骸骨マラソンマン
小学校低学年の時に見た。
友人たちとお化けの噂話をしていた。
その中に骸骨マラソンマンという話があった。
骸骨がマラソンをしているというだけの、大して怖いとも感じない内容だった。
話は終わり、そろそろ帰ろうということになった。友人たちと別れ、田んぼ道を歩いて自宅へと向かう。
しばらく歩いていると、前の方を骸骨が走っていた。
実際に骸骨を見ると、さすがに恐怖を感じた。その場を離れたかったが、骸骨は私の自宅に向かって走っており、自宅に帰るには骸骨の後ろを歩く必要がある。
仕方なく少し距離をとりながら、自宅に向かって歩き続けた。
しばらく歩いていると、突然骸骨が振り返った。
「ねぇ、なんでついてくるの?」
別についていっている訳ではなかったが、恐怖で答えられず無言で立ち尽くしていた。
「そんなについてきたいなら、こっちにおいでよ」
そう言って骸骨は私の自宅のある方向とは違う方に走り始めた。
今なら自宅に帰れる。
そう思って私は駆け出した。
「あ、どこにいくんだよぉ」
骸骨マラソンマンは追いかけてくる。捕まらないように必死で走った。
しばらく走っていると、骸骨の姿が見えなくなった。急いで自宅に入り、机の下に隠れた。
外は真っ暗になり、窓の外の様子は全く分からなくなった。
あいつはどこかにいったか?
逃げ切る事ができたかとほっとしていると声が聞こえてきた。
「ねえ、どこに行ったのー?」
暗闇の中から骸骨の声が聞こえてくる。
「どこ行っちゃったんだよぉ」
足音が近づいてくる。目を閉じて、いなくなるのを祈る。
しばらくすると足音が聞こえなくなった。どこかへ行ったのかと思い、顔を上げて外の様子を窺う。
「あー、いたいたー」
窓の外には骸骨がいた。骸骨は窓を開けて中に入ってくる。そして私を担ぎ上げ、泣き叫ぶ私を暗闇の中へと連れていった。
そこで目が覚めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます