背にした未完(みじゅく)の許容(うち)にて虚無に届かぬ風来など識(し)り、分厚(あつ)い途切(とぎり)を用(よう)に足すのは未活(みかつ)の温度を虚空に呼び出す虚無への連動(うごき)に相当して居た。不通の女性(おんな)は一男(おとこ)に連絡取るうち俗世(このよ)の定めに敢え無く従い、他の男性(おとこ)と楽(らく)を共にし、虚無を見果てぬ己の一幻(ゆめ)へと滑走しながら消失して居た。幻想(ゆめ)の白亜は孤高の白壁(かべ)へと白塗りされ生く無謀の共鳴(さけび)に低吟して居り、一女(おんな)の手管を見事に詠め得る純白(しろ)い孤独と相対(そうたい)しながら、俗世(このよ)の生憶(きおく)へ零れ活き生く未活(みかつ)の術(すべ)へと降(くだ)って行った。器用な男性(おとこ)が無活(むかつ)を欲しがる新緑(みどり)の涼風(かぜ)から空気(しとね)が漲り、忘れ形見の一色(ネオン)の足下(ふもと)に未活(みかつ)に窄(すぼ)まる宙(そら)が映え活き、孤高の酒宴(うたげ)に岐路を観るのは「堂々巡りの落胆」だった。

