お前を寝取ったのは俺の兄だった...だから俺は復讐してやる

アキノリ@pokkey11.1

第一章 兄に奪われた彼女

激高

第1話 下賤な行動

俺の彼女の名前は里島めぐる(さとしまめぐる)という。

俺の兄の名前は用場和彦(ようばかずひこ)という。

俺の名前は用場徹(ようばとおる)という。


突然だが。

俺の家に帰って来てめぐるが他の男とセックスしていたらどう思う?

激高しかないよな?

自分の彼女が自分の兄と兄の部屋で性行為だぞ。

ありえない。


当然だが。

俺は激高した。

そして俺は2人に復讐を考えた。


それから俺は家を出て行く決断をした。

1人暮らしをして。

復讐してやると誓った。


今は6月13日。

浮気が発覚したのが1週間前だ。

梅雨の時期で良かったかもしれない。

とことん落ち込めるしな。

クソがクソがクソが!!!!!


そう思いながら俺は安アパートに引っ越した。

親には内緒で「ちょっと学校の都合で」と言って引っ越した。

正直、復讐計画を立てる為とは言えない。

考えながら俺は安アパートの暗闇の中で...怒りに浸っていた。


「絶対に許さん。クソが」


そして俺は短髪の髪の毛をぐしゃぐしゃにしてから頭を打ち付ける。

怒りが収まらない!!!!!

畜生の畜生が畜生が!!!!!

そう思いながら俺は額から出血しながら目の前の血が付いた床を見る。


「...信じていた俺が馬鹿だったんだ馬鹿だったんだ!!!!!」


俺は怒りを覚えながら暴れそうになる感情を抑えながら。

クソッと床を殴りつけて立ち上がる。

それから玄関から出て「何か買いに行くか」と思い外に出る。

黒縁眼鏡が横に居た少女を捉えた。


「...新しい住人の方ですか?」

「あ、ああ。初めまして用場です」

「...そうなんですね。私、長友。長友花林(ながともかりん)です」

「...隣の人?」

「そうですね」


ふわふわな感じの女の子。

全身を見まわすがかなり似合っている服装をしており。

髪の毛は肩までのゆるふわウェーブ。

それから顔立ちは若干幼いながらも...美少女だった。

超美少女だった。


「...」

「...用場さん?」

「...いや。何でもない。...ちょっと吐き気がしてな」

「え?だ、大丈夫ですか?」

「...嫌な事を思い出しただけだ。失礼。君には関係無いから」


そして俺は手を挙げて挨拶をしてからそのまま階段を降りる。

さび付いた階段を降りてからコンビニに向かう。

それからコンビニで買い物をしてから上がってくると。

何故かまだ長友が居た。

廊下に座っている。


「な、何をしているの?」

「...いや。ちょっと心配だったので待って居ました」

「俺なんかを待って居たの!?」

「そうですよ。用場さんが心配でした」

「嘘だろ...」


「私は嘘は吐きませんよ」とニコニコする長友さん。

それから「その。...横同士仲良くして下さいね」と長友さんは手を差し出してくる。

俺はその顔と手に「ああ。じゃあ」と手を繋ぐ。

そして俺は長友に挨拶をしてから部屋に戻る。


「...あんな子も居るんだな」


長髪で気持ち悪い俺なんかに。

寄り添ってくれるなんて。

まるで...あの時の女子みたいだ。

可愛かったよなあの子。

幼稚園の...友達だった子だったけど。


「今となってはこんなさびれた野郎だけど。願うなら帰りたいな。あの頃に」


そう言いながら俺は外を見る。

曇り空だった。

俺は買ってきたアイスを取り出して乱暴に開けて食べていると。

インターフォンが鳴った。


「はい」

「私です。長友です」

「な、長友?どうしたの?」

「はい。実は...佃煮を作ったのですが食べきれないので食べて下さい」


俺は慌ててドアを開ける。

靴も履かずに開けた。

するとそこに長友がエプロン姿で立っている。

俺に微笑んでいた。


「アハハ。靴を履き忘れていますよ」

「そんな事より...佃煮?」

「はい。あと、がめ煮も作りました。私だけじゃ食べきれないので」

「ご家族は?」

「居ません。私だけです」


何か聞いちゃいけない路線だった様だ。

彼女は深刻な笑みを浮かべる。

俺は咳払いをしてから鍋を受け取る。

それから改めて長友の顔を見た。


「優しい気持ちを有難う」

「え?」

「...俺な。実はちょっとした家族のいざこざがあって此処に居るんだ。だから貴方の心が暖かった。久々に」

「...そうだったんですね」

「ああ」


そして俺は彼女を見ていると長友は「これはパッケージに入れて冷蔵庫に...」と言いながら俺を見て微笑む。

可愛い子だな。

まるで女神だと思う。

あのクソ女と違って、だ。


「じゃあ失礼します」

「...長友」

「...はい?」

「お礼はしなくて良いのか」

「要りませんよ?だっておすそ分け、ですから」


長友はウインクした。

それから去って行った。

因みにそのがめ煮、佃煮は。

滅茶苦茶美味しかった。

久々に。

心が暖まった。

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