第23話 ユウヤの拉致計画の実行。
「でも、もし抵抗をしてきたらどうするんだ?」
「その時は、兵の数と力ずくで拐うしかないだろ!」
「念の為に出来るだけ兵を集めておけ」
「何人ほど集めれば良いんだ?」
「そうだな……30人でダメだったと聞くから倍の60人だな!」
「は?1人を相手に60人は大袈裟では?30人は部下で動かせるが……もう30人は金を払わないと動かせないぞ?」
「クソっ!仕方ない……金貨1枚出してやる。これで良いだろ!」
「これだけあれば大丈夫だ」
出たとこ勝負なので作戦とは言えないが、本人たちは満足していた。更に王城にいると情報を得たので王城の出口に見張りを置いて、目立たないように5箇所に兵士を集めて出てくるのを待っていた。
買い物に出てきたユウヤとアリーナで護衛は付けておらず、お付きの者を待たずに勝手に城から出てきてしまっていた。
「確か、こっちに店があった気がするな」
「お店?何を買うの?」
「だから秘密だって」
「あぁ~んっもう、気になるっ!何を買うのか教えてよ~」
「黙って付いてきてくれれば分かるって」
「ううぅ……はぁ~い……」
衣類店に着くとアリーナの目が輝いていた。
「もしかして……わたしに?」
「当然だろ……ここは女性用の衣類店だぞ……」
「だよね~選んで良いのぉ?」
「ああ。好きなのを選んで良いぞ」
アリーナは当然、冒険を続けると思っているので冒険者用の服装を選んでいた。
「冒険者用の服じゃなくて、もっと普通の服を選んだらどうだ?」
「えぇ……この服もう古くなってるし、新しいのが欲しいって思ってたの~♪」
「じゃあ……もう一着は普段着る普通の服を選んでくれな」
「わぁ~い♪選んでおく~」
ユウヤは店員にアリーナのドレスを作るように注文して、さり気なく採寸もしておくように頼んだ。
ユウヤが暇で店から出ると兵士に囲まれていた。
はぁ……またか。今度は、なんだよ……俺が何かしたか?国王が俺の抹殺でも企んでるのか?それにしては兵が少なすぎだよな?100人も居ないし……精鋭部隊とかか?そんな感じはしないな。どうみても全員下級の兵士だな。
「貴様!俺の弟を拐ったらしいな!」
「は?弟?」
「あそこのレストランで争い、拐ったという情報を得ているぞ!」
兵士のリーダーと思われるヤツがレストランの方を指を差した。
「あぁ……俺の連れを奴隷商に売り飛ばしたヤツの兄か?」
ん~……殺しちゃ不味いよな?兵の補充をしないとだし。でも忠誠が下がってる兵士は寝返る可能性が高いし放っておけば内部からも攻撃を受けて面倒だしな。
兵士のステータスを見てみると……王国への忠誠心というゲージがあって20人程の忠誠度が5%前後だった。うわぁ……終わってるじゃん……隣国から金を積まれたらり、誘いがあったら喜んで裏切るじゃん。
この様子だと、俺が誰だか知らないんだろうな。帝国への反逆じゃなくて良かった……面倒だけど皇帝への反逆罪として遠慮なく堂々と掃除が出来るな。
「そんなに弟と会いたいのか?」
「そうだ!弟を返してもらうぞ!抵抗せずに付いてこい!」
「いやぁ……今、買い物中で付いてけないし、弟も返せないんだよな……今、罰を受けてる最中だし。返せはしないけど、会わせてやれるけどどうする?」
「だったら会わせてくれ!どこに居るんだ!?」
「すぐに会わせてやるから、そう大声で話すなよ」
多重魔法で異次元牢獄を20人に向けて放つと忠誠心が低い兵士の目の前で不気味な暗黒の球体が止まり、球体の中の暗黒の空間に吸い込まれて兵士が消えると、球体の暗黒の空間も小さくなり消えた。
バカな兄のリーダーと、一部の仲間の兵士が消えてしまって呆然として兵士達が恐怖で座り込んだ。
何も聞かされていなく事情を知らない忠誠心が高い兵士達は、ユウヤの事を危険人物と判断して数十人が襲いかかってきた。
「貴様!仲間に何をした!?ケガをしたくなければ大人しく捕らわれろ!」
「お前らも怯むな!全員で掛かれば捕らえられるだろ!行くぞ!」
いやいや……こいつらは生かしておかないとな。忠誠心が高いし何も知らされてないだけで仲間思いなだけだよな。
木刀を出して剣を受けながら、どうやって対応をしようかと考えていると騒ぎを聞き付けた王国軍が謀反を起こした兵士を取り囲み次々に捕らえられた。
捕らえられた兵士達は意味が分からない様子で捕らわれていた。
「おい!何しやがる!?仲間が攻撃されたんだぞ!お前らは援軍じゃないのか?離せ!」
「俺は何も悪い事はしてないぞ!貴様達……こいつらの仲間なのか!?」
「仲間の敵を討ちに参加しただけだぞ?」
「俺は上官からの命令で参加したんだぞ!邪魔をするな!」
騎乗した偉そうな軍服を着た者が出てきて話しだした。
「貴様たちは、謀反に参加をした反逆者として裁かれる大人しく捕らわれろ!反抗をすれば、その場で斬り捨てるぞ!」
騎乗して話している者は、王国軍の幹部で見掛ける事はあっても、直接話しが出来るような者ではなく直接現場にも現れる様な者でもない。幹部の話を聞いた兵士達は青褪めて皆、持っていた武器を手から離し座り込んだ。
騎乗した偉そうな幹部がユウヤに近付いてきて騎馬から降りて緊張で震えてながら跪き謝罪をしてきた。
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