good jobなメスガキ
-正午-ポムの街北門近くの路地の前にある道具屋-
「フーレ?フーレなのか…?」
「はい。お父様、フーレです!」
世紀末モヒカン店主がフーレに問いかけ、フーレがそれに答える。
「…フーレ…言葉遣いが治って....!良かっだッ…ぐずっ、ほんどうに良がったッ…そして、君が死ぬと言う事実を知っているのに、何も出来なかった不甲斐ない父を許してくれッ…すまないっ…フーレよッ!」
世紀末モヒカン店主が床に膝を付き、目から大粒の涙を流しながら、顔を涙と鼻水でぐちゃぐちゃにする。
そしてフーレへと涙ながらに謝罪する。
「良いんです。お父様、お父様はいつもいつも、お母様が亡くなった時も、
「気づいてたのか…」
「そうですよ。そんな、不器用なお父様に私は心の底から感謝しています」
フーレが父へと感謝の思いを言葉にする。
父は唖然としながらも更に涙を溢す。
「良い話ですのッ…およよっ…ぐずずっ、ずびーっ」
「なぁ。俺のシャツで鼻をかむなよ…まあ、和解できて良かった。ほら手貸すよ、お父さん」
今まで黙っていたギムとマーガレットが言葉を発し、ギムが世紀末モヒカン店主へと手を貸す。
「誰が貴様の父さんだああああッ!?私は断じて娘との交際は認めんぞおおッ!」
「はぁ。交際って…俺ァそんな事一言も言ってねぇんだが…?」
世紀末モヒカン店主が立ち上がってキレだし、ギムは溜息を吐きながら交際したいという虚実を真っ向から否定する。
「いえ、お父様。私はこの方に約束させられました、治して欲しければ体で払えと。ですので、私は身を売ります。ね♡傭兵さん」
「は…?」
「貴様ァアアア、キィイイヤアアアッ!」
急にメスガキの顔で舌をちろっとだし、ギムに見せつけたフーレがとんでもない嘘を吐いた。
ギムは唖然と口を開け、自然とマーガレットの方に顔を向ける。
世紀末モヒカン店主は顔を真っ赤っかにし、顔中の血管が浮かび上がるくらいキレ、ギムに強烈な右ストレートを入れる。
が、
バシッ
「お父さん、危ない。お父さんが傷付くからやめてくれ」
「いだぁあああ、いだだ、ぃでぇ」
「「............ッ!?」」
降りかかってきた拳を受け止めたギムは世紀末モヒカン店主の身を案じた。
拳を止められた世紀末モヒカン店主は鉄板を殴った様な、否、そんな優しい物ではなく、硬い硬い鉱石を全力で殴った様な痛みを右手首に感じ、悲鳴をあげて床でのたうち回る。
そんな様子を見ていたフーレとマーガレットは口を両手で覆い驚いた。
「ま、まあ、わたくしはハーレムでも良いですわよ?ギムの女はみんな竿姉妹ですのッ!ですが、妻は譲りませんッ!おーほっほっほッ!」
マーガレットが上手い様な、上手く無い様な、そんなセリフを口にする。
そして、ギムが言葉を発する。
「なあ、そこの少女の父さんよ。もう一人妹さんがいるんだろう?その子も診せてくれねぇか?」
「貴様…ラーネにも手を出すつもりか…この畜生めがッ!」
「いや、そんな
「お父様、この傭兵さんにラーネを診せましょう」
「マ、マーレがそう言うなら…だが、こいつが少しでも怪しい動きをしたらすぐに出ていって貰う」
世紀末モヒカン店主はギムの言葉にまたもや難癖を付けるが、この世界の父としてはコレが普通なのである。
マーレがギムを補助し、世紀末モヒカン店主が渋々承諾する。
そして一同は黙りながら階段を登り、店の2階へと上がっていった。
_______
黑兔です。
最後までお読みくださり誠にありがとうございます。
今回はこれで終了です。
世紀末モヒカン店主は家族思いの凄い熱い人間です。モヒカンは趣味で、顔のデカい傷は若い頃に当時の剣聖につけられました。
悪役っぽいですが、かなり正義寄りです。
そしてめちゃくちゃ強いです。
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