~併鏡(あわせかがみ)~(『夢時代』より)
天川裕司
~併鏡(あわせかがみ)~(『夢時代』より)
~併鏡(あわせかがみ)~
母子一人と成った一階の母の部屋と二階の俺の部屋に、俺と奇々怪々の純粋娘が居り、「じゃあ、今日(きょう)は一緒に過しましょうか?」と純粋が俺を誘(さそ)って来たので俺は思わず嬉しく成って「おお!そうしよう!」と早速、外から家に帰って楽な姿勢で居ようとズボンを脱ぐ様(よう)に履いて居たズボンを脱ぎ、純粋と一緒に床(とこ)に入った。
*
…襖の人陰(かげ)から無言が失(き)え発(た)ち、淡い〝夕日〟が禿冠(かむろ)を脱ぐ頃、明日(あす)を想わす無要(むよう)の清閑(しじま)は〝子連れ〟を連れ去り一女(おんな)を囃し、一男(おとこ)の郷里を無理に引き裂く無様(むよう)の着物を順手に奪(と)った。既知の幻想(ゆめ)から受難が失(け)されて女性(おんな)の内腿(もも)には柔さが繁り、一男(おとこ)の眼(め)に観て安い一形(かたち)の虚無を狂わす優等さえ発(た)ち、女性(おんな)の初端(はし)まで「帰路」を想わす一頂(やま)が表れ、俺の白紙(こころ)に安い一女(おんな)は純粋差(じゅんすいさ)を観て凡庸(ふつう)と成った…。
…端正(きれい)な菊池の明日(あす)に夢見る幸福(しあわせ)等には、一幻(ゆめ)が集める世迷の総(すべ)てを行李に仕舞える浮宙(うちゅう)が達(たっ)され、一男(おとこ)の貌(かお)から未純(みじゅん)が掴める凡庸(ふつう)の煩悩(なやみ)の末路(みち)の相(そう)には、男児一つの己の〝葦〟にて女性(おんな)を掴めぬ残念ばかりが、一幻(ゆめ)を省ける無断の一連(ドラマ)に概(おお)きく野晒(のさば)り「進化」として居た。
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俺のベッドである。母子一人と成った自宅は、レトロな涼風が吹き、俺のしたい放題の屋敷の様(よう)にも成っていたので、俺の心身(からだ)は生き生きして居た。
*
純粋差に観る〝無欲〟を呈した世迷の一閃(ひかり)は、孤高を鈍(くも)らす一女(おんな)の主観(あるじ)に自主(あるじ)の身重を強引にも承け、純白(しろ)い現行(いま)から世迷を鈍(くも)らす四本(しほん)のロープを四隅(へや)に巡らし、俺の心身(からだ)を一女(おんな)に与(あず)ける無心の企図から活力(ちから)を観て居た。
明日(あす)の身辺(あたり)は鎹にも在る。
苦悩を識(し)らぬは両親(おや)の恥にて、一男(おとこ)を発(た)たせる無害の笑みには暴露(ばくろ)を呈せる強靭味(つよみ)が在った…。
―――、一幻(ゆめ)の高みに一女(おんな)が咲き生く孤独の陋には武者が生き行き、明日(あす)の仄光(ひかり)を充分撓(たわ)める〝無視〟を絵にした無屈(むくつ)の社(やしろ)は一男(おとこ)と一女(おんな)の区別を付けずに、その日を飾れる幻夢(ゆめ)の往路へその実(み)を割かせて、一幻(ゆめ)の挙句は固陋を忘れる無知の怜悧を活命(いのち)に観て居た。脆弱(よわ)い女性(おんな)の純粋差に発(た)つ旧い瞳(め)をした無機の一男(おとこ)は、幻夢(ゆめ)の白亜を気楼(きろう)に詠み取る明日(あす)の人陰(かげ)から悶絶した後(のち)、窮境盛(さか)れる微弱(よわ)い女性(おんな)の小口(くち)の内(なか)には、一男(おとこ)の生命(いのち)が純に拗剥(むく)れる分厚(あつ)い文句が揃(なら)んで在った。自分の分身(かわり)が努々(つとつと)零れて〝夜半(よわ)〟の共鳴(なげき)を感覚(いしき)に担げる微弱(よわ)い体裁(かたち)の洞(うろ)の内(なか)では、一女(おんな)の勝手が泥々(どろどろ)亘(わた)れる無味の労途(ろうと)が至順(しじゅん)に顕れ、幻想(ゆめ)の身元が初夏に華咲く脆(よわ)い夢限(かぎり)の孤独に問うては、自己(おのれ)の白紙(はくし)に端正(きれい)に並べた未完(みじゅく)の空間(すきま)を大事にしながら旧い「奥義」を突拍子に観た。腹立たしいから懺悔に媚び行く男性(おとこ)の無言(ことば)は殊に在らねど、一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)が孤独に懐ける古い葦には一女(おんな)が据え出て、一幻(ゆめ)の明日(あした)にぴたりと嵌れる孤高の安堵の追随から観て「華の文句」は一方塞がり、訳の解らぬ淡麗(きれい)な文句は事始(こと)の人陰(かげ)から〝大事〟を解(と)いた。一幻(ゆめ)の葉末に岡目が昇れる孤高の鈍(くも)りは故障を報され、安い文句に腰を落せる幻夢(ゆめ)の鳴りには白亜(はくあ)を導き、旧い寝室(へや)から堂々巡りの旧(むかし)に良く似た空間(すきま)の断片(かけら)は、自体(おのれ)の無欲に絶えて哀しむ〝向日峠(むこうとうげ)〟の晴嵐(あらし)を幻見(ゆめみ)て、緊(きつ)い地鳴りを心底(そこ)から聴いた。明日(あす)の目下(ふもと)に泣き着く幻視(ゆめ)には一男(おとこ)の自主(あるじ)が一通(とおり)を俯瞰(なが)めて、女性(おんな)の孤独が何処(どこ)で如何(どう)して男性(おとこ)へ寄るのか、無知を逆巻く愛露(エロス)を識(し)った。
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純粋は、まるで待って居たかの様(よう)に、俺に「一緒に寝よう」と言った様子で、もっと早くに自宅がこう成っていたら、もっと沢山の女と一緒にベッドに入れたかも知れないな、等と、俺は考えて居た様子が在る。ベッドで俺は純粋を抱き締めながら「ああ~この細い肩、抱き締めたかったんよねー!!」と本能の儘に純粋に縋り付き、純粋は、女が明(あか)ら様(さま)に近寄られると離れようとする性格を少し見せつつ、「一寸待って」と言わんばかりに余り俺の体に乗って来ず、少し警戒して居る様(よう)で自分も下半身パンティ一枚に成って陰毛を俺に触らす等して、俺は二人の世界の嬉しさも在り、余り気に成らなかった。
