第15話 アリーナの家で過ごした。
「えっと……俺は、どこに居れば良いかな?」
「ん?どこでも良いよ?寝室でもリビングでも……キッチンで料理を作ってくれてもぉ……♪ えへへ……」
料理を作りたくないのか、料理をと強調して言ってくるのでキッチンから離れている寝室に行くかぁ~
「あじゃあ……寝室に行ってるなー」
そう俺が言うと、何かを思い出したのか……あっ!という表情して慌てて俺の腕を掴んできた。
「はぁい……あっ!?ちょ、ちょっと待って!下着が置きっぱなしかもっ!?」
「あ、なんだよ~見たかったのに~」
「ばかぁ~そんな見せれるような下着じゃないしっ!」
ん?アリーナ……見せれるような下着持ってるのかな?想像してニヤニヤとしてしまう。アリーナが慌てて寝室に行ってゴソゴソと仕舞ってる音がする……その間にリビングにあったボロボロのソファーに座ってアリーナが戻ってくるのを待っていると疲れた表情をして戻ってきた。
「危なかったぁ……着替えとか下着が散乱してて見せれる状態じゃなかった……ふぅ~……疲れたぁ……」
討伐の遠征から帰ってきて、疲れてるのに夕食を任せるのは可哀想だったか……。ただアリーナの手料理が食べたかったんだけどな~
「まぁ……今日は、俺が用意するわ」
「えっ!?ありがと……たすかる~♪大好きっ!」
簡単に好きだとか言うなっての!まったく……
「はいはい……」
「ううぅ……もっと家が広くてキレイだったらなぁ~」
ん?前に話を聞いてたけど……思い入れがある家じゃなかったの?なんだか大切な場所で、ずっと生活をして過ごしたい様に感じていたんだけど?
「ん?愛着のある家なんじゃないの?」
「うぅ~ん……別に良い思い出も無いしぃ……なんだろ……自分の家ってだけで落ち着ける場所なだけかなぁ」
自分だけの落ち着ける場所があれば問題ないってこと?
「そうなんだ?じゃあ引っ越しとかして、自分の家が他に出来ても気にしない感じ?」
「そりゃ……広くてキレイなお家が手に入れば、そっちの方が良いよ」
ん?引っ越しても問題ないのか?まぁ……これからどうなるか分からないけど……遠征先で良い場所があって、そこに住むことになっても問題ないってこと?
「両親とかとの思い出は?」
「ん~殆ど両親は家に居なかったし、わたしは家事を手伝ったり薬草を摘んで外に出てたしなぁ……」
「そうなんだ?へぇ~……この街にも思い入れは無さそうな感じ?」
「うん。無いかな……友達も少ないしなぁ……たまに一緒に薬草を摘んでいた子も引っ越しちゃったし。貧乏で……あんまり良い思い出は無いかなぁ……」
「貧乏なら、ご近所さんに助けてもらったりしてたんじゃないの?」
「う~ん……無かったかな……」
うわ。日本のご近所さんの助け合いのイメージを持ってたけど無いのか……そうか……助け合いは無いのね。
お互いに貧乏で、近所付き合いどころじゃなかったのかな?それか助け合うっていう習慣が無いのか?
夕食も食べ終わり暗くなってきたので寝室に二人で入りベッドに横になった。
「あ、ねぇねぇ~またキレイにしてくれるかなぁ……一緒に寝るし……臭いが気になっちゃう……」
「あ、うん」
アリーナに洗浄魔法を掛けたついでに自分にも掛けた。
「わぁ~い♪ 便利で良いなぁ~。ありがと……ちゅ♡」
「だから簡単にキスをするなって~」
「ふぅ~ん……そんな事を行っちゃうんだぁ? わたしが寝てる時に、ユウヤもキスをしてたじゃんっ」
「うっ。……すみません」
アリーナのキスは嬉しいけど・・・急にしてくるし心臓に悪い。それに……ドキドキするだろ……まったく……
「えぇ。怒ってないし、嬉しかったよっ♡」
「それなら良かった……」
「早く寝よっ♪」
またアリーナから抱きしめてきた。はぁ……この感触と匂いと温かさ……癒やされるな。なんだろ……この安心感……心地が良い……
俺もアリーナを抱きしめて眠りについた。
翌朝……
うぅ~ん……はぁ~良く寝た。アリーナを抱きしめて頬にキスをしてアリーナの頬の柔らかい感触を楽しんでいるとアリーナが目を覚ました。
「おはよ……うぅ~ん……ふあぁ~……ちゅ♡」
「あくびをしながらキスって……」
「あ、ゴメンね……えへへ……♪」
アリーナが自分のパジャマを着ていて普段と違って少し色っぽい……というか、普段見れる事がないパジャマ姿だし……可愛い。
急ぎでもないので、寝ながら今日の予定の話し合いをしておく。
「今日は、何するよ?」
「ん……山菜採り?それに……ウサギとか鳥を獲りに行こうかぁ?」
「お。アリーナの得意料理だな」
「得意料理っていうか・・・それしか材料なかったし、それしか知らないしー」
「普段のアリーナの食事で良いんじゃない?」
「えぇ……わたし飽きたし。ユウヤに食べさせられる料理じゃないよ……?」
「俺は、飽きてないしアリーナの料理が食べたいから決定な~」
「はぁい……」
アリーナが不安そうな表情で、仕方無さそうに返事をしていた。
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