教会の子

ぼくは日曜日 教会へ行きます。

教会にはおんなのひとおとこのひとこどもたち、たくさんいます。

ぼくのクラスメイトに教会のおうちのこどもがいます。

Kよりも走るのが速いJは、ぼくと一緒に教会を一周します。



教会では聖書を開きます。

母はパイプオルガンの音が好きで、賛美歌を歌うこえはひときわおおきく。

ぼくは母をみあげて母のおおきなくちからこぼれるうたごえを聴き。

牧師さんの読む聖書の一節を聞きます。

イエス様というひとはふしぎなひとです。

ぼくが ううんんと うなっても奇跡など起きませんが。

Jは終始へらへらとしてぼくのことをからかいます。



((イントロダクション)



春。教会に暖房も効いていて僕はぼんやりとするのを、

牧師さん。

Jのおとうさんですが、

ときどきおもしろいことをいってはこどもたちが笑い。

ぼくはいもうとと教会のなかのゲーム大会に参加し、

景品などをげっとするのですが。

宗教とゲームとは何の関係があるのか、ぼくはかんがえる。

宗教は、

ぼくがおもうには、

家族がばらばらにならないためのほうほうのように思えて。

ぼくはいもうとと手をつなぎ、つぎのゲームをするのでした。



((((間奏)



ぼくはあきあきしてくると。

教会のまわりで

おにごっこをはじめる。J。

Jは運動会でも一位しか獲ったことないくらいの駿足で。

Jがおにになるとひとたまりもありません。

ぼくらは散り散りに四方に散っては。

ひとりまたひとりとつかまっていく、Jは。

笑いながら追っかけるぼくの背中に手をついて。

つぎのおにはZだあ、とJが叫ぶのです。



家へと帰ってくると母は聖書をひらいて、

きょう牧師さんが読んだ箇所をもう一度ひらくのです。

母はクリスチャンではありません。

ぼくもいもうともクリスチャンではありません。

でもぼくらは日曜日に教会へ行きます。

ぼくのかぞくはおかげでばらばらではないのです。



((アウトロ)



世界を創造した神様をおもう。ぼくは かみのこ

なんだろうと。牧師さんが言う。

あれもこれも神様がつくったの?

ぼくはのがれられない。んだろうと。

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