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一女(おんな)の輝体(からだ)が女神と併(あわ)さる無情の人陰(かげ)には自ずと開ける脆弱(よわ)い孤独を無知に耐え抜く安堵を見て取り、脆(よわ)い女性(おんな)の律儀の牛歩に早々容易く翻(かえ)り咲けない人間(ひと)の煩悩(なやみ)が在るのを識(し)って、自己(おのれ)の末路と一幻(ゆめ)の末路が事始(こと)に概(おお)きく壊れて生くのを、自室を発(た)たせる分厚(あつ)い流行(ながれ)は一人(ひとり)を気にして揚々観て居た…。事始(こと)への生憶(きおく)の危うい節(ふし)から無音で静まる生気が訪れ、淡麗(きれい)な瞳(め)をした美人(ひと)の内実(うち)から茎に至れる花弁を揃(そろ)わせ、秋味(しゅうみ)が漂う透った宙(そら)には女性(おんな)の初歩(いろは)が性(せい)を象り、明日(あす)の廓(くるわ)へ舞い込む両脚(あし)には男性(おとこ)の強靭味(つよみ)が充分満ち得た。暗夜(よる)の静間(しずま)が凛々(りんりん)鳴り出し一男(おとこ)の態度が女性(おんな)へ駆け出す無音の隠れを幻見(ゆめみ)た後(あと)では、俺の心身(からだ)へ上手に懐ける幻視(ゆめ)への手向けは純白(しろ)い日取りに生(ゆ)く生(ゆ)く小躍(こおど)り、幻(ゆめ)の宮(みやこ)へ揚々辿れる紅(あか)い火華(ひばな)の恰好(かたち)の仲では、分厚(あつ)い日元(ひもと)が俺に懐かぬ初夏(しょか)の微温差(ぬるさ)が揚々晴れた…。
*
…純粋の陰毛は剃って在ったのか、短く切り揃えられて在ったのか、じょりじょりと言った感じに、少し固い感触を俺は味わった。俺の部屋は、まるでドラマか何かで出て来るような、古い記憶に根付いた部屋の様(よう)であって、生暖(なまあたた)かい涼風が吹き抜ける初春の内に在る様(よう)だった。これ等の一連は、母が右片麻痺だから出来た事である。
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現(うつつ)の許容(うち)から到底逆行(もど)れぬ憂いを気にした懐古の目下(もと)では、男性(おとこ)の独義(ドグマ)を初春(はる)に尽(つ)かせぬ緩い日下(ひもと)で修業を観て居り、一人(ひと)の無知から白砂を揺らせる無謀の掌(て)をした脆(よわ)い臣人(おみと)は、一女(おんな)の一体(からだ)へ揺らげる弱味(よわみ)に吟味(あじ)を知らさぬ〝哀れ〟を乞い出し、昨日と現行(いま)との分厚(あつ)い静寂(しじま)は孤高を跳び出し微震(びしん)に酔った。人間(ひと)の賽(さい)には一定(さだめ)に基づく哀れが酔い痴れ一女(おんな)の合体(からだ)に〝鉢〟を観て居る酔狂(くる)い咲(ざ)きした本気を幻見(ゆめみ)て、五月蠅(あわ)い篝(かがり)を一夜(よる)に保(も)ち出す一男(おとこ)の生気の〝冒険主義〟には、清白(しろ)い生憶(きおく)が白々明け行く無信の〝地鳴り〟を相(あい)して在った。微弱(よわ)い女性(おんな)の一体(からだ)の上では陽(よう)の集成(シグマ)が宙(ちゅう)を想わす旧い帳が温度を奪(と)る儘、男性(おとこ)の両腕(うで)から希望を相(あい)する無垢の勇姿を機敏に睨(ね)め取り、分厚(あつ)い巨躯から矛盾を兼ね取る脆弱(よわ)い自主(あるじ)の〝跳ねた音〟には、人間(ひと)の〝帰路〟まで活き生く孤独が終(つい)の棲家を求める姿勢(すがた)と、何ら変らぬ懐かしみが発(た)つ…。
盲目成らねど盲目から識(し)る一幻(ゆめ)の快無(オルガ)は二重着(かさねぎ)した儘、孤高の春雷(ひかり)を一宙(そら)に操る自己(おのれ)の無力の傲慢さえ観て、明日(あす)の目下(ふもと)へそっと息衝く一女(おんな)の情(じょう)から普段着が落ち、見る見る果て生く一人(ひと)の未完(みじゅく)を謳う偽善者(もの)には、孤高の生憶(きおく)に佇む達者(もの)から一幻(ゆめ)の欠片(かけら)を集めて遣った。一幻(ゆめ)を理性(はどめ)を二度目に認(みと)めて、自然(しぜん)の原理を宙(ちゅう)に観る頃、自体(おのれ)の無欲に総覧され得る未知の孔明(あかり)を矛盾に失(け)し去り、〝有難見(ありがたみ)たさ…〟で一女(おんな)を囲える有力(ちから)の出処(ありか)を淋しく想う…。虚無に巻かれる淋しき論議は俺の純情(こころ)に淋しく纏わり、明日(あす)の動静(うごき)と今日の動静(うごき)を見事に乖離(はな)せて遊脱(ゆうだつ)して居り、俺の精神(こころ)を宙(そら)へ運べる無力の自然(あるじ)は浮沈を連想(おも)わせ、〝有難見たさ〟の浮中(ふちゅう)の上では〝身重〟を識(し)り貫(ぬ)く贅沢さえ詠む…。男性(おとこ)と女性(おんな)の脆弱(よわ)い一体(からだ)は自由を紐解き不乱(ふらん)を幻見(ゆめみ)て、愛想笑いに尽きぬ目下(もっか)を二性(ふたつ)の温味(ぬくみ)に温存しながら、在る事無い事二性(ふたつ)の軽味(かるみ)を好(よ)く好(よ)く吟味(あじ)わい脚力(ちから)を収めて、苦労噺(くろうばなし)に経過(とき)を超えない無重の自主(あるじ)を慇懃して居る。
幻(ゆめ)を観て生く明日(あす)に気取れる自体(おのれのからだ)は、幻想(ゆめ)の虚無から動静(うごき)を止(や)め行く一女(おんな)の化身(かわり)を上手(じょうず)に見ながら、男性(おとこ)の一肢(からだ)を駆逐して生く女性(おんな)の論旨を虚構に保(たも)たせ、未覚(みかく)に伴う淡い夕べに「男性(おとこ)と女性(おんな)が夫々赴く幻(ゆめ)の主宴(うたげ)」を上手(じょうず)に描(か)いた。白亜(しろ)い全肢(からだ)の不調の波には一女(おんな)の白体(からだ)が自由に身翻(みがえ)り、明日(あす)の〝児(こども)〟を未完(みじゅく)に生育(そだ)てる幻視(ゆめ)の概差(おおさ)に無情(こころ)を報され、一幻(ゆめ)の両腕(かいな)に脇を振らさぬ身欲(よく)の両腕(かいな)を二重(にじゅう)に識(し)り付け、孤独の臣人(おみと)が割烹着を着た俗世(ぞくせ)を棄て得る脚力(ちから)の芯には、幻(ゆめ)の諸刃に生命(いのち)が見得ない愚直の行為が散乱して居る…。