 幻視(ゆめ)への謳歌が魅力に繋がる自己(おのれ)の無知から未婚を囀り、俗世(このよ)の女性(おんな)の誰にも分らぬ孤高の勇者は一男(おとこ)に現れ、天に蔓延る自体(おのれのからだ)を何処(どこ)にも目立たぬ虚無へと画し、自己(おのれ)の界(すべて)に楽園(パラダイス)を観る信徒(しんと)の小敗地(アジト)へ解散して居た…。気楼の虚無から杜撰が蔓延る一色(いろ)を保(も)たない嗣業の酒宴(うたげ)は、幻想(ゆめ)の残香(かおり)に普遍を見限る孤動(こどう)の動作へ準じて居ながら、女性(おんな)の目前(まえ)から自体(おのれ)を退(の)かせる一幻(ゆめ)の動作へ移って行った。白亜(しろ)い撤廃地(アジト)の狂言等から夢遊の教理を拡散するうち非道に跨る滑稽(おかし)な動作が苦にも楽にも地盤を固めて、俗世(このよ)の虚無から厚着を為せない不動の遊夢(ゆうむ)に対極して生く…。一人(ひと)が見得ない滑稽(おかし)な口説きを地にも果てない勇気を頬張り、俺の肉体(からだ)は美談を集める夢遊の自覚(かくご)を噴散(ふんさん)して活き、一女(ひと)が見得ない俗世(このよ)の小敗地(アジト)へ〝堂々巡り〟と還って入(い)った。一幻(ゆめ)の許容(うち)から虚無が流行(なが)れて自己(おのれ)の明日(あす)から自信が培う〝堂々巡りの欠伸〟が延び活き、他(ひと)の空転(まろび)に「明日(あす)」を窺う幻想(ゆめ)の盲者は振(ぶ)ら振(ぶ)ら疲れて、孤高の独裁(ドグマ)に決して幻見(ゆめみ)ぬ淡い記憶をむしゃくしゃ噛んだ。純白(しろ)い孤独へ自慢を詠むうち孤独を馴らせる虚構の四肢(てあし)は夢我(むが)の最中(さなか)に純粋さえ観て、一女(おんな)の四肢(てあし)を蹂躙するのは漆黒(くろ)い人界(かぎり)を透視するのと、然程も変れぬ夢遊を呈して未完(みじゅく)を灯せる愛奴(あいど)を保(も)った。努めて囃せる嗣業の快楽(らく)から算(さん)が上がって、個々に留(とど)まる未有(みゆう)の暴徒(ぼうと)は信途(しんと)の狭間(あいだ)に結託して活き、日々の疲れを無意(むい)に馴らせる女性(おんな)の文言(ことば)を皆殺(ころ)して生く内、自体(おのれのからだ)の小さな悪魔は仁王に逆立ち没して行った。俺の感覚(いしき)を自由に取り巻く〝自活〟を灯した脆弱(よわ)い小悪魔(あくま)は、孤高の延命(いのち)を陰府(よみ)へ落せる暗黙(やみ)の脚力(ちから)を無断に退(しりぞ)け、何時(いつ)まで経っても歯軋りして生く孤高の独義(ドグマ)を有頂に採った。俗世(このよ)の独裁(ドグマ)を幻想(ゆめ)の成果(かなた)へ無効に自奏(かな)でる旧来(むかし)の生果は、幻想(ゆめ)の勝気(かちき)に集まり始める未来の世紀へ黄金(きいろ)く羽ばたく旧(むかし)の援助に相当した儘、明日(あす)の辛気(しんき)に蜃気を二重(かさ)ねる旧い孤独へ怠惰を採った。女性(おんな)の孤独は篩に掛けられ、夜半(よわ)の魅力に宛がわれて生き、夜半(よわ)の界(かぎり)に魅力を呈する分厚(あつ)い快無(オルガ)に同調する内、一夢(ゆめ)の成果(はて)から未婚を呟く〝思想〟の豊穣(ゆたか)を反映させ得た。固陋を鈍(くも)らす滑稽(おかし)な人界(かぎり)は自己(おのれ)の無知から結託して生く広い界(かぎり)を自由に紐解き、見ず知らずに在る女性(おんな)の姿勢(すがた)を体裁(かたち)に置き換え余談を呈さず、不毛の一宮(みやこ)へ自滅して生く無倣(むほう)の王者と相成(あいな)り出した。一女(おんな)の自覚(かくご)はごまんの範囲(うち)から未来(みらい)へ羽ばたく虚無を見限り、明日(あす)の孤独へ触れる際には無音に逃れる孤独を連れ添い、一幻(ゆめ)の自主(あるじ)へ逆らい続ける孤独の自主(あるじ)と傀儡(どうぐ)を見て居る…。如何(どう)でも儚い〝自分〟の無適(むてき)に枯渇を詠むうち虚構を報され、分厚(あつ)い人界(かぎり)を自己(おのれ)に幻見(ゆめみ)る未有(みゆう)の盲者(もうじゃ)は金銭(かね)にも困り、人間(ひと)と現代人(ひと)との区別も付かずに脆(よわ)い音頭を執り続けて居た。自己(おのれ)に蔓延る延命(いのち)の界(かぎり)は宙(そら)に溺れる化粧の許容(うち)にて、総浚いにする虚構の一連(ドラマ)を無残に合せる夢想に突き出し、自己(おのれ)の表情(かお)した〝併せ鏡〟を未完(みじゅく)に紐解き両親(おや)とした儘、明日(あす)の孤独へ充分羽ばたく脆弱(よわ)い古巣へ還って入(い)った。奇妙の文言(ことば)を不通に見ながら自体(おのれ)を取り巻く虚無の内では未有(みゆう)に擡げる苦渋に底上げ、分厚(あつ)い要局(かなめ)に演劇して生く烏有の自覚(かくご)は母性(はは)を見るうち確認して行く無想の掌(て)に乗り自覚(かくご)を強いた。分厚(あつ)い孤独に自己(おのれ)を侍らせ無駄に活き得る不毛の手数(てかず)は、頭熟(あたまごな)しに鬱積して行く鼓動の盲者(もうじゃ)を現世(このよ)へ侍らせ、自己(おのれ)の楽園(その)から端正(きれい)に返れる無駄な努力に追走して居た音痴な自主(あるじ)を想定して居た。自己(おのれ)の精神(こころ)は自由に把(つか)める〝仁王〟の自主(あるじ)を分散せしめて幻(ゆめ)に息衝く俺の孤独を幻想(ゆめ)に息衝く俺の孤独を幻想(ゆめ)の界(かぎり)に没頭させ置き、一幻(ゆめ)の白亜(はくあ)へ逆上せ続ける自由の活力(ちから)が杜撰を追い駆け自己(おのれ)の孤独に明日(あす)を見限る自然(あるじ)の目下(ふもと)へ透って入(い)った。一幻(ゆめ)の悪児(こども)へ未来を詠むのも不通の自主(あるじ)へ女性(おんな)を観た儘、一幻(ゆめ)への孤独に女性(おんな)を観た儘、一幻(ゆめ)への孤独に女性(おんな)を愛せる理想の淑女に俗世を乖離(はな)れて、幻想(ゆめ)を相(あい)せる孤独の界(かぎり)は孤踏(ことう)を仰げる理解を保(も)ちつつ、撓(たわ)めて間(ま)も無い幻想(ゆめ)の孤独を把握しながら、一女(おんな)の懺悔を事毎受けない端正(きれい)な理想の日(ひ)の粉(こ)を要(よう)に静める幻(ゆめ)の陽気は燦々散ら張(ば)り、幻(ゆめ)に息衝く自己(おのれ)の御託は女性(おんな)の軟身(やわみ)に絶望さえ識(し)り、分厚(あつ)い勇気を陽気へ変え生く孤独の王者を換算しながら、自己(おのれ)に宿れる不毛の従者は日頃に基づく〝真昼〟を詠んだ。無音(ノイズ)の空虚に落ち込みながらも無援の虚無へと葛藤して活き、文言(ことば)に出来ない汽笛の孤独は一男(おとこ)の脳裏へ弄(あそ)び始めて、一女(おんな)の自主(あるじ)は虚構を見限る不意(ふい)の上手(じょうず)に追悼するのち未覚(みかく)の従者を呼び寄せ始めて、自己(おのれ)の孤独と相対(あいたい)して生く熱い想いの浮沈の上では、路頭に迷わぬ無意(むい)の一灯(あかり)に孤踏(ことう)を酔わせる独気(オーラ)を識(し)った。無音の分厚(あつ)さに倦怠さえ観て孤高の上昇(のぼり)は輝体(からだ)を識(し)りつつ、明日(あす)の孤独を予測して生く無謀の日(ひ)の掌(て)に温床(とこ)を離れて、自己(おのれ)の一光(ひかり)へ担げる陽気は〝土台〟を失くせる脚色から成る。無憶(むおく)の〝夕日〟が虚無を識(し)るうち無音(むおん)の理性(はどめ)は故意に成らずも、時計に突き出る孤独の音頭は虚構に見紛う小敗地(アジト)を識(し)り嗣(つ)ぎ、苦悩に紛れた無感に在るのを俺の勇気は如何(どう)でも識(し)らずに、齢(よわい)を招ける無頼の藻屑は空中から観て天然さえ識(し)る…。一女(おんな)の柔裸(やわら)が剛(ごう)を奏でて未音(みおん)に流行(なが)され、孤高の小敗地(アジト)へ返り咲くまで仮想にお道化(どけ)る夜馬車(よばしゃ)を引き取り、中世からでも恵みを齎す孤独の理想(ゆめ)には闘いだけ在り、自己(おのれ)の躰が純白(しろ)く成るのは白夜の畝(うねり)の体裁()かたちに観られた。孤独の勇気に孤高を識(し)るのは悪魔の歩先(ほさき)の成就から成り、暗黙(やみ)の手先へ揮いを与(あず)ける幻想(ゆめ)に預けるしどろもどろは、一女(おんな)の自覚(かくご)のしどろもどろの下手(へた)な恐怖へ相当して居た。自体(おのれのからだ)が白夜を観るのは一日白夜(いちにちびゃくや)の空想から成り、分厚(あつ)い滾りの恩恵から観て夜半(よわ)との契りを頑なにも識(し)り、児(こども)の悪事を器用に捌ける一人(ひと)の無頼の宙(そら)を観たのは、一人(ひとり)に尽きては独りへ翻(かえ)れる自体(おのれ)の無欲の舶来だった。自己(おのれ)の虚無から舶来など観て分厚(あつ)い人界(かぎり)が沈黙するのは、下らぬ男女(だんじょ)の〝深さ〟が現世(このよ)の浮薄を明るみへと出し、無効に帰(き)せ得る親身の軟(やわ)らを俺に突き付け蛇行して生く哀れな虚構の末路から成る。幻(ゆめ)の孤独に夢中が成り立ち孤独の概(おお)くが我聞(がもん)に伏せても、女性(おんな)の如実は〝遣り取り〟したまま一男(おとこ)を殺せる雰囲気(ムード)を幻(ゆめ)の股座(あいだ)へ潜(ひっそ)り置き去り夢遊を呼び遣り、幻視(ゆめ)の白夜を換算して行く孤高の八頭(おろち)を手招きするのは、一幻(ゆめ)の孤独へ追随して生く無駄の生茂(しげり)の襲来だった。秋の夜長に一応から成る自体(じたい)が生れて、羽虫(はむし)の鼓動(うごき)が幻光(ひかり)で囀る浮遊の晴嵐(あらし)に浮かぶ迄には、無用の寵児が高踏(こうとう)して行く経過(とき)の門扉が暫く開(あ)けた。無言の長蛇に列(れつ)を成り行く事始(こと)の概(おお)くは無音に定まり、見果てぬ幻(ゆめ)へは一女(おんな)の闊歩が優先して居た。白亜(しろ)い文句(ことば)を列挙した後(のち)俺の一体(からだ)は衰退し得(う)るが、女性(おんな)の孤独と自分の所以(ありか)を事始(こと)の概(おお)くに返して仕舞い、幻夢(ゆめ)の見果てぬ無想の人陰(かげ)には〝昆虫〟ばかりが割腹して居る…。