記憶のかけたオメガがヤンデレ溺愛王子に堕ちるまで

にんじん

プロローグ

「おーい、シェル 置いてくなよー、、ったく聞いてないな」


シェルは俺に荷物を全て持たせて先に駆けて行った。

「いいピクニック場所探してくるから!」


この時間は俺の唯一の楽しみであり、頬が緩んでしまう。


場所を見つけると言っていたシェルは花が沢山咲いたピクニックができない場所まで走っていったので、これは探す気ないなと諦めて自分でいい感じの木陰にサンドイッチの入ったカゴとシートを広げて。愛しい婚約者を捕まえに行く。


お花の中で蝶々を追いかけている。

気配を消して近づき、後ろから抱き上げる。


「すぐ逃げるんだからシェルは

俺がどれだけ我慢してると思ってるんだ」


「知ってるよ でもそんなこともうしないでしょ」


ニコッと笑う君。


「確かにしないけどさ、、もう王子なんてやだよ。いっその事君の騎士になってずっと一緒に居たいよ」


ほっぺを膨らませながらお姫様抱っこされているシェルのお腹に顔を押し付ける。


するとシェルは笑いながら

「そうしたら僕とは結婚できないよ?これでも公爵家の子息だからね」


「確かにそうか、捕まえて逃げれたとしてもすぐに見つかってしまいそうだな」


でしょ?と彼が言う。

記憶が戻っても彼が俺を怖がることはなく、受け入れてくれる。


もちろん彼が誘拐され、傷つけられたのは許せないが、やり直しのチャンスが訪れたのは間違いなくあの事件のおかげだ。


今は閉じ込めなくとも、僕の魔力が込められたネックレスを片時も体から離さないという条件で我慢できている。

彼が俺の思いに応えてくれたということもでかい。



「そういえばもうすぐで舞踏会があるだろ?もちろん紫とシルバーの衣装を送るからサイズとか確認してくれ。シェルのことで知らないことは無いが一応な」


「ははっ、わかったよ。僕の色も身につけてね?」


「もちろんさ。次の舞踏会は一緒に衣装を決めに行こうか」



そんな幸せな時間に俺らの幼なじみのフェリクスがやってくる。


「僕も息抜きに混ぜてよー。」


彼を見て無意識に舌打ちが出てしまう。


「そんな顔しないでーフェルノ 」くすっと笑ってくる。


彼は俺を刺激するように俺とシェルの間に座り。シェルの太ももに膝枕する。


「シェルも抵抗してくれよ、、俺はシェルのことになると余裕もないししんどいんだよ。俺以外の男や女と話すのを無言で許せるほど心が広くない。」


「もうまたそんなこと言って、リィには婚約者がいるんだからそんなこと考えてるわけないでしょ。それに僕の想いもいつも伝えてるじゃん」


「わかってるよ、ただシェルが減る、、」


「何回みてもこのオフモード、デレモードのフェルノは面白いよ」


睨みつけてしまう。


「ごめんごめん笑、からかいに来ただけだから仕事に戻りまーす」


そそくさと逃げていく彼に仕事を増やしてやろうかと思うが、シェルがこういう日は特に愛を伝えてくれるから許してやる。



正式な結婚まであと1年耐えろ、俺。

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