俺の心身(からだ)を上手(じょうず)に跳び発(た)つ無応(むおう)の気に観た愉快な言動(うごき)は、幻想(ゆめ)の白亜(はくあ)に上昇(のぼり)を付け得ぬ未信(みしん)の行為に参頂(さんちょう)して居り、明日(あす)を賄う無業(むぎょう)の集成(シグマ)は私欲(よく)に任せぬ参義(さんぎ)を取り次ぎ、明日(あす)に羽ばたく無知の全肢(からだ)を個葬(こそう)に任せて散々統(たば)ねて、〝生み〟を識(し)らない無口の静間(しずま)を充分揃(なら)べて経過(けいか)を観て居た。自己(おのれ)の白紙(こころ)に未順(みじゅん)を報され、憂き世と俗世(このよ)を明日(あす)に発(た)たせる無限の刹那を女性(おんな)に遣るのは、明日(あす)の延命(いのち)に収拾付けない旧い動作の凡庸(ぼんよう)に在り、打ち出の小槌に延命(いのち)を片付け、現世(このよ)の斬新(あらた)に活き生く進歩は無知に解(かい)せぬ悪態でもあり、白亜(しろ)い刹那に挙動を幻見(ゆめみ)て嘲笑(わら)って在るのは事始(こと)を統(たば)ねず虚無を見て取る「明日(あす)」を枯らした懐かしさである。
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そうする内に、俺が疚しい事をして罪の意識に苛まれた為か、両親が俺の部屋まで上がって来て居り、俺と純粋を、どう言う関係なのか、クリスチャンの許(もと)で、問い詰める気で居た様(よう)だった。父親は、その時に成って急に登場して来て居り、何かで死んだか居なかったかした、と思って居た矢先に在った俺だったが、聊か気にはならなかった。
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幻(ゆめ)の周囲(まわり)に散点(さんてん)して生く虚空を見詰めた傀儡(どうぐ)の表情(かお)には、粗い目をした一幻(ゆめ)の孤独が概(おお)いに荒立(あらだ)ち昏倒して居り、一幻(ゆめ)の一通(とおり)を確認して行く未知を想わす一女(おんな)の両眼(まなこ)は賦功(ぶこう)を身に付け晴天(そら)に語らず、勢い敗(ま)けした男児を貪り、暗黙(やみ)の許容(うち)にて歯軋(きしみ)を失くさせ、ここうの奥義(おく)へと寝屋を保(も)たせる浮き世の脚(あし)には耄碌など見得(みえ)、分厚(あつ)い白壁(かべ)への静寂(しじま)の真横(よこ)には、論旨(むね)の概(おお)くを無駄に費やす未想(みそう)の合図が騒(ざわ)めき発(た)てた…。
暗い水面(みず)には暗宙(そら)が透れる朗(あか)るさなど見得、一人(ひと)の虚無から所々に私欲(よく)の見得ない無欲の切れには厚い輪舞曲(ロンド)が堂々壊され、体熱(ねつ)の暗転(ころび)の身軽(かる)い相(そう)には神が見得ない快楽(むなしさ)など発(た)ち、一幻(ゆめ)の静寂(しじま)が男性(おとこ)を制する無間奈落(むかんならく)の鼓動の暗黙(やみ)には、明日(あす)の動静(うごき)が終(つい)に見取れぬ強靭(つよ)い脆差(もろさ)が充分だった…。一人(ひと)の人煙(けむり)に一朗(あかり)が点(つ)き生く明日(あす)の併鏡(かがみ)に虚構(ドラマ)が薄れて俺の前方(まえ)では徒労が赴く寝屋の温味(ぬくみ)の闊歩が観得出し、分厚(あつ)い労力(ちから)が宙(ちゅう)を紐解く矛盾の空間(すきま)へ労(ろう)を見るのは現世(このよ)で怜悧(つめ)たい女性(おんな)の体裁(すがた)がちりちり燃え散る醜態でも在り、一男(おとこ)の心身(からだ)を虚無に与(あず)ける無垢の小躍(おど)りは生衰(しょうすい)から退(の)き、一幻(ゆめ)の両腕(かいな)を脚力(ちから)に与(あず)ける幻覚(ゆめ)の強靭差(つよさ)は現行(いま)に活き就け、無労(むろう)の空間(すきま)に自体(おのれ)を落せる無信の目的(さかな)を犠牲に問うた。
虚構(ドラマ)の許容(うち)から生気が外れて俗世(このよ)を動かす余裕(ゆとり)の内から正規に奏でる孤踏(ダンス)が現れ、俺の背中は〝少女〟に纏わる無言の瞳(め)をした〝鵜呑み〟に絆され未知の一幻(ゆめ)にて相(あい)して止まない「孤独の王者」に活歩(かつほ)をさせられ、分厚(あつ)い生憶(きおく)に情緒(こころ)を任せる無垢の小言は華厳の宙(そら)にて「王者」を識(し)った。透明色した独人(ひとり)の背中は幻(ゆめ)の草社(やしろ)で人煙(けむり)に巻かれて、自分の身憶(みおく)に虚無を発(た)て得る〝気分の悪さ〟に悪態など吐(つ)き、一幻(ゆめ)の無垢から規矩を奏でる無重(むじゅう)の進歩を成せた後(あと)には、通り相場で壊れ始める身欲(よく)の強靭差(つよさ)に両親(おや)を忘れる憤怒の欠片(かけら)がちりんと鳴った。
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夢の成せる業(わざ)だろう。俺は、問い詰められる事に対して身構えて居り、少々、堅く成りながら、生活に於ける別の事をして居た。純粋も露わな自分の姿を見せまいとして服など着ながら体裁繕おうとして居た様子に在ったが、ふと見ると、ずっと目を当てて居た筈なのに何時(いつ)何処(どこ)で変ったか、純粋は夏目漱石に成って居り、俺はその事により、今度は男娼の関係に就いて両親から疑われなければ成らなくなって居た。