昨日の調子に「俺」が活き過ぎ、精神(こころ)の内(なか)では一女(おんな)を保(も)てない奇妙の安堵が連想(ドラマ)を観て居て、必ず尽き行く人間(ひと)の見定(さだ)めは星の数多(かず)ほど虚しく小躍(おど)れる…。無理に透せる無限の和(やわ)みは一女(おんな)の絡みに相当しながら、文言(ことば)の虚無から孤独へ往くのは無駄な孤独へ追討して行く宇宙の孤独へ熱愛して居た。真白(ましろ)い形成(かたち)に未憶(みおく)が二重(かさ)ねる宙(そら)の扉は無音に開(あ)きつつ、向こうの〝朝陽〟に神々しい儘「日暮れ」近くに悶絶して生く過去の網羅が現行(いま)を活き出し、緊(きつ)い定規に自己(おのれ)を生やせる孤高の傀儡(どうぐ)を一夢(ゆめ)に観て居た。一女(おんな)の夜毎(とばり)が夢中に生くのを無己(むこ)の透りへ期待する内(うち)、文言(ことば)の概句(おおく)を無駄に費やす不義の脆さに追随して行く〝孤独の晴嵐(あらし)〟を目先(さき)へ足らしめ、幻(ゆめ)の縁(ふち)へと自己(おのれ)を映(は)やせる自慢の快無(オルガ)は何時(いつ)か孤独で、成人(おとな)の生憶(きおく)へ巻かれ続ける無断の日(ひ)の掌(て)に大手(おおて)を打った。無知を引き摺(ず)る自体(おのれのからだ)は未定の凌ぎを揚々夢見て、通り相場の不快の傍(そば)から過去へ跨る児(こども)を連れ出し、児(こども)の記憶が児(こどく)を連れ生く夢遊の主宴(うたげ)を自慢に観る時、孤独の人影(かげ)から〝未満〟を遮る滑稽(おかし)な〝雲間〟を覗いて在った。無我の境地へ夢中を連れ込み無遊(むゆう)の興味に自由を観たのは〝孤独の謳歌〟を強襲して生く事始(ことのはじめ)の無難であって、白馬に跨る一娘(むすめ)の自主(あるじ)は事始(こと)へ見積もる旧(むかし)を良く識(し)り、厚い界(かぎり)を精神(こころ)へ秘め行く旧来独語(むかしがたり)の絵面を追った…。白亜(しろ)い着物を脱ぎ捨てながらに無糖の菓子から栄養(かて)を貪り俺の明日(あす)には蝶が発(た)たない遥か果(さ)きへの踏襲さえ在り、〝在り来たり〟に観る百足の尻尾は老いも若きも無残に枯れ果て、純白(しろ)い空虚が葛藤して生く思惑(こころ)の順路の孤高へ生くのは、未知の安眠(ねむり)へ逃走して生く幻想(ゆめ)の自然(あるじ)の煩悩(なやみ)であった。紺(あお)い兆しに読解しながら固陋に連れ生く無知の独歩(あゆみ)は事始(こと)の概(おお)くに繁栄して活き、固陋に対する自覚(かくご)に芽生える幻(ゆめ)への対処は真っ当ながらに、自体(おのれのからだ)に孤独を識(し)るのが初春(はる)の大器を培い始める夢限(むげん)の大地を圧倒して行き、無理をせず儘〝宙(ちゅう)〟を詠み取る不潔の姿勢(すがた)を構築して居た。一女(おんな)の活歩(かつほ)は一男(おとこ)を連れ去り幻(ゆめ)の過程(さなか)へ未順(みじゅん)を敷き行く事始(こと)の謳歌を踏襲するのは、無駄を拝さぬ哀れな自主(あるじ)が独創(こごと)を呈さぬ行為を侍らし、一(いち)にも三(さん)にも未完(みじゅく)を連れ去る〝人物(もの)の遊山〟を既視(おおめ)に見て居る。一女(おんな)の麻薬が男性(おとこ)に入(い)るのは朝な夕な嗣業の縁(えん)にて、こそこそ言動(うご)ける孤独の翻(かえ)りが奇妙に華咲く自主(あるじ)を見ながら、適当ばかりに一幻(ゆめ)を切り抜く分厚(あつ)い動作を上着に着ながら、一幻(ゆめ)の小躍(おどり)に身支度して生く旧い行李に押し込めながらも、幻想(ゆめ)の界(かぎり)に〝意味〟を費やす無憶(むおく)の心理に根付いて在った。幻夢(ゆめ)を見るまで未憶(みおく)に撓(たわ)める毬藻(まりも)の体(てい)した紅(あか)い輪舞曲(ロンド)は、自己(おのれ)の小言を併せ掴める詩人の気色に群想(ぐんそう)して居り、分厚(あつ)い晴れ間に〝有利〟を二重(かさ)ねる初夏(なつ)の旧巣(ふるす)を想像した儘、苦労話に払拭して生く狭筵(むしろ)の成果を横行して居た…。純白(しろ)い気色に身悶えし生く〝最果て気取り〟は横行した儘、初夏(なつ)に咲き生く未活(みかつ)の進歩を出来事(こと)へ棄(な)げては遁走して活き、幻想(ゆめ)に纏わる自己(おのれ)の自覚(かくご)が如何(どう)でも迷わぬ信義(しんぎ)を差すのは、荒唐無稽に歯折(はお)りを木霊す一女(おんな)に纏わる或いは虚無から、一幻(ゆめ)の前兆(きざし)が仄かに指し得(う)る幻視(ゆめ)の情理(じょうり)に延長して観て、虫の報せに煩悩(なやみ)を蹴散らす初夏(なつ)の遊女をほとほと見る後(のち)、明日(あす)の経過(ながれ)に「昨日(きのう)」を詠むのは俺の脳裏の孤独であった。事始(こと)に費やす自己(おのれ)の妙味に幻想(ゆめ)の温度は訣別した儘「孤独の王者」と訣別して生く正味の遊離は漆黒(くろ)い自覚(かくご)が新参した後(あと)、自己(おのれ)の理想(ゆめ)から〝無駄〟を安(やす)める遥かな生憶(きおく)が類推(るいすい)して活き、幻(ゆめ)に始まる自体(おのれ)の無残に宙(そら)に留(とど)まる急(きゅう)を報せた…。孤独の分厚(あつ)みに耐えられない儘〝褌姿勢(ふんどしすがた)〟にその実(み)を募らす不義の遊離は改竄されつつ、五月蠅(あわ)い小敗地(アジト)に自己(おのれ)を仕立てる理想(ゆめ)の漏れには無残が仕上がり、幻(ゆめ)の晩夏(なつ)へと自体(おのれ)を仕立てる低い腰には堂々巡りが…、堂々巡りに出だしを看取らす女性(おんな)の両刃(もろは)に自由を改め、孤独の許容(うち)にて孤独を蹴散らす男性(おとこ)の呼応を暫く読んだ…。紺(あお)い宙(そら)から背景(バック)を観るまま切(ぎ)り切(ぎ)り落ち着く模様の奈落は人間(ひと)の生果を看破(みやぶ)りながらも、互いに呈(しめ)せる滑稽(おかし)な遊戯を喝采しながら純情(こころ)を呼びつつ、互いの肢体(からだ)を掲げて鈍(くも)らす男・女(だんじょ)の相(あい)には幻(ゆめ)を得ながら、孤独の樞(ひみつ)を表面(おもて)へ破(ば)らせる〝神秘峠(ふしぎとうげ)〟の傀儡(どうぐ)を観て居た。搔いては消えて、書いては消えて、描いては消えてして居た幻(ゆめ)を売り生く初夏(なつ)の盲者(もうじゃ)は、俺の背中へ女性(おんな)を侍らせ虫の息ほど毒気を冷ますと、自己(おのれ)の未知から無意味を透せる雪の冷気に仄(ほ)んのりして居た。一幻(ゆめ)の手数(てかず)に果(さ)きを越された孤高の主宴(うたげ)を夜毎に呼び付け、自体(おのれ)の周囲(まわり)の漆黒(くろ)い空気(しとね)に晴れた雲間をふとふと見付けて、幻想(ゆめ)の古巣に虚構を見付ける廃れた自覚(かくご)の成れの果てには、自ずも燃え立つ旧い弄(あそ)びが規矩を通して箴言して居る…。孤独の晴嵐(あらし)に叫(たけ)びを通して無駄に倣える一女(おんな)の弄(あそ)びは、事始(こと)の概(おお)くに抜き差し成らずの不要の挿句を至順(しじゅん)に容(い)れ込み、明日(あす)の一灯(あかり)へ自体(からだ)を細める苦労の源泉(いずみ)を小さく観て居た。純白(しろ)い人煙(けむり)が俄かに昇れる旧い宙(そら)から無純(むじゅん)に見たのは、幻(ゆめ)の気色が滔々降(お)りない醒めた景色の体熱でもあり、明日(あす)の〝旧巣(ふるす)〟へ真っ向尖れる漆黒(くろ)い調子の生気に対し、一幻(ゆめ)の歩先(ほさき)を巧く認(みと)める一女(おんな)の挿句(ことば)は所々で恥とも成った。一男(おとこ)の肩から微妙が逃れる旧いお宿は清閑(しずか)に在って、女性(おんな)の孤独が乞食に化け行く醜い過酷を弄(あそ)びに焚き付け、短い巨躯から自己(おのれ)を射止める神秘(ふしぎ)の調子へ合図するのは、空気(しとね)に幻見(ゆめみ)た敏感だった。無機の通れぬ弄(あそ)びの理屈に女性(おんな)の恰好(かたち)が物を苛め、明日(あす)の孤独に男性(おとこ)を侍らす貴重の標(しるし)に紋黄(もんき)を付け得て、自体(おのれ)に安める純白(しろ)い母体は理道(みち)を識(し)らずに先駆け始める―――、端正(きれい)に片付く男性(おとこ)の寝床は深夜を射止めて宙(そら)へと逆行(もど)され、旧い孤独に純白(しろ)さを二重(かさ)ねる苦労の源泉(いずみ)を耄碌させつつ、幻(ゆめ)の寝耳に一女(おんな)を籠らす男性(おとこ)の一声(こえ)から力を得た後、児(こども)の発色(いろ)から木霊を翻(かえ)せる一夢(ゆめ)の広さに遭遇して居た。無謀に消え去る一幻(ゆめ)の仄かは俺の自覚(かくご)に縺れてふらふら、明日(あす)の帳へ暫く活き得る未活(みかつ)の行方に按じて居ながら、文言(ことば)の限りを私欲(よく)を見捨てる孤踏(ことう)の共鳴(なげき)に葛藤して居た。無知の弱火に腰を落ち着け旧い空気(しとね)の一宮(みやこ)の許容(なか)には橙色(オレンジいろ)した古(こ)の葉(は)が囀り、言葉一枚、一夜(ひとよ)一葉(ひとは)を幻想(ゆめ)に揃えて闊歩するのは、徒党を組まない八又(やまた)の八頭(おろち)も不従(ふじゅう)に湧き立つ真水(まみず)の返りは、幻(ゆめ)を潜(ひそ)ます自体(おのれ)の自覚(かくご)へ後光を差し付け小敗地(アジト)を識(し)った。一人(ひと)の信仰(めいろ)へ迷走して生く無想の孤独は張(ば)ら付きながらも、幻視(ゆめ)の記憶に活きて在るのは固陋に継ぎ行く蛻の一連(ドラマ)で、明日(あす)に寄り添う身嵩(みかさ)の独創(こごと)は甘い文言(ことば)に騙されながらに、幻想(ゆめ)の未完(みじゅく)に苛まれて行く五月蠅(あわ)い感覚(いしき)を追討して居た。旧い黄泉から男性(おとこ)を連れ去る小言の生憶(きおく)に輪舞曲(ロンド)を発(た)て活き、一幻(ゆめ)の未知から未踏(みとう)を踏み抜く〝哀れな姿勢(すがた)〟を容姿とする儘、男性(おとこ)と女性(おんな)の孤独の煩悶(なやみ)は一女(おんな)に気取られ牛耳られて活き、物の哀(あは)れに従う一声(こえ)には、幻視(ゆめ)の共鳴(さけび)が天へと割けた。

