第18話 悪魔神、失禁女を奴隷にする(不本意)

【まえがき】

更新遅れてすいません!




色んな教室を回り、行く先々でこいつらと交流(?)を深めることが出来た。


次が最後なのだが。

しっかし……。一つ思うところがある。


「あのやべぇ新入生知ってるか? なんでも入学試験で10万点を叩き出したとか……」


「あーあれな。10万パーセント裏口入学のあれ」


「けどあの学園長だぞ? 有名な貴族ですらもそんなバカみたいな点数つけた事ないだろ」


「おいおい……そんな大声で学園長のこと言うなよ。消されるぞ」


「そ、そうだな。つーか、試しにその10万点のやつ呼び出して、俺たちの財布にしね? 」


「いーなそれ! けど10万、10万ばかりで名前はそういえば知らねぇよな俺ら。ま、Sランク教室見に行って見るからに雑魚そうなのがいたらそいつだろ」


そう、何故か俺の話題ばかりなのだ。

しかも大体の確率でこんな話ばかり。


この学園は本当に大丈夫なのかと不安になってきた。


ここまでだと腐った2年次生しか居ないが、たまには「凄いよねー」とか「その子会ってみたいよねー」とか、「食べたゃいたい」とか穏やかな会話をしている所に遭遇することもあった。……俺を食べても悪魔神の血に耐えきれずに身体が爆散するだけだから、辞めておいた方が吉だと伝えるべきか迷ったが、幸いあっちは俺だと気づいてなかったのでスルーした。