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…自律に見積もる儚い夢には幻(まぼろし)さえ発(た)ち、孤独の長寿に不気味を忘れる無為の辛苦は無想に忘れる純粋さを保(も)ち、事始(ことのはじめ)に未活(みかつ)と埋(うも)れる私用の主宴(うたげ)は男・女(だんじょ)を蹴破(けやぶ)り、昨日にまで見た儚い幻(ゆめ)への温存等には、自体(おのれ)の無欲が決して活きない無牢(むろう)の生果が達観して居た。自己(おのれ)の無様(ぶざま)が活き活きして生く児(こども)の明朗(あかり)は小宙(そら)を看破(みやぶ)り、分厚(あつ)い白壁(かべ)から臣人(おみと)が漏れ生く旧い空間(すきま)は女性(おんな)を皆殺(ころ)して、私欲(よく)に割かない強靭(つよ)い旧巣(ふるす)は俺を懐かす〝臆する生心(こころ)〟が夜半(よわ)の涼風(かぜ)から自由に活歩(ある)き、文言(ことば)の余分(あまり)を端正(きれい)に遺せる旧い眼(め)をした父の形見は、俺の精神(こころ)へ闊歩を付け得る永久(とわ)の強靭差(つよさ)を好(よ)く好(よ)く観せた。白亜(はくあ)の一宙(そら)から概(おお)きな芽が出て未知の空間(すきま)を抜群にも観て、五月蠅(あわ)い清閑(しじま)の外気の強靭差(つよさ)は仁王を想わす綽(しなや)かでも在り、一女(おんな)の臭味(しゅうみ)を仄香(ほのか)に遺せる夜半(よわ)の女性(おんな)は解脱から脱(ぬ)け、厚い清閑(しじま)を路頭に想わす無知の文句(もんく)にその実(み)を遣れども、刻(とき)の揺蕩(ゆらぎ)に紋様(もよう)を観て居る不久(ふく)の〝葦〟にて物憂さなど観た…。
幻(ゆめ)の〝葦〟には男・女(だんじょ)の脆差(もろさ)が幻滅して活き孤高の音頭にその実(み)を乗らせる茶色い葦には履行が叶わず、〝責任転嫁〟を得手として生く「俗世(ぞくせ)を夢見た悪の生果」は、無臭(むしゅう)を越え行く生臭味(なまぐさみ)を保(も)つ一人(ひとり)の難儀に無価値を報せて、淡白(しろ)い行李(かご)から阿可女(おかめ)を引き抜く美人の遊戯の悪態振りには、旧来(むかしながら)の利口の左翼が〝白紙(こころ)〟を背にしてまったりして居た。
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しかし、夏目漱石効果か、あの真面目で偉いとされる彼だから、と、両親共に滅多矢鱈に疑う事は出来なかった様子で、俺も両親のそうした調子に便乗する形で同調し始め真面目に成り出し、「だから、俺はそんな事してないって」等と力強く何度か両親に対して言(げん)を吐いて居た。
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真面目な体裁(かたち)を凄んで在るうち両親(おや)に生れた真面目な精神(こころ)を幻(ゆめ)の効果で真横に蹴散らせ、俺の分身(からだ)は両親(おや)の手前を頗る素通り無知への自覚(かくご)を既視(おおめ)に観る上、旧来(むかしながら)に何時(いつ)も観て来た脆弱(よわ)い煩悶(なやみ)の概(おお)きな坩堝は、文言(ことば)の巧みに合わぬ内にて懐手(ふところで)をして衰退して居た。一幻(ゆめ)の一通(とおり)に差し止められない旧い用途に欠伸をしたまま一体(からだ)を丸め、旧来独白(むかしがたり)に安堵を観て居た幻視(ゆめ)の主観(あるじ)は孤欲(こよく)に任せて「孤高に気取れる淡白(しろ)い文句」は夜半月(つき)の一明(あかり)にすんなり入(い)った。一幻(ゆめ)と刻(とき)との流浪の外(はず)れで無心(むしん)の文句(もんく)は一女(おんな)を跳び越え、明日(あす)に発(た)ち生く煙たい小声(こえ)には身欲(よく)の脆差(よわさ)が従順(すなお)に浮き出し、一女(おんな)の過去から「俺」が消え生く絶交日和(ぜっこうびより)が宙(ちゅう)へと舞った。―――一幻(ゆめ)に息衝く〝無浪(むろう)〟を呈した脆(よわ)い微睡(まろみ)が文言(ことば)の自主(あるじ)を主観(しゅかん)に究(もと)める揺蕩い眼(め)をした土台を相(あい)して、自体(おのれのからだ)に無乱(むらん)を偽る巨躯を呈する「俺」の許容(うち)では、一幻(ゆめ)の成果(はて)から既に真白(ましろ)い後光を配(あやつ)る無論を観た後(のち)〝慌て無沙汰〟の既視(おおめ)に見るのは無宙(むちゅう)に焼かれた映写(フィルム)であった。「未知」の目下(ふもと)にそっと意味付(いみづ)く幾様(きよう)の感無(オルガ)を追悼し得ては、明日(あす)に生くまで轍を踏まない〝向日峠(むこうとうげ)〟の道上(どうじょう)等にて分厚(あつ)い憤気(ふんき)を外界(そと)へ遣りつつ、古豪偽善者(エリート)仕立てが狡く幻見(ゆめみ)た都会の悪(あく)から詰らなさを見て、俺と発(た)ち得る現行(いま)を見送る旧い人輩(やから)は、幻(ゆめ)を配(はい)さぬ無憶(むおく)の許容(うち)にて活き活きして居る暴途(ぼうと)を識(し)った。自己(おのれ)の葦から不問に和らぐ旧(むかし)の文言(ことば)は意味を忘れて、旧(ふる)い人間(ひと)から斬新(あらた)の人間(ひと)まで幸先見果てぬ虚憂(きょゆう)の許容(うち)から未活(みかつ)に苛む脚色付(いろづ)けさえ経て、事始(こと)の経過を概(おお)きく見抜ける宙(そら)に産れた俺は欲張り、真面目な男性(おとこ)の体裁(かたち)を得たあと男娼紛いの行為に働き、狡い女性(おんな)の醜い内実(なかみ)を皆殺(みなごろ)しにする算段等した。〝女性的〟から〝男性的〟へと、自己(おのれ)を保(たも)てる未解(みかい)の経過(ながれ)は不毛に知らせる無戒(むかい)を手招き、自体(おのれのからだ)が虚無の許容(うち)から明日(あす)へ差し向く基準(レベル)を見て取り、足取り任せで野床(ゆか)に倒れる未知の未覚(みかく)は幽霊まで観て、女性(おんな)の吐息に理性(はどめ)を保(も)たない身軽(かる)い情緒を閲覧して居た…。
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…そうする内に、両親は、夏目漱石を丁寧に取り扱い始めるが、俺には先程と変らない、と言った対応を取り決め、夏目漱石だけに対して、非常に丁寧な持て成しをし始めて居た。俺はその事に腹を立て始めて、これ迄の、こうした出来事が起った際、何時(いつ)もこんな風(ふう)にして客は褒めるが我が子である俺の事は蔑ろにする様(よう)に冷たく扱う事を、これ迄の記憶を蒸し返すように思い返して居り、「芥川の時もそうだった、あの有名人・文学作家との時もそうだった、みんな客ばかりほいほいして俺の事は一回も良くしてくれた事は無い!」等と独り憤慨して団欒して居た居間を飛び出た。
*