 太古の記憶を黄泉へ従え、自体(おのれ)の生憶(きおく)が無知を頬張る未重(みじゅう)の成果(はて)から奈落を捨て去り、一幻(ゆめ)の成果(せいか)を無言に失くせる斬新(あらた)な自覚(かくご)を絶えなく観たのは、風邪を引きつつ中々死ねない旧い小春の救命でもある。薄暗(くら)い小人が芳香(におい)に跳び発(た)つ夢想の逆行(もどり)を逆さに観た儘、一幻(ゆめ)の社(やしろ)へ貯金して生く不利の一幻(ゆめ)から脱走するのは、明日(あす)の一定(さだめ)に未定を敷けない分厚(あつ)い孤憶(こおく)を決定して居る。〝意味〟を見詰めて感覚(いしき)を探せる初歩(いろは)の事始(こと)には無駄が報され、旧い行為が信義(しんぎ)を奏でる夢想の虚無から律儀を頬張り、一女(おんな)の理性(はどめ)に煩悶して行く四季(きせつ)外れの助走の陰には、自己(おのれ)の未完(みじゅく)を決定して行く旧い孤憶(こおく)を幻想(ゆめ)へ奪われ、一人(ひと)の独人(ひとり)が未曾有に蹴散らす無想の音頭を次回(つぎ)を廻せる〝最果て知らず〟の気色を保(も)った。到底叶わぬ自慰の望みは一人(ひと)の哀れを露わにして活き、自己(おのれ)の一体(からだ)を概(おお)きく看破(みやぶ)る一人(ひと)の界(かぎり)に同調して生く未知の文言(ことば)を宙(そら)へ見送り、宙(そら)の彼方へ充分射止める一男(おとこ)の主観(あるじ)の企図の裏では、忘れ果て生く至闘(しとう)の果てにて一女(おんな)の気色を噴散(ふんさん)している。過去の空城(くるわ)を徘徊しながら旧い生憶(きおく)は夢の辺りに、落穂を相(あい)せる一女(おんな)の一体(からだ)を隈なく探せる能力(ちから)を身に着け、一幻(ゆめ)の過程(さなか)に狂々(くるくる)廻れる独楽(どくがく)して行く悲壮の煩悶(なやみ)は一幻(ゆめ)の際(きわ)まで殺到していて、分厚(あつ)い白壁(かべ)から無知を識(し)るのは出来事(こと)に無適(むてき)の思想であった。活き活きして生く〝文言峠(ことばとうげ)〟の頂上から観て、深い白煙(きり)へと幻(ゆめ)を問うのは若い娘の体たらくであり、若い娘の堕落を蔑む俺の活気は宙(そら)へ還れる強靭(つよ)い独義(ドグマ)を両手に保(も)ちつつ、背徳ばかりに思惑(こころ)を奪われ、毒牙(きば)を生(は)やせる我執を張るのは、若い娘に好く好く観られた悪(あく)の腕力(ちから)の執拗(しつこ)さでもある。

