滅亡シリーズ

第1話 絶望の始まり

場所: 東京、タカシ・ヤマダの自宅

時間: 早朝、ウイルスの蔓延がピークを迎えた日

タカシ・ヤマダは目覚めると、すぐにテレビのニュースをつけた。画面には、各地で急速に広がるウイルスの恐怖と、次々に倒れる人々の映像が映し出されていた。彼の心臓は鼓動を速め、手に持ったリモコンが汗で滑りそうになる。

ニュースキャスター: 「最新の報告によりますと、致死率99%のウイルスが世界中で猛威を振るっています。各国の医療機関は対応に追われていますが、現在のところ有効な治療法は見つかっていません…」

タカシは深いため息をつき、窓の外を見た。通りには人影がなく、いつも賑わっているはずの街がまるでゴーストタウンのようだった。彼の家族は数日前に感染し、今は病院の隔離病棟に入っている。タカシ自身も検査を受けたが、奇跡的に抗体を持っていたため感染しなかった。

タカシ（独白）: 「どうして…どうしてこんなことに…」

彼は研究室の机に向かい、自分の研究ノートを開いた。ここには、ウイルスの発生源や感染経路についての情報が詰め込まれている。しかし、その中には未だに決定的な治療法の手がかりはなかった。

突然、電話が鳴り響いた。タカシはすぐに受話器を取り、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。

**同僚の科学者、ケンジ**: 「タカシ、緊急事態だ。政府からの要請で、ウイルス研究の第一線に立つように言われた。今すぐに研究所に来てくれ」

タカシ: 「わかった、すぐに向かう」

タカシは急いで準備を整え、家を出た。街の風景は以前と変わり果てていた。道端には倒れた人々が散乱し、救急車のサイレンが遠くから響いてくる。

研究所に到着すると、そこには緊迫した空気が漂っていた。タカシは同僚たちと共に、ウイルスの正体を突き止めるための最終的な努力を続けた。

ケンジ: 「タカシ、このデータを見てくれ。どうやらウイルスは人為的に作られた可能性がある。何かの実験が暴走したんだ」

タカシはデータを覗き込み、愕然とした表情を浮かべた。その事実が持つ意味の重さに言葉を失った。

タカシ（独白）: 「もしこれが本当なら、人類は自らの手で滅亡への道を歩んだということか…」

彼は心の中で強く決意した。この絶望の中でも、自分ができる限りのことを全力で行い、少しでも多くの命を救うのだと。