…一幻(ゆめ)を見果てぬ奇想の調度は際限無くまた拡がり始めて、自体(おのれ)を背に保(も)つ未知の夕べを人間(ひと)を眼(め)を観て誘惑し始め、明日(あす)の涼風(かぜ)をもその実(み)へ吹かせる一種の勇気を構築して居た…。〝尻切れ蜻蛉(とんぼ)〟の幻想(ゆめ)の許容(うち)からほんの未完(みじゅく)を低吟(ていぎん)させ生く文言(ことば)に応じた四肢(てあし)が現れ、にょっきり生育(そだ)てる幻(ゆめ)の末路は一幻(ゆめ)の一通(とおり)で確立され得て、一女(おんな)の吐息を精神(こころ)に包(くる)める微弱(よわ)い数奇を既視(おおめ)に見て居た。男性(おとこ)の目下(ふもと)に未完(みじゅく)が発(た)ち生く一幻(ゆめ)の音頭は後退して活き、俺の精神(こころ)に乗りが利かない数奇の気色が冷却さえ呼び、幻夢(ゆめ)を纏める実しやかな小さな寝室(へや)には、微睡味(まどろみ)さえ無い旧い軒端がかしこに余され希薄を識(し)った…。
幻(ゆめ)を扱う未熟児から観て一女(おんな)の一声(こえ)には不断が割かれて、明日(あす)に活き勃(た)つ素人張(しろうとば)りした未完(みじゅく)を携え、幻想(ゆめ)の美声(こえ)から微声(こえ)が遠退く孤高の信途(しんと)に堂々乗り越え、明日(あす)の生果を地味に問えない一夢(ひとゆめ)限りの本能(ちから)の上では、一男(おとこ)と女性(おんな)の性(せい)の体裁(かたち)は尖りを忘れて没して行った。微温(ぬる)い四肢(てあし)が夜風を労う…幻想(ゆめ)の未完(みじゅく)が事始(こと)を欲しがる…一女(おんな)の寝床は伽藍の許容(うち)にて〝添い寝をして生く旦那〟を求めて脳裏へ渦巻き、明日(あす)の幻(ゆめ)から孤独を誘(さそ)える弓の月(つき)にもその身を棄(な)げ得(う)る…、(ごほんっ、ごほっ、ごほんっ、サコっ…)―――。
無宿(むじゅく)の者から寝床を掠めて孤高の賛美を何処(どこ)か聴いては、幻想(ゆめ)の無知にて「自由」を相(あい)せる無垢の成果(かなた)を概(おお)きく見守り、固陋の術(すべ)から未朽(みくつ)を奏でる四牢(しろう)の四隅(すみ)では「無効」を着せ替え、散々撓(たわ)める五分(ごぶん)の幻想(ゆめ)には自主(あるじ)が失くされ尖塔だけ在る…。
*
…そう思う瞬間に、夏目漱石は、幼馴染のでっぷい雄(おとこ)に変って居た。
*
無機の許容(うち)にて漂流(ただよ)う過程(さなか)に旧来(むかし)から観た独房が在り、「堕ちる人間(ひと)」から「堕ちる一人(ひと)」まで窮境(けしき)を踏まえた独断さえ詠み、自己(おのれ)に講じた旧い独義(ドグマ)を夜半(よわ)に気取らせ現睡(うたかた)にて寝た。昨日の鈍(くも)りに一幻(ゆめ)を問ううち旧来(むかしながら)の人見(ひとみ)の奥義(おく)には、俗世(このよ)の〝安堵〟に耐えて久しい人間(ひと)の荒野の堕落が息衝き、幻夢(ゆめ)の概(おお)さに見紛う延命(いのち)は俺の心身(からだ)は何処(どこ)へも行けない固陋の震度に飽き飽きして居る…。俺の将来(さき)から御殿が解(と)かれて眼精疲労の光明(あかり)が差す内、一幻(ゆめ)の一夜(いちや)は真っ直ぐ被(こうむ)る一閃(ひかり)の側(そば)にて傀儡(どうぐ)と成りつつ、旧来独語(むかしがたり)の幾夜(いくよ)の許容(うち)から一夜(いちや)を引き出しまったりして生く…。自己(おのれ)の旧体(からだ)を未来(さき)へ観るうち明日(あす)の目的(さかな)を許容(きょよう)へ齎す吝(せこ)く虚しい人界(かぎり)の形成(かたち)は両親(おや)の形見を律儀に葬り、人間(ひと)の限界(かぎり)を幻覚(ゆめ)に保(たも)てる概(おお)きな小首の生還等には、一人(ひと)の防空(ふせぎ)が儘と成らない一幻(ゆめ)の往路(おうじ)を通徊(つうかい)して居る。一幻(ゆめ)の温味(ぬくみ)を通感(つうかん)しながら、温(ぬく)い自主(あるじ)を田舎で牛耳る、真っ向から観て四方(しほう)が狭まる海馬(うみ)の藻屑は一人(ひと)を葬り、分厚(あつ)い過程(さなか)に個人(ひと)を退(の)け出す「独房(へや)」の空気(しとね)は晴嵐(あらし)を好み、俺の心身(からだ)を夜半(よわ)へ気取らす無快(むかい)を並べた一つの精神(こころ)は、一女(おんな)の総体(からだ)を自在に配(あやつ)る海馬(うみ)の気色を満潮にも観た。…一幻(ゆめ)の気色は御殿を翻(かえ)す…。
*
…切羽詰まって上がっていたテンションは下がった様(よう)で、気落ちしながらも、俺は少し安心して居た。
玄関にて、家出するように、あたふたと靴を履いて居た所に、父親がドアを開(あ)けて入って来た。
*
無限を照らせる文言(ことば)通りの一幻(ゆめ)に溺れた旧(むかし)の生憶(きおく)は、幻覚(ゆめ)を扱う白紙(こころ)の調子に合図を繰り出す感覚(いしき)を説きつつ、夢幻(むげん)の貌(かお)から滑稽味(おかしみ)さえ成す不快の長波(ちょうは)に身悶えした儘、俺の心身(からだ)を京都に置かない予定の一路(いちろ)に追算(ついざん)していた。慌て蓋捲(ふため)く一閃(あかり)の目下(ふもと)に一幻(ゆめ)の身近を度々想わす〝無感奈落(むかんならく)〟の滑稽(おかし)な身元の明朗(めいろう)さえ無い灯(ともしび)など持ち、京都(いなか)に産れて京都(いなか)に死に往く無感奈落(むかんならく)の憎音(ぞうおん)等には、一幻(ゆめ)の生途(せいと)で刃物を研ぎ行く男・女(だんじょ)の微温味(ぬるみ)が漂流している…。
