第一章 Another World Online 第一節 草原の攻略

第1話 ゲームを始めよう

 



 意識が一瞬途切れ、ふと気が付くと何もない真っ白な空間にいた。



 遠く、何処までも広がり、何も遮る物の無い白い世界。



 自分の感覚すら無い……終わりの見えない白。




《調節が完了しました、これよりキャラクターエディットに移ります》




 唐突に無機質な音声と共にメッセージが現れた。



 次の瞬間、真っ白な世界に僕が現れた・・・・・



 どうやってやったのか知らないが、黒いインナーを纏って長い髪をストレートに流しているそれは、間違いなく僕自身だ。


 こうして向き合うと、何とも言えない不思議な感覚を覚える。



《変更したい項目を選択してください》



 変更可能な項目は顔や髪型等、主に頭部の物らしい。



 髪の色を銀色に、目の色を青色に変える。

 目の形や口の形、身長なんかも多少弄れる様だが、大きくしても小さくしても特にメリットは無いのでそのままにしておこう。



《スキルポイントを50P配布、スキルを選択してください》



 キャラクターエディットを終えると、またもや唐突に、音声と共に大量のスキル表が現れた。



 事前にタクに聞いていたので、スキルの事は大体分かる。



 スキルは主に、武術系、魔術系、生産系、その他、の4種に分けられている。



 大量にあるスキルの中から、魔術系の『召喚術』と生産系の『錬金術』を選ぶ。

 『錬金術』を選んだ理由は単純に、未知・・だからだ。期待も大きい。



 どちらも取得にかかるポイントが高く、残りは5P。


 タクの話によると、スキルポイントで取得可能なスキルはゲーム内の行動で増えるらしいので、取り敢えず残しておく。



《初期アイテムを配布します》



 スキル選択が完了すると、相変わらず唐突に音声が聞こえ、僕のアバターに初期装備が装着された。


 如何にもRPGのキャラクターが着ていそうな、旅人風の服装、背には革の袋を背負っており、腰にはナイフが据えられている。

 動画の初期に見た少女とほぼ同じ衣装だ。



《初期設定を完了、送信します》




 意識が暗く染まって行く。




《……か…………救………い》




 不具合かノイズの様な音が聞こえ、意識がブツリと途切れた。



 

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