第22話 リーナの決意

クロノファミリー

ゼオ  ハンド  レイカ  マスターシャル

ライ  メディー


ホワイトフェザー

ララ ネル


リーナ  マッコウ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


リーナ「皆んなお帰り!」


マッコウ「おうリーナ!」


ライ「ただいまぁ〜」


ゼオ「ただ、、い、、、ま、、、」


リーナ「なんでゼオは担がれてるの?」


ライ「魔力切れだよ、アホだから加減を知らないんだ」


ゼオ「クソ、、、言い返す力も、、ねぇわ、、」


リーナ「モンスターは、、、どうだった?」


マッコウ「この2人がよ、やってくれたぞ!!」


ライ「海の底に沈んでいったからもう大丈夫だよ」




それを聞いたリーナは今にも泣きそうな顔をした



ゼオ「ぶった斬ったのは俺だからな!見してやりたかったぞ俺の勇猛なる姿をな!!」


ライ「おぉ、、急に元気になりやがる」


ゼオ「もう泣かなくていいぞリーナ!親の仇はいない!だから好きな事を好きなだけやれよ!!」


リーナ「ゼオ、、、担がれたままだから全然カッコよく見えない、、、」


ゼオ「なん、、、だと、、!?」



そう言ったリーナは涙を流したが笑顔だった


しばらくすると動けるようにもなった

モンスターを討伐した事で村の人達は大喜びだ

その日の夜は村で皆んなお祭り騒ぎだ



村人1「くぅー!酒がうめぇー!!」


村人2「また漁ができるな!!」


ライ「皆んな嬉しそうだな〜」


ゼオ「いやぁ!こんなもてなされるとはな!だっはっは!!」


ライ「もう酔ってんのかお前は?」


リーナ「見て見て!お菓子上手にできたよ!」


ライ「おぉ!良い匂い、美味しそうだな!」


リーナ「モンスターやっつけてくれて本当にありがとう!」


ゼオ「ふふん、あの程度俺にすれば朝飯前、いや寝起きの水前後だな!」


ライ「意味がわからん」


リーナ「あのね、依頼したらお金払わなきゃだよね?今お金ないからさ、働いて少しずつでも払っていくから!」


ゼオ「ん?報酬ならもう貰ってるぞ?」


リーナ「??」


ゼオ「このお菓子、討伐対価には充分な美味さだ!クセになっちまいそうだなぁ〜」


リーナ「え?でもこれじゃあ、、、」


ゼオ「まだくれんのか?ならたまにでも良いからリーナが作った菓子を俺たちのいるクロノファミリーに送ってくれないか?」


リーナ「うん、、うん!!たくさん作ってたくさん送る!!ありがとう!!」


村人「おーいリーナ!こっちにもくれぇー!!」


リーナ「はーい!また後でね!ありがとう!!」


ゼオ「ほーいほいー」


ライ「、、、カッコつけた事するじゃないか?んん?ブスのくせに」


ゼオ「ブスじゃねーし?誰がブスじゃ?羨ましいのかこのフェイスが?あぁん?」


ライ「鼻くそ目の下に付けてよく言うわ、涙ホクロみたいになってんぞ」


ゼオ「あん?そんな訳ねーだ、、、嘘だろ?何でこんなとこ付くんだよっか早く言えよジワジワ恥ずかしさきちゃってるじゃねーかよ」


マッコウ「おう!英雄のお2人さん!」


ゼオ「英雄は俺だけだ!!」


ライ「ほざけ!テメーは英雄のペットが垂らしたヨダレだ!!」


ゼオ「そ、そこまで俺を落とすか、、、?」


マッコウ「あんなに楽しそうなリーナを見たのは久しぶりだ、村の奴らもこんなにも笑って騒いでバカやってる姿を見るのもだ。感謝しているぞ、ありがとう」


ライ「いえ、自分達は仕事をしたまでですのでそんな感謝されるような事は、、、」


ゼオ「これから一生俺を英雄と褒め称えてくれたまえ!」


ライ「頼むから一生喋んないでくれ」


マッコウ「がっはっはっ!!報酬ははずんだからよ!」


ライ「ありがとうございます!」


マッコウ「明日には出るのか?」


ライ「はい、ギルドに帰ります」


マッコウ「そうか、いつでもここに来てくれよ!そん時は新鮮な海の幸食わしてやるからな!!」


ゼオ「おぉ!!飯に困ったらここにくりゃいいんじゃんか!!」


ライ「もう本当黙るかくたばってくれ」


マッコウ「今日はたくさん食って呑んで騒いでいってくれ!!」


ゼオ&ライ「おぉーー!!!」



祭り騒ぎは夜遅くまで続いた

こんなにも喜んでくれるなんてな、、、

諦めなくて良かったなぁ


ーー翌日ーー



ライ「忘れもんはないかバカ?」


ゼオ「おうおう、朝から喧嘩うってくれるじゃねーか?」


リーナ「もう行くの?」


ゼオ「おう、他にも俺たちを必要としてくれてる人達がいるからな!」


ライ「お前はどうだろうな?必要ないんじゃないか?」


ゼオ「お前も海の底に沈めてやろうか?」


ネル「そうね、必要かどうか私達が確認してあげるわ」



ガチャンッ



ゼオ「、、、ん?」


ライ「???」


リーナ「ゼオ何か悪い事したの?」


ゼオ「身に覚えがないんだが?何故ここにネルが?何故俺は手錠を?なーぜなーぜ??」


ネル「隣町から通報があった、少女を鬼の形相で追い掛けているヤバい奴がいるとな。特徴がすべてお前に当てはまったからちょっと本部にきてもらおーか?」


ゼオ(リーナを追いかけてる時に通報されたのか?そんなヤバい顔してたのか俺?)


