ゴロラ山?① 血の夜

「いや〜良い人だったなぁ…」

俺はワットさんに貰った雷吹のブーメランを眺めながら言った。


「はぁ…変なもの貰っちゃった…」

ニファはそう言い、ワットさんから貰ったを眺めた。


二ファとソロンが運転手を交代し、今はソロンが馬車を操っている。

そして当のソロンはずっと、何も話をしない。


「はぁあ…二人ともどうしたんだよ。ポットク鉱山では、俺に散々キレ散らかしてたくせにさ…」





————————


俺達は山の中継で一晩を過ごすことにした。


ニファはずっと落ち込んでいるし、ソロンはずっと何かを考えたままで、俺だけが美味しそうにを作っている。


「はぁあ…今日はニファの好物のだっていうのに…そんなにって言われたのが嫌だったのかよ」

俺はニファに問いかける。


「そりゃあ嫌よ。あんなこと言われたら、ますます勇者じゃなくなってるみたいじゃない。今でも若干、勇者から離れた生活をしているってのに…」

ニファは不貞腐れそうに言う。


「悪気はなかったんだと思うぜ。きっと、ニファは魔王と競えるぐらい強いって言いたかったんじゃないか!?そうだよ、きっと!!ほれ、カルボナーラでも食べて元気出せ、お前ら…!!」

俺は二人の前に、木の皿に入れたカルボナーラを置く。


「ありがと…それじゃあ、いただきます」


「うん!いただきます」

ニファは木のフォークでカルボナーラを一口頬張り、また一口、一口と頬張っていく。


「おかわり…」

数十秒後にニファが言った。


「はや…!!ちゃんと噛んで食えよ…」

食べてる途中だった俺は、ニファの皿を取り、鍋にに入ってるカルボナーラを取る。


「うまいのが悪い」

ニファは落ち込みながらも俺に対し、そう言った。


「喜んでもらい何よりだよ」

それにしても…ソロンは今だに、何かを考えながらゆっくりとカルボナーラを食べている。


「一体何をそんなに考えてるって言うんだよ…」

と、その時だった…!!


俺はこっちに向かってくる気配を察知する。

そしてそれは、も例外ではなかった。


「今の分かったか?」


「あぁ…ばっちりと分かったぜ」

ようやく解雇一番に、口を開いたソロンはそう言った。


で来ているようね、それもかなりの数」

ニファがそう口にした次の瞬間!崖の上からソイツは襲いかかる!!


そしてニファは、ソイツに後ろを向いたまま一回転し、でソイツを一刀両断してみせた。


血喰いの狼ブラッディウルフね。多分レントが倒したのはサブの部隊。そして本部隊がこっちね。きっとずっと後をつけられてたんだわ。不覚…」

ニファは後ろを向いたままそう答える。


そして次の瞬間から襲いかかるは狼の嵐。次々と、狼どもが山の上から襲いかかってきた。


「ソロン頼む!!」


「やりますかぁ…防御盾プロテクト・シールド×3」

そう言うと、ソロンは俺達の周りに円状の防御盾を三枚張った。


「すごい…王都うちの魔術師でも2枚が限界なのに…」


「だから言ったろ?王都のと俺ではレベルが違うって。今回は俺に全て、やらせてもらおうか…!!」

ソロンがそう高らかに言った。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る