第11話 母との再会
クリスタルエアは地球への降下を無事に終え、アリスたちは地球の基地で一息つくことができた。
「地球に着いたわね…やっと少し休める。」サラが安堵の声を漏らす。
「でも、まだ戦いは終わってないわ。私たちは次の戦いに備えなければならない。」アリスは決意を新たにしながら答える。
その時、基地の入り口で一人の女性が待っていた。
「アリス…?」女性の声が聞こえ、アリスは振り返った。
「お母さん!」アリスはその声の主を見て驚き、駆け寄った。
「無事でよかった…」アリスの母親、エリナ・レインボーはアリスを抱きしめた。
アリスと母親の再会は涙と喜びに包まれた。長い間離れていた二人は、戦争の中でもお互いの無事を祈っていた。
「お母さん、元気だった?」アリスは涙を拭いながら尋ねた。
「ええ、なんとかね。でも、あなたが無事で本当に良かった。」エリナは優しく微笑んだ。
「お母さん、私たちはまだ戦いの途中よ。でも、あなたに会えて元気が出たわ。」アリスは母親の手を握りしめた。
再会の喜びも束の間、アリスたちはネメシス帝国の新たな攻撃を受けることとなった。
「アリス、敵機が接近中です!」オペレーターが緊急報告をする。
「すぐに迎撃態勢を整えなきゃ…お母さん、ここは危険よ!」アリスは母親を避難させようとした。
「いいえ、私も一緒に戦うわ。」エリナは毅然とした表情で答えた。
「お母さん…?」アリスは驚いた。
「私も昔はパイロットだったのよ。戦う力はまだ残っているわ。」エリナは決意を込めて言った。
アリスは母親と共に戦うことを決意し、クリスタルエアの迎撃態勢を整えた。
「みんな、母も一緒に戦うわ。全力で迎撃するのよ!」アリスは仲間たちに指示を出した。
「了解、アリス!」サラやカレンも準備を整える。
エリナはかつての愛機「スターシャイン」を再び操縦し、アリスの隣に並んだ。
「お母さん、一緒に戦おう!」アリスは決意を新たにし、ガーディアン・フェアリーウィングを発進させた。
「ええ、アリス。私たちの力を見せてあげましょう!」エリナもスターシャインを操縦し、敵に立ち向かった。
アリスとエリナは見事な連携でネメシス帝国のバトルメカを次々と撃破していった。
「右から敵機が来るわ、気をつけて!」エリナが警告する。
「了解、お母さん!」アリスは即座に反応し、ビームキャノンを発射して敵機を撃墜した。
「さすが、私の娘ね!」エリナは誇らしげに微笑んだ。
しかし、戦況は厳しさを増していた。次々と押し寄せる敵に対し、クリスタルエアの防衛は限界に近づいていた。
「アリス、このままでは全滅してしまうわ…」サラが焦りを滲ませながら叫ぶ。
「まだ諦めないわ。私たちにはまだ力がある!」アリスは必死に仲間たちを鼓舞する。
「アリス、私たちの絆を信じて戦うのよ。」エリナは娘に優しく微笑みかけた。
「お母さん…うん、分かった!」アリスは再び力を振り絞り、敵に立ち向かった。
アリスとエリナ、そしてクリスタルエアの仲間たちは最後の力を振り絞り、ネメシス帝国の攻撃を撃退することに成功した。
「やったわ、みんな!」アリスは歓喜の声を上げた。
「本当に良くやったわ、アリス。」エリナは娘を抱きしめた。
「お母さん、ありがとう。一緒に戦ってくれて。」アリスは涙を流しながら感謝の気持ちを伝えた。
「これからも一緒よ、アリス。私たちは家族だから。」エリナは優しく答えた。
戦いを終えた後、アリスとエリナは一息つくことができた。エリナはアリスに重要な話があると言い出した。
「アリス、実はあなたに話さなければならないことがあるの。」エリナは真剣な表情でアリスに向き合った。
「何、お母さん?」アリスは不安げに尋ねた。
「あなたの本当の父親についてよ。」エリナは深呼吸をして話を始めた。「あなたの父親は実は、クリスタルエアの艦長、ベリンダ・サンシャインなの。」
「えっ…?」アリスは信じられない気持ちで母親を見つめた。「どういうこと?」
「ベリンダは若い頃、男性として生きていたの。でも、あなたが生まれてすぐに、彼女は女性としての人生を選んだの。」エリナは涙を浮かべながら説明した。
「じゃあ、私は…」アリスは混乱した。
「そう、あなたはベリンダの娘なの。」エリナは娘の手を握りしめた。「彼女はずっとあなたのことを見守ってきたわ。彼女もまた、あなたのことを深く愛しているのよ。」
アリスは衝撃の告白に戸惑いながらも、母親と艦長の愛情を感じた。
「お母さん、艦長…私たちは家族なんだね。」アリスは静かに言った。
「そうよ、アリス。私たちは家族。そして、私たちには戦う理由がある。」エリナは微笑んだ。
「分かった。私はこれからも戦い続けるわ。家族と一緒に。」アリスは決意を新たにした。
アリスと仲間たちの戦いはまだ続く。彼女たちは未来を守るため、そして愛する者たちのために、再び立ち上がるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます