指女

インターホンの音で目が覚めた。

部屋は真っ暗で、時計を確認すると夜中の2時17分であった。

こんな時間に一体誰だ。

不審に思いながらテレビドアホンのモニターを確認しに行く。

モニターを見ると、女が映っている。女はニタニタと笑いながらカメラをじっと見つめている。何か聞こえると思い耳を澄ませると、玄関のドアの向こうから女の声が聞こえてきた。

「きたよー。きたよー」

明らかにおかしいと思い、返事をしたりはせずにモニターを見ながら早く帰ってくれと考えていた。しかし女は帰ろうとはせず、しつこく「きたよー。きたよー」と繰り返し言っていた。

その時、モニターに映る女の手元に何かが見えた。手に何かを持っている。あれは何だ?目を凝らして見てみると、それは瓶だった。クッキー等を入れるような瓶であったが、中には何も入っていないように見えた。瓶は3つあり、両手でその3つの瓶を持っている。

すると突然女は手に持っている瓶をカメラの前にかざした。カメラに大きく映し出された瓶を見て、それぞれの瓶にはラベルが貼ってあることに気づいた。ラベルには私の家族の名前が書かれていた。

どういうことだと思いながらよく見てみると、瓶の中にはそれぞれ1本ずつ親指が入っていた。


「持ってきたよー」


女は相変わらずニタニタと笑いながらそう言った。


そこで目が覚めた。

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