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 内心、〝こんな時、俺に彼女が居る時にだけ、ハイエナのように寄って来やがって、目当ては女やろ!女の尻やろ〟等と無己(ムカ)ついても居た。彼女は俺に別れ話を切り出そうとして居た様(よう)だった。

      *

 夢限(むげん)の日(ひ)の掌(て)に俺の思惑(こころ)は他(ひと)の感覚(いしき)を幻見(ゆめみ)て居ながら、過去の八頭(おろち)を空虚に観て行く孤高の晴嵐(あらし)にその実(み)を奪われ、明日(あす)への覚悟を自体(おのれ)に引き込む脆(よわ)い正義を駆逐して居た。純白(しろ)い定律(おきて)をその儘、承け継ぎ未知の家屋を自明(あかる)く出すのは、自己(おのれ)の自覚(かくご)が紅(あか)く煌(かがy)く不従(ふじゅう)の八頭(おろち)の未来(さき)の姿勢(すがた)で、分厚(あつ)い孤独に堕ちて活き生く自己(おのれ)の文言(ことば)は独露(どくろ)を引き摺り、孤高の身欲(みよく)に充分煌(かがや)く明日(あす)の翌朝(あさ)へと連続して居る。私欲(よく)の要局(かなめ)に女性(おんな)が立つのは無意(むい)に跨る女性(おんな)の姿勢(すがた)で、一幻(ゆめ)の成果(さき)へと未動(みどう)が活き着く過去の正義は形(なり)を潜めて、自体(おのれ)の外貨を通算させ行く未知の目下(ふもと)へ通底して活き、純白(しろ)い界(かぎり)が煩悩(なやみ)を撃ち抜く柔裸(やわら)の主観(あるじ)に従い易い。一幻(ゆめ)の初端(はな)から未来(みらい)を射止める一女(おんな)の即座は微妙に揺蕩(ゆらめ)き、自体(おのれのからだ)を虚空の程へと〝未知〟を濁さぬ浮気(うき)を感じて、一男(おとこ)と女性(おんな)の孤踏(ことう)の合図に無機を報せぬ無用の自主(あるじ)は、堂々巡りに文句(ことば)が咲き生く無肢(むし)の〝合図〟に相異が観得ない…。早い許容(うち)から身悶えして生く孤高の信者は無踏(むとう)を呼び添え、無知の主体(あるじ)の厳命(いのち)を観ながら虚空の興味を主観(あるじ)へ留(と)め置き、生きる人生(みち)での要所要所で一女(おんな)を見紛う偏屈張(へんくつば)りした自重を諦め、自己(おのれ)の頼みに知新を煩う男性(おとこ)の諸刃を用意して生く…。自体(おのれ)の過去から一女(おんな)が脱(ぬ)け生く両断され得た未想(みそう)の日蓋(ひぶた)は、純白(しろ)い装飾(かざり)に表面(おもて)を打(ぶ)ち貫(ぬ)く一幻(ゆめ)の遊離が身悶えした儘、自己(おのれ)の自覚(かくご)と女性(おんな)の自覚(かくご)が幸(こう)に隠れて点在して生く無謀の晴嵐(あらし)へ邁進するのは、遠くの要局(かなめ)に自己(おのれ)を置き遣る未知の姿勢(すがた)に同様でもある。漂白(しろ)い日蓋(ひぶた)に瞼を切られて分厚(あつ)い朝陽に目覚めて行くのは、初冬の範囲(ゲージ)に自体(おのれ)を突き生く無想の快無(オルガ)に他成らない儘、幻覚(ゆめ)の未来(さき)にて無駄を培う五月蠅(あわ)い自覚(かくご)の顕れから観て、幻想(ゆめ)の概(おお)くが寝耳に差し生く孤踏(ことう)の短歌は俺の目下(もと)への警鐘とも成る。純白(しろ)い定律(おきて)が苦労を識(し)るのは夢魔(むま)の小敗地(アジト)で昼寝をした時、幻想(ゆめ)の一通(とおり)に併鏡(あわせかがみ)の反射を映せる徒労の陰にて、文言(ことば)の概句(おおく)が身重を報せる一女(おんな)の脆弱(よわ)さは男性(おとこ)へ通らず、古い景色に億尾を見限る幻(ゆめ)の概(おお)くは狭筵(むしろ)を焼き捨て、過去を訪ねて自己(おのれ)を奪える強靭(つよ)い愚行(おろか)を真っ当にも観た…。一女(おんな)の一肢(からだ)が虚無に巻かれる旧い撤廃地(アジト)に男性(おとこ)は群がり、孤高の残骸(むくろ)に屍(かばね)を観るのは無意識(いしき)の歩先(ほさき)の温味(ぬくみ)の陰にて、厚い残骸(むくろ)に概(おお)きく仕立てる浮遊の小敗地(アジト)の人群(むれ)の呼笛(あいず)は孤独に群がり孤独に憤(むずか)る忍びの文句(もんく)に相当して行く。呼吸の合間に一女(おんな)を無視する遥か以前(むかし)の一幻(ゆめ)の範囲(うち)では、幻視(ゆめ)の忍袋(ふくろ)が無痛を感じる純(ピュア)な故録(ころく)を俺に突き向け、純白(しろ)い雀躍(おどり)を俺へ宛がう隠れた歩力(ちから)を充分燻らし、観るも見事の大器(うつわ)の揺蕩(ゆらぎ)で虚空の朝陽を仕立てて行った。女性(おんな)の華火(はなび)を端尾(はなび)に観ながら俺の造りに「自作」を建て活き、孤高の見事に〝見詰めるべき物・感じるべき物・孤独に見る物・幻(ゆめ)に観るもの総てを統(たば)ねて置換させ得て、幻視(ゆめ)の端(はな)から孤独へ発(た)ち生く明日(あす)の朝陽を微分に識(し)った…。

