恥ずかしがり屋のきみとめんどくさがりのぼく

ハイリ

プロローグ

怠惰な僕の生活に突然現れた君はあの時何を感じていたんだろう。



「駿~!あんたいつまで寝てんの~?」

階下から聞こえる母の声に起こされる。

{夏休みなんだから別にいいだろ~}

そんなことを考えながら、むくりと重力に逆らうように身を起こす。

スマホを探し時間を確認し、あくびをしながら階段を降りる。


「やっと起きた~マジで遅すぎ~」

「へ~へ~。」

俺より一つ上の姉 千夏は最近になってやけに口うるさくなってきた。

「あんたさ~もう高校生っしょ?いい加減自立しなよ」

{わかってるつの。}

口から出そうになった言葉を飲み込んで頭の中でつぶやく。

上に姉をもつ弟はつらい。

基本的に逆らえない。手のひらにあるビー玉のように相手の思うように使われる。

勝てないケンカをすることほど時間の無駄はない。

限りある高校生活を有意義に過ごすという目標を持つ俺にとって

その時間ほどいらないものはない。

いつの間にか千夏に対して反抗することはなくなった。


冷えた朝ご飯を食べ、身支度を整え家を出る。

夏休みが始まって1週間たった。

宿題をすることもなく、今日もぶらぶらと機能と何も変わっていない道を

じいちゃんからもらったカメラを肩にかけ、散歩に出る。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る