第2話

「ほっ、本当にそうすれば、隠してくれるのか!?」


 俺は食いつき気味にそう言った。


「うん、約束するよ」


 つーか、口が気持ち悪い……。

 

「ねえ、君名前はなんて言うの?」


 口から、自分の体液を吐き出した後、桜姫さんの目を見て言った。


「お、俺は、旭川優太」

「旭くんって呼ぶね。私は桜姫朱音。麗奈とは小学生からの親友」

「しっ、知ってます……」

「まあ、そうだよね。旭くんは麗奈のことが好きなの?」


 好きだ。

 好きで好きで好きで仕方がないほどに。

 黒宮さんでシコったことだって何度もある。


「大好きですッ」


 桜姫さんは、ニコリと頬を上げて、


「よし、決めた」

「え?」

「私が麗奈とエッチできるように導いてあげるよ」


 彼女のその発言は、本当に親友なのか、と大きな疑問が出るような言葉だった。


「大丈夫、私の言うとおりにすれば、できるから」


 けれど、俺にとっては何一つとして悪いものではない。

 むしろ、嬉しいくらいだ。

 あの黒宮さんとヤれるだなんて!!


「ほ、本当ですか?」

「本当……親友の私が言うんだから、信じてよ。ひとまずは……」


 桜姫さんは、黒宮さんの体育義が入ったバッグに目をやり、


「今から、その体育着持って旭くんの家に行こう」

「え!?」

「着てみたいでしょ? その、汗の染み付いた麗奈の体育着」


 俺は迷わずに、即答した。


「き、着てみたいです!!」


 本当に俺という人間は変態にもほどがある。

 ただ、桜姫さんも変態すぎるだろ。


「じゃあ、おうち教えて」



 よかった。

 今日は両親が帰ってくるのは遅い。

 

「ここが旭くんの家かあ」


 家に着くと、すぐに俺は自分の部屋へと案内した。


「旭くんってドーテイ?」


 いきなりの言葉に、ドキッと驚いた後に、


「そ、そうですけど……」

「そっか、ならちょうどよかったね。麗奈もまだ処女だよ」


 まじか、まじか、まじか!!


「そ、そうですか」

「嬉しくないの?」

「う、嬉しいです……」


 自室に着くと、すぐに桜姫さんは俺のベッドに座った。


 まさか、俺の部屋に女の子を呼ぶ日がくるだなんて。

 しかも、俺のベッドに座っている!!


 ドキンドキン、と心臓の鼓動が早くなっていく。


「いやあ、それにしても、親友の体育着シコってる現場に遭遇するなんて、人生面白いね」

「きょ、今日が初めてです!」

「へー。ほら、体育着に着替えなよ」

「ここで、ですか?」

「当たり前じゃん」


 俺は、桜姫さんの前で制服を脱ぎ出した。


 恥ずかしい。

 なんて恥ずかしいんだ。


 それに、なんだか興奮してきた。


「下着姿見られるだけで勃つとかど変態じゃん♡」


 あああ!!

 やばい、抜きたい。

 さっき抜いたばかりだというのに!!

 もうムズムズしてやがるよ。


「す、すみません」

「なんで謝るの」


 クスクス、と笑いながらそう言う桜姫さん。


 着替え終えると、すぐさま桜姫さんは俺の写真を撮りだした。


「ははは、麗奈も思わないだろーなあ、自分の汗が染み込んだ体育着を着られているだなんて」


 すごい。

 

 どうしてか、とても気持ちいい。


「めちゃくちゃデカくしちゃって」

「ご、ごめんなさい!」


 桜姫さんは立ち上がり、俺に近づき、俺の耳元で、


「ど変態さん♡」


 そう囁き、俺の下腹部に手をやった。


「麗奈とシたい?」

「は、はい、シたいです!」

「このど変態め」


 そのまま、桜姫さんは俺のパンツの中に手を入れた。


「それは、やばいですって……」

「うるさい、ど変態」

「はい、俺は、ど変態です。好きな人の使用済み体育着でシコるほどのど変態……でしゅぅ……ッ」


 ああ、俺は終わっている。

 好きな人のズボンを体液で濡らしてしまったのだから。


「これから、もっと気持ちいいことをたくさん体験させてあげるからね」


 人生で一番気持ちのいい発射だった。

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