第6話:宮前家に留まったルフィア。

「君は可愛いいし・・・その・・・魔法使いなんてイケてるし・・・」

「俺としては、できたら君にここにいてほしいって・・・思ってる」

「正直言って、君のこと好感持ってるから」


「ほんとにそう思ってる?、私にいて欲しいって・・・」


「思ってるよ」

「思ってなかったら引き止めたりしないだろ?」

「だから、帰るなんて言わないで、しばらくここにいてよ、ね 」


ルフィアは陸の目を見て、小さくうなずいた。

なんとなくだけど、うまく陸に言いくるめられた気がした。


陸に説得されて、ルフィアは地球にとどまることになった。


陸は自分の記憶が定かじゃなかったから、ルフィアがこの地球にいた時からの

話をルフィアに聞かせてもらった。


「なるほどね・・・なんとなくだけど、君が自分の星へ帰っちゃうって

聞いた時は、なんか悲しかった気がする・・・」

「たぶん、少しづついろんなことを思い出してきそうだよ」


「俺は明日も学校休みだから、話、いろいろ聞かせて?」

「今日はもう遅いから・・・また明日ね・・・」


その夜、ルフィアは二階の陸の隣の部屋で寝た。


ルフィアは自分の考えが甘かったことを知った。

冷静になって考えたら陸の言ってることは正しいと思った。


でもルフィアは誰がなんと言おうと自分のお婿さんは陸だと決めていた。

今更、後には引けない。

いろんなことが脳裏を駆け巡った。


結局、夜が白むまでルフィアは眠れなかった。


次の朝、少し遅く起きたルフィアは一階に下りて行くと、人の気配がなくて

部屋を見回してみても真由美さんの姿も見当たらなかった。


この家には二人しかいないんだから誰か外に出てたら分からないよねって

ルフィアは思った。

もしかしたらと思って台所を覗いてみると真由美さんが朝食の支度をしていた。


「あ、いた・・・」


ルフィアは少しホッとした。


改めて陸の母親のことを紹介すると名前は「宮前 真由美みやまえ まゆみ

職業は作家さん・・・ 児童書やエッセイ・絵本を描いているけっこう有名な人。

ペンネームは「白鳥スワン」


年齢は秘密・・・でも歳のわりに若く見える。

一番売れてる作品は「ルキアさんの憂鬱」英題「Rukia's melancholy」 実は

この作品は若い頃のルフィアの母親ルキアさんがモデルになっているんだ。


「真由美さん、おはようございます」


「あ、おはようルフィア・・・眠れた」


「あまり・・・」


「そうだよね、人んちじゃ、なかなか眠れないわよね・・・」

「すぐに朝食にするからね」


「あの、陸はここにしばらくいていいって言ってくれたんですけど」

「いいんでしょうか・・・迷惑じゃ」


「何言ってるの・・・迷惑なわけないでしょ」

「好きなだけいていいのよ」

「あなたひとり増えても家計に響かないからね」


そう言って真由美さんは笑った。


「それに他に行くところないでしょ」


「ありがとうございます」


「遠慮しなくていいからね」

「あ、洗面所、トイレの手前だから・・・」


「顔、洗ってらっしゃい、ルフィアの分は用意してあるから」


洗面所に行くとちゃんと歯ブラシとタオルが用意してあった。


顔を洗って歯も磨いて洗面所から出てきたルフィアは、二階を見ながら

陸はまだ寝てるのかなって思った。


(私が地球に来る時、陸がいると思った日を選んだんだから今日、陸・・・

学校お休みだしね)


つづく。


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