第5話 早速、討伐の依頼の場所へ向けて出発した。

「いや。アリーナがリーダーだろ」


「それでもリーダーって呼ばないで!恥ずかしいっ。ヨワヨワだしぃ……」


「はいはい。じゃあアリーナで良いのか?」


「さっきから、そう呼んでたじゃないですかぁ!」


「あ、そっか……俺は、普通にユウヤで良いからな」



そう言うとアリーナが顔を赤くして目を逸らして戸惑いながら名前を呼んできた。



「え?あ……えっと……ゆ、ユウヤ?」


「おい。なんで疑問形なんだよ……」


「だってぇ……緊張するんだもんっ!」


「慣れてくれ」


「う、うん」


 

目的の村までは、う〜ん……この速度なら3日は掛かるかな……俺一人なら1日って所かな。そうだ……ゲームだと野営とかしないけど、現在は生身の体で空腹も疲れもあるんだよな……それに眠気もあるから睡眠もしなきゃだろ?って事はテントを購入しなきゃだろ……?そんなアイテムあったっけ?売ってるのか?


 

「な~テントって売ってるのか?」


「わたしが持ってるよ?」


「そうなんだ?俺は持ってないからさ」


「だから~わたしが、持ってるって」


 

へぇ~テント売ってるんだ?俺も買わないとじゃん?一緒に寝る訳にはいかないからな。


 

「いや、アリーナが持ってても一緒に寝られないだろ。町に戻って買わないとな」


「えぇ!?せっかく奮発して中古だけど大きめを買っちゃったよ?だから二人でも寝れるよっ!」


「いや、だから同じテントで寝る気なのか?」


「はい?わたしと同じテントが嫌なの……?」


 

うわ。そんな悲しそうな表情をするなっての……


 

「あ、うん。じゃあ一緒のテントに寝るか……」


「うんっ♪」


 

あ、そういえば寝袋はあったよな……ステータス異常の回復、体力の全回復アイテムとして使用してだけど……使ったら消費されちゃうのか?だとしたら面倒だな……消費しない寝袋を買わないといけなくなるな。いや……そうなったら毛布だけでも良いか。


 

「アリーナは何で寝るんだ?」


「ん?わたしは、毛布かなぁ……くるくる~って包まって寝るよぉ♪」


 

うわ。想像すると可愛いな……アリーナ巻きか……それ見てみたい。って魔物に襲われたら直ぐに反応できないし動けないんじゃ?それ……ダメじゃない?


まあ……アリーナ巻を担いで逃げればいいしバリアもあるから良いか、アリーナ巻きにも興味があるしな。


 

「そ、そっか……」


 

食事もだよな~美味いのかな……?ゲーム内の食事って、ゴミアイテムだと思っていたパン……かなり処分しても勝手に入手されてたパンだけど、食べられとなれば貴重になってくるな。体力が確か500回復だったっけか。体力回復だけを見るとゴミアイテムだけど空腹を満たせられると考えると、かなり優秀になるよな。他にも肉やスープもあったよな……無駄に種類が多くてウザかったけど、今は逆に種類があって助かるな。

 

処分を諦めて放置してたから大量に全種類マックスまで所持してるけど……食えるのか?パンを出してみるか。もしかしたら回復アイテムになっていて空腹を満たさずに体力が回復をして消費される可能性もあるしな……そしたら途中で食料を仕入れないとな。


 

試しにパンを取り出してみた。


 

おおぉ!焼き立てのパンが出てきた……しかも熱々じゃん!匂いも美味しそうだな……千切って口に入れてみた……うわ。美味い。


 

「アリーナも要るか?これ美味いぞ」


「うわっ。いつの間に買ったんですか!お、美味しそぉ……頂けます?実は……朝から、ずっとお腹が空いてたの……」


 

アリーナが涎を垂らしそうな表情でパンを見つめて欲しそうに近寄ってきた。


「なんだよ。だったらちゃんと言えよなぁ〜」


「だってぇ……お金ないですし……食料も持っていないのに初対面の人に「お腹か空きましたね。わたし食料ないですけど、食事にしませんか?」なんて言えないですよ」



申し訳無さそうに言ってくるが敬語に戻ってて気に入らない。もっと仲の良い感じに言って欲しいよな~しばらく一緒に行動するんだし。


 

「また敬語になってるぞ。はい、もう1回」


「ううぅ・・お金持ってないし、食料無いんだもんっ。初対面の人にお腹が空いたなんて言えないでしょ!」


「はい。じゃあ休憩にしますか?」


「え?ホント?わぁ~い♪休憩だぁ~」


 

もしかして、もう疲れてたとか?お腹空いてただけだよな?それに遠慮とかされても戦闘で悪影響が出るし、疲れていたり体調不良なのに隠していたら最悪死ぬからな。


 

「今度から何かあったら相談とか何でも言えよ?」


「うん。分かったぁ~♪」


 

道から離れた場所に一応テントを設営して休めるようにしておいて、アリーナには休んでもらって……俺は焚き火を焚いて調理をしてる様にしてテーブルのセットを出して料理を並べた。

 

ちなみに家具などもアイテムに存在する……


気に入った町の家を購入して住めるようになり、自分の好きな家具を置いたり壁紙も自由に替えられる。俺も数件の豪邸を所有していたりする。

 

他にはパーティの拠点として集まって会議とかも出来る。勿論パーティの拠点はリアルで働いている俺が金を出してポイントで購入しているので各町にパーティで使用していた物件は全ては所有者は俺だ。

 

それでリーダーと呼ばれる様になってリーダーとして扱われるようになってリーダーをやって纏めていた……個性的でワガママなヤツラばかりで纏めるのは大変だけど……だけど強いし、詳しい。戦略等に優れたヤツばかりだったので頼りになったな……また会えたりするのかな?最強のパーティ、ハオルチアのメンバーに……

 

 

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