【短編】怖い話のけいじばん【体験談】

屋根裏のランドセル

――――――――――――――――

18歳　高校生　女性の書き込み

――――――――――――――――

私は現在、両親が中古で購入した一軒家に、家族3人で住んでいます。

父はDIYが趣味で、ちょっとした棚を作ってみたり、庭に色々な小物を作ってみたりといったことをよくしていました。

この家が中古なことも相まって、時には屋根の上に登って瓦の張替えも行うほどの本格派ぶりです。

ある日、そんな父が配線を確認するために屋根裏に行くことがありました。

屋根裏には脚立を使って登るのですが、そこには驚くべき光景が広がっていたのです。

屋根裏のスペースには赤いランドセルが二つ並んで置かれており、その隣には神棚のようなものがありました。

そしてそのランドセルには、フルネームで名前が書かれていたのです。

その異様な光景はもちろんのこと、その書かれていた名前にも全く心当たりがありません。

不安になった私たち家族は、隣に古くから住んでいる住人を訪ねました。

私たちが引っ越してくる前から近所に住んでいる彼なら、何か知っているかもしれないと思ったのです。

しかし彼が言うには、そんな名前の住人が住んでいたことはないし、ましてや子どもが住んでいたことすらなかったそうなんです。

ではいったい誰が、何の目的でそのランドセルを屋根裏に置いたのでしょうか？

私たち家族は背筋も凍る思いで、引っ越しを検討しているところです。

このままここに居座ると、何かに巻き込まれるのではないかという確信に近いものを感じましたから。