人間(ひと)の気配が総て死に得た京都(いなか)の景色の一閃(あかり)の目下(もと)では、分厚(あつ)い総身(からだ)が次第に身寒い幻想(ゆめ)の下路(しもじ)へ密着して活き、初夏(なつ)の景色に悴む指には一人(ひと)の熱気が重々仕上がり、紺(あお)い宙(そら)から旧(むかし)が透れる児(こども)の文言(ことば)が低吟して居る…。俺の頭は卑屈に産れた不能の煩い、〝併鏡(あわせかがみ)〟に几帳を命(めい)ぜる弓の月(つき)にて兎を飼い出し、分厚(あつ)い静寂(しじま)に白壁(かべ)を見出す私欲(よく)の可能(かぎり)は生気を片付け、児(こども)と両親(おや)との儚い生絆(きずな)を孤独へ追い立て追討して居る。虚しい交響(ひびき)が厠へ往くころ俺の孤独は動悸を蹴忘(けわす)れ、明日(あす)の目下(もと)へと自ず近付く浮き世の懸橋(はしご)を順々引き寄せ、幻想(ゆめ)の空間(すきま)に無益を識(し)らない旧い余韻に悴んでも居た。一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)に気楼を奪われ俺の寝室(へや)には群星(ほし)の一閃(あかり)が無憶(むおく)を連なる幻想(ゆめ)の概(おお)さを程好く発(た)たせて、分厚(あつ)い白壁(かべ)から気楼が漏れ往く未完(みじゅく)の程には矛盾が発(た)たねど、晴嵐(あらし)の目前(まえ)から未業(みぎょう)を重ねる児(こども)の辛(つら)さを好(よ)く好(よ)く識(し)った…。一幻(ゆめ)の生気に未完(みじゅく)を識(し)りつつ不甲斐ない儘〝無機〟に漂う我(われ)の細身(ほそみ)は無益を頬張り白紙(こころ)を掌(て)にして、明日(あす)の孤独を現行(いま)へ馴らせる幻(ゆめ)の独気(オーラ)は独義(ドグマ)を配(はい)せず、旧い草社(やしろ)へ急いで駆け込む無人(ぶじん)の自覚(かくご)を急(せ)いて認(みと)める…。
*
…丁度散歩か何かから帰って来た様(よう)だった。
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無限の園(その)から張羅を着廻し分厚(あつ)い素振(そぶ)りを白壁(かべ)に齎す寝屋の空気(しとね)は完璧成れども、一幻(ゆめ)の未完(みじゅく)は独気(オーラ)を蹴散らす滔々五月蠅(うるさ)い興味を擡げて、幻想(ゆめ)の静寂(しじま)に魅力を奏でる他(ひと)の睡魔を開眼させ得た。古い京都(いなか)の叢(くさ)の許容(なか)から故習に息衝く賛美が燻発(すえた)ち、滔々繁(しげ)れる無欲の清水(いずみ)は無関の人間(ひと)から充分織り成せ、無欲の正味は我欲に基づく幻覚(ゆめ)の興味を味わい尽(づ)くし、身欲の悪心(こころ)に囚われ続ける京都人(ひと)の快無(オルガ)の向かう将来(さき)では、人と人とが餓鬼に陥り人間(ひと)を失くせる有名無実の固陋と採った…。―――俺の背後に沸々煮え生く一人(ひと)の我欲の身重の成果(はて)には、一幻(ゆめ)の仄香(ほのか)に薫り続ける因習(りゆう)の範囲(うち)にて工夫が仕上がり、一幻(ゆめ)の残骸(むくろ)に自主(あるじ)を啄み自己(おのれ)の人界(かぎり)を無想に観るのは、形跡(あと)へ逆(もど)れぬ幻(ゆめ)の皆無の至純(しじゅん)に尽せる向日であった。自己(おのれ)の歩幅を常に気にして幻(ゆめ)の坂道(みち)から気楼へ往くのは、幻視(ゆめ)の往路(おうじ)に程好く据え見た欲深(よくぶか)ばかりの仁王でもあり、自体(おのれのからだ)の純白差(しろさ)を奏でる〝啄み損ねた傀儡(どうぐ)〟の形跡(あと)から、女性(おんな)の手管(てくだ)がどんどん失(き)え往く旧来独白(むかしがたり)の習わしさえ発(た)つ…。一幻(ゆめ)の両眼(まなこ)に一定(さだめ)を置くうち旧来(むかしながら)の〝遣り〟の口上(うえ)では、俺の一幻(ゆめ)から両親(おや)を失(け)し去る旧来(むかしながら)の手癖(てくせ)が生立(なりた)ち、〝併鏡(あわせかがみ)〟の気楼の初端(はし)から純粋差(じゅんすいさ)が発(た)つ男・女(だんじょ)の性(せい)には、男性(おとこ)と女性(おんな)の快無(オルガ)の欠片(かけら)が吟音(おと)も発(た)てずに上昇している…。
〝無数〟に渦巻く一人(ひと)を堕(おと)せる思慮の浅きは一幻(ゆめ)の震度を巧く信じる無数の調度を囲んだ後(あと)にて、旧い懐古(レトロ)の凡庸から観る旧来独白(むかしがたり)の詮索等には、故習を含めた懐古(かいこ)ばかりが残体(からだ)を摩り替え上手(じょうず)に対する。京都(いなか)の地(じ)を棄て都会に埋れる白指(ゆび)を染めては、俺の思惑(こころ)に充分活き往く旧来独白(むかしがたり)の洗いが伴い、揮わぬ腰から足場を着け得ぬ幻物語(ゆめものがたり)は結構儚く、物像(もの)の意味から過保護を論ぜぬ旧い郷里の両親(おや)の目下(もと)では、昨日と現行(いま)との〝囲い〟の総てが郷里を棄て得(う)る論旨を身に付け、恰も〝平野(へいや)〟を隈なく相(あい)せる無限の努力(ちから)を通算して居た。
自己(おのれ)の幻夢(ゆめ)から〝囲い〟が退(しりぞ)き、幻視(ゆめ)に視(み)果てぬ奈落の順路が思線(しせん)を越え往く努力(ちから)を保(も)っても、明日(あす)に嗜む珈琲・煙草の美味は変らず、自ず落ち着く夢想の総ては奇想を醒ませる後退とも成る。一幻(ゆめ)への順路を辿り往きつつ自己(おのれ)の野望を〝順路〟に据えても、短い一幻(ゆめ)には思想の途(と)が付き脚色(いろ)を生やせる夢限(かぎり)を観て居る…。―――俗世(このよ)の生気を四分(しぶん)に濁せる〝濁流ばかりの奇想〟に在っても、自ずと活き得る手順の総ては作文する際活性され行き、人間(ひと)の空虚を象(と)らない儘にて無純(むじゅん)の神秘を想う過程(さなか)は、事始(こと)を興せる無常の狭間で律儀を幻見(ゆめみ)る〝順路〟に埋れて男・女(ひと)の生気を無造に蹴散らす事始(こと)の神秘を無倣(むほう)に失(け)せよう。
…訛化向薬(カルモチン)成る〝無倣(むほう)〟を突き出る憤怒の柔らが幻(ゆめ)の寝床で相容れないまま旧い傀儡(どうぐ)に巣立って行って、明日(あす)の〝精神(こころ)〟が俺に具わる無屈(むくつ)の奇(き)なる十(じゅう)の柔らに、一幻(ゆめ)の宮(みやこ)を咽々(おんおん)差し込む不毛の主観(あるじ)を一途(いちず)に識(し)った…。
一、 幻想(ゆめ)の大(だい)にて概(おお)いなる矢は無知を気にして一向萎えずに、一女(おんな)の目下(もと)から既に果て生く幻(ゆめ)の八頭(おろち)に憤慨して居る…。
二、 …孤高に息衝く無力の諸刃(やいば)は一男(おとこ)の煩悩(なやみ)を無知に識(し)る内、努々貫(つんざ)く大(だい)なる大手を古郷(こきょう)の清閑(しずか)に逆さに観て後(のち)、数多に近付く僅かの夢想(ゆめ)から女性(おんな)の隔離を創造して居た。
