第17話 久し振りにギルドに行くと、面倒な話をギルマスからされた。

あぁ……そっか~アイテム収納が無いと取りに行かないといけないのか、探さないといけないし面倒だな。しかも地面に落ちてる肉って不衛生じゃん。それに……一定時間を過ぎると消えるのね。


 

「それより……ちゃんと獲れたのぉ〜?」


 

アリーナが心配そうな表情で見つめてきた。……俺を誰だと思ってるんだよ……にひひ……♪と笑いながら報告した。


 

「あ。うん。ちゃんと獲れたぞーウサギ5匹にイノシシを1匹をなー」


「え?は~?イノシシ……って凄い!?良く倒せ……あ、ユウヤなら倒せるよね……」


「まだ山菜は採るの?」


「いっぱい採れたよ」


「午前中に目標にしてたヤツが終わっちゃったじゃん」


「はぁ……普通は、そんなに獲れないってばっ」


「あはは……俺、狩りの才能があったみたい」


「ううぅ……ズルい……わたしなんか罠を仕掛けて、やっと1匹だよぉ」


「そうなんだ~でも効率が良いな。山菜を採りながら帰りに獲れてたら最高じゃん」


「うん。獲れてたら、ちょ~う嬉しいよ♪」


「分かるわ~」


「えぇ……ホントに分かるの?そんなに簡単にウサギを獲ってるのに?」


 

分かるっての!子供の時に、まぁ……昆虫や魚だったけど罠を仕掛けておいて、捕れた時の感動と嬉しさは覚えてるぞ。また、それとは違うと思うけどな……アリーナには生活が掛かってるし。


 

「分かるって。狩りと罠は違った嬉しさがあるよな」


「うぅ~ん……狩りは、した事が無いから分からないけど……」


「これで昼飯は食べれるよな?」


「う、うん……料理……がんばるっ」


「あれ?嬉しそうじゃないけど?イノシシは要らなかった?」


「違うってばぁ~イノシシ料理なんて知ら無いから……困ってるのっ!」


「豚肉と同じで良いんじゃないの?」


「そうなの?」


 

まぁ……聞いた話だけど豚肉より脂身が多くて少し味が違うくらいって聞いたことある。


 

「うん。だから、いつも通りで良いんじゃないか?」


「そっか~分かった~」


 

アリーナは、ご機嫌になり俺と腕を組んで嬉しそうに一緒に帰り、俺がキッチンでイノシシの肉を出すと……


 

「うわぁ!デカすぎぃ!これ、ど~するのよっ!?保存できないし!こんなに使い切れないよっ!?」


「使う分だけ切り取れば良いんじゃないの?」


「わ、分かった……はい。使う分だけ切り取ったよ……食べ終わるまで何日掛かるんだろ……」


「まぁ異次元収納しておけば傷まないから大丈夫だろ?使いたくなったら、いつでも新鮮なイノシシ肉が使えるようになったな」


「そっか~便利だねっ」


 

そんな暮らしを1週間程、楽しんでいてアリーナが採ってきた薬草が溜まってきたのでギルドへ売りに行ったら、ギルマスが緊張をした面持ちで近寄ってきて俺に話を掛けてきた。


 

話の内容は……王様から会いたいと言う話がギルド経由で言われ招待状という名の出頭命令が届いたらしい。


 

はぁ……ギルド経由って事はギルドから話が漏れたんだろ?っていうかギルマスが王様に報告したんだろどうせ。


 

「はぁ……で、拒否したらどうなるんです?」


「は?え……?王様の招待状だぞ……?」


「俺は王国の民じゃないんですけど?」


「そうなのか?」


 

ギルマスがヤバいという表情になった。冒険者なんだから世界中を旅をして、どこで暮らそうが自由だ。その代わり町や村に家を買い住めば魔物退治の実績や最低ノルマがある。魔物討伐が難しい低ランク冒険者には薬草採集のノルマがあるけどね。

 


「俺は冒険者で、どこの民でも無いですし決まった定住場所や居住権はもってないですよ」


「悪いんだが頼む……報酬を出そう。な?頼む……!」


「王様からの招待状ですよ……光栄じゃないですかぁ!」


「そうだぞ。光栄だぞ!頼むアリーナからも頼んでくれ!」


「うぅ……金貨1枚出すからユウヤ殿と一緒に行ってきてくれ!」


「はい?わ、わたしもですか?」


「ユウヤ殿には……金貨を……5枚出す!頼むから行ってきてくれ!」


 

はい。ギルマスが報告したの決定だな……じゃなきゃ大金を支払う必要はないだろ。


 

「ねぇねぇ~一緒に旅行しよっ♪」


 

アリーナが一緒に付いてくる気まんまんだし、一緒に旅が出来るなら良いけど……


 

「まぁ……良いけど。報酬はもらうぞ」


「勿論だ。おい!金貨6枚をお支払いしろ!」


 

ギルマスが受付嬢に指示を出すとアリーナに金貨6枚を差し出してきた。本当に払うんだ?


 

「わぁ~い♪ありがとうございます」


「歩いていくとなると……ここから数週間くらいか」


「あ、急で申し訳ないんだが……すでに迎えの馬車はギルドの裏で待機していて……明日に出発予定なんだ」


「そうなのか?急用なのか?」


 

ギルマスが近寄ってきて耳元で小さな声で言ってきた。


 

「そりゃそうだろ……王国内でSSS級の冒険者が発見されたんだからな……」


「そんなに珍しいのか?」


「そりゃ珍しいだろ……英雄級の冒険者だぞ?5つの王国以上の王が功績を認めさせる功績を成し遂げないとだぞ?普通は無理だろ更に皇帝陛下にも認められないとだしな…… 」


 

そういう事になってるのね……


 

「それで何で呼ばれたんです?」


「そこまでは聞いていないが……王様の護衛とかか?でも急ぎな感じだから王国でも手に負えない魔物の討伐依頼とかじゃないのか?」


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