第25話 因縁?をつけられる

「あっ! ダーリン見つけた!! 」


「農家をか!? 」


「何言ってんの……セリカだよ。なんで農家? 」


メリアが指さした場所を見てみると確かにセリカがいた。


「とりあえず行ってみようか」


「うん! 」


「はいっ♡ 」


ふわりと地面に着地し、セリカの肩を叩く。


「ヘルク! それにメリアちゃんとツムギちゃんも! 三人とももうサークル決まったのかい? 」


「俺たちは入らないぞ」


「その代わりダーリンに王都のスイーツ屋さんとかパフェとか色々連れて行ってもらうんだ〜♡ 」


「そういうセリカは決まったのか? 」


「いやぁ……今の所イマイチピンとくるのがなくて、ボクも入らないで置こうかと考えてたんだけど……」


「勿体ないです。セリカ殿はこの学園騎士団サークルに入るべきです。さぁ、私たちと共に学園の平和を守りましょう! 」


「離してくれなくてね……」


暑苦しいな。

見たところセリカは困っている。本人が入りたいなら進めるが、嫌がっているのに無理に入らせようとするのはおかしい。


「おい、セリカが困っているだろう」


「なんですか貴方は。……見るからにヒョロく、オモチャの剣すらも持てなそうな人ですね。こんな人とつるむのなら、尚更このわたしたちのサークルにーーー」


はぁ……。

なぜ俺はこうも人に嫌がられるんだ……。ちょっと悲しい。


ピキッっっっっ。


「キシヌベール・アチャナチハさん。今のはこのボクの友人に対する侮辱と受け取るが、いいかい? 」


空気が変わった。

腰の剣に手をかけているセリカが、冷たくそう呟いた。


「そ、そういう訳ではないのですが。セリカ殿は剣聖の息子であられますし、あんな男とつるむ時間なんてないはずだと」


「もういい。……それにボクを剣聖の息子などと呼ばないでくれ。もうボクと、その友人に関わらないで。ヘルク行こう」


「お、おう」


こうしてこの場をさろうとしたのだが。


「納得行きません!!!! なぜ、なぜぇぇぇぇぇぇ。明日の昼闘技場にそこの男と来てください。セリカ殿が、学園でどちらと居るべきかハッキリさせてやります」


おいおい。ちょっと待ってくれ。


「はぁ? なんで勝手に話進めてんだよ。お前と決闘するメリットが見当たらない。セリカがどっちといるべきだぁ? そんなんてめぇが決める事じゃないだろうが。セリカが決めることだろう」


「貴方が私に口をきくなぁぁぁぁ!!!! 」


なんて自己中な奴なんだ。


「ヘルク……すまない。あの人は家同士で交流があるんだ。それに上級生からの決闘の申し込みは下級生は断れないルールなんだ。巻き込んでしまっうことになってすまない。……ボクが歯向かわなければ」


セリカが申し訳なさそうに耳打ちしてきた。

そんなセリカの背中をポンポンと叩いて言う。


「俺のために怒ってくれて嬉しかったぞ。……少し惚れた。お前が女だったら確実にハーレムに入れていた」


「そうか……いつもだったらボクは拒否られるのに」


こいつ、普通に顔たちは女みたいに綺麗だ。

男だけどアリ……やっぱナシ。俺は信念は曲げない。


「残念……。けど、絶対いつかぎゃふんってなるからね」


「ほう、言わせてみるがいい」


「私の前でぇぇえ!!! イチャイチャするなぁぁぁぁ!!! 」


ブチギレる、ええと。ヌキヌキベール?

それを見て顔を見合わせる俺たち。


「「男とイチャイチャなんてしない……(だよね? )」」


「それと私の名前はヌキヌキベールなんて卑猥な名前じゃなああああああい!!!!! イカ! 決まりだからな。明日の昼闘技場に来るんだ。来なかったら入部届けに勝手にセリカ殿の名前を書いて提出するからな」


「だめだろそれ……」


何故か因縁をつけられて、2年生のヌキヌキベールと決闘をすることになってしまったのであった。


「ダーリンの名前覚えれないのは健在なのね。にしても、ヌキヌキベールはウケる……! 」


「ちょっとメリア! 本人いる! 本人いるからぁ〜!! 」


「「「ぷぷぷっ……! ヌキ、ヌキヌキベール……ぷっ……!!!! 」」」


なんの騒ぎだと集まってきたやつらも、必死に笑いを堪えていた。


それに連れてヌキヌキベールは顔真っ赤っか!


「覚えてろよおおおおお!!!!! 」


きゃいん! きゃいん!

そんな叫びと重なって、走り去って行くのであった……。



――――――――――――――――――

【あとがき】

「続きが気になる!」「面白い!」「ハーレム要因だヨシ!」「ヌキヌキベールは草」と少しでも思って頂けましたら、 広告下からフォローと星を入れていただけますと、幸いです。皆様の応援が、執筆の原動力となります!よろしくお願い致します!


ちなみにヌキヌキベールのくだり、作者は笑いを堪えながら書いてましたまる。――――――――――――――――――

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