三、 明日(あす)の私欲(よく)から憤怒を失(け)される白亜の文言(ことば)に飛躍しながら、俺の身許は母性(はは)を通じて三国(みこく)の強靭差(つよさ)を充分頬張り、拙い右手に自慰を歪める安堵の倣いに往楽(おうらく)して居る。
四、 無知の宮(みやこ)は化粧をしたあと幻想(ゆめ)の一体(からだ)を重点へと置き、学(がく)の並びに一層消えない神秘(ふしぎ)に対する無垢の進歩を、一昼夜に発(た)ち二昼夜に発(た)ち、文言(ことば)を刻める四肢(てあし)の代わりに俺の白紙(こころ)へすんなり寄せた。
五、 …文句(ことば)通りに未完(みじゅく)を装う無頼の眼(め)をした脆弱(よわ)い筋肉(にく)には、女性(おんな)の肢体(からだ)が軟く発(た)たない儚い温度を寝間へ葬り、賞を焼き捨て人を躙(にじ)れる薄い活気の理想の得手には、明日(あす)の孤独に一切揃わぬ旧来独白(むかしがたり)の曖昧さが在る。
六、 神秘の周りに神秘(ふしぎ)が成り立ち、夜半(よわ)の小舟に躰を遣るのは未知の脚力(ちから)の蹂躙でも在り、女性(おんな)の肥差(ふとさ)が男性(おとこ)に合せる旧来独白(むかしがたり)の固陋の上には、朋(あか)るい肥満女(おんな)が朗笑して生く幻視(ゆめ)の独気(オーラ)が咲き乱れて居た…。
七、 架空の要素が自然(あるじ)に飛び乗り一幻(ゆめ)の孤独に嗣業が発(た)ち往く無為を透さぬ詩吟の上では、幻(ゆめ)を欲張り生気を静める旧来(むかしながら)の無倣(むほう)が活きた。
八、 孤島に静まる無欲の眼(め)をした独りの少女が、恋の仇(かたき)に仇(あだ)を奪(と)られて夢の往路(おうじ)へその実(み)を横たえ、狂い咲きする私欲(よく)の連度(れんど)は恋を忍びて暴力(ちから)を舐め果て、女性(おんな)の独(どく)から生(せい)を奪(と)れない一男(おとこ)の強靭差(つよさ)を疎らに識(し)った。
九、 分厚(あつ)い白壁(かべ)から静寂(しじま)が脱け出し脆弱(よわ)い心身(からだ)を大手に振り生く無知の腕力(ちから)に身陰(みかげ)を見付けて、一幻(ゆめ)の一角(かど)から堕落を相(あい)する徒党の小敗地(アジト)へ伽藍を観たのは、小心(こころ)の憂きから幻想(ゆめ)を通せる地鳴りの強靭差(つよさ)に相当して在る…。
十、 空虚を日(ひ)に置く無屈(むくつ)の相(そう)から一人(ひと)が表れ、幻覚(ゆめ)の相(そう)へとその実(み)を齎す分厚(あつ)い輪舞曲(ロンド)は独人(ひとり)と見(まみ)えず、自体(おのれ)の感覚(いしき)と努々(つとつと)失う白壁(かべ)に浮き出る二性(ふたつ)の人影(かげ)には、充分過ぎ行く魔除けの文句(もんく)の肥(ふと)い一定(さだめ)が吊るされ出した…。
一幻(ゆめ)の土塵(ちり)から人型(ひとがた)が成り、虚空の迷路を早走(そうそう)しながら旧い気色を散々観た後(あと)、妄想しながら悪夢を切り裂く幻想(ゆめ)の周囲に注意を払う…。海馬(うみ)の藻屑と定成(ていせい)し掛けた固陋の準備は華を目掛けて、幻(ゆめ)の進化が夢中に解(と)け得る萎(しな)びた胴体(からだ)を膨張させ活き、孤独の連茂(れんも)が「普段」を断る無重の潜信(シンパ)に同調(どうちょう)して活き、俗世(このよ)の水面(みなも)に浮ばれない儘その実(み)を積み取る無心の文言(ことば)を模造して居た。分厚(あつ)い人界(かぎり)が相撲を取り生く無想(むそう)の日(ひ)の掌(て)は人間(ひと)を乖離(はな)れて、何にも咲かない無応(むおう)の小敗地(アジト)へ頭から落ち〝鏡〟を見て居り、俗世(このよ)の総生(すべて)に礼を取らない神秘(ふしぎ)な音頭へその実(み)を遣った。一幻(ゆめ)の漆黒(くろ)さに一瞳(ひとみ)を遣られて静かに息衝く旧(ふる)びた古郷(さと)には、悪しき業(わざ)から徒労が産れる「独りの平野(へいや)」が無人を現し、旧い女性(おんな)と乖離して生く「罪を犯さぬ脆弱(よわ)い一男(おとこ)」は、文言(ことば)を呑み込みげんなりして居る…。一女(おんな)の顎(あご)には光苔(ひかりごけ)が発(た)ち、一男(おとこ)の両腕(かいな)に泣きを晴らせる不朽(ふくつ)の好意に武器を保(も)つ儘、女性(おんな)の白体(からだ)は丸く活き生く不毛の安堵を気安く欲しがり、幻想(ゆめ)の一重(ひとえ)を現世(このよ)で馴らせる無遊(むゆう)の弄(あそ)びを詩吟に解(と)いた…。
*
…俺は自分の普段履いて居た靴が見付からず、母の昔に履いて居たのだろう突っ掛けを靴棚から見付けて取り出し、履いて見た所、思って居たよりも遥かに背が高く成ってしまい、その突っ掛けの拵えの所為か、非常に不安定で歩き辛く、履いて立って居るだけで躓蹴(こけ)そうに成りながら俺は居た。
*
無表(むひょう)の小口(くち)から文言(ことば)が漏れ出し〝承け応え〟を観ぬ絹の白衣(ころも)に母性(ぼせい)を見て取り、現世(このよ)の縁(ふち)では在る事無い事無業(むぎょう)の内にて暗黙(やみ)に決め堕ち、俗世(このよ)の生(せい)からそっと見積もる幻(ゆめ)の限度の〝有難見たさ…〟は古郷(こきょう)に排され俺から退(の)いた。
一幻(ゆめ)に煌(かがや)く無数の信途(しんと)を〝熱く気張れる目的(あて)〟に観た後(のち)、〝併鏡(あわせかがみ)〟に終(つい)を見て取る無欲の祠(ほこら)は俺を訪れ、一幻(ゆめ)の矛先(さき)から未来(さき)を観て行く孤狼(ころう)の聖徒を順繰り挙げつつ、旧い回顧へ主観(おのれ)を引き割く無謀の眼(め)をした一途(いっと)の断片(かけら)は、一女(おんな)を排(はい)して男性(おとこ)を失くせる未謀(みぼう)のmonkを喰い果(つく)して生く。―――、自己(おのれ)の過去(かこ)から未憶(みおく)に活き生く男性(おとこ)の不利は「ソドム」が活き立ち、現世(このよ)の流行(ながれ)に追随果て生く私欲(よく)の正義が生死を分けた…。自体(おのれのからだ)は暗黙(やみ)の許容(うち)から端正(きれい)な私運(はこび)を散々抜き差し自己(おのれ)が究(もと)めた小宙(そら)の寝床に緩々跳び発(た)つ無性(むせい)を設けて、分厚(あつ)い巨躯から不断に繋がる微温(ぬる)い信仰(めいろ)の終焉等には、旧来独白(むかしがたり)に萎びた〝成果〟が他(ひと)と小波(さざ)めき思春(はる)へと入(い)った。