ライ「、、、マスターには俺から言っとくからな?あいつとうとうやりましたって」


ゼオ「それダメじゃねーか、なんだとうとうやりましたって?リーナ!言ってくれ!間違いだって!!」


リーナ「確かにゼオは大人として終わってるしカッコよくないし不審者だと思われてもおかしくないけど私達のヒーローなんだよ!!」


ゼオ「最初の方いらなーい、最初の方言わなくても良かった事〜」


ネル「こいつにそう言えって言われてるの?大丈夫よ?お姉さんがどつき回しとくからね?」


ゼオ「どつき回すって聞こえたんだけど?あんたら本当に世の中守ってんの?」


リーナ「ゼオ達はね、私の親の仇取ってくれたんだよ!モンスターをやっつけてくれたの!!」


マッコウ「本当だぜ、俺達もこの英雄さん達のお陰でまた仕事ができるんだ!」


ネル「ふむ、、、」


ゼオ「な?俺良いやつだったろ?だからこれ外せ!」


ライ「俺達はそこの海にいるモンスター討伐でここにきた、討伐成功したからこれからギルドに帰るところだったんだ」


ゼオ「いいぞ、もっと言ったれ!そして早くこれ外して!!」


ネル「、、、わかったわ」


ゼオ「よし!わかってくれたならよかった!さぁこれ外してくれ!!」


リーナ「あの、、、お姉さん、、」


ネル「うん?どうしたの?」


ゼオ「あのー、先にこれ、、、」


リーナ「リーナもお姉さんみたくなりたいんだけどどうやったらなれるの?」


ネル「え?私みたいに?」


リーナ「うん、困ってる人助けたり悪い人やモンスターをやっつけてるんでしょ?聞いた事あるよ!リーナもなりたいの!お父さんとお母さんが誰かの為に頑張ってる姿みていつかなりたいなって思ってたの!」


ネル「、、、」


マッコウ「リーナの親はモンスターにやられちまってよ、俺たちを逃すためにな」


リーナ「お願い!リーナをお姉さんのとこへ連れて行って!」


ネル「そうね、私が上司に話してあげるからホワイトフェザーへおいで!」


リーナ「本当?いいの?」


ネル「リーナちゃんの想いはちゃんと伝わったよ、うちにおいで?」


リーナ「やった!!ありがとう!!」


ゼオ「いいのか?このネルって女は人の皮を被った鬼だぞ?」


ネル「檻の中で生涯迎えたい?」


ゼオ「ヒェッ」


マッコウ「しばらく会えなくなるのかリーナ、寂しくなるなぁ、、、」


リーナ「マッコウおじちゃん!ちゃんと顔出しにくるからね!」


マッコウ「おぉ!いつでも来いよ!!」


ネル「それじゃ一度本部の方に一緒に行こっか?」


リーナ「うん!あ!ちょっと待ってて!お父さんとお母さんに挨拶してくる!!」



そう言ってリーナは昨日泣いていたあの海の見える場所へ走って行った

俺もコソッとついて行くことにした



ゼオ「なんでネルもくるんだよ?」


ネル「なんかあんた怪しいから、そのままあの子攫ったりしそうで」


ゼオ「するわけねーだろ!!」


リーナ「お父さーん!お母さーん!リーナもう泣かないからね!お父さんとお母さんみたいに強くてカッコよくて優しい人になる!だから安心してね!ずっとずっと大好きだよぉー!!!」



俺とネルもリーナの横に並んだ



ネル「リーナちゃんは私に任せてください!責任持ってしっかり面倒見ます!」


ゼオ「リーナの作ったお菓子はメチャクチャ美味しかったぞぉー!俺が2人の分まで食って食って食いまくるからー!!安心してー!!!」


ネル「何よそれ?」


ゼオ「まぁいいじゃんかよ、なぁリーナ?」


リーナ「うん!いつかリーナゼオみたいなカッコいい人と会えたらいいなぁ〜」


ネル「ダメよリーナ?こんな奴より良い人はたくさんいるしこいつはダメ人間No.1よ?わかった?」


ゼオ「俺底辺なの?」


ネル「底辺より下よ」


ゼオ「泣けてきた」


リーナ「あはは!」



一瞬風が吹いた

その風は優しく俺達を包み上へ吹いていった

きっともう大丈夫だって安心してくれたんだろうな

リーナの見上げる顔はどこか寂しそうにも見えたが嬉しそうにも見えた




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