私の事を家政婦と勘違いしてる旦那を捨てて、異世界生活?
星野しほ
プロローグ
玄関で物音がして、私は出向かいに向かいます。
「あ、お帰りなさい。ご飯の用意できてますよ」
「いらない。それより風呂の準備は?」
「え? あの、まだいれてません」
「使えないやつだな。早く準備しろ、明日も早いんだ」
「分かりました……」
私はうつむいて、お酒の匂いのする旦那から離れました。
「おい、つまみくらいないのか?」
お風呂の準備をして、リビングに行くと旦那がそう怒鳴ってきます。
「缶詰ならありますよ? あなたの好きなコンビーフ」
「好きなんて言った覚えないけどな。もうそれでいいい、早く準備しろ」
・・・・・・・・・・
「お疲れ様です。今日は疲れが取れるように、餃子を焼きましたよ!」
「お前が作った物より、冷凍のがうまいな」
・・・・・・・・・・
「今日は揚げ物か、俺の体に気が使えないのか? 油っこい」
「ごめんなさい。明日は魚にします」
「ふん、それよりもだ。明日は朝から会議なんだ、六時には起こしてくれ」
「分かりました」
・・・・・・・・・・
四時、私は目を覚まして朝食の準備に取り掛かった。
朝食はト-ストと野菜スープを作ることにきめて、準備を進めていく。
ある程度終わったところで、お風呂の準備をしてまたリビングに戻る
リビングに置かれた旦那との写真が目に入り手に取った。
昔は二人で旅行に行って、笑ってたな……。
今では何だかうまく笑えない。それどころかどう会話すればいいかもわからない。
その時、私のスマホのアラームが鳴った。
いけない! 起こしに行かないと。
私は旦那の寝室に向かった。
「あなた、朝ですよ! 会議に行くんでしょ?」
「……」
中々起きてくれません。
私は強くゆすります。
「あなた、遅刻しますよ」
「うっさいな!! もう起きてるよ!」
突然起き上がって、私の顔に衝撃がはしりました。
「え?」
一瞬何されたのか分かりませんでしたが顔にジンジンとした痛みがあり、ああ、私叩かれたんだって分かりました。
旦那はそのまま布団をかぶってしまいました。
私何やってるんだろ?
ぼーっとした頭で立ち上がって、部屋を出ていきます。
そのまま玄関に置いた自分の財布を持って外に出ます。
ふと、自分が泣いてることに気が付きました。
ああ、もう生きてたくないな……。
次生まれ変わったら、もっと幸せな……。
私は手すりから身を乗り出して、下を見ます。
五階の高さでも死ねるかな? 痛いかな?
私はそう思いながらも、下に吸い込まれていきました。
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