思春(はる)の鳴きには〝一重(ひとえ)に煌めく身重〟が想われ、一女(おんな)の豊穣(ゆたか)が表情(かお)を屈(かが)める化粧の〝化け〟から従順(すなお)を採り出し、糠喜びさえぽうっと浮かせぬ日々の信仰(めいろ)へ追走して生く。無痛の幻魔(げんま)に一体(からだ)を捌かせ主観(おのれ)の無理から無心を通せる一幻(ゆめ)の文言(ことば)を器用に観た後(のち)、夜半(よわ)の悪夢にこの身を捧げる一人(ひと)の体裁(かたち)は身軽を突き出し男性(おとこ)と女性(おんな)の無謀の生活(かて)へと総てを押し込め投げ遣りにも成る。こうした経過を幻想(ゆめ)へ置き捨て俺の一体(からだ)が講じた脂は一幻(ゆめ)の孤独を概(おお)きく暗転(ころ)がし、電子の明かりを体(からだ)と定めた現代人(ひと)の感情(こころ)は無機に膨れて、脆弱(よわ)い強靭差(つよさ)を頼みに扱う無間奈落(むかんならく)の人煙(はしご)を昇れる…。
*
…父親が玄関に入り、俺の前に背中を向けて立つと、然程自分の背が高いとは思われず、少し残念だった。
*
無頂(むちょう)を識(し)り得る一男(おとこ)の生気は正気を忘れて堂々巡りに、神の御前(まえ)から現代人(ひと)の前方(まえ)迄〝俺の感覚(いしき)〟を器用に挙げるが、一幻(ゆめ)の景色に凡庸(ふつう)を自認(みと)める孤踏(ことう)の生録(きろく)に躊躇(まどい)が発(た)っても、現行(いま)の主観(あるじ)を未来(さき)へ失くせる微弱(よわ)い静寂(しじま)が高鳴り出した。「終(つい)の棲家」は俺の残影(かげ)から四旬(しじゅん)に至れる不意を作っては身悶えして居た。〝無倣(むほう)の意図〟から湯気の発(た)つまま無邪気に転げる理想の信途(しんと)は一声(こえ)を携え生体(からだ)を越えて、男女(ひと)の生気に詰らなさを観た「俺」を培う無言の感覚(いしき)は徒労に就き得る臆病から観て、一幻(ゆめ)の孤独を生果へ宿らす強靭(つよ)い主観(あるじ)を求めて在った。一幻(ゆめ)を纏める孤独の元(もと)には自己(おのれ)を象(つく)れぬ生気が霧立(きりた)ち幻覚(ゆめ)の暗転(まろび)に怒涛が落ち込む無為の寝言が精進して活き、孤高を見積もる旧(むかし)の勇者に不義を成し得ぬ未覚(みかく)を想わせ、分厚(あつ)い白壁(かべ)から未完(みじゅく)を宿せる不意の感覚(いしき)を揚々観て居た。一女(おんな)の同情(シンパ)に悪しきが据え発(た)つ一覚(ゆめ)の〝霧(きり)〟には雲母が横たえ、苦しい吐息に生(せい)を宿らす無口の女性(おんな)は孤路(ころ)に就かされ、俺の生憶(きおく)と生徒の記憶が旧来独白(むかしがたり)の編纂等には、幻覚(ゆめ)の揺蕩(ゆらぎ)が有頂を見付ける初(はつ)の鈍気(どんき)に衰退して居た。
退屈(ひま)な経過(ながれ)に女性(おんな)を観たのは旧(むかし)に懐ける俺の儘にて、孤独が生やせる旧(むかし)の冗句は白亜(しろ)い感覚(いしき)を混沌(カオス)に引き込み無闇矢鱈に性(せい)を荒せる暴食にも似る一人(ひと)の行為で、俺の不敗地(アジト)を占領して生く無垢を幻見(ゆめみ)た旧(むかし)の連想(ドラマ)は、幻(ゆめ)を奏でる「応え」の所以(ありか)を緻密に拵え俺へと突けた。
*
「(お前の)此処(ここ)に在るやん」と父親が指差した玄関の床には、高校の時に使って居た様(よう)な、俺の白い運動靴が在り、俺は父親に言われるまで全く気付かなかった。
この夢の前後に何か大切な夢が在った気がする。
*
…未知の塒に事毎絶え生く目暗(めくら)を呈した小人(ひと)の姿勢(すがた)は、俺が目にした〝玄関先〟から暗黙(やみ)に埋れた標(しるべ)を求めて、揺ら揺ら揺ら揺ら…、一女(おんな)の生憶(きおく)を低吟しながら旧い生途(せいと)を独歩(ある)いて行った。女性(おんな)の両眼(まなこ)を具に得ながら〝視線〟の矛先(さき)には未憶(みおく)が固まり、小水(しょうすい)ばかりが小路(こみち)を濡らせる現代人(ひと)の堕落を決して許さず、俺の身許と昨日の〝夕べ〟は独素(どくそ)を呼び込み惨(まい)って行った…。俺の生憶(きおく)は白紙(こころ)に跳び立ち浮足立つまま呑気を着飾り、明日(あす)の「見果てぬ杜」へ着くまで旧(むかし)の温度を齧って行った。男性(おとこ)に産れた俺の果実は水車の描写に昏睡したまま一幻(ゆめ)の気色へそのまま見取れる波浪の霊(れい)から正気を煩い、幻覚(ゆめ)の無垢から気楼を座らす夢限(むげん)の四肢(てあし)に極(きょく)を観て居た。
女性(おんな)の一体(からだ)に無機を忍ばせ無言に脚色取(いろど)る無口の両腕(かいな)は、現行人(ひと)の屍(かばね)を幻(ゆめ)に自認(みと)める旧来(むかしながら)の既知に従い〝自己(おのれ)〟の遊離を目玉に観て居た。無己(むこ)の自主(あるじ)は〝目玉〟を見たまま一幻(ゆめ)の敗訴に準(したが)う形で事始(こと)の自明(あかり)を俗世(このよ)に放り、昨日まで観た現世(このよ)の現代人(ひと)には〝生気〟を感じず現代人(ひと)を棄て得た…。―――自己(おのれ)の悪魔を一匹殺して〝一女(おんな)の正義〟を伸ばして生く内、幻覚(ゆめ)の未覚(みかく)が一つ在るのを世紀の空間(すきま)へ投擲した儘、朗(あか)るい共鳴(なげき)を殊事(こと)に準(じゅん)ぜぬ脆い〝葦〟にて虚構を買った。巧みの女性(おんな)は自体(おのれ)の背後へ注意を漏らさず浮き世へ観て往く初端(はじめ)の元理(げんり)へ虚構を許さず無知の既知へと動転して居る…。一幻(ゆめ)の消化を一体(からだ)が許さず、無言の巨躯から一定(かたち)を観たのは、主観(おのれ)の無己(むこ)にて渋りを逃(のが)さぬ〝併鏡(あわせかがみ)〟の従来でもある…。
~併鏡(あわせかがみ)~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji
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