      *

 …暖かい暗い黄色に点(とも)された館内での映画上映は結局始まらない儘、俺の感覚(いしき)は底から出て居た。

      *

 …無謀に始まる終局(さいご)の牙城(とりで)を自己(おのれ)の感覚(いしき)に取り込む術(すべ)には、一男(おとこ)の自覚(かくご)が孤踏(ことう)を踏み生く無意識(いしき)の過敏が奇妙を詠み取り、微小(ちい)さく煌(かがや)く美園(みその)の許容(うち)から一女(おんな)を追い生く「俺」が表れ、事始(ことのはじめ)に劣等して生く旧い人界(かぎり)の八頭(おろち)の成果(さき)では、明日(あす)の〝文言(ことば)〟が仄かに煌めく夜半(よわ)の翳りが微塵に咲いた。純白(しろ)い気色と人の意識が経過(とき)を隔てて無音に成るのを文句(ことば)を貶め絶叫して生く滑稽(おかし)な俺には可能な限りの魅惑に観得出し、奇妙が先行く純白差(しろさ)へ見立てた矛盾の果(さ)きでは一女(おんな)が翻(かえ)り、明日(あす)の目下(ふもと)へぶらぶら競歩(ある)ける〝男性(おとこ)と女性(おんな)〟の純情(こころ)から観て、明日(あす)の火照りは俺に懐かぬ無謀の独我(どくが)を放任して居る…。詰らぬ御託を虚無の範囲(うち)から微塵を仄分(ほのわ)け端正(きれい)に並べて、白亜(しろ)い人体(からだ)に痩躯を養うお前の未覚(みかく)は自覚(かくご)を揺す振り、女性(おんな)の目下(ふもと)で乞食を装う単身痩躯はその実(み)を化(か)え生く。精神(こころ)の旧巣(ふるす)に身陰(みかげ)を遺せる不意の初歩(いろは)は活気を保(も)たされ、奇妙な寝床を護身に宛がう男性(おとこ)の孤独が痩せ身を嫌い、俗世(このよ)の何処(どこ)かで決死を射止める不忠の初歩(いろは)を梵天(そら)に養う…。一女(おんな)の一肢(からだ)が単身痩躯に苦労を報せる幻(ゆめ)の湯浴みは、宙(そら)の真中(まなか)へすっと透れる一男(おとこ)の感覚(いしき)に一幻(ゆめ)を見詰める。自体(おのれ)の自覚(かくご)は初夏(なつ)に仕上がり固陋を画せる小声(こえ)を揮わせ、意味も無いのに感覚(いしき)が乏しい徒労に纏わる〝遊女〟を識(し)った…。

 破亘(はこう)を偽る四季(きせつ)の許容(うち)では幻(ゆめ)の輪舞曲(ロンド)を感覚(いしき)に宿して、一女(おんな)の幻想(ゆめ)から文句(ことば)を養う透明色した自覚(かくご)をそら見(み)、明日(あす)に交わる夢中の形成(かたち)は人間(ひと)の群れから掛け離れて居た。無意識(いしき)の孤独を宙(そら)へ掴める一男(おとこ)の鈍(くも)りは孤高を知らねど、明日(あす)の身欲が宙(ちゅう)を裏切る〝不毛に見詰める男女(ひと)の活気〟は人路(みち)を透さず苦労を通さず、旧い大社(やしろ)に気丈を養う一女(おんな)の自覚(かくご)を〝遊離〟に観る儘、無断に引き摺(ず)る無欲の活気は独人(ひとり)の旧然(むかし)を反省して生く…。男性(おとこ)の旧然(むかし)に映写して行く可能な限りの主宴(うたげ)の自明(あかり)は、一女(おんな)の自体(からだ)を私欲(よく)に連れ行く無意識(いしき)の真中(まなか)へ推進して居た。男性(おとこ)と女性(おんな)の一人(ひと)の体裁(かたち)が純情(こころ)に仰け反り宙(そら)を見上げて、幻想(ゆめ)の輪舞曲(ロンド)に無効を記(き)せ得る身寒(さむ)い温度が精神(こころ)を温(ぬく)めた。幻(ゆめ)に巻かれる無能の白紙は俺の孤独へ随々(ずいずい)近付き、「死んだ作家」の苦心(こころ)の暗黙(やみ)へと無知を引き摺り無能を引き摺り、脆弱(よわ)い小人(こびと)の体(からだ)の記憶に孤高の体裁(かたち)を形成しながら、旧い落ち度を一女(おんな)に看抜(みぬ)ける黄金(こがね)の夜半(よわ)へとその実(み)を馴らせる…。幻(ゆめ)の無実と女性(おんな)の四肢(てあし)が孤独に焚き付け眺める〝気力〟は一幻(ゆめ)の脆弱(しじま)へ文言(ことば)を見送る明日(あす)の鈍(にぶ)りを躰へ寄せ付け、眩暈から成る夜半(よわ)の空気(くうき)は一女(おんな)を近付け男性(おとこ)を養い、幻想(ゆめ)の無知から知覚を催す不利の立場を現行人(ひと)へと遣った。一幻(ゆめ)の一歩(はじめ)に孤独を安(やす)める不意の独我(どくが)を既視(おおめ)に見た後(のち)、旧い大工が小人(こども)を養う神秘(ふしぎ)の視(め)をした男性(おとこ)の姿勢(すがた)は、虚空に隠れる神秘(ふしぎ)の木の葉に幻覚(ゆめ)を逃れる一瞬(とき)の生憶(きおく)は無知を装い後退しながら、一男(おとこ)の生憶(きおく)に生果を脚色取(いろど)る不意の初歩(いろは)は遅れ馳せても、一幻(ゆめ)の未覚(みかく)を流離う男性(おとこ)は自体(おのれのからだ)を一気に識(し)り得た…。

