プロローグ① リベルソルジャーと金ピカ剣士の襲来

その日はいい天気の朝、

窓から差し込む光で目が覚める。


窓を開け、お湯を自家製の湯沸かし器で

沸かし、コーヒーをいれる。


花が咲き小鳥が鳴いている

こんないい日にお前というやつは



「お〜〜き〜〜ろ〜〜!!!!」



「ふひぇあ!!なんだお前か…朝っぱらから近所に迷惑やぞ……」


と間抜けな声でそいつは返す。


「バカ言ってんじゃねーよ!もう昼だぞ昼!この村で昼まで寝ている奴は村中探してもお前だけだ!」



ここ タワラ村 はこのギデサルム王国中の村でも特に人口が少ない、にも関わらず

現在ではギデサルムの中でも食糧の面で経済の

中枢を担っている村である。


お陰で毎日みんなあまりの忙しさでノロイーゼになりかけてる奴もいるってってのに

この村の英雄がこの有り様…バカげてるぜ。


「自称 一流 魔法師のソロンさんよぉ〜そんなギャーギャーうるせーからいつまで立っても彼女一人もできねーんだよ」



プチン


「…………オイ」




「フェ?」


「このまま俺のファイヤーボールで火だるまになるか、着替えてさっさと働きに行くかどっちか選べ…」


「わった、わかったよ働きに行ってくるから、だかその物騒な杖を下ろしてな?な!?」


「ちっ、さっさとしろ!!」


俺が喝を入れるとアイツはさっそうと部屋から出ていった。全く俺の朝のルーティーンが台無しだ…………




「カノジョ欲しいな…(ボソッ)」


***


俺はこの村でリペルソルジャーと

呼ばれている男だ。


元はソロンという魔術師の友達と旅をしていたが、

ひょっこり魔物の大群に支配されていた村を救い、

今ではこの村で英雄扱い…(今では、この町に家をもらい、ソロンと一緒に生活している)

リペルソルジャーという二つ名も

その時につけてもらった名だ。


なぜ、そう呼ばれてるかって?それは後々話すとして……


たく、今日もソロンの奴はいっつもうるさい…

でも、早く出ないとまたブチギレられる


俺は急いで身支度をし、装備を整えた。


「おっと、これは忘れちゃだめだね」



そう言って玄関近くに立ててあるスコップを手に取った


「今日もよろしく頼むぜ …相棒 」



――――



俺の仕事場は常にガヤついている。

いつもは静かなのになぁ〜…



寄生ツタ植物パラサイトヴァインだって?!」


「森に出たらしいぞ!」「やばいよ、やばいよ!」


「すみません、寄生ツタ植物パラサイトヴァイン討伐してくれませんか?お願いします!!お願いします!!」


寄生ツタ植物パラサイトヴァインこれで3匹目よ!?もうどうしたらいいの?!だれか〜!」





「あっ、俺 寄生ツタ植物パラサイトヴァイン 討伐クエスト受けましょうか?」



その瞬間、受付嬢や他の奴らが一斉にこっちをぎょっと見てきた。まるで魚が餌をみるような目つきでな。



「リペルソルジャーさんだ〜〜!!!」


「うぉぉぉー我らが英雄!我らが英雄!!」


「今日は勝ち申したぁ〜でぇ〜」


「今夜はパーティーね!」


俺の仕事は冒険者(討伐隊)である

村の脅威となるモンスターを片っ端からぶちのめす職業だ。

っていってもこの町はろくな討伐依頼が来ない。

まぁ、最果ての町だしな…


せいぜい獲物は

ちっこいくま か イノシシ ぐらいしかいない。


なのに、いつもここが騒がしいのは

酒臭いおっさんたちが酒を常に飲んでいるからだ。



「討伐依頼は4人で行わないといけないので、

誰か組んでくれる人いませんか〜?」



通常、討伐依頼は4人以上で行う。

これは主に2人以上を前衛に立たせて残りの

2人で回復、蘇生、撤退の指示をするためである。

戦っていると周りが見えなくなる奴が

中々多いからな。

ギデサルム討伐令法にて定められているらしい(俺は覚えとらんけど)ってソロンが前に教えてくれたっけ。


《???》「フッ…俺達の力が必要なようだな」


おっ、こいつらは確か……


《スー》「僕は末っ子のスー」

《フー》「私は長女のフー」

《シー》「そして俺が長男シー様だ!

やい、リペルソルジャー!どうやらオレ様達

シーフースー の力が必要なようだな!」


《リペルソルジャー》「ガキどもは帰って

シーフードスープでも飲んでろ

役に立たなそうだから」


《スー》「うぇぇぇん〜(泣)兄貴〜リペソルが僕らのこと役立たずって言ってくるよぉ〜」

《シー》「おい、リペソル!!!俺の可愛い弟を泣かすんじゃねえ!大体、お前も14歳で俺より2つ年下じゃないか!!!」

《フー》「そうだそーだ!」


「おい、リペソルって呼ぶな!呼ぶなら名前か

正式名称で呼んでくれ。

あとシー、お前は14歳の俺に勝てるように

努力しな、年下に124戦123敗は

冒険者としての名が泣くぜ(笑)」


《シー》「うるせぇ!リペソルのくせに!!」




その時だった


「おい」

その声を聴いた瞬間、ガヤついていた酒場兼ギルドの中が静まり返った。

そいつは金色の兜に鎧、足枷を履いていて

なんか…ゴージャスだ


俺達もそいつのただならぬ

雰囲気を感じ取り、警戒態勢に入る。


しかしそいつの口から出たのは意外な言葉だった



「私もその討伐…参加させてくれないか?」





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