本音を言えば本当は自分からパウペル家の人間の元に行くのは嫌だったが今は一分一秒ですら惜しいから仕方なく僕の方からパウペル家の人間の元へ行く。

「アテナとクーストーディア？これからパウペル家の人間が泊まっている部屋に行くよ？」

僕は覚悟を決めてアテナとクーストーディアにこれからパウペル家の人間が泊まっている部屋に行くと言った。

「えっ？姉上がこの部屋にアレス君を呼びに来てからでいいんじゃないですか？」

僕の言葉を聞いて、そうアテナが聞いてきた。

クーストーディアもアテナが何かを言い出そうとしたのとほぼ同時に何かを言いたそうにしたがアテナの言葉を聞いたら、クーストーディアがしたかった質問がアテナの質問と同じだったからかクーストーディアも黙って僕の方を見てきた。

「いつ僕の部屋に来るかわからない母上をこれ以上は待っていられないからこれからパウペル家の人間の泊まってるところに行く」

僕の言葉に対してアテナとクーストーディアはニマニマとしながら僕の方を見てきた。

「そうですか」

アテナは僕の言葉に対してそう言ってきた。

「そういうことだから僕はこれからパウペル家の人間が泊まっている部屋に行く」

僕はそう言って自分の部屋を出た。

キーーーーー

僕は自分の部屋を出た後、アテナとクーストーディアが僕の部屋を出るまで待った。

パタンーーーーー

そんな感じで部屋を出て一階に降りられる階段まで歩いていった。

「アレス？どうしたの？」

もう少しで階段に着くところで母上に声を掛けられた。母上の後ろには母上の護衛と姉上それから姉上の従者がいた。

「これから一階に降りてパウペル家の人間に会おうと思っています」

僕は母上の質問に対してそう答えた。

「そうなの？……それなら私も一緒に行くわ、ヴァイゼも一緒に行く？」

僕の言葉に対して母上はそう答えた後、姉上に対してそう聞いた。

「うん、私もアレスとお母様についていくわ」

母上の言葉に対して姉上はそう答えた。

あれだね……最近の姉上の言動は……なんというか…大人ぶりたい子どもみたいな言動だな……いや？姉上ももう九歳だからこんなものなのか？

「そうですか……ならついてきてください……」

僕は母上と姉上の会話を聞いた後そう言った。

「わかったわ」

僕の言葉に対して母上はそう言った。

「わかりました……」

姉上も僕の言葉に対してそう言った。

……しかしあれだね……姉上もお年頃（笑）なんだろうね……ちょっと……むず痒い……。

カツ　カツ　カツ　カツ　カツ　カツ　カツ　カツ

そんな感じで一階に降りた、一階は相変わらず……生活感が無いというかなんというか……いや？確かに二階もあまり生活感がないが……この世界に転生して五年……前世でも小市民でしかなかった僕にはこんな家……というか屋敷というか、城というかは全然慣れないね……あっ！今世のお前は貴族家の子息だろ？なんて言わないでね？これはあくまで神がねじ込んだだけで本来の……今世の僕はただの孤児だからね……あぁ！あと三階は執務室であり生活空間ではないから今回の話には含めていないからな？

まぁあれだ……僕はこの世界に転生してから五年以上経つが相変わらずこの世界に慣れていないし少々前世が恋しくもある……まぁとはいえ仮に前世に戻れるとしても僕は前世には戻らないがな。

カツ　カツ　カツ　カツ

「ぁっ……パウペル家の人間がいる……」

母上と姉上それとアテナとクーストーディア、姉上の従者を引き連れてパウペル家の人間が泊まっている部屋に行こうとした時、庭の方から聞き覚えのある声が聞こえたからそちらを見てみたらなんと庭でパウペル家の人間が談笑していた。