第7話 新たなる闇

天影丸の呪いを完全に解いた三田村義隆は、久しぶりに平穏な日々を取り戻していた。しかし、彼の安堵も束の間、新たな謎と危険が彼の元に訪れることとなる。


ある日、三田村は自宅で書類整理をしていると、電話が鳴り響いた。電話の相手は、古い友人であり、著名な考古学者の中島教授だった。中島教授は緊迫した声で話し始めた。


「三田村君、君の助けが必要なんだ。新たに発見された古代遺跡で奇妙なことが起きている。」


三田村は詳細を聞くために教授と会うことにした。教授の研究室で、彼は最近発見された遺跡の写真や資料を見せられた。その遺跡は、天影丸と同じ時代に作られたものであり、奇妙な呪いがかけられているという。


「遺跡の内部には、古代の武器や儀式の道具が見つかっているが、その中に天影丸に似た刀もあるんだ。」


三田村は興味深く資料を見つめながら、再び闇の力が関与していることを感じ取った。彼は教授と共に、遺跡の調査に向かうことを決意した。


遺跡に到着した三田村と教授は、古代の石造りの通路を進みながら、その内部を探査した。壁には古代の文字や絵が刻まれており、その中には天影丸に関する情報も含まれていた。


遺跡の奥深くにたどり着くと、そこには大きな祭壇があり、その上には天影丸に似た刀が置かれていた。刀の周囲には奇妙な光が漂い、その刃には不気味な刻印が浮かび上がっていた。


「これは…。」


三田村が刀に触れようとした瞬間、突然激しい風が吹き荒れ、祭壇の周囲に闇が広がり始めた。彼はすぐにその場を離れ、教授と共に安全な場所に避難した。


「この刀には、まだ何かが隠されている。」


三田村はその夜、教授と共に遺跡の近くでキャンプを張り、古代の文献を再び調べ始めた。文献には、天影丸に似た刀が持つ呪いと、それを封じるための方法が記されていた。


「この呪いを解くためには、刀が作られた場所で特定の儀式を行う必要がある。」


翌日、三田村と教授は遺跡の中で儀式を行うための準備を始めた。彼らは祭壇の周囲に特定の印を描き、古代の経文を唱えながら、刀の呪いを封じるための祈りを捧げた。


「全ての邪悪な力よ、この刀と共に消え去れ!」


その瞬間、刀が激しく光を放ち、次第にその光が闇を照らし出した。闇が消え去ると共に、刀も静かに光を失い、普通の刃物に戻った。


「これで…終わったのか。」


三田村は刀を見つめながら、呪いが完全に解けたことを確信した。しかし、その背後で何かが動く気配を感じた。彼が振り返ると、遺跡の奥から奇妙な影が現れ、その目には邪悪な光が宿っていた。


「これは…まだ終わっていない。」


三田村はその影を追いかけ、遺跡の奥深くへと進んだ。そこには、さらに大きな秘密が隠されているのかもしれない。


**次回予告:** 三田村は新たな遺跡で再び闇の力と対峙する。遺跡の奥深くには何が隠されているのか?そして、彼に待ち受ける新たな恐怖とは?次回、「闇の核心」、お楽しみに。

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【完結】魂の刃(たましいのやいば) 湊 マチ @minatomachi

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