第22話 王国内の一部の軍で不穏な企みが進んでいた。

俺が、お付きの偉そうな人の方を見て、アリーナとの関係を説明をした。


 

「コイツは俺のパーティで、旅の途中で世話になってて、まだ王城の事や貴族の作法や礼儀を知らないんだ。俺への無礼は見逃してくれ」


「そ、そうでしたか……。は、はい……」


「なにそれ!ヒドイ!わたしが礼儀知らずみたいに言わないでよぉっ」


 

アリーナが頬を膨らませて、怒ってるとアピールをして俺を睨んでくるが……可愛いっての。面白いので、もう少しからかってみるか……


 

「知ってて俺の菓子を取ったのか?」


「ううぅ……だって食べないんじゃないの?勿体ないよぉ……」


 

あれ?もっと言い返してくると思ったんだけどなぁ……どやらお菓子の事が気になり、チラチラと菓子を見て食べたそうにしているので可哀想になってきたので、からかうのは止めといた。


 

「あはは……♪アリーナが食べると思って残しておいた」


「でしょ~だったら、わたしのじゃん♪」


「だな。気にせずに食べても良いぞ。俺は紅茶を頼む」


 

近くのメイドに頼んだ。


 

「ユウヤって……こんな暮らしにも慣れてるの?良く平気でメイドさんに頼めるねぇ……わたしはムリだよぉ……」


「まぁ~な~。そのうちにアリーナも慣れるんじゃないか?」


「慣れないよ~こんな暮らししたこと無いし、これからも無いと思うし。ユウヤは、やっぱり貴族じゃん!嘘つきぃ~!」


 

アリーナがそう言うと、俺の頬を摘もうとしていて……お付きの人がアリーナの俺に対する対応を見て顔色が悪くなってきていた。


 

「やめろって~あはは……。だから俺は、貴族じゃないけどな~。なぁ?」


 

俺が、お付きの人の方を見て聞いてみた。


 

「は、はい。た、確かに……貴族ではございません」


 

緊張をした雰囲気で聞いた事だけに答え余計な事は言わなかった。うん。流石だね。


 

「な。貴族じゃないだろ?」


「うぅ~ん……貴族っぽいけどなぁ~」


 

俺の菓子を全部食べ終えて、まだ食べたそうにしていたのでアリーナに聞いてみた。


 

「まだ食べるのか?」


「だって美味しいんだも~んっ」


「別に食べるのは良いけど太るぞ?」


「うぅ~ん……太っても良いし~」


 

おいおい……せっかく可愛くてスタイルが良いのに太られたら勿体ないぞ……


 

「俺は、今の可愛いままで居て欲しいんだけど……」


「あ。う、うん……じゃあ、やめとくっ!」


 

アリーナが「あっ!」という表情で食欲を抑えた様だったが残念そうに空になった皿を見つめていた。


 

「これからも食べさせてあげるから、そんなにガッカリした顔をするなよ」


「でもさ~王城だから食べれるんじゃないの?多分わたしの居た町じゃ売ってないよ?他の町でも売ってないんじゃないの?」


「そうだな……貰っていくか」


「それは……ダメじゃない?国王様が怒るってばっ!」


「金を払えば問題ないんじゃないか?」


「これは……結構、高いと思うよ?」


「要らないのか?」


「要るっ!欲しい……食べたいっ♪」


「じゃあ貰っていくか」


「うん!」


「そういう事で頼んだぞ」


 

お付きの者に頼んでおいた。


 

「かしこまりました。量の方は?」


「ん~今の量を2週間で分頼む」


「は、はい。早急に手配を致します」


 

慌てて走って部屋を出ていった。


 

「2週間分って……お金大丈夫?」


「問題無いって」


 

ん?……お菓子ってアイテムにも色々と、あった気がする……甘い物は貴重って設定だったか……失敗したか。無駄な出費だったか……今更、取り消せないしなぁ……


 

さて、次は……アリーナの服を揃えるか。


流石に女性の服は持ってない……たまにドロップする事があってもハオルチアの仲間に渡してたし。


 

「よし。出かけるぞ」


「え?う、うん……どこにぃ?」


「それは秘密」


「えぇ……じゃあ行かない~」


「そっか……じゃあ留守番な」


「え?ホントに置いてく気なの?ヒドイ。ずっと一緒だって約束したのにぃ~」


「だって一緒に来ないんだろ?ここは安全だから大丈夫だろ」


「安全って……わたし、ここで拐われたんですけど……?」


「そうだった……でも皆、分かったから大丈夫じゃないか?」


 

ニヤッ。と笑うと抱きついてきた。


 

「ばかぁ……。一緒に行くに決まってるでしょ。ホントに置いていくつもりだったぁ?」


「そんな訳ないだろ」


「ホントかな~?」


「ホントだって。一人でお城に居てもヒマだろ?それに一人で留守番は出来ないだろ」


「はぁ?留守番くらいできるしっ。ずっと一人で暮らしてたんだよ?ふんっ」


 

あ、ヤバい怒らせちゃった?


 

「じゃあ……行くぞ?」


「う、うん……」


「悪かったって。からかい過ぎた……」


「もう一人でいたくないの……」


「そうだな。俺も、同じだだ。一人で居るのは、つまらないよな」


「それに寂しいよ……」


 

 

その頃……

 

アリーナを奴隷商に売ったバカな兵士長の仲間たちが、結束をして酒場の個室でユウヤを襲う計画を立てていた。

 

兵士長とは歩兵より少し上の位で下っ端のゴロツキだった。だがバカな兵士長の兄は運が良く出世をしていて、小隊の副隊長になっていてゴロツキの兵士達を集めていたのだ。


 

「アイツは、どこに行ったんだ?」


「なんか、どこかの王国のお偉いさんらしいぞ?」


「そんなの関係ないだろ!俺達に歯向かってきた奴だぞ?許したら他の奴らにナメられるぞ!」


「アイツは、この王国の軍の恐ろしさを知らないんだろ?たっぷりと教えてやろうじゃないか!」


「ホントにお偉いさんなのか?護衛も連れていないという報告だったぞ」


「だったら町に出てきた所を拐えば良いんじゃないのか?」


「そうだな、出てきた所を拐おう」


 

こんな適当な作戦会議をして作戦を立てたと満足気な集団だった。

 

 

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