ポットク鉱山④ 混乱
次の日の朝、ポットク鉱山下層部にある炭鉱では、鉱夫たちがせっせと鉱物を掘っていた。
「おーい!!そろそろ休憩にするぞ」
鉱夫のリーダーらしき人物がそう言うと、鉱夫たちは一斉に休みを取り始める。
と、その時だった……
グラグラグラ…
狭い坑道の壁や天井がわずかではない、落石が起きるほど揺れていたのだ。
「何だ!?地震だ。気を付けろ!!!」
混乱する鉱夫たちの後ろからは、怪しげな影が迫っていた。
————————
鉱夫たちの騒動は街の外れににいたレントたちにも伝わっていた。
「なんだか騒がしいんだが……」
長話に疲れ果てて寝ていた俺は、隣でだらしなく寝ていたノーサを引っ叩いて起こす。
「起きろ!!」
「いったぁい…!引っ叩かなくたっていいじゃない!!」
ノーサは俺に頭を叩かれると、頭を押さえたように飛び起きた。
良かった…酒は抜けてるなと俺は思った。ノーサは俺の話を聞いてる途中からヤケ酒をしながら号泣してたもんな。これだから酒飲みは嫌いなんだ。
「そんなことより、さっきから鉱夫たちが騒がしいんだが…お祭りでもやるのか?」
俺は寝起きのノーサに対して一番疑問に思っている事を問いかける。
「お祭り…いや、今日はないはずよ。でも確かに騒がしいわね……」
ノーサの工房の外へと出た俺たちは、下や上のあちこちから逃げ惑う人々の姿に唖然とした。
「おいおい、一体何なんだよ……」
困惑する俺たちに一人の鉱夫が慌てて話しかけてきた。
「君たち…早く逃げなさい!!」
「落ち着いてください…何が起こってるんです!?」
ノーサが鉱夫を落ち着かせるように彼に尋ねる。
「落ち着いてなんかいられるかい…!もうすぐここまでくるかもしれないってのに…」
「何が来てるんです!?」
「下を見たらわかる」
工房があるドームの側面から真ん中の大橋よりさらに下を見ると、大きくて素早い影がこちらに迫ってきていた。おそらく魔物だろう…
「マジかよ…ノーサ。俺、行ってくるわ!!」
「ちょっと…!行くってどこに!?」
「元凶の脳天をかちわりに行ってくる!!」
そう言い、俺は空中へとその身を乗り出した。
————————
下へと落下している俺は
「あれは……蜘蛛?」
一番下の階層にいたのは、俺の身長の何倍も大きな蜘蛛だった。
……体に岩がついてることからしてみると、
でもおかしいな…岩蜘蛛は地中に巣を掘ったらそこから動かないはず。どうして地中をうろうろしていたんだ??
まぁ…ここに出てきてしまった以上は倒すしか無いがな……
俺は蜘蛛の脳天に向かって相棒を向け、もの凄い勢いで落下する。
「
ガギン!!!!
蜘蛛と相棒の衝突により、周りには火花が飛び散った。
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