 奇妙の瞳(め)をした孤独の用途は虚空(こくう)の弱みに自粛を培い、良く良く奏でる路頭の小声(こえ)には低い感覚(いしき)がその〝眼(め)〟を観て居り、旧い肢体(からだ)を〝路頭〟へ迷わす軽い一女(おんな)は幻(ゆめ)を引き連れ、純心(こころ)残りを器用に揮わす虚空の感覚(いしき)を幻(ゆめ)に詠む内、〝尻切れ蜻蛉(とんぼ)〟の夜半(よわ)の要局(かなめ)は自体(おのれ)を摩り替え、明日(あす)の小言へ自己(おのれ)を画せる人群(むれ)の感覚(いしき)に同調して生く…。

 純白(しろ)い孤独に白壁(かべ)を観るうち幻(ゆめ)の一女(おんな)は白体(からだ)を解(と)かせる宙(そら)の鈍(くも)りをその眼(め)に据え置き、無音の許容(うち)から無言(ことば)を生やせる無理の要局(かなめ)に無断を見た儘、併鏡(あわせかがみ)の自由の内(なか)から漆黒(くろ)い四肢(てあし)を身軽へ懐かせ、分厚(あつ)い生憶(きおく)に純心(こころ)を鈍(にぶ)らす一幻(ゆめ)の概句(おおく)をその身へ焼いた…。

 過酷な経過(ながれ)を一目(ひとめ)に得るうち無駄の強靭差(つよさ)は底儚く萎え、人間(ひと)の界(かぎり)を一人(ひと)へ翻(かえ)せる一幻(ゆめ)の余裕(ゆとり)へその実(み)を確かめ、分厚(あつ)い清閑(しじま)を無口へ結わえる文言(ことば)の暗黙(やみ)には温度が表れ、明日(あす)の用途を俺へ向け生く苦悩の活気を勝気として居た。…―――、一女(おんな)の空気(しとね)に群がる一命(いのち)は虚空(そら)の高嶺に揺ら揺ら揺られて、事始(ことのはじめ)へ活気付き生く幻(ゆめ)の静寂(しじま)へ進んで入(い)っても一女(おんな)の気色が未然に微笑(わら)える温(ぬく)い可能(かぎり)に歩陰(ほかげ)を弛(たゆ)ませ、一幻(ゆめ)の膠着(かたさ)にその実(み)を巡らす不治の活気に一女(おんな)を詠む後(のち)、幻視(ゆめ)の孤憶(こおく)に気乗りして行く男性(おとこ)の脳裏は不忠に寄れども、揺蕩い気色にその実(み)を滅ぼす杞憂の活気に対照させては、一期(いちご)に在らねど温味(ぬくみ)を絶やせぬ一女(おんな)の肢体(からだ)に男性(おとこ)に萎えた…。

