第8話 スキルの確認

 



 全員の前には木の小皿、料理は大皿に盛られている。


 出てきたのは……蟹の刺身。


 塊だった物が綺麗に切られ、赤い花が咲く様に豪華に盛られてはいるが、刺身だ。



「ア・ラ・ン?」

「いや、材料も道具もねぇし、刺身か茹でるかしか出来ない」

「むぅ」



 確かに商店には塩か謎のスパイスしか無く、海が近いからか塩は安価だがスパイスはそれなりにする。


 他にも幾らか素材はあった様に思うが、アランも研究に難儀しているのだろう。



「これ以上を求めるのは酷という物か……」

「聞き捨てならねぇのに言い返せない」



 悔しげなアラン。これは嫌味では無く弄りである。



「そうだ、ティア」

「うん? もう食べて良いのか?」



 ふと思い付いた事があってティアに話しかけたのだが……ティアってこんな感じだったっけ?



「アランに料理を教えてやって欲しいんだけど」

「私は生か焼くかしか出来ないが……それでも良——」

「ティアじゃ無いから。屋敷の料理人さんとかにだから」

「成る程」



 焼くは分かるけど生って……アグレッシブだな。


 いや、今から蟹を生で食べる訳だけど。



「さて、それじゃあ、お手を拝借」



 手の平を合わせて皆を見回す、全員が手を合わせているのを確認すると。



「頂きます」

『頂きます!』

「い、頂きます」



 遅れたのはティアだ、新規のミサキとケイはやる事が分かっているのでついて来れた。


 ちなみに、これも鈴守家の家訓のうち一つで『率先して前に立つべし』の中の細かい表記に含まれている。



 蟹を一口、うむ、美味い。必要以上に美味しい。何だこれ。

 全身に満ち渡る様に旨みとエネルギーが流れ込んで来る気がする。



「こ、これは!? こんな美味しい物初めて食べました!」

「美味しい! 流石ユキさん!」

「ユキさんの蟹、美味しいです!」

「ユキ、これ君が取ってきたのか? 凄いな!」



 うちのセレブ4人が美味いと言うなら本当に美味いのだろう。

 新規の2人も一心不乱に食べている。



「ああ、ユウミ、タク、これあげるよ」



 僕はそう言うと、ユウミには清浄なる杖を、タクには結晶大王蟹の蒼双剣カルキノス・エンドシザーを渡した。

 清浄なる杖は、伝説レジェンドクエストをクリアした後に古びた杖が変化していた物だ。



「ユキくん、ありがとう」

「おう、貰っとく……これ……試練のか……」



 2人は素直に受け取ってくれた、まぁタクの方の双剣は現時点では明らかにバランスブレイカー。ここら辺の敵なら無双出来るレベルだろう。





 食事後、アランは北に、ティアは街中で用事が、他の皆は西の森に行った。


 僕はにゃん拠街辺りでスキルの確認をしよう。



 先ずは、鑑定から始めよう。


 何せこのゲーム、スキルは鑑定しないとどうすれば良いのか分からない。


 新しい事が出来る様になっても自分から行動して確認して行かなければ何も分からないのだ。



『錬金術LV9』


・下位変換

・上位変換

合成魔導 10P

錬成魔導 10P

分解魔導 10P



『召喚術LV11』


召喚サモン

・固有召喚 5P

・魔法陣展開 5P



『従魔術LV5』


下位契約テイム

命令オーダー 10P




 ふむ、この10Pや5Pと言うのはスキルポイントの事だろう、これを見るに錬金術のコストが高過ぎる様に思うんだが。まぁ足りるので問題無い。


 ついでに他の物も確認しておこう。



『解読LV10』

暗号ないしそれに準ずる物を解読する。

レベルMAX


『ルベリオン王国語LV6』

ルベリオン王国常用言語を取得。


『鑑定LV6』

あらゆる物の情報を取得する。


『地図LV4』

地図情報を取得する。


『インベントリLV5』

収納空間を取得する。


『指揮LV6』

指揮能力が高くなる。


『統率LV5』

配下統率能力が高くなる。


『連携LV5』

連携能力が高くなる。


『求心力LV5』

求心力が高くなる。


『ペットLV4』

配下が言う事を聞きやすくなる。


『解体LV5』

魔物の解体能力が高くなる。

解体ドロップ


『夜目LV3』

暗い場所で目が見えやすくなる。


『消臭LV3』

自分の匂いを消す。


『悪臭耐性LV3』

悪臭に対して耐性を得る。


『念話・特殊LV1』

契約・特殊で契約した相手と念話が可能。


『契約・特殊LV1』

プレイヤー以外とフレンド登録出来る。


『気配察知LV2』

生物の気配を察知する。


『索敵LV2』

索敵行動の能力が高くなる。


『隠密LV2』

隠密行動の能力が高くなる。


『友誼LV3』

友誼を結び易くなる。《人格による》


『親愛LV3』

好かれ易くなる。《人格による》


結晶大王蟹の御霊カルキノス・プラスパワー

星天の第4試練、ザ・カルキノスの力を得る。

ザ・カルキノス


『再生LV1』

治癒能力が大きく向上する。


『堅殻LV1』

甲殻装着時に防御性能が大きく向上する。


『金剛力LV1』

腕力、防御力が大きく向上する。


『火耐性LV1』

火、火属性に耐性を得る。


『水耐性LV1』

水、水属性に耐性を得る。


『風耐性LV1』

風、風属性に耐性を得る。


『土耐性LV1』

土、土属性に耐性を得る。


『光耐性LV1』

光、光属性に耐性を得る。


『闇耐性LV1』

闇、闇属性に耐性を得る。


『雷耐性LV1』

雷、雷属性に耐性を得る。


『斬耐性LV1』

斬撃、斬属性に耐性を得る。


『打耐性LV1』

打撃、打属性に耐性を得る。


『酸耐性LV1』

酸、酸属性に耐性を得る。


『毒耐性LV1』

毒、毒属性に耐性を得る。


『幸運LV1』

運気が向上する。


『精霊召喚LV1』

精霊を召喚、使役する。


『精霊使役LV1』

精霊を使役する。

・精霊契約


『聖者LV1』

聖なる装具を使用出来る。




 やはり、鑑定しないと分からない事も多いが、鑑定しても分からない事も多いな。


 さて、検証しようか。



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る