卒業するまで合わないことを祈る。


そういえばだが、お姉さんキャラがまだ居ないーーー

確認しようと辺りを見渡す。あいつらが忽然と姿を消した。


否、前方でグロい音がしだした。


ぐちゃ……。ごりっ……。ごきっ……。


ガラガラとドアを開けると、返り血を浴びたエニナ、床には色んなところかあらぬ方向に曲がった男子生徒。


本日n回目の光景である……。

エニナが【狂戦士】になっている。


こいつならインチキ勇者も倒せてしまいそう。


何回も見た光景ではあるが、他とは違う箇所がある。

ここは体育館であり、スポーツをしていた生徒が何人かいたということ。


即ちエニナの楽しい殺戮激の犯行現場をガッツリと見られてしまった。


まずい、このままではエニナが怒られてしまう……。

そう考えた俺は、1箇所に固まって、肩を寄せあって震えている目撃者に笑顔を向けながら、ゆっくり歩み寄る。


「ひ、ひ……お許しを……」


「だ、誰にも言いませんから!!! 命! 命だけはお助けを!!!! 」


「あぅ……」


誰にも言わない、この言葉ほど信じられないものは無い。

これを許したら、一日後には大半に広まってしまうだろう。


一人白目を向いて失禁している女をのぞいて、他の奴らに微笑む。


「な、なんて温厚なお方なんだ!! 今見た事は墓場まで持っていきます!!!!!! では、し、失礼しますね」


「ん? 何を勘違いしているんだ。墓場まで持っていく必要などない。貴様らにはここでの記憶を無くしてもらう」


「へ……? それは、どういう……」


「【記憶消去】」


こいつら全員の記憶を刈り取る。

消去とは言っても、生まれてから今までの記憶を消した訳じゃあない。


ただ体育館での出来事がスッキリ消えて無くなっただけだ。

意識が戻ったらこいつらは、何事も無かったかのようにスポーツでもし出すはずだ。


こいつらはこれでもういいだろう。

問題はこっちだ。


失禁したままピクリとも動かない女に目を向ける。


どうしたものかと考えていると、メリアが抱きついて俺の腕にむにっと胸を押し付けてきた。


「あっ、またダーリンハーレム増やすの? 」


「増やさねぇよ!? ただ失禁してるから無理に【記憶消去】しなくてもいいかなって思っただけだ」


あれ、後遺症残ったりしかねない魔法だし。

この様子なら記憶飛んでそうだと判断したわけだ。


「記憶消去て……ダーリンさらっとエグいことしたね」


「あんなんを教師に報告されてみろ。エニナが怒られてしまうではないか。反省文とかになったら可哀想だからな」


「いやダーリン……生徒半殺しにして反省文だけじゃ絶対済まないよ」


「俺が元の姿に完全回復させてるのにか? 」


「そ、それでも反省文だけで済むことはないと思うな。……それと、あいつら早く回復させないと死にそう」


「やれやれ、【存在消去】であいつらを消してやっても構わんのだがな」


「あーしでもそれは引くよっ!? 」


「冗談だ、余程の大罪を犯した奴くらいにしか使わん」


「そんな魔法を使えるのは冗談じゃないのね……。例えば〜? ……んーと、エニナの姉御を傷つけるような人がいたら? やっちゃう? 」


「当然だろう。そいつの家族もろとも消してやる」


「ないとは思うけどそれがどっかの国のお偉いさんとかだったらどうするの? 」


「その国ごと消し飛ばす。【存在消去】では生ぬるい。地獄よりも苦しい痛みを味合わせながらなぶってくれるわ」


「ダーリンが魔王に見えてきた……」


惜しい魔王ではなく、悪魔神なのだがな。


仕方なく血溜まりの中横たわっている奴らを、回復してやり記憶も消去した。ぽいっと気絶してる奴らのとこにまとめておいた。


【洗浄】魔法で血がどっぷりついたエニナの学生服を綺麗にしてやると、こいつも抱きついてきたので頭を撫でてやる。

髪がサラサラとしてて、撫でていて気持ちいい。それにいい匂いがする。


しばらくエニナを堪能してから、体育館を後にしようとすると。


「まって……」


と、声をかけられた。

振り向くと、おもらし失禁女が内股で、股の部分を手で抑えながら歩いてきた。


さては、記憶が残ってそうだ。

めんどくさいし、少し可哀想ではあるがこいつにも【記憶消去】をするか……。


こいつの頭に手をやり、魔法を発動させようとして、辞めた。


「お願いします……このわたくしめを仲間にしてください……なんでも致しますので」


土下座したかと思えば、そんなことを言ってきた。


「失禁女の仲間なんていらないんだが……」


漏らしたせいで、少し臭いし……。

顔はまぁ上々ではある。


「てかなんで? 俺のこと知ってたのか? 知ってるなら何故関わろうとしてんだ? ここにくるまでの話を聞くに、俺は裏口入学しただの、裏金を積みまくっただの、学園長か教師の隠し子だの言われまくってるわけだ。なら、仲間になりたがる理由が分からないな」


「そ、その……言い難いんですが、わたくしめは2年生の中で1番最下位でして、同級生の貴族に奴隷のように扱われてますの」


それを聞いて、エニナたちは驚く。


俺は呆れていた。

また貴族か、と。本当に腐った人間しか居なくて虫唾が走る。


「ヘルク様になら、ゴミでも便所でもおもらし女でも、失禁女でもなんと呼ばれても構いませんので、どうか助けてください……」


また、土下座するこいつ。


「いや、言わねぇよ!? 失禁女ならまだしも、他は言わないよ!? それ言ったらそいつらと同じじゃねぇか。てか名前で呼ぶぞちゃんと……」


「シルフィーです。シルフィー・トラニミーム。どうぞ失禁女とお呼びください」


「シルフィーか、いい名前じゃねぇか」


「……!? あっ、ありがとうございます」


「さっきは失禁女とか言って悪かったな。ま、見ての通り俺の周りは女が多いからお前も溶け込みやすいだろうよ」


「……! で、では仲間に加えて頂けるのですか!? 」


「ああ。事情聞いたらそりゃそうだろうよ。つーか、他のやつは誰もたすけてくれないのか? 」


「その……わたくしめが目をつけられたのがこの王国の大貴族でして、誰もが報復を恐れて助けてくれないのです」


「なんかデジャブ……」


「? 」


「ああ、こっちの話。そこの桃色の髪の子いるだろ? エニナつんだけど、エニナも似たような境遇になりかけたんだ」


「入学したてですのに!? 」


「厳密に言えば入学する前から。まぁ、そのバカカス? あれ、名前何だったけな……まぁそんな感じの家名のやつ」


「ああバススカ家のあの方ですか……」


「ま、だからシルフィーも守ってやるよ」


「ありがとうございますヘルク様……ヘルク様になら奴隷にされても構わないですぅぅぅ♡♡♡♡♡ いや、是非してください♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ 」


「それだと本末転倒だろ……」


「お願いです♡♡♡♡♡♡♡ 」


ここまで言うなら仕方ないか。

2年生のシルフィーこと失禁女が、俺の奴隷になったのであった。


いや、ほんとなんで?



――――――――――――――――――

【あとがき】

「続きが気になる!」「面白い!」「ハーレム要因だヨシ!」「また新しい女つかまえて……」「この女……やべぇ」と少しでも思って頂けましたら、 広告下からフォローと星を入れていただけますと、幸いです。皆様の応援が、執筆の原動力となります!よろしくお願い致します! ――――――――――――――――――

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