 生きる八頭(おろち)を嗣業へ観たのち俺の白紙(くに)では一女(おんな)が片付き、明日(あす)の谷間へ感覚(いしき)が逆行(もど)れる純白(しろ)い界(かぎり)が有頂を識(し)り貫(ぬ)き、小人(こども)の弄(あそ)び自由を知らない浮遊の〝逆行(もどり)〟は脚色(いろ)を失くされ、脆弱(よわ)い夜半(よわ)から感覚(いしき)が返れる厳格(ゆめ)の男性(おとこ)の自覚(かくご)が見得た…。無様(むよう)の気玉(けだま)が児玉に隠れて向きを想わす未想(みそう)に触れても、人間(ひと)の児玉の発音(おと)の成果(さき)では一男(おとこ)の虚無から無新(こころ)が産れて、一女(おんな)の躰に〝夜半(よわ)〟が活き生く不相(ふそう)の許容(うそ)から目的(あて)が見得行き、昨日から観た夜渡(わた)りの籠には、自己(おのれ)の感覚(いしき)の群果(ぐんか)が在った。俺の白紙(こころ)に未(ま)だ未(ま)だ発(た)つのは一女(おんな)を見知らぬ無能の至りで、一幻(ゆめ)の白亜に一宙(そら)を報せる旧い一体(からだ)の活気の傍(そば)では、成人(おとな)も小人(こども)も一幻(ゆめ)の暮らしへ活きて行くのに無駄な照明(あかり)を快楽にも見た…。…気分の悪さに独創(こごと)を言ううち幻(ゆめ)の早さに薹が立ち過ぎ、俺に纏わる思惑(こころ)の成果(さき)では無限の言霊(こだま)が翻(かえ)りが凄んで在った。漂白(しろ)い気色が横暴して活き幻(ゆめ)の無知から〝密か〟が分厚(あつ)い逆行(もどり)に幻(ゆめ)を追い駆け、精神(こころ)の生気が用(よう)を成すのに文言(ことば)を交せる無信を想わせ、俺の心身(からだ)は宙(そら)へ跳べ得る素人仕立ての活気を幻見(ゆめみ)る。オレンジ仕立ての夕日の小窓(まど)から「明日(あす)」へ構える旧(むかし)の旋律(しらべ)は、孤独の自主(あるじ)を幻想(ゆめ)へ惑わす俗世(このよ)の信理(しんり)を逆手(さかて)に採り出し〝永遠仕立て〟に旧巣(ふるす)を賑わす過去の空城(くるわ)を横手(よこて)に置きつつ、幻(ゆめ)の翻(かえ)りに身支度して行く孤高の逆行(もどり)に未完(みじゅく)を覚(さと)せる…。虚構の許容(うち)から一連(ドラマ)が出遅れ、明日(あす)への記憶が心中(こころ)を揺さ振る未知の追憶(かぎり)を無想に費やし、俺の身陰(かげ)から安堵を繕う保身を呈した夜毎を相(あい)する…。こうした定律(おきて)は無闇を失くせる事始(こと)の定理を余分に温(あたた)め、分厚(あつ)い火照りを嗣業に映(は)やせる虚無の連動(うごき)に加減を報され、幻想(ゆめ)の翳りに文句を費やす無答(むとう)の綾(あや)しを極度に識(し)った。人間(ひと)の哀れはよぼよぼしたまま一女(おんな)の肥やしに宙(そら)を見定め、或いは概(おお)きく人間(ひと)を見紛う事始(こと)への勇気を全身(からだ)で承け止め、一幻(ゆめ)の返りが夜を裂かない無遊(むゆう)の一灯(あかり)を上手(じょうず)に点(つ)け得た。幻(ゆめ)の形成(なり)から体裁(かたち)が産れて一宙(そら)の彼方へ自己(おのれ)が生くのを夢中の表情(かお)して絶対愉しみ、幻想(ゆめ)の体裁(かたち)でその実(み)を終らす現代人(ひと)の常識(かたち)を酷く厭(いや)がる。一幻(ゆめ)に産れた自己(おのれ)の白紙は心中(こころ)の集いを巧く整え、在るべき無い事・未知の企図から統(すべ)てを費やし微塵を癒され、現代人(ひと)の無機へと身元を晦ます不治の幸(こう)から自己(おのれ)を観て生く…。幻(ゆめ)に集まる自己(おのれ)の美識(びしき)は審理に基づき俗世(このよ)を棄て去り、自己(おのれ)に産れた独創盲為(パントマイム)で孤高に認(みと)める心算(つもり)を呈(あらわ)し、一幻(ゆめ)に跨る自体(おのれ)の未知から生(せい)に凄める荒さを識(し)った。他(ひと)の教えが私欲(よく)に漲る無効の方(ほう)から御力(ちから)を携え、思惑(こころ)の微動(うごき)をぱたんと遮る無能の自主(あるじ)を殊に観ながら、自己(おのれ)の生憶(きおく)は一張羅を着た旧い〝水面(みなも)〟を一切切り抜け、幻想(ゆめ)の奮えに勇気を実らす孤高の自主(あるじ)を極端にも観た。下賎で皮弱(ひよわ)な下品極まる低俗者(ていぞくもの)らと俗世(このよ)の定律(おきて)を準時(じゅんじ)決め行く巷の現代人(ひと)への憎悪の昇(たか)みは、俺の精神(こころ)に深く刺される現世(このよ)を射止めた真実(ほんとう)なのだと、俗世(このよ)に認(みと)めた誰も彼もに相対(あいたい)しながら不動に変らぬ未完(みじゅく)を保(も)てた…。俺の過去から〝息吹〟が仕上がる下賎を観ながら幻(ゆめ)の虚無には未来(みらい)を講じ、明日(あす)の文言(ことば)を生く生く捜せる脆弱(よわ)い〝寝室(ねむろ)〟を探って居ながら、幻覚(ゆめ)の晴嵐(あらし)は虚構を知り付け未完(みじゅく)を労い、明日(あす)の目下(ふもと)へ感覚(いしき)を跨げる無能の極致へ完遂して居る…。純白(しろ)い真舟(まぶね)が未己(みこ)を識(し)り継ぎ、自己(おのれ)の感覚(いしき)に無意識(いしき)を詠む内、未定にされ得る自然(あるじ)の定律(さだめ)を無答(むとう)の漆黒差(くろさ)へ没頭させつつ、女性(おんな)の人界(かぎり)が自体(おのれ)の界(かぎり)と分界(ぶんかい)しながら有利を眺める…。他(ひと)の両腕(かいな)は暗闇(やみ)の身許で自体(おのれ)を爆ぜさせ〝未己(みこ)〟の意識が無限の刹那に快楽(らく)を識(し)りつつ「有利」に観るのが児(こども)の頃から一切化(か)われぬ自体(おのれ)の奥義(おくぎ)と余所(どこか)で識(し)りつつ、夢限(ゆめのかぎり)に自己(おのれ)を燃やせる燃料・粗暴の日(ひ)の掌(て)に呈(あらわ)れ、一男(おとこ)と女性(おんな)の窮(せま)い限りに幻想(ゆめ)を寄り添え文化を成し得た。自己(おのれ)の正白差(しろさ)に身悶えするほど喜楽を従え、孤高の一途(いちず)に〝夜半(よわ)〟を苛む独人(ひとり)の遊びに独破(どくは)を詠み棄て、自体(おのれ)の界(かぎり)へ他(ひと)を発(た)たせぬ一夢(ゆめ)の四肢(てあし)へ極意を成すのは、無答(むとう)・正裁(さばき)の極意の成果(はて)にて自己(おのれ)を包容(いれこ)む許容であった。一幻(ゆめ)の極意へ下手(したで)に立つのは無信(むしん)の自然(あるじ)の音信から成り、努めて活き行く孤高の自主(あるじ)の虚無に巻かれた草々(くさぐさ)から成る。一人(ひと)の孤独を破る代物(もの)には夢中の有利が候補が挙げられ、俗世(このよ)の生(せい)にて梲(うだつ)を上げ生く旧い生徒の歩先(ほさき)の人陰(かげ)では、一幻(ゆめ)に纏わる自己(おのれ)の〝囲炉裏〟が暖(だん)を挙げつつ世迷を問うた。自然(あるじ)の寝言に淘汰を報せる古い型から現代人(ひと)が零れて、余りに活き得る未然の未完(みじゅく)を四季(きせつ)に紛れて到来させ行き、老人から観た若人達には幻(ゆめ)の自主(あるじ)が轟々唸れる低吟(ひくいひびき)が涼風(かぜ)に聴えた。純白(しろ)い高吟(ひびき)が宙(ちゅう)に鳴くのを夢中に識(し)り生く斬新(あらた)な人間(ひと)へは〝自己(おのれ)の断片(かけら)〟を宙(そら)へ跳び生く旧い生憶(きおく)が先生(せんせい)して活き、自分の地位にて〝身重〟を感じる健気な〝遣り〟から思いが見得た。

 …自己(おのれ)に纏わる苦悩の通底(そこ)から未知へ湧き発(た)つ哀れが先立ち、固陋の身重に散見するのは女性(おんな)に乱れた皆無で在った…。


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~ニコライの